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トップページ>認知症を学ぶ>発達障害と記憶障害の違いとは?もしかすると高次機能障害かも?

発達障害と記憶障害の違いとは?もしかすると高次機能障害かも?

最近よく耳にするようになった発達障害という言葉。
皆さんは発達障害とは一体どんなものなのか、理解しているでしょうか?

また、よく似た単語に「記憶障害」や「高次機能障害」というものがあります。
そこで今回は、発達障害と記憶障害の違いについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 発達障害とは
  • 記憶障害とは
  • 発達障害と記憶障害の違いとは
  • 発達障害と高次機能障害の違いとは

発達障害、記憶障害の知識をつけて、違いを理解する際に参考にしていただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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発達障害とは

発達障害とは
発達障害とは、生まれつきの脳の働き方の違いにより、発達障害ではない方と行動や知能に違いがある状態のことです。

発達障害といっても種類があり、年齢の割に落ち着きが保てないADHDや、特定の学習のみに困難がみられる学習障害などがあります。

子供に多く見られる発達障害ですが、最近では成人の方でも発達障害に当てはまる方が大勢いるということがわかりました。
幼少期の親の関わり方は原因ではなく、先天的な脳の機能によるものと考えられています。

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記憶障害とは

記憶障害とは
記憶障害とは、自分の過去の経験や出来事の記憶が抜け落ち、思い出せない症状です。
また、新しい情報を覚えられない、覚えてもすぐに忘れてしまうという症状もあります。

記憶障害になる原因の一つとしてあげられるのが認知症です。

コンロの火を消したか忘れるといった短期的なものから、今までずっと一緒に暮らしてきた家族の名前を忘れるという長期的なものまで、記憶障害の幅は一定ではありません

プラズマローゲンとは?サプリについても説明

プラズマローゲンとは、グリセロリン脂質の一種であり、細胞を構成する主要な成分です。

人間の全身のリン脂質の約18%がこのプラズマローゲンであるといわれており、特に脳に多く存在しプラズマローゲンは人間が存在する上でとても重要な成分と考えられています。
しかし、このプラズマローゲンはさまざまな要因で減少しやすい成分でもあります。
酸化ストレスや炎症、神経の変性、感染症や外傷など、さまざまなストレスにさらされることで、プラズマローゲンが減少していきます。

特に、脳の海馬や前頭葉には多くのプラズマローゲンが含まれており、成分の減少と認知症の進行度には関連性があるという報告もあります。
プラズマローゲンは現在、認知症対策のサプリメントとして販売されています。 1995年にアルツハイマー型認知症の患者の、脳のプラズマローゲンが減少していることが確認されました。

その後、2007年にはアルツハイマー型認知症患者の血清でもプラズマローゲンの減少が認められており、プラズマローゲンは認知症と関係があると考えられています。

また、アルツハイマー型認知症の発症には、アミロイドβたんぱくの沈着が関係しているといわれています。
プラズマローゲンは、アミロイドβたんぱくの沈着を抑える効果のほか、脳神経細胞のアポトーシス抑制の効果も見込めるため、プラズマローゲンを摂取することで認知症への対策が期待できます。

出典:認知症との関係|AdvancedMedicalCareInc.

認知症予防に使われるサプリについて知りたい方は、ぜひこちらの記事もお読みください。

関連記事

認知症予防とは、脳の神経細胞の働きが低下し、認知機能の低下によって社会生活に支障を来さないよう、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味で、生活習慣病対策やサプリメントを用いるなどの予防策があります。[…]

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記憶障害には種類がある?

記憶障害の種類

記憶障害にはいくつかタイプがあり、それぞれ傾向が異なります。
記憶障害の代表的なタイプと特徴をみていきましょう。

短期記憶障害

数秒〜数分という短い期間の記憶ができなくなるタイプです。
脳の海馬という器官の異常が原因です。

短期記憶障害は、比較的直近の出来事を忘れるのが特徴です。

  • 今日の日付・曜日が分からない
  • 物の置き忘れが多く、いつも探し物をしている
  • 同じ話・質問を繰り返す

長期記憶障害

長期間の記憶を思い出せなくなります。
数分~数時間単位のこともあれば、数か月・数年単位で記憶が害されるケースもあります。

長期記憶障害は、一般的な常識や自身の事柄を忘れやすいのが特徴です。

  • 祝日の名前が分からない
  • 定年退職した会社の名前が分からない
  • 家族の顔・名前を忘れる

エピソード記憶障害

自身が体験した出来事、すなわちエピソードを忘れるタイプの記憶障害です。
特定期間の出来事が丸ごと抜け落ちるのが特徴です。

自身と周囲で出来事に対する認識が異なるため、会話が食い違いやすくなります。

  • 学生生活のことを思い出せない
  • 家族旅行での出来事を忘れる
  • つい先ほど食事したことを忘れる

手続き記憶障害

学習や練習によって身に着けた技術・知識を忘れます。
たとえば楽器の演奏や、手慣れているはずの家事ができないなどがあてはまります。

記憶の中でも、自身が体で覚えた記憶は比較的残りやすいものです。
しかし手続き記憶障害が起こると、体得した記憶も失われます。

  • 自転車の乗り方が分からない
  • 銀行ATMでお金のおろし方が分からない
  • 料理をしようとして、包丁の使い方が分からない

意味記憶障害

言葉の意味が分からなくなります。
物の名前を忘れることもしばしばです。

「あれ」「それ」などの指示語が多くなるため、周囲との会話に支障をきたすケースがしばしばみられます。

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発達障害と記憶障害の違い

発達障害と記憶障害の違い
発達障害と記憶障害についてそれぞれ説明しました。
しかし、発達障害と記憶障害のより明確な違いとは何なのでしょうか?

以下で詳しく解説していきます。

障害の特徴

発達障害はコミュニケーションや学習、感情の面に問題があり、集団生活を送ることが困難されています。
知的な障害があるASD(自閉症スペクトラム障害)、落ち着きがないADHD(注意欠陥・多動性障害)、特定の学習が苦手なLD(学習障害)に分けられます。

記憶障害は、記憶が抜け落ちたり新しく覚えられないことによって、日常生活が難しくなるという特徴があります。
障害を受ける記憶には、短期記憶、長期記憶、エピソード記憶、手続き記憶、意味記憶などがあります。

発症するタイミング

発達障害は先天的なもので、なぜ発症するのか詳しいことは分かっていません。
しかし発達障害は同一の家系に発生しやすいため、遺伝的な異常とも考えられています。

一方、記憶障害の多くは後天的なものとされており、加齢や認知症・ストレス・けがや病気による脳へのダメージなどが原因で発症します。

薬の使い方

発達障害と記憶障害が間違われる理由

発達障害と記憶障害が間違われる理由
発達障害と記憶障害の違いを何点か説明しました。
それぞれ特徴があるにも関わらず、なぜ発達障害と記憶障害は間違われることがあるのでしょうか?

ここからは、発達障害と記憶障害が間違われる理由について解説していきます。

症状が似ている

発達障害と記憶障害がよく間違われる理由として症状が似ているということがあげられます。
認知症専門として長らく診断を行っている医師ですら、発達障害と記憶障害を見分けるために時間を要したことがあるそうです。

発達障害と記憶障害の共通する症状の一つに、つい先ほどまで見ていたものを隠した瞬間に思い出すことが難しいということがあります。
これは発達障害の即時記憶が苦手という点と、記憶障害の短期記憶が苦手という点が似ているからです

また、発達障害と記憶障害を併発している方もおり、より区別がつきづらくなります。
日頃からその人の言動を観察し、行動に違和感がないか確認しておくことも大切です。

原因が似ている

発達障害と記憶障害が間違われるもう一つの原因として、両者とも脳の機能に何かしらの異常があるということがあげられます。
脳をつかさどる前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の神経ネットワークがうまく連携できず、物事を総合的、合理的に考えることが難しいと考えられます。

発達障害を持っている場合、脳の障害(脳波異常やてんかん発作)などを起こしやすく、この脳へのダメージが原因で発達障害や記憶障害になるケースがあります。

発達障害は先天的なこと、記憶障害は後天的なことが原因という場合が多いです。 

発達障害と高次機能障害が間違われる理由

発達障害と高次機能障害
また、発達障害は高次機能障害とも間違われることがあります。
発達障害と高次機能障害が間違われる理由として、症状が似ていることがあげられます。

高次機能障害とは、脳卒中や事故が原因となって脳に障害が起こっている症状です。
言語や記憶、情緒といった認知機能に障害が起こります。

物事を覚えられない、集中できない、すぐに怒りやすい、同時進行の作業が苦手といったことは発達障害の症状と似ています
また、発達障害も高次機能障害も外見からは判断しづらく、社会に出てから障害が顕著化する可能性が高く、隠れた障害としても捉えられます。

特に小児の場合、性格が原因であるのか、発達障害か高次機能障害かは見分けづらいとされています。

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記憶障害のリハビリは可能?

記憶障害のリハビリ

記憶障害はリハビリによってある程度の回復が期待できます。
代表的なリハビリ方法をご紹介します。

反復訓練

同じ動作を何度も繰り返し、記憶に定着させる方法です。
同じ言葉を何度も復唱する方法も含まれます。

たとえば病院の診察の予約日を覚えるとしましょう。
反復訓練では、診察の日付・曜日・時間を何度も口にして記憶します。

環境調整

忘れてもすぐに思い出せる環境を整えます。
たとえば大事な事柄を紙に大きく書き、自宅の目につきやすい場所に貼っておくなどの方法があります。

あるいはメモを常に身に着け、大切なことはすぐ記録する習慣を養うのも良い方法です。

内的記憶戦略法

自分の中で、覚えたい事柄とイメージを結びつける方法です。
代表的な種類は以下の通りです。

  • 視覚イメージ法
  • 顔ー名前連想法
  • ペグ法

 

顔ー名前連想法は、相手の名前から独自のイメージを連想し、顔を覚える方法です。
たとえば木村さんであれば、その方がたくさんの木に囲まれた村に住んでいる場面をイメージします。

外的補助手段

記憶を補う代替手段を活用します。
代表的なのはメモです。

記憶障害の方は、メモを取っても、メモしたこと自体を忘れるかもしれません。
しかし反復練習などによって、メモを見るという練習を繰り返すと、代替手段の活用が定着しやすくなります。

その他の方法

2つの方法を紹介します。

  • 領域特異的な知識の学習
  • 手がかり漸減法

領域特異的な知識の学習は、リハビリ内容を特定の分野に絞る方法です。
手がかり漸減法は、ある言葉の定義を説明し、その言葉を言い当ててもらう方法です。

分からない場合は、1文字ずつヒントを出します。
ヒント無しで思い出せるようになったらゴールです。

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発達障害のチェックリスト

発達障害のチェックリスト
ここまで発達障害について解説してきました。
しかし、発達障害と似た障害があり、なかなかご自身や家族で発達障害を判別することは難しいでしょう。

発達障害の方に当てはまりやすいチェック項目があるので、参考までにチェックしてみてください。

  • 何かをするときは一人でやるほうがい
  • 他のことが全く気にならなくなるくらい、何かに没頭してしまうことがある
  • 他の人がどのように感じるかを想像するのが苦手
  • 計画性を要する作業を行う際に、作業を順序立てるのが困難なことがよくある
  • 話に注意を払うことが困難なことがよくある
  • 外からの刺激や雑音で気が散ってしまうことがよくある

誰しもが発達障害のグレーゾーンにいることが多いため、当てはまる項目が多くても不自由なく過ごせれば問題ないという見方もあります。

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発達障害と記憶障害のまとめ

発達障害と記憶障害のまとめ
ここまで発達障害と記憶障害の違いや類似点についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • 発達障害はコミュニケーションや学習、感情の面に問題があり、集団生活を送ることが困難な障害
  • 記憶障害は、記憶が抜け落ちることや新しく覚えられないことによって、日常生活が難しくなるという障害
  • 発達障害と記憶障害・高次機能障害の違いは、言動の特徴や発症のタイミング

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
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