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トップページ>健康お役立ち記事>睡眠障害>中途覚醒の原因とは?放置するリスクと予防法・対策を徹底解説

中途覚醒の原因とは?放置するリスクと予防法・対策を徹底解説

中途覚醒は、夜中に目が覚めその後眠れなくなる状態をいいます。
中途覚醒があると日中の疲労感や眠気の原因となるため、早めの対処が必要です。
中途覚醒は、どのように対処すればよいでしょうか?

本記事では、中途覚醒について以下の点を中心に解説していきます。

  • 中途覚醒とは
  • 中途覚醒の原因
  • 中途覚醒の予防方法と対策

中途覚醒について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
最後までお読みください。

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中途覚醒とは

中途覚醒とは、夜中起きてその後なかなか寝つけない状態をいいます。
高齢者は眠りが浅いため、中途覚醒が起きやすいといわれています。
また、うつや睡眠時無呼吸症候群の方も、多くの場合中途覚醒が見られます。

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中途覚醒の原因

中途覚醒の原因は以下の6つがあります。

  • トイレ覚醒
  • 加齢
  • 外的刺激
  • 心的ストレス
  • 身体の病気
  • 生活リズムの乱れ

今回は、中途覚醒の原因について詳しく解説していきます。

トイレ覚醒

トイレ覚醒は、夜間にトイレに行きたくなり、目が覚めてしまうことです。
高齢者に頻繁に見られます。
アルコールを飲んだ際にも、トイレ覚醒が起こりやすくなります。

アルコールの利尿作用により、就寝中トイレに行きたくなり、目が覚めます。
また、アルコールは一時的に眠気を誘発しますが、作用が切れると脳が興奮し始めます。
すると、眠りが浅くなり、睡眠の質が悪くなります。

加齢によるもの

年齢を重ねると、徐々に眠りが浅くなっていきます。
すると、ちょっとした物音や光などの刺激でも目が覚めやすくなります。
また、加齢による頻尿も、中途覚醒の原因の1つです。

外的刺激

地震や騒音など周囲の環境変化により、睡眠を邪魔されて中途覚醒することもあります。
地震や騒音以外にも、夏は暑さで、冬は寒さで目が覚める場合もあります。

心的ストレス

悩みなどの心的ストレスを抱えていると、交感神経が優位になります。
交感神経が優位になると、心身が興奮した状態となります。
すると寝つけなかったり、眠りが浅かったりなどの症状があらわれます。

身体の病気

生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群も中途覚醒の原因の1つです。
高血圧は交感神経が優位になりやすいため、心身の興奮した状態が続きます。
また、睡眠時無呼吸症候群は、呼吸苦を感じるため覚醒の原因となります。

ほかにも、風邪による高熱や咳で中途覚醒することもあります。
病気が原因の場合、中途覚醒よりもまず病気を治すことが大切です。

20代は生活リズムの乱れ

20代、30代で起こる中途覚醒は、多くの場合生活の乱れが原因です。
また、ストレスや寝る前のスマホ操作が影響していることもあります。
若い方の中途覚醒は、生活習慣の見直しから始める必要があります。

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中途覚醒の予防方法と対策

中途覚醒すると、夜間に十分睡眠が取れず、日中まで眠気を引きずることもあります。
日中の生活を快適に過ごすためにも、早めの対策が必要です。
中途覚醒の予防方法と対策について、解説していきます。

規則正しい生活

人間の身体は、起床してから14時間から16時間で眠くなるしくみです。
朝しっかり目が覚めることで、夜自然に眠りへ落ちるようになります。
自然な身体のサイクルにするためには、規則正しい生活にすることが大切です。

起床時間や就寝時間を一定にすると、身体も本来のリズムを取り戻します。
また、運動も身体に程よい疲労感を与えるため、自然な眠りを助けます。

睡眠時間を決めない

眠れないと早く寝ようという焦りが出てきます。
この焦りは「不眠恐怖」といわれ、焦る思いがさらに不眠を招くこともあります。
したがって、「朝まで眠れなくても大丈夫」と軽く考えることも必要です。

ただし、眠れない間テレビやスマートフォンを見ながら過ごすのはおすすめしません。
ブルーライトの影響で、ますます眠れなくなる可能性があります。

昼寝は短時間にする

中途覚醒すると、日中眠くなることもあります。
日中どうしても眠いという場合は、短時間昼寝することをおすすめします。
短時間の昼寝は、その後仕事を効率的にすすめられるといわれています。

一方で、昼寝しすぎてしまうと、夜の睡眠に影響します。
したがって、昼寝は20〜30分程度、午後3時ごろまでに済ませるようにしましょう。

夕食は就寝する数時間前までに

就寝直前に食事すると、寝ている間に胃が働いている状態です。
就寝中、「まだ胃が働いてる」という信号が脳へ送られるため、身体が休息できません。
したがって、夕食は寝る2〜3時間前に済ませるようにしましょう。

また、甘いものは胃腸を活性化させる要因になるため、注意が必要です。

お風呂につかる

入浴は、シャワーだけでなくお風呂につかると眠りやすくなります。
お風呂につかることで、リラックス効果が高まり、副交感神経が働きやすくなるためです。
また、身体は体温を下げることで眠りにつきます。

入浴で体温を上げておくと、身体は体温を下げようとするため、自然に入眠できます。

温かい飲み物を飲む

前述で、体を温めると眠りにつきやすいことをお伝えしました。
身体を温める方法として、温かい飲み物を飲むという方法もあります。
ホットミルクなどは身体を温め、リラックスさせるので、おすすめです。

就寝前はスマホを見ない

良質な睡眠を得るためには、就寝前のスマホを見ることもやめましょう。
スマホやゲームを操作することで、脳が活動的になり睡眠を妨げます。
また、スマホから出ているブルーライトも睡眠に影響を与えます。

したがって、就寝前はスマホやテレビを見ないよう習慣づけましょう。

就寝前のアルコールは控える

アルコールは利尿作用でトイレに行きたくさせるため、中途覚醒を引き起こします。
また、脳を活性化させる働きもあるため、寝つきがわるく、眠りが浅くなります。
したがって、就寝前のアルコールは控えるようにしましょう。

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中途覚醒を放置することでのリスク

中途覚醒を放置することで、身体に負担がかかると、様々な影響が出てきます。
日常生活への影響やうつ病を発症するリスクを上げる可能性があります。
また、毎日中途覚醒していなくても、同様のリスクがあります。

中途覚醒を放置することでのリスクを詳しく説明します。

日常生活に影響が出る

中途覚醒が多く、睡眠の質が悪くなることで、日中に眠気を感じるようになります。
すると、仕事のパフォーマンスが落ちるなど日中の活動に支障をきたすことがあります。

うつ病になる可能性もある

中途覚醒が続くと、朝起きても疲労が残り、気分が落ち込むことも増えます。
気分が冴えない状態が続くと、場合によってはうつ病に発展することもあります。
中途覚醒はうつ病の初期に見られる症状でもあります。

うつ病が悪化する前に、中途覚醒の時点で早めに対策を取ることが大切です。

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中途覚醒などの不眠症の治療薬

中途覚醒などの不眠症に使われる薬としては、大きく分けて3つあります。
それぞれの薬の特徴とメリットデメリットについて解説していきます。

GABA受容体作動薬

GABA受容体作動薬は、GABAという神経伝達物質の働きをよくし、睡眠を促します。
GABAは脳の興奮を休め、眠りへと導きます。
GABA受容体作動薬のメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • 即効性がある
  • 効果を予測できる
  • 筋弛緩作用により、肩こりなどの改善も見込める

デメリットとしては、

  • ふらつきや翌朝に残りやすい
  • 耐性があり、飲み続けてると効きづらくなる
  • 依存性がある

即効性があり、使い始めは効果を実感しやすい薬です。
一方で、耐性や依存性もあるため、用法用量はきちんと守る必要があります。

メラトニン受容体作動薬

睡眠と覚醒には、「メラトニン」というホルモンも関与しています。
メラトニン受容体作動薬は、メラトニン受容体に働きかけ、睡眠と覚醒のリズムを整えます。
メリットとしては、以下のようなものがあります。

  • 耐性や依存性が少ない
  • 自然に近い生理的な睡眠を促す

そのため、発達障害や精神遅滞の子どもに使われることも多い薬です。

デメリットとしては、

  • 効果が出るまでに2週間程度かかる
  • 翌朝に残りやすい
  • 飲み初めに頭痛が出ることがある

即効性はないため、最初は効果がなくてもしばらく続ける必要があります。

オレキシン受容体作動薬

オレキシン受容体作動薬は、オレキシンという脳内物質の働きを弱める薬です。
オレキシンは、脳の覚醒状態を維持するため、その働きを抑えることで睡眠を促します。
メリットとしては、

  • 自然な睡眠につなげる
  • 耐性や依存性が少ない

デメリットとしては、

  • 入眠障害には効果が薄いことがある
  • 翌朝まで眠気が残ることがある
  • 悪夢を見ることがある
  • 頭痛が出ることがある

などがあります。
オレキシン受容体作動薬は、自然な睡眠を誘発します。
ただし、効果が出にくい方もいるため、主治医と相談しながら使用しましょう。

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薬の使い方

中途覚醒以外の不眠症の種類

中途覚醒以外にも、3つのタイプの不眠症があります。
入眠障害・早朝障害・熟眠障害について、詳しく解説します。

入眠障害

入眠障害は、なかなか寝つけない状態のことです。
入眠障害を経験している方は多く、緊張や不安がある時に起こりやすい不眠症です。

早朝覚醒

早朝覚醒は、朝早く目が覚め、その後眠れなくなる状態をいいます。

熟眠障害

熟眠障害は、眠れてはいるものの熟睡できないことをいいます。
睡眠時無呼吸症候群では、呼吸苦で目が覚めることで熟眠障害を引き起こします。


睡眠障害を放置すると慢性的な睡眠不足になり、日中眠気が取れない状態が続きます。
心当たりのある方は、一度受診し医師に相談することをおすすめします。

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高齢者の中途覚醒は若い世代の2倍?

不眠の有病率に関する調査によると、中途覚醒は高齢者に多く見られています
60歳以上の高齢者で中途覚醒を訴える方は、約30%に上ります。
とくに中途覚醒や早朝覚醒の方は、若年層の2倍です。

また、年齢を重ねるにつれ、睡眠薬の利用者も増加しています。
80歳以上の女性では20%以上の方が服用しているという結果です。
さらに、高血圧と中途覚醒を併発している方は、40%にも上ります。

この割合から、睡眠障害が血圧に影響することがわかります。

出典:日本老年医学会【高齢者の不眠】

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中途覚醒のまとめ

ここまで中途覚醒についてお伝えしてきました。
中途覚醒の要点をまとめると以下の通りです。

  • 中途覚醒は、夜中に目が覚めその後眠れなくなる状態をいう。
  • 中途覚醒の原因は、「トイレ覚醒」「加齢」「ストレス」などがある。
  • 中途覚醒の予防方法は「規則正しい生活」「お風呂につかる」などがある。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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