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トップページ>認知症を学ぶ>脳血管性認知症>血管性認知症の男女比とは?原因についても解説します!

血管性認知症の男女比とは?原因についても解説します!

超高齢社会に突入したことで、より増加している認知症の発症者数。
認知症の発症者数の増加により、様々な研究が行われており、認知症の種類による男女比についても研究されています。

そこで今回は血管性認知症について以下の項目を中心に解説していきます。

  • 血管性認知症の年代別の男女比とは
  • 血管性認知症を引き起こす主な原因
  • 血管性認知症を予防するには

血管性認知症の男女比についての疑問が解消されると幸いです。
ぜひ本記事を最後までお読みください。

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血管性認知症の男女比とは?

平成23年度の筑波大学、朝田隆提出の資料によると、血管性認知症の有病率は男性が女性の1.9倍であるとされています。

血管性認知症の男女比に関する詳しい情報は公開されていなかったのですが、血管性認知症が約2割を占めている若年性認知症についてのデータがあったので、紹介します。

年齢人口10万人当たり有病率(人)推定患者数(万人)
総数
20~247.82.25.10.037
25~298.33.15.80.045
30~349.22.55.90.055
35~3911.36.58.90.084
40~4418.511.214.80.122
45~4933.620.627.10,209
50~5468.134.951.70.416
55~59144.585.2115.11.201

引用:平成21年の厚生労働省による「若年性認知症の実態と対応の基盤整備に関する研究」

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血管性認知症を起こしやすい原因とは

ここからは、血管性認知症の主な原因について解説します。

加齢

加齢は、血管性認知症の主な原因の一つです。
特に75歳以降では、認知症の有病率が男女ともに急増します。

加齢によって血管性認知症を発症する理由は、血管が老化するためです。
人間は年齢を重ねるごとに、身体や内臓、脳、血管が老化していき、血管は老化するにつれ、伸縮性を失います。

伸縮性を失った血管は硬くなり、動脈硬化の状態になります。

動脈硬化が起こると、脳の血管が詰まったり、破れたりするリスクが上昇します。
つまり「脳卒中」が起こりやすくなるため、血管性認知症を発症する可能性が高まります。

脳卒中の既往

脳卒中は、血管性認知症の原因であるため、脳卒中を経験したことがある方は、血管性認知症のリスクが高くなります。

ここからは、脳卒中が血管性認知症の原因となる仕組みについて、みていきましょう。

脳卒中は、主に「脳梗塞」と「脳出血」に分類できます。

脳梗塞は、脳の血管が詰まる疾患です。
脳出血は、脳の血管が破れて内出血を起こす疾患です。

いずれも脳の血管を損傷させるため、血流が止まります。

血流が止まると、脳細胞に血液や酸素が届かなくなり、酸素不足になります。

酸素不足になると、脳細胞が死滅するため脳機能が失われます。
その結果、認知力が下がり、認知症の状態に至ります。

さらに、血管性認知症は、脳卒中の発作ごとに進行します。
理由は、脳卒中が起こるたびに、脳細胞の死滅範囲が広がるためです。

また、脳卒中は多くの場合、再発を繰り返します。
そのため、初回の脳卒中では認知症を免れたとしても、再発で認知症に至ることもあります。

高血圧

血圧が高い状態が続くと、動脈硬化が起こりやすくなります。
動脈硬化が起こると、血管は伸縮性を失い、血管が破れたり詰まったりしやすくなります。

つまり、脳の血管障害である脳卒中の発症リスクが高まります。
脳卒中は血管性認知症に発展しやすいため、前段階である高血圧を予防することが大切です。

高血圧の値の目安は以下のようになっています。
【高血圧の値の目安(※いずれかを満たす)】

  • 上の血圧(収縮期血圧)が130mmHg以上
  • 下の血圧(拡張期血圧)が85mmHg以上

糖尿病

糖尿病は、血液中の糖の値が慢性的に高い状態です。
そのため、血糖値が異常に高くなると、血液がドロドロになります。

ドロドロの血液は血管を傷つけるため、動脈硬化を引き起こします。
さらに、ドロドロの血液を送り出すために、心臓には大きな負担がかかります。

心臓に負担がかかると、血圧が上昇します。
血圧が上昇することで、高血圧になり、動脈硬化を引き起こしやすくなります。

つまり、糖尿病によって動脈硬化がおこると、血管性認知症の危険性が上昇します。

実際に、糖尿病を患うと、血管性認知症のリスクが2倍高まると指摘されています。

【糖尿病の値の目安】

  • 空腹時の血糖が110mg/dl以上

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の中性脂肪値や、コレステロール値が高い状態です。
脂質異常症が、血管性認知症のリスクを高める原因は、動脈硬化を引き起こすためです。

脂質異常症によって動脈硬化が起こると、脳の血管が硬化し、脳卒中のリスクが高まります。

さらに脂質異常症は、血栓の生成にも関わります。
脂質異常症によって生じた血栓が、脳に運ばれると、血管を詰まらせて脳梗塞を引き起こすことがあります。
脳梗塞は脳卒中の一種であるため、血管性認知症のリスクが高まります。

脂質異常症の値の目安は以下のようになっています。
【脂質異常症の値の目安】

  • 高LDLコレステロール血症140mg/dl以上
  • 中性脂肪が150mg/dl以上

喫煙

喫煙者は非喫煙者と比べ、認知症のリスクが約2~3倍高いというデータがあります。
認知症は脳が萎縮することで発症するとされていますが、喫煙によって、脳が萎縮してしまいます。

さらにタバコの煙は、脳への酸素供給を減らす作用もあります。
そのため、脳が酸素不足になり、脳細胞がダメージを受けるため、認知機能が低下しやすくなります。

実際にアメリカの調査では、喫煙量が多いほど、認知機能が低下しやすいというデータが出ています。

なお、自分ではタバコを吸わない方でも、受動喫煙によって、認知症リスクが上昇します。
そのため、自分が吸わないだけでなく、喫煙をする方の周りにいる場合はあまり近づかないなどの工夫をしましょう。

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血管性認知症を予防するには?

血管性認知症を予防するには、原因疾患である脳卒中の予防が重要です。
したがって、ここからは、血管性認知症の予防法について解説します。

食生活の見直し

バランスのよい食事を心がけることで、血管性認知症および脳卒中を予防できます。
具体的には、「塩分」「脂質」「糖分」の過剰摂取を控えることが重要です。

とくに塩分は、高血圧の大きな原因の一つです。

血圧が高い場合は、塩分を一日6g以内におさめるようにしましょう。

塩や砂糖が控えめな食事は、物足りなさを感じるかもしれません。
味にパンチがないときは、酢や出汁、スパイスを効かせると、奥行きを出せます。

調理方法を工夫して、塩分や糖分をコントロールしましょう。

また、以下の食品は、高血圧や動脈硬化の予防に効果があります。
積極的に食卓に取り入れましょう。

【高血圧・動脈硬化を予防できる食品】

  • 青魚
  • 緑黄色野菜
  • 豆・大豆
  • 果物
  • 海草

運動

適度な運動は、血圧を下げます。
理由は、全身の血行が促進されるためです。

また、運動は肥満解消に役立つため、ひいては糖尿病や脂質異常症の予防につながります。
さらに、運動機能をつかさどる脳の働きを活性化させるため、脳の老化防止も期待できます。

禁煙

禁煙をしましょう。
中年期から老年期に喫煙習慣がある方は、喫煙しない方と比べて、認知症のリスクが約3倍高まります。

また、受動喫煙も、同様に認知症のリスクを高めます。
そのため、自身に喫煙の習慣がなくとも、受動喫煙の頻度が高いならば、なるべくタバコの煙を吸わないような工夫が大切になります。

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まとめ:血管性認知症の男女比

まとめ

ここまで、血管性認知症の男女比に関する事柄についてお伝えしてきました。
以下が本記事のまとめになります。

  • 血管性認知症は、男性の方がリスクが高い
  • 血管性認知症の主な原因は、「高血圧」「脳卒中の病歴」「糖尿病」「脂質異常症」「喫煙習慣」など
  • 血管性認知症の予防には、食生活の見直し、運動、禁煙

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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