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トップページ>認知症を学ぶ>うつ病治療に必要なことは?家族の接し方についても紹介

うつ病治療に必要なことは?家族の接し方についても紹介

社会で生活していると、様々なストレスを避けることは困難であり、うつ病を患ってしまう方もいます。

もし、自分の家族がうつ病になってしまったら、どのような対応を取れば良いのでしょうか?

家族の症状に気づくためにも、うつ病に対する理解を深めておくことが必要です。

本記事ではうつ病について、以下の点を中心に解説していきます。

  • うつ病の治療方法
  • うつ病治療の期間
  • 家族はどのように接すれば良いのか

うつ病の治療について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。

うつ病とは

厚生労働省は、うつ病を「精神的ストレスや身体的ストレスなどを背景に、脳がうまく働かなくなっている状態」と定義しています。

うつ病の仕組み

うつ病発症のメカニズムについては、はっきりと解明はされていません。

セロトニン・ドパミンなど、脳の神経伝達物質の乱れが原因、という説もあります。

主な症状

うつ病によって引き起こされる主な症状は、下記の通りです。

  • 抑うつ気分
  • 思考の変化(悲観的、否定的)
  • 意欲低下
  • 無気力
  • 睡眠障害
  • 食欲不振 など

ほかにも頭痛や肩こり、めまいといった身体的症状が出現するケースもあります。

うつ病の主な原因

病気や痛みなどの身体的ストレス、不安感による精神的ストレスが、うつ病を誘発すると言われています。

最近では、職場での人間関係、ハラスメント行為などの社会的ストレスが、原因となることも増えています。

参照:厚生労働省【うつ病|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

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うつ病の治療方法

うつ病に対しては、どのような治療が行われているのでしょうか。
この項目ではうつ病の治療方法について解説していきます。

休養

うつ病に悩む方は、過度なストレス環境にいて、身体的・精神的にかなり疲労しています。

まずは心を落ち着かせ、十分な休養を取ることが大切です。

ひと時だけでも、職場や学校から離れることで、症状が改善に転じるケースもあります。

ストレスを感じにくい環境を作り、なるべくリラックスして過ごすようにします。

薬物治療

抗うつ薬を用いることで、脳内の神経伝達物質のバランスを整え、うつ病改善を図ります。

他にも気分安定剤や睡眠導入剤など、個人の症状に合わせた治療薬が処方されます。

薬効には個人差があり、効果が出始めるまで数週間かかるケースもあります。

効かないからといって、自己判断で服用を中止したり、量を増やしたりするのは、症状の悪化にもつながるので注意が必要です。

精神療法

休息、薬物治療のほかにも、ストレスへの対処方法を学ぶ精神療法も、治療の1つとして行われています。

認知行動療法

認知行動療法では、不安に思ったり、辛くなったりした時に、悲観的な思考から脱却できる方法を学びます。

ただ楽観視できれば良いというわけではありません。
ポジティブとネガティブ、バランスのよい思考癖を持てるよう援助していきます。

対人関係療法

コミュニケーション面でつらいと感じていることを、治療者と一緒に探していきます。

場合によってはロールプレイで練習をしたり、実際場面での練習を行います。

少しずつコミュニケーションの自信をつけてもらい、社会復帰を援助していきます。

物理療法

症状が重度で、薬物療法や精神療法でも目立った改善が見られない場合、物理療法を実施することもあります。

高照度光療法

高照度光器具を使って、強い光を30分〜1時間浴びる治療方法です。

光を浴びることで、体内時計の乱れや気分障害が改善されると言われています。

修正型電気けいれん療法

自殺念慮が強く、命の危険性が高い場合に行われる治療方法です。

全身麻酔を行い脳に電気刺激を与えます。
そのため、身体への負担が大きく、実施には慎重な判断が求められます。

経頭蓋磁気刺激法

前頭葉に磁気による刺激を与え、脳細胞の活性化を図る治療です。

参照:厚生労働省【うつ病|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

うつ病に使用される治療薬

うつ病の治療薬として用いられる「抗不安薬」には、様々な種類が存在します。
それぞれどのような薬なのかまとめてみました。

治療薬の種類一覧

三環系

  • イミプラミン
  • アミトリプチリン
  • トリミプラミン

初期に開発された抗うつ薬であり、成分の構造から三環系と呼ばれています。
副作用として、口渇・便秘などの症状が出現することがあります。

四環系

  • マプロチリン
  • ミアンセリン
  • セチプチリン

三環系に続いて開発されたのが、四環系抗うつ薬です。
三環系と比べて副作用が出にくいのが特徴です。
しかし、うつ症状に対する効果は控え目になっています。

SSRI

  • パロキセチン
  • フルボキサミン

選択的セロトニン再取り込み阻害薬とも呼ばれています。
後述するSNRI・NaSSAと同じく「新規抗うつ薬」に分類されます。

うつ病の原因と考えられているセロトニンに作用し、脳内の神経伝達物質のバランスを整える効果があります。

三環系・四環系の抗うつ薬と比べ、副作用が少なく、日本でも多く用いられている薬です。

SNRI

  • ミルナシプラン

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)も、SSRIと同じく副作用の少ない薬とされています。

セロトニン・ノルアドレナリンの2つに作用し、脳内の情報伝達を改善させます。
その結果、うつ病の症状を抑えることができます。

NaSSA

  • ミルタザピン

SSRI、SNRIとは違った機序でセロトニンとノルアドレナリンに作用する薬です。

2009年に製造が承認された、比較的新しい抗うつ薬です。

新規抗うつ薬の副作用

SSRI、SNRIといった新規抗うつ薬は、副作用自体が少ないと言われています。
しかし、人によっては吐き気や嘔吐などの症状が見られることがあります。

副作用がなかなか治まらない場合には、主治医に相談し、薬の種類や量を調整してもらうようにしましょう。

うつ病治療の流れ

うつ病の治療は、一般的に

  • 急性期
  • 回復期
  • 再発防止期

の3つの経過を段階的に辿っていきます。

急性期

強いストレス環境にあり、うつ病の症状が最も出現している時期です。

薬物治療を中心に治療介入が行われますが、何より大事なのはストレス環境から離れ、休息を取ることです。

症状にもよりますが、改善傾向に転じるのには時間がかかります。
焦らず、ゆっくり治療を継続していく必要があります。

回復期

治療を継続していると徐々に症状が和らいでいき、回復期へと移行します。

回復期では、体調の良い日・悪い日が波のように繰り返します。
そのため、安定してきたからといって、すぐに治療を止めてしまうのは危険です。

もし可能であれば、この時期から「うつ病になってしまった経緯」について見つめなおしましょう。

そして、少しずつ社会復帰に向けて活動していきます。

再発防止期

回復期を経て社会復帰したとしても、1〜2年は再発防止期として、治療や観察を続けていきます。

良くなったと思っても、仕事復帰するとまた再発してしまうケースも少なくありません。

復職し、調子を見ながら医師と相談していきましょう。

服薬中止など、治療終了に向けて取り組む時期になります。

うつ病治療ができる病院

精神疾患を専門とする、

  • 精神科
  • 神経科
  • 心療内科

でうつ病の治療を受けることができます。

心療内科は心身症(心因的要因が原因で、身体に症状が現れる病気)の治療が専門ですが、うつ病の治療も行っています。

近くに該当する医療機関がない場合は、慣れたかかりつけ医に相談してみましょう。

大事なのは、症状に気づいたら早めに医療機関を受診するという事です。

うつ病の平均的な治療期間は?

うつ病の治療にはどのくらいの時間を要するのでしょうか?
ここで、うつ病の平均的な治療期間について解説していきます。

主な治療期間

軽度であれば、1~3か月程度で症状が和らいでいくケースもあります。

しかし、再発予防のための治療・観察時期を含めると、完治と判断されるまで数年かかることも少なくありません。

なかには10年以上病院へ通い、うつ病と戦い続けている方もいます。

うつ病治療を途中で辞めてしまったら

うつ病は完治するまで時間がかかり、再発しやすい病気とされています。

「治った」と自己判断し、薬の服用を止めてしまったり、ストレス環境に戻ったりすると、さらに症状が悪化してしまうリスクもあります。

うつ病治療は医師の判断のもと、根気強く続けていくことが大切です。

うつ病の治療費

費用に関しても、どのような治療を行うかによって差が発生します。

重度うつ病に対する物理療法では、医療器械を使った治療を数週間〜数か月行います。

そのため、治療費は数十万と高額になることがあります。

しかし、ほとんどの場合は保険適用内です。

年間10万円以上本人が費用を負担すると、医療費控除制度の対象となります。

うつ病の検査方法

病院を受診すると、どのような方法でうつ病の検査を行っているのでしょうか?
この項目では、医療機関で行われているうつ病検査について解説していきます。

病院での検査方法

近年ではうつ病の検査として、光トポグラフィー検査を行う医療機関が増えています。

光トポグラフィー検査は、近赤外線を用いて脳の血流変化を測定するものです。

血流パターンから、うつ病だけでなく統合失調症、双極性障害などに分類が可能となっています。

セルフチェックによる診断

医師はDSM-5の診断基準を用いてうつ病の診断をしています。

この診断基準では下記のような、気分や生活状況に関する確認項目があります。

  • 気分の落ち込みはないか
  • 意欲の低下はないか
  • 食欲が低下し、体重減少している
  • 不眠、または過眠である
  • いつも疲労感があるか
  • 集中力が低下していないか など

DSM-5の診断基準は医師が扱うものであり、一般の方がこの基準を用いて自己判断することはできません。

これらの確認項目はあくまで参考です。

症状を不安に思った方は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

その他

うつ病の方は、自律神経失調症などを併発していることも少なくないです。

そのため、他の病気の有無や関連を明らかにするため、血液検査や心電図検査を行うこともあります。

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うつ病にならないための過ごし方

うつ病を予防するためには、普段からどのような点に気を付けていれば良いのでしょうか?
おすすめの生活習慣や、考え方についてお話していきます。

生活のリズムを作る

正しい生活リズムを作り自律神経を整えることは、うつ病予防として有効です。

起きたらカーテンを開けて日光を全身に浴びることで、朝からしっかり覚醒できます。
そして、夜に自然と眠くなる体質となっていきます。

健康的な生活をする

適度に運動を取り入れ、ストレスを発散する習慣を身につけることも大切です。

バランスの取れた食生活、十分な睡眠をとるなど、健康的な生活を送ることが、うつ病改善の基本になります。

自分を追い込まない

完璧を求めて自分を追い込んでしまう方は、ストレスをため込みやすい傾向にあります。

「これだけしかできなかった…」と悲観的になるのではなく、「これだけできたから十分!」と、考え方を変えてみる練習も効果的です。

うつ病に対して家族ができることは?

症状を隠し、誰にも症状を相談することができないうつ病の方は多くいます。
また、自分自身でもストレス症状に気づかない場合もあります。

そのため、普段から周囲にいる家族の対応が重要になってきます。

症状に気づいたら、すぐにでも病院に連れていきたい気持ちも分かりますが、まずは本人の意思を尊重し、お話を聞いてください。

話を聞くときも質問攻めにするのではなく、本人から話すのを待ってみましょう。

はじめは話せなくとも、次第に心を開いて悩みを相談してくれることもあります。

援助する家族のメンタルケアも忘れてはいけません。

家族の問題は外には相談しにくいかもしれません。
しかし、家族だけで抱え込むとなかなか解決に至らないケースもあります。

公的機関では電話・インターネットによる相談窓口を設けています。
辛い時は利用を検討してみてください。

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女性と高齢者のうつ病

女性や高齢者はうつ病になりやすいと言われています。
なぜ女性・高齢者のうつは多いのでしょうか?

女性のうつ病

女性は結婚や出産などライフステージが変化するイベントが多いです。
そのため、環境変化によるストレスを受けやすいとされています。

また、1人で育児の問題を抱え込んでしまう「産後うつ」に陥る方も多いです。

近年では自治体によるサポートや、子育て援助を行う事業所も増えてきています。

積極的に利用することも考えておくと良いかもしれません。

高齢者のうつ病

病気に対する不安感、死に対する恐怖感など、高齢者が感じるストレスも多いです。

家族の死別により一人暮らしをしていて、なかなか他者に相談できないことも、高齢者うつ増加の要因です。

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うつ病で入院することはあるの?

通院治療での対応が多いうつ病ですが、症状が重度の場合は入院することもあります。

自殺念慮、暴力行為など、直接命に関わる問題があると医師が判断すると、入院による薬物治療が行われます。

うつ病治療に向けたガイドライン

うつ病治療に向けたガイドラインとして、『日本うつ病学会治療ガイドライン(日本うつ病学会)』があります。

このガイドラインはDSM-5に基づき、下記の項目についてまとめられています。

  • 診断時に情報収集すべき項目
  • 施行すべき検査
  • 注意すべき徴候
  • 治療に関して考慮する点 など

医療者だけでなく、患者がより良い治療を受けるため、広く利用することを目的に作られたガイドラインです。

参照:日本うつ病学会【日本うつ病学会治療ガイドライン

うつ病治療に対する個人の意識

厚生労働省『こころの健康(自殺対策)に関する世論調査』では、精神科の受診傾向についてまとめています。

この報告によると、自身がうつ病症状に気づいた時、精神科病院へ相談すると思うと答えたのは56.5%、思わないと回答したのは34.8%となっています。

精神科へ相談しに行くことに、抵抗を持っている方も少なくないことが分かります。

しかし、うつ病は他の生活習慣病へとつながるリスクもあります。

放置せず早めの受診を心がけるようにしましょう。

参照:厚生労働省【こころの健康(自殺対策)に関する世論調査

うつ病の治療まとめ

ここまでうつ病について、治療方法、治療期間、家族の対応方法などについてご紹介してきました。

本記事のポイントをおさらいすると、以下の通りです。

  • うつ病の治療には、十分な休息をとる・薬物治療・物理療法が行われている
  • うつ症状は軽症であれば1~3か月で徐々に改善傾向となっていく
  • 家族の対応としては、安心できる環境を提供し、話を傾聴していくことが大切

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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