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健達ねっと>映画・ドラマ>認知症>愛する人との最期の旅「スーパーノヴァ」~若年性認知症と向き合う勇気

愛する人との最期の旅「スーパーノヴァ」~若年性認知症と向き合う勇気

  • 公開/放送日:2021年7月1日

あらすじ

ピアニストのサムと作家のタスカーは、20年来のパートナー。

タスカーは若年性認知症と診断され、病状は静かに進行していた。
二人は愛犬を連れてキャンピングカーで、思い出の地を巡る旅に出る。

美しいイギリスの湖水地方を訪れながら、家族や友人に再会していく。
しかしサムは知らなかった。タスカーが秘密裏に立てていたある計画を……。

特徴・見どころ

本作『スーパーノヴァ』は、コリン・ファースとスタンリー・トゥッチという、名実ともにイギリスを代表する二人の名優が、20年来のパートナーを演じた、静かで熱い魂の感動作です。

「銀幕の恋人」ならぬ、長年連れ添った「熟年カップル」の阿吽(あうん)の空気感を、言葉少なに、しかし圧倒的な説得力で体現しています。
物語の核となるのは、若年性認知症という残酷な運命と、それを前にした二人の「愛の選択」です。

言葉を失う作家と、音を奏でるピアニスト

作家であるタスカー(スタンリー・トゥッチ)は、若年性認知症と診断され、徐々に言葉や記憶を失いつつあります。

一方、ピアニストのサム(コリン・ファース)は、演奏活動を休止し、恋人の最期の時間を支える決意をしています。
二人は、キャンピングカーに乗り込み、思い出の地や友人たちを訪ねる旅に出ます。
それは、記憶が消えゆく前の、人生最後の輝きを心に焼き付けるための旅でもありました。

美しいイギリスの風景の中で交わされる、ユーモラスな会話の端々に滲む、互いを想うがゆえの不安と恐怖。
二人の演技は、病気への恐れだけでなく、長年築き上げてきた信頼と愛情の深さを痛いほどに伝えてきます。

「忘れていくこと」と「自分らしくあること」の対立

旅が進むにつれ、タスカーの病状は進行し、アルツハイマー病の進行による人格の変化や失敗が顕著になっていきます。
そこで明らかになるのは、二人の「最期」に対する考え方の決定的な違いでした。

サムは、どんな状態になっても生きていてほしい、自分が全力で介護すると願います。
しかし、タスカーは、自分が自分であるうちに、尊厳を持って人生の幕を引くことを望んでいたのです。
「愛する人の重荷になりたくない」という想いと、「愛する人を失いたくない」という想い。

どちらも正しく、どちらも深い愛であるからこそ、二人の葛藤は観る者の胸を締め付けます。

タイトル「スーパーノヴァ(超新星)」が意味するもの

タイトルの「スーパーノヴァ」とは、星がその寿命を終える瞬間に放つ、強烈な輝き(超新星爆発)を意味します。
タスカーにとって、記憶を失い、ただ呼吸をするだけの存在になることは、死よりも恐ろしいことでした。
彼は、自分が最も輝いていた記憶を持ったまま、星のように散ることを選ぼうとします。

人生の終わりをどう迎えるか、尊厳ある選択とは何か。
正解のない問いを突きつけながらも、ラストシーンに訪れる静寂は、愛の究極の形を私たちに示してくれます。
大切な人と過ごす「今」この瞬間の愛おしさを、改めて噛みしめたくなる傑作です。

作品詳細

監督 ハリー・マックイーン
脚本家 ハリー・マックイーン
主要キャスト
上映時間 95分
放送局/制作 StudioCanal|BBC Films
イギリス
公式サイト 公式サイトを見る

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売

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