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トップページ>認知症を学ぶ>WHOの認知症予防ガイドライン>【WHO推奨】認知症リスク低減のためのポイント|健康的な食事

【WHO推奨】認知症リスク低減のためのポイント|健康的な食事

認知症はさまざまなことが原因で発症します。

WHOは認知症のリスクを低減するためのガイドラインを公表しています。
本記事ではそのガイドラインで推奨されている12のアプローチの中から「健康的な食事(栄養的介入)」について詳しく解説しています。

  • 健康的な食事をすることで認知症の発症リスクは抑えられるのか
  • 健康的な食事をするためには何を行えばよいのか
  • 認知症のリスクを低減するための食事で注意すべき点とは

健康的な食事と認知症発症の関連性について理解するためにも、参考にしていただければ幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

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WHOガイドライン|健康的な食事


WHOが発表した認知機能低下および認知症のリスク低減ガイドラインでは、バランスのよい食事ということを推奨しています。
しかしバランスがよければ何をどれだけ食べてもよいということではなく、健康的な食事を意識しなければなりません。

では、健康的な食事とはどのような食事なのでしょうか

WHOは、健康的な食事の内容を以下のように定めています。

  • 果物、野菜、豆類(レンズ豆、豆など)、ナッツ、全粒穀物(未加工のトウモロコシ、キビ、オート麦、小麦、玄米など)
  • 1 日あたり最低 400 g(5 人前)の果物と野菜。ジャガイモ、サツマイモ、キャッサバ、その他のでんぷん質 の根菜は果物や野菜に分類されない。
  • 1 日あたり約 2,000 キロカロリーを摂取する健康体重の人の場合、総エネルギー摂取量のうち遊離糖類からの 摂取量は 10%未満であること(50 g または小さじ約 12 杯に相当)。しかし、理想的には総エネルギー摂取量 の 5%未満とすると、さらに健康上の利益が得られる。ほとんどの遊離糖類は製造業者や料理人や摂取者が食 品や飲料に添加し、また蜂蜜、シロップ、果汁、濃縮果汁に天然の糖として含まれている。
  • 総エネルギー摂取量のうち、脂肪からのエネルギー摂取量は 30%未満であること。不飽和脂肪酸(魚、アボカド、 ナッツ、ヒマワリ、キャノーラ、オリーブオイルに含まれている)は、飽和脂肪酸(脂肪の多い肉、バター、 ヤシ、ココナッツオイル、クリーム、チーズ、ギー、ラードに含まれている)やあらゆる種類のトランス脂肪 酸(加工食品、ファストフード、スナック食品、揚げ物、冷凍ピザ、パイ、クッキー、ビスケット、ウエハース、 マーガリン、スプレッドに含まれる工業的に生産されたトランス脂肪酸や、肉・乳製品に含まれる牛、羊、山羊、 ラクダのような反芻動物由来のトランス脂肪酸の両方が含まれる)よりも好ましい。飽和脂肪酸の摂取量を総 エネルギー摂取量の 10%未満に、トランス脂肪酸を総エネルギー摂取量の 1%未満に抑えることが推奨される。 特に、工業的に生産されたトランス脂肪酸は健康食の成分にはならないので、避ける必要がある。
  • 食塩は 1 日あたり 5g(小さじ約 1 杯に相当)未満であること。ヨウ素添加塩を用いること。

引用:認知機能低下および認知症のリスク低減 WHOガイドライン

以上のような栄養素を偏って摂取するのではなく、複数の食物を組み合わせ幅広く取り入れることで、より認知機能の改善に対して高い効果が見込まれます。

また、WHOは以下のようなことも推奨しています。

  • 地中海食は、認知機能正常または軽度認知障害の成人に対して認知機能低下や認知症のリスクを低減するために推奨してもよい。
  • 認知機能低下や認知症のリスクを軽減するため、ビタミン B、E、多価不飽和脂肪、複合サプリメントは推奨されない。

地中海食について

地中海食はあまり日本人に馴染みがありませんが、イタリア料理やスペイン料理などをいいます。日本食と比較すると以下のような特徴があります。

  • 果物や野菜を豊富に使用する
  • 乳製品や肉よりも魚を多く使う
  • オリーブオイル、ナッツ、豆類、全粒粉など未精製の穀物をよく使う
  • 食事と一緒に適量の赤ワインを飲む

引用:認知機能低下および認知症のリスク低減 WHOガイドライン

イタリア料理やスペイン料理を食卓に並べるとなるとハードルは高いですが、果物や野菜、魚を意識的に取り入れることは可能ではないでしょうか。

また、地中海食やDASH食(高血圧患者のための食事療法)などは日本人には馴染みがないということで、厚生労働省は日本人の食事摂取基準というものを定めています。

これは、認知機能の改善のための食事ということではありませんが、日本人にとっての健康的な食事ということで、参考として紹介しておきます。

目標量(食事に対するパーセンテージ)
タンパク質脂質炭水化物
脂質飽和脂肪酸
13~20%20~30%7~10%以下50~65%

引用:日本人の食事摂取基準

皆様も是非この数値を目標に、日々の食事を考えていただければ幸いです。

複合サプリメントについて

ビタミン B、E、多価不飽和脂肪は重要な栄養素ですが、複合サプリメントで摂取した場合、認知機能低下や認知症のリスク軽減には効果的ではなかったとされています。

したがってサプリではなく、食事から各栄養素を摂取することが重要といえます。

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日本人のナトリウム摂取状況


ナトリウムの過剰摂取は、高血圧などの生活習慣病の原因になります。

生活習慣病は認知症の原因にもなることがあるため、生活習慣病を予防することが認知症の予防や認知機能低下のリスクを下げることにもつながるのです。

日本人の食事摂取基準によると、成人の男女のナトリウムの摂取目安量は600mg/日(食塩換算すると1.5g/日)です。しかし、厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」では、20歳以上の日本人の1日当たりのナトリウム摂取量は食塩相当量で10.1gという結果が出ています。

夏には汗をかきやすくなるため、その分多めに食塩を摂取する必要があることを考えても、日本人は過剰に摂取していることがわかります。

もちろんいきなり目安量の1.5gまで摂取量を落とすというのは簡単なことではないので、日々の食事でできることから努力して減らしていくことが必要です。

以下の記事で日本人のナトリウムの摂取量や減らすためのコツについて解説しているので、興味のある方は併せてお読みください。

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WHO健康的な食事まとめ


ここまで健康的な食事と認知症の関連性についてお伝えしてきました。

本記事の要点を以下にまとめます。

  • 健康的な食事を摂ることで認知症の発症や認知機能低下のリスクを減らすことが期待できる
  • 健康的な食事を摂るためには、タンパク質・脂質・炭水化物のバランスや、サプリメントだけではなく食事から栄養素を摂ること、食塩の摂取量を意識的に減らすことが重要

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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監修者 メディカル・ケア・サービス

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  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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