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トップページ>健康お役立ち記事>栄養>乳酸菌を食べて歯周病予防効果が得られる?乳酸菌で口内環境を整える

乳酸菌を食べて歯周病予防効果が得られる?乳酸菌で口内環境を整える

40歳以上の日本人の80%が歯周病に罹っていといわれています。
毎日の歯磨きだけでは予防しきれないのが歯周病です。
そこで今、注目されているのが乳酸菌です。

本記事では乳酸菌の歯周病予防効果について以下の点を中心にご紹介します。 

  • 乳酸菌で歯周病は予防できる?
  • 歯周病に効果のある乳酸菌とは
  • 乳酸菌で歯周病を予防するには

乳酸菌の歯周病予防効果について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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乳酸菌とは 

乳酸菌とは、糖類を発酵させて乳酸などを作り出す微生物のことを指します。
腸内までたどり着いた乳酸菌は、腸内の善玉菌を活性化させます。
同時に、悪玉菌の活動を抑制する働きがあり、腸内環境を整えます。

乳酸菌は、腸内だけに存在する菌ではありません。
腸とつながっている口腔内でも同じ働きをしています。
口の中の善玉菌をサポートし、歯周病の原因となる悪玉菌を抑制します。

乳酸菌が多く含まれる食品として、ヨーグルト、チーズ、漬物などの発酵食品があります。
発酵食品を積極的に摂取することで口腔内、腸内環境を整えます。

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歯周病とは 

歯周病と虫歯を混同している方が多いようですが、全く違います。
歯周病は、細菌感染によって引き起こされる病気であり、炎症性疾患です。
歯周病に罹ると、虫歯だけでなく口臭、歯茎の腫れ、歯を支える骨まで溶けてしまいます。
このような恐ろしい病気に40歳以上の日本人の約80%が罹っているのです。

歯周病の原因は、食べかすや歯垢に住み着いている歯周病菌です。
中でもとくに「ジンジバリス菌」が出す酵素は骨を溶かし、歯周ポケットを作ります。
気が付いたら、歯が抜けてしまったという状態になってしまうのです。

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乳酸菌と歯周病の関係

乳酸菌は、歯周病を予防するといわれています。
乳酸菌には、どのようなパワーが秘められているのでしょう。

口腔内にも細菌叢(フローラ)が存在する

「腸内フローラ」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
実は、口腔内にもフローラは存在します。

口腔内フローラにも、腸内フローラと同じように多種多様な細菌が住んでいます。
中には、虫歯や歯周病を引き起こす悪玉菌もいます。
その一方で、口腔内の健康を守る善玉菌もいます。
善玉菌の代表格が乳酸です。
口腔内の乳酸菌は唾液の中にも含まれ、上手に活用することで口腔内の環境を整えます。

悪玉菌が多いと歯周病や虫歯になりやすい

口腔内には800種類以上の細菌が存在しています。
その総数は善玉菌、悪玉菌、日和見菌合わせてほぼ一定となっています。

問題は日和見菌です。
善玉菌が優勢になると善玉菌となり、悪玉菌が優勢になると悪玉菌になります。
つまり悪玉菌が優勢になると、それまで様子を見ていた日和見菌が加勢します。
そして、一気に歯周病や虫歯になりやすい環境になるというわけです。

口腔内では、常に善玉菌と悪玉菌の攻防が繰り広げられています。
乳酸菌の力を借りて善玉菌を増やすことで、歯周病を予防することができます。

歯周病は糖尿病や心筋梗塞とも関連する

歯周病の恐ろしさは口腔内にとどまりません。
歯周病菌は、歯茎の炎症部分から菌が入り込み、血液の流れに乗って全身に広がります。

たとえば、以下のような病気を引き起こす原因ともいわれています。

  • 心臓病
  • 動脈硬化
  • 脳梗塞
  • 肺炎
  • 糖尿病

さらに、歯周病は早産の危険性も指摘されています。
歯周病が悪化して歯茎の炎症が強くなります。
すると歯周組織である「プロスタグランディンE2」が増えます。
このプロスタグランディンE2は、陣痛促進剤として使用されている物質です。
そのため、子宮の収縮などが起こり、早産になりやすいといわれています。

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口腔内の善玉菌を増やそう

口腔内にあるフローラは、常に善玉菌と悪玉菌がせめぎ合っています。
少しでも油断すると、悪玉菌が優位になり、それに追随して日和見菌も悪玉菌となります。
そこで、善玉菌を後押しして、さらに悪玉菌を抑制する乳酸菌が重要になります。

乳酸菌を積極的に摂取することで、口腔内の環境を整えることができます。
そして、歯周病菌の増殖を抑えることができます。
歯周病菌は全身の病気の原因となるものですから、まずは口腔内善玉菌を増やしましょう。

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乳酸菌が持つ歯と口腔への働き

乳酸菌は、歯や口腔内の健康にどのような影響を与えるのでしょう。
そして、どのようにして虫歯や歯周病菌から口内環境を守るのでしょう。

口腔内の善玉菌を増やす

乳酸菌は、口腔内の善玉菌を増やす働きがあります。
唾液の中には乳酸菌が含まれていますが、年齢とともに減っていきます。
55歳以降になると、半分の人が歯周病に罹っているといわれる原因のひとつです。

今までは、歯周病菌などの病原菌は、抗生物質で殺菌するという考えでした。
しかしこれからは、乳酸菌のような微生物の力を借りて、口腔内環境をよくする時代です。
作用は穏やかですが、人体への副作用もなく、善玉菌を増やして口や腸の健康を守ります。

唾液の分泌を促す

乳酸菌は、唾液の分泌を促す働きがあります。
唾液には、抗菌・免疫・消化に関わる成分が含まれます。
自浄作用、抗菌作用、口腔内pHを一定に保つ働きなどにより口内の健康を維持します。
さらに、風邪やコロナなどウイルス性の病気の発症を防ぐ働きもあります。

健康な成人なら1日に1~1.5リットルもの唾液を分泌します。
しかし、年齢とともに、唾液の量が減っていきます。
また、ストレスによっても唾液の量は減ります。
口腔内の環境維持、病原体に対抗するためにも唾液の分泌を促す乳酸菌は欠かせません。

虫歯菌の増殖を抑える

乳酸菌は、虫歯の増殖を抑える働きがあります。
虫歯の増殖を抑えるものとして「キシリトール」が知られています。
虫歯菌がキシリトールを取り込むことによって、酸の発生や虫歯菌の活動を鈍くします。

乳酸菌は、虫歯菌に対抗する抗菌性のペプチドや酸を生成することができます。
乳酸菌はキシリトールと違って、虫歯菌自体の増殖を抑える働きがあります。
口内環境をよくするという点でも、虫歯の増殖をよりダイレクトに抑えることができます。

歯周病菌の増殖を抑える

乳酸菌は、歯周病菌の増殖を抑える働きがあります。
歯周病菌は、毒性の強い菌から弱い菌まで、約20種類くらいあります。
乳酸菌は、とくに毒性の強い「ジンジバリスキン」を死滅させる働きがあります。
また、プロバイオティクス効果により悪玉菌を善玉菌に置きかえることもできます。

乳酸菌は、人体に有益な働きをする善玉菌です。
たとえば「益虫」のようなもので、免疫力を強化する働きがあります。
もともと体内に宿っている微生物を正常化させるため、環境や人体への負担もありません。

カンジダ菌の増殖を抑制する

乳酸菌には、カンジダ菌の増殖を抑制する働きがあります。
カンジダ菌は常在菌で、健康な人の体の中にもいるカビの一種です。
普段は、身体に悪い影響を与えることはしません。
しかし、ストレスや体調不良などによって免疫力が弱まると暴れ出します。

カンジダ菌は「口腔カンジダ症」という感染症を引き起こします。
虫歯や歯周病に次いで多い口腔内感染症といわれています。
高齢者の誤嚥性肺炎の原因にもつながります。

乳酸菌は、カンジダ菌を抑制する働きがあります。
乳酸菌により口腔内環境が改善され、さらに免疫力をアップすることができるからです。
とくに抵抗力が弱い高齢者や赤ちゃんには、乳酸菌がおすすめです。

歯垢の形成を抑える

乳酸菌は歯垢の形成を抑える働きがあります。
口内の悪玉菌の代表格は歯周病を引き起こす「ジンジバリス菌」です。
また、虫歯の原因となる「ミュータンス菌」も悪玉菌です。
これらの悪玉菌は、歯と歯茎の隙間に付着した歯垢を好みます。
そして、この歯垢の中で爆発的に増殖していきます。

歯垢は、ある程度まで歯磨きで予防することはできます。
しかし、一度歯周病や虫歯になってしまったあとでは、除去することは難しいのです。
普段から歯垢の形成を抑える乳酸菌を摂るように心がけましょう。

炎症性物質の生成を抑える

乳酸菌は、炎症性物質の生成を抑える働きがあります。
免疫細胞は、体内で異物を認識すると炎症性物質を生成し、免疫反応を活性化させます。
しかし、炎症性物質の分泌が過剰になると次々と炎症反応が起こります。
そして、さまざまなアレルギー反応があらわれます。

乳酸菌は、免疫細胞のバランスを整える働きがあります。
そして、過剰な炎症性物質の生成を抑えアレルギーを予防します。

薬の使い方

歯周病対策におすすめの乳酸菌 

乳酸菌にはいろいろな種類があり、少しずつ働きが違っています。
とくに歯周病対策におすすめの乳酸菌をピックアップしてみました。

L8020

L8020は、歯周病や虫歯になった経験のない子どもの口の中から発見された乳酸菌です。
ヒト由来の乳酸菌で、善玉菌を増加させ、悪玉菌を減少させる働きがあります。
口内のpHを整え、虫歯菌や歯周病菌を抑制します。
菌を抑える力があり、カンジダ菌にも効果があり、口内環境を健康的に整えます。

LS1

ほとんどの乳酸菌は、胃酸で死滅してしまいます。
しかし、LS1は、生きたまま腸まで届くヒト由来の乳酸菌です。
LS1と歯周病菌を一緒にすると24時間以内で殺菌してしまう力を持っています。
虫歯や歯周病菌を抑制する作用があり、口内環境を整えます。

WB2000

WB2000も、生きたまま腸に届くタイプのヒト由来の乳酸菌です。
特徴は、WB2000によって、唾液の分泌が促進されるということです。
唾液によって口臭の原因となる菌を抑制し、歯垢の生成や付着を妨げる働きがあります。

口腔内のネバネバであるバイオフィルムの形成も同時に抑制します。
そのため、虫歯や歯周病の発生を抑制することができます。

WB21

WB21は、人の口腔内にも存在する乳酸菌です。
もともとは、胃がんの原因となっている抗ピロリ菌のために開発された乳酸菌です。
ピロリ菌だけでなく、在住菌であるカンジダ菌の増殖を抑える働きがあります。
口の中でも、口臭・歯肉出血・虫歯菌・歯周病菌の増殖を抑えます。

ラクトバチルス・ロイテリ菌

ラクトバチルス・ロイテリ菌は、ヒトの消化器官、母乳から発見された乳酸菌です。
天然の抗生物質といわれる「ロイテリン」を分泌します。
虫歯菌や歯周病菌の増殖を抑える作用があります。

あくまでも天然であるため、副作用といった健康への心配もありません。
研究では、虫歯菌や歯周病菌の増殖は90%抑制され、歯周病の改善も見られました。

乳酸菌で歯周病を予防する方法

乳酸菌はさまざまな方法で、生活に取り入れることができます。
乳酸菌を効率的に活用して、歯周病を予防しましょう。 

食後の歯磨きを徹底する

口内環境の衛生を保つためには、食後の歯磨きは欠かせません。
虫歯菌や歯周病菌、悪玉菌の温床となる食べカスを取り除くことが大切です。
乳酸菌の力を借りるのは、食後の歯磨きを徹底するのが大前提となります。

歯だけでなく歯茎も磨く

虫歯菌や歯周病菌などの悪玉菌は、歯の表面だけでなく歯と歯茎の間にも多く存在します。
とくに歯周病菌は、ポケットを作り潜り込みます。
歯だけでなく、歯茎も丁寧に磨くようにしましょう。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使って歯と歯の隙間もお手入れしましょう。

ヨーグルトを飲んだり食べたりする

乳酸菌で口内環境を整えるのに一番簡単な方法です。
ヨーグルトを食べるか、飲むヨーグルトを飲んで口内環境を整えましょう。
市販のヨーグルトに含まれる乳酸菌の種類を確認しましょう。
口内環境におすすめの乳酸菌を選び、無糖の商品を選ぶことがポイントです。

乳酸菌タブレットを食べる

乳酸菌タブレットは、持ち運びが便利で、いつでも摂取できるメリットがあります。
また、ヨーグルトでは摂取できないさまざまな種類の乳酸菌が一度に摂取できます。
歯周病菌の殺菌・抑制、口臭の抑制、歯周病の改善などに効果が期待できます。

歯周病予防に効果的な乳酸菌サプリメントを食べる

乳酸菌タブレットと同じように、乳酸菌サプリメントを食べるという方法です。
歯周病予防に効果的なだけでなく、お腹の調子を整える効果も期待できます。
便秘気味、下痢気味など便通に問題がある場合など、積極的に摂るとよいでしょう。

無糖ヨーグルトを使った乳酸菌歯磨きのやり方を実践する

無糖のヨーグルトを使って歯磨きをする方法です。
寝る前に歯磨きをし、よく口をすすぎましょう。
無糖のヨーグルトを歯ブラシにつけて、歯茎と歯の間をマッサージします。
口はすすがず、そのまま就寝します。

乳酸菌入りの歯磨き粉で歯を磨く

乳酸菌入りの歯磨き粉を使えば、殺菌作用で口内環境を守る効果が期待できます。
ほかの殺菌剤などは含まれていないので、小さなお子さんや高齢者にもおすすめです。
歯だけでなく歯茎もマッサージするように磨くのがポイントです。

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乳酸菌の歯周病予防効果まとめ

ここでは、乳酸菌の歯周病予防効果について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。 

  • 乳酸菌は口腔内の歯周病菌を殺菌し、口内環境を健康的に整える
  • 歯周病に効果のある乳酸菌は「ラクトバチルス・ロイテリ菌」など数種類
  • 乳酸菌で歯周病を予防するには歯磨きをした上でタブレット、サプリを活用

 これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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