ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるために不可欠な栄養素であり、ビタミンB6はタンパク質の代謝や皮膚・粘膜の健康維持に欠かせない栄養素です。
「疲れが溜まりやすい」「肌荒れや口内炎が治りにくい」と感じる場合、ビタミンB1やB6をはじめとする「ビタミンB群」が不足している可能性があります。
本記事では、ビタミンB群それぞれの主な役割をはじめ、B1・B6を豊富に含む食品、1日の摂取目安量、過剰摂取や不足時の症状、そして効果的な補い方まで詳しく解説します。
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ビタミンB群とは?8種類の成分とそれぞれの働き
ビタミンB群は、水に溶けやすい性質を持つ「水溶性ビタミン」に分類され、互いに助け合いながら体内でエネルギーを産生する「補酵素」として働きます。全8種類の主な働きは以下の通りです。

ビタミンB1(チアミン)
糖質をエネルギーへ変えるために必須の栄養素です。皮膚や粘膜の健康維持、神経機能を正常に保つ役割を担っています。
主食などの糖質を多く摂る方や、アルコールを飲む機会が多い方は消費が激しくなるため、不足に注意が必要です。
ビタミンB2(リボフラビン)
「脂質の代謝」を助けるほか、「美容のビタミン」「発育のビタミン」とも呼ばれます。
皮膚や粘膜の健康維持、髪や爪の再生、子どもの健やかな成長に役立ちます。
ビタミンB6(ピリドキシン)
主に「タンパク質(アミノ酸)」の分解・合成を助ける補酵素です。
タンパク質の摂取量が多い人ほど必要量が増加します。免疫機能の維持、ヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成、月経前症候群(PMS)の和らげなど多岐にわたる重要な役割を持っています。
ビタミンB12(コバラミン)
葉酸とともに赤血球の形成(造血)を助けるほか、DNAの合成や神経機能の維持、睡眠のリズム調整に関わります。
動脈硬化の危険因子であるホモシステインの血中濃度を正常に保つ作用もあります。
ナイアシン(ニコチン酸・ニコチンアミド)
脂質やタンパク質、糖質からのエネルギー産生をサポートし、皮膚や粘膜の健康を維持します。
アルコールの分解時にも消費されるため、飲酒時に欠かせない栄養素です。
パントテン酸
エネルギー代謝に必要な補酵素(コエンザイムA)の構成成分です。
ストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの合成や、皮膚・粘膜の健康維持に関与しています。
葉酸
赤血球を作り出す造血作用や、細胞の生まれ変わり・DNA合成を助けます。
特に妊娠初期の女性においては、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らすために重要な栄養素です。
ビオチン
糖質・脂質・タンパク質の代謝を助け、皮膚や髪の健康維持、炎症を抑える働きを持っています。
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ビタミンB1・B6を多く含む食品一覧
ビタミンB1やB6を日々の食事から効率よく摂取するために、豊富に含まれる食材をチェックしましょう。(※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より可食部100gあたりの含有量)

ビタミンB1を多く含む食品
ビタミンB1は豚肉や大豆製品、穀類に多く含まれます。
水に溶けやすく熱に弱い性質があるため、スープごと食べられる調理法や、ニンニク・玉ねぎに含まれる成分「アリシン」と一緒に摂ると吸収率が高まります。
- 豚ヒレ肉:1.32mg
- 豚もも肉:1.01mg
- 豚ロース肉:0.96mg
- 豚肩ロース:0.82mg
- うなぎの蒲焼き:0.75mg
- 黒豆:0.73mg
- たらこ:0.71mg
ビタミンB6を多く含む食品
ビタミンB6は植物性食品よりも、肉や魚などの動物性食品の方が体内での利用効率が良いとされています。
- にんにく:1.53mg
- ピスタチオ:1.22mg
- まぐろ(赤身):1.08mg
- ドライバナナ:1.04mg
- 牛レバー:0.89mg
- かつお:0.76mg
- 鶏ささみ:0.66mg
- 鮭:0.64mg
ビタミンB6の効果・効能とは?不足したときの症状やおすすめの食材を解説
ビタミンB1・B6の1日の摂取目安量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」における、成人の1日あたりの摂取基準量は以下の通りです。
ビタミンB1の摂取基準(mg/日)
- 男性(18〜49歳): 推定平均必要量 1.2mg / 推奨量 1.4mg
- 男性(50〜74歳): 推定平均必要量 1.1mg / 推奨量 1.3mg
- 女性(18〜74歳): 推定平均必要量 0.9mg / 推奨量 1.1mg
※妊婦・授乳婦は+0.2mgの付加量が推奨されています。
「国民健康・栄養調査(令和元年)」によると、日本人の平均摂取量は成人男性で1.03mg、成人女性で0.88mgとなっており、男女ともに推奨量を下回っているのが実情です。
ビタミンB6の摂取基準(mg/日)
- 男性(18歳以上): 推定平均必要量 1.1mg / 推奨量 1.4mg
- 女性(18歳以上): 推定平均必要量 1.0mg / 推奨量 1.1mg
※妊婦は+0.2mg、授乳婦は+0.3mgの付加量が推奨されています。
ビタミンB6も平均摂取量は推奨量ギリギリまたは下回っており、意識的な摂取が望まれます。
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ビタミンB群の過剰摂取と不足による影響
ビタミンB群は過剰に摂った場合と不足した場合で、体にどのような症状があらわれるのでしょうか。
過剰摂取した場合の影響
水溶性ビタミンであるビタミンB群は、多めに摂取しても過剰分は尿として体外に排出されるため、通常の食事で過剰症になる心配はほぼありません。
ただし、サプリメントなどで高用量を長期摂取した場合は注意が必要です。
- ビタミンB6の過剰: 感覚神経障害(手足のしびれ等)、骨の痛み、筋力低下の誘発
- ナイアシンの過剰: 一時的な皮膚の赤みやほてり(ナイアシンフラッシュ)、胃腸障害のリスク
不足した場合の影響
ビタミンB群が全体的に不足すると、エネルギー産生が滞り、慢性的な疲労感や怠さを引き起こします。個別の不足症状は以下の通りです。
- ビタミンB1不足: 脚気(かっけ)、倦怠感、食欲不振、末梢神経障害、手足の痺れ
- ビタミンB2不足: 口内炎、口角炎、脂漏性皮膚炎、目の充血
- ビタミンB6不足: 貧血、口内炎・皮膚炎、うつ状態、手足の痺れ、けいれん
- ビタミンB12・葉酸不足: 巨赤芽球性貧血(悪性貧血)、動脈硬化リスク上昇、神経障害
- ナイアシン不足: ペラグラ(皮膚炎・下痢・神経症状)
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ほかの脂溶性ビタミンの特徴と主な食品
健康維持にはビタミンB群だけでなく、他のビタミンもバランスよく摂ることが重要です。
- ビタミンA: 皮膚・粘膜の維持、視力の維持(レバー、うなぎ)
- ビタミンC: コラーゲン合成、抗酸化作用、鉄の吸収促進(パプリカ、キウイ、ブロッコリー)
- ビタミンD: 骨の形成補助、免疫調整(鮭、サンマ、キノコ類)
- ビタミンE: 抗酸化作用、血行促進(アーモンド、かぼちゃ)
- ビタミンK: 血液の凝固作用、骨の形成(納豆、モロヘイヤ)
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ビタミンB1・B6を補うサプリメント活用の注意点
外食が多い方や多忙で食事バランスが乱れがちな場合、サプリメントでビタミンB群を補うのは有効な手段です。
ビタミンB群は単体ではなく、相互に作用するため「ビタミンB群複合タイプ」を選ぶと効率的です。
ただし、サプリメントを利用する際は製品ごとの目安全量を遵守し、過剰摂取にならないよう管理してください。
また、肝機能障害などの持病がある方や処方薬を服用中の方は、医師や薬剤師に相談の上で活用することが望ましいです。
基本はバランスの良い食事を心がけ、不足分をサプリメントで補う意識を持ちましょう。
まとめ
本記事では、ビタミンB1・B6をはじめとするビタミンB群の働きや食品について解説しました。要点は以下の通りです。
- ビタミンB1は「糖質のエネルギー代謝」、ビタミンB6は「タンパク質の代謝や皮膚・神経の維持」に不可欠であること
- ビタミンB1は豚肉や大豆、B6はマグロやカツオ、レバー、ニンニクなどに豊富に含まれること
- 水溶性ビタミンのため食事からの過剰症リスクは低いが、不足すると疲労感、口内炎、皮膚炎、神経障害などを引き起こすこと
- 毎日の食事で不足する場合は、用法・用量を守ってサプリメントを活用するのも手であること
健やかな毎日を送るために、ビタミンB群を意識した食生活を今日から実践していきましょう。


