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トップページ>健康お役立ち記事>生活習慣病>厄介な高齢者の糖尿病とは?上手な付き合い方を徹底解説!

厄介な高齢者の糖尿病とは?上手な付き合い方を徹底解説!

糖尿病は身体機能の衰えから高齢者での発症リスクが高まる病気です。
さまざまな合併症を引き起こす可能性のある糖尿病ですが、どのような症状や原因があるのでしょうか?

今回、高齢者における糖尿病についてご紹介した上で、その特徴や合併症についてもご紹介します。

  • 糖尿病の種類
  • 糖尿病が引き起こす合併症
  • 糖尿病の予防方法

高齢者における糖尿病に関する理解を深める際の参考にしてください。
是非最後までご覧ください。

糖尿病と認知症の関係について知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

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糖尿病とは


糖尿病は
さまざまな合併症を引き起こす病気であり、高齢者にも多くみられる病気です。

糖尿病は、インスリンの働きになんらかの異常が生じることで血糖値を下げられなくなります。
なお、インスリンはすい臓のベータ細胞で作られる、血糖上昇を抑制するホルモンです。

人間の体の仕組みとして食事を摂取すると、小腸から血液中に糖が送られます。
血液中に糖が増えると血糖値が上昇します。

そのため、上昇した血糖値を抑えようと、すい臓から送り出されるのがインスリンです。
糖尿病を患うとインスリンが上手く分泌されません。
もしくは、インスリンが分泌されても血糖値を抑えられなくなったりしてしまいます。

その原因については2パターンあり、1型糖尿病と2型糖尿病にわけられます。
糖尿病を理解するためには、これら2つの糖尿病の違いを知っておかなければなりません。

以下、1型糖尿病と2型糖尿病について説明します。

糖尿病と介護施設について知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

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1型糖尿病

1型糖尿病は、本来すい臓で作られるはずのインスリンが作られなくなる糖尿病です。

その原因は、体質などによりすい臓のベータ細胞が壊れてしまうことがあげられます。
こうなると血糖値の上昇を抑えられなくなるため、インスリン注射をしなくてはなりません。

1型糖尿病は高齢者よりも、子どもや若者に多いとされ、罹患者は10人に1人もいません。

主な症状は以下のとおりです。

  • のどの渇き
  • 頻尿
  • 著しい体重減少
  • 疲労感

2型糖尿病

2型糖尿病の特徴は、インスリンの分泌量が不十分であったり、作用しなくなったりする点です。
インスリンの分泌量が足りなくなる状態を「インスリン分泌不全」といいます。

また、インスリンが作用しなくなる状態を「インスリン抵抗性」といいます。
糖尿病患者の9割が2型糖尿病で、中高年以上に多く、高齢者にも多い病気です。

2型糖尿病の原因としてあげられるのは、運動不足や食生活の乱れ、肥満や遺伝などです。
1型糖尿病と比べると症状の出現は緩やかです。

初期では症状が現れない場合もあり、気づかぬ間に進行しているケースもあります。

主な症状は以下のとおりです。

  • 疲労感
  • 皮膚の乾燥と痒み
  • 手足の感覚低下
  • 感染症にかかりやすい
  • 頻尿
  • 目のかすみ
  • 勃起不全(ED)
  • 外傷などで皮膚が傷つくと治りにくい
  • 喉の渇き

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高齢者が罹る糖尿病の特徴


厚生労働省健康局の「平成28年国民健康・栄養調査」では、次の統計が示されています。

糖尿病の可能性が否定できない人
60~69歳255.9万人
70歳以上477.2万人
糖尿病が強く疑われる人
60~69歳309.3万人
70歳以上472.7万人

上記のように、多くの高齢者が糖尿病または糖尿病予備軍とされています。
高齢者になると筋力、視力、聴力などさまざまな身体機能低下がみられるようになります。

インスリン分泌に関しても同様です。
加齢とともにインスリンの分泌量が低下し、インスリン抵抗性も高まります。

結果、糖尿病を患う高齢者の増加につながってしまうのです。

こうしたことから高齢者の場合、食後の血糖値が高くなる可能性があります。
また、血糖値が低下しても低血糖を知らせるサインが現れにくくなったりします。

低血糖状態になると発汗や動機、手の震えなどがみられます。
しかし、こうした症状が出現せず重度の低血糖に陥ってしまうケースも少なくありません。

重度の低血糖は、ふらつきからの転倒・骨折、認知症、心血管疾患にもつながります。
万が一、認知症になってしまうと、適切な内服管理や食事管理は困難です。

結果として、ますます糖尿病の悪化をまねく危険性もあるのです。

高齢者の感染症について知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

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糖尿病の合併症


糖尿病を患っている場合、気を付けなければいけないのが
合併症です。
とくに高齢者は身体機能が低下しやすく、合併症のリスクも高まるため注意が必要です。

代表的な合併症には、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害があげられます。
ここからは、これらの合併症について説明します。

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症は糖尿病の合併症に代表される病気の一つです。
初期段階では自覚しづらく第1~5期までの段階を経て進行します。
最終的には命に関わるような状態になる可能性もあり、注意しなくてはいけません。

また、糖尿病性腎症が重症化すると透析治療が必要になる場合もあります。
現在、透析治療を導入する原因の1位が糖尿病性腎症です。

2020年の糖尿病学会『わが国の慢性透析療法の現況』によれば、糖尿病性腎症による透析導入の割合は全体の40.7%を占める結果となりました。

第2期と第3期では厳格な血糖コントロールが必要で、インスリン注射の適用もあります。
第4期で必要なのは厳格なタンパク質摂取制限です。
第5期では透析療法や腎移植の適用もあります。

なお、第3期以降での改善は困難とされており、第1~2期段階での病気の発見が重要です。

糖尿病性網膜症

糖尿病性網膜症もまた、糖尿病に代表される合併症の一つです。
糖尿病により血液中の糖分が多くなると、血管に障害をきたすようになります。
その結果、血管が詰まったり出血したりしてしまう恐れがあります。

こうした影響が目の網膜にある血管に影響し、網膜症を引き起こしてしまうのです。
また、症状についてですが、初期段階ではあまり自覚症状はありません。

中期になると目がかすむなどの症状がみられるようになります。
末期では視力低下や飛蚊症が起きて最悪失明につながる危険性もあります。

なお、飛蚊症は視界に黒い虫のようなもの、もしくは黒点が見える症状です。

末期では目の中で大きな出血を起こす危険性もあります。
さらに、網膜剥離や緑内障などさらなる合併症も、起こり得るリスクです。

そのほか、治療については症状の段階によって行われる内容が異なります。

初期段階では、血糖コントロールが中心です。
中期になると、新たな血管ができないようにレーザー光凝固術が行われる場合もあります。
末期では、網膜剥離などを合併している場合、外科的手術を行う場合もあります。

糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害も、糖尿病に代表される合併症のため気をつけなければなりません。
発症すると末梢神経に障害をきたし、手足にしびれや痛み、感覚障害をともないます。

なお、感覚異常については「手袋靴下型」と呼ばれることもあります。
手袋や靴下を装着したような感覚に似ているのがその理由です。

また、足の感覚鈍麻や感覚がなくなると、傷をつくってもなかなか気がつけません。
その結果、知らぬうちに傷口から細菌感染してしまう恐れがあります。

最悪の場合、細胞が壊死して下肢の切断を余儀なくされるケースもあります。
なお、治療には血糖のコントロールが必要です。

ただし、治療後有痛性神経障害といって血糖が下がると痛みを生じる場合もあります。
急な血糖低下には注意が必要です。

そのほか、喫煙や飲酒は糖尿病を悪化させる要因となります。
治療を行ううえでは禁酒・禁煙が必要です。

たとえば、タバコに含まれるニコチンは血管収縮を促し糖の処理を阻害します。
さらに、アルコールがもたらす影響は、すい臓からのインスリン分泌の抑制です。

これらの作用は糖尿病悪化につながるほか、合併症の発症、悪化にも影響します。

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糖尿病の予防


ここまでは糖尿病やその合併症について説明してきました。
大切なのは糖尿病になってからの治療ではなく、未然の予防です。

予防の中でもっとも気をつけるべきは食事管理です。
適切なカロリー摂取や栄養バランスを心掛けるのが重要になります。

しかし、高齢者の場合、日々の食事準備が大変になることも考えられます。
そのため、簡単な食事で済ませてしまうこともあります。

仮に、炭水化物に偏った食生活を送れば、血糖値が上昇し糖尿病リスクを高めます。
こうした理由から、できるだけバランスの整った食事を心掛けなければなりません。

自炊が大変であれば、バランスに配慮された弁当の配達サービスを利用するのも方法です。
そのほか、適度な運動も必要となります。
1日30分歩く程度でもよいので運動をとり入れることが推奨されています。

また、自身の健康チェックも欠かせません。
定期的な健康診断のほか、自宅でできる体重測定や血圧測定も習慣化させるとよいです。

介護予防について知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

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高齢者の糖尿病治療


高齢者における糖尿病の場合、病気を発症するタイミングはさまざまです。
たとえば、高齢になってから患っている方もいれば、中年期から患っている方もいます。

病状によって治療内容は異なりますが、基本となる治療方法は食事療法運動療法です。

食事療法では摂取カロリーの設定や、タンパク質、炭水化物、脂質のバランスも重要です。
そのほか、ビタミンやミネラルの摂取も大切で、緑黄色野菜の摂取がよいとされています。
ただし、身体状況や病状にあわせた栄養設定が重要であり、専門的な知識も必要です。

不安な場合は、かかりつけ医や管理栄養士に相談をしておくと安心です。

運動療法は、血糖コントロールに効果があるほか、体力の維持・向上にもつながります。
運動療法では有酸素運動がよいとされています。
散歩などであれば高齢者でも日常的に行うことは可能です。

また、薬物療法で内服薬やインスリン注射を使用した治療が行われます。
ただし、適切に食事管理しないと血糖値を抑えすぎて低血糖を引き起こすので危険です。

さらに、糖尿病は認知症リスクを高めます。
認知症になると、内服管理やインスリン注射の取り扱いも大変です。

こうした観点から、高齢者が糖尿病治療を行うのは容易ではありません。

高齢者の食事について知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

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薬の使い方

糖尿病と公的支援


万が一のために、利用できる
公的支援を把握しておくことをおすすめします。
対象になれば、金銭的負担の軽減や日常生活の支援を受けることが可能です。

以下は糖尿病患者が利用できる可能性のある保険や支援内容になります。

  • 介護保険制度
  • 高額療養費制度
  • 障害年金
  • 身体障害者手帳
  • 心身障害者医療費助成
  • 難病医療費助成制度
  • 小児慢性特定疾患医療費助成制度
  • 特別児童扶養手当

糖尿病を患っているからといって、これらの保険や支援を必ずしも受けられるわけではありません。
年齢や身体状況、経済状況などさまざまな条件があるため、窓口への確認が必要です。

高齢者の糖尿病まとめ


高齢者における糖尿病に関する内容や、その特徴を中心にお伝えしてきました。

要点を以下にまとめます。

  • 糖尿病の種類は、1型糖尿病と2型糖尿病にわけられる
  • 糖尿病が引き起こす合併症は、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害
  • 糖尿病の予防方法は、適切な食事管理と適度な運動

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
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