「子どもが保育園などの預かり先でウイルス性胃腸炎がうつらないか心配…」
「受験を控えているのに、もしウイルス性胃腸炎がうつったらどうしよう…」
保育園や幼稚園に通うお子様を持つ方や受験を控えた学生さんは、ウイルス性胃腸炎の感染力について不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ウイルス性胃腸炎について以下の点を中心に詳しく解説します。
- ウイルス性胃腸炎はどのような病気なのか
- ウイルス性胃腸炎の感染経路
- ウイルス性胃腸炎にうつらないための対策
ウイルス性胃腸炎についてご興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
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ウイルス性胃腸炎とは
はじめに、ウイルス性胃腸炎について解説します。
ウイルス性胃腸炎は、ウイルスが原因で起こる感染性胃腸炎です。
主な症状は以下の4つです。
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
ウイルスが胃や腸に入り込んで炎症を起こすことで症状が現れます。
一年中いつでも感染する可能性がありますが、特に冬場に流行しやすい傾向があります。
また、感染力が強いので、乳幼児や高齢者、基礎疾患のある方などは重症化しやすく、特に乳幼児の場合、脱水症状に陥りやすいため注意が必要です。
感染経路としては、感染者の嘔吐物や便に含まれるウイルスが口から体内に入ることで感染します。
ウイルスが付着した手で口や鼻を触ったり、汚染された食品や水を摂取することで感染することもあるので注意しましょう。
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ウイルス性胃腸炎の主な症状
ウイルス性胃腸炎は、さまざまなウイルスによって引き起こされる感染症ですが、その症状はウイルスによって異なります。
ここでは、ウイルス性胃腸炎でよくみられる主な症状について、以下の4つをご紹介します。
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
嘔吐
ウイルス性胃腸炎の主な症状の1つ目は「嘔吐」です。
ウイルスが胃腸に侵入すると、胃の粘膜が炎症を起こし、吐き気や嘔吐を引き起こします。
嘔吐はウイルスを体外に出そうとする体の防御反応でもありますが、頻繁に嘔吐すると脱水症状を引き起こす可能性もあるので注意しましょう。
特に、ノロウイルスは少量のウイルスでも感染する可能性があり、激しい嘔吐を引き起こすことで知られています。
嘔吐が続く場合は、無理に水分を摂取せず、医療機関への受診を検討しましょう。
下痢
2つ目は「下痢」です。
下痢も嘔吐と同様に、ウイルスが腸に炎症を起こすことで引き起こされます。
ウイルスによって腸の粘膜が損傷を受け、水分の吸収が阻害されることで、水っぽい便が排出されるのです。
ロタウイルス感染では、白っぽく酸っぱい臭いのする下痢便が特徴で、ノロウイルス感染でも同様の下痢便がみられることがあります。
下痢が続く場合は、脱水症状に注意し、電解質を含む経口補水液などで水分補給を行うことが大切です。
腹痛
3つ目は「腹痛」です。
腹痛は、ウイルスによる炎症によって胃や腸が刺激されることで発生します。
痛み方は人によって異なり、鈍痛やキリキリとした痛み、差し込むような痛みなどさまざまです。
また、痛みの強さも軽度なものから激しいものまで幅広く、人により症状のレベルもさまざまなので注意しましょう。
特にノロウイルス感染では、強い腹痛を伴う場合が多く、医療機関への受診が必要となるケースもあります。
発熱
4つ目は「発熱」です。
発熱は、体内に侵入したウイルスと戦うために、体が免疫反応を起こしているサインです。
すべてのウイルス性胃腸炎で発熱が起こるわけではありませんが、ロタウイルス感染では高熱が出る場合が少なくありません。
特に乳幼児は高熱が続くことがあり、注意が必要です。
一方、ノロウイルス感染では微熱程度の場合が多いですが、高熱になることもあります。
高熱が続く場合は、解熱剤を使用したり、医療機関を受診したりするなどの対応が必要です。
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ウイルス性胃腸炎はうつる?
ウイルス性胃腸炎は、人から人へうつるので、家庭内でも感染が広がらないように対策をすることが大切です。
特に、保育園や幼稚園、学校に通うお子様から、家族に感染してしまうケースが多く見られます。
集団生活をする乳幼児や抵抗力の弱い高齢者は重症化しやすいため、注意しましょう。
症状が治まった後も、約3週間は便からウイルスが排出されるため、周囲への感染に注意が必要です。
原因となる代表的なウイルス
ここでは、ウイルス性胃腸炎の原因となる代表的なウイルスについて、以下の3つをご紹介します。
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- アデノウイルス
ノロウイルス
原因となる代表的なウイルスの1つ目は「ノロウイルス」です。
ノロウイルスは、感染力が非常に強く、少量のウイルスでも感染してしまうことが特徴です。
主な症状は、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などが挙げられます。
感染経路は、主に感染者の便や嘔吐物に触れたり、それらが乾燥して空気中に舞い上がったものを吸い込んだりすることによって感染します。
ノロウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を用いた消毒が必要です。
消毒作業を行う際には、換気を十分に行い、皮膚への刺激を避けるために手袋を着用しましょう。
また、嘔吐物や便などが残っていると消毒効果が低下するため、事前に汚物を取り除くことも必要です。
ロタウイルス
2つ目は「ロタウイルス」です。
ロタウイルスは、主に乳幼児に感染し、重症化しやすいことが特徴です。
主な症状は、嘔吐や下痢、発熱で、白色からクリーム色の下痢便がみられます。
感染経路は、ノロウイルスと同様に、感染者の便や嘔吐物に触れることによって感染します。
ロタウイルスに対して効果的な消毒剤は次亜塩素酸ナトリウムとされていますので、市販の家庭用塩素系漂白剤を薄めたものを使用しましょう。
また、ロタウイルスは、ワクチンで予防することも可能です。
アデノウイルス
3つ目は「アデノウイルス」です。
主な症状は、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などが挙げられます。
アデノウイルスによるウイルス性胃腸炎は、他のウイルス性胃腸炎に比べて下痢の症状が長く続く傾向にあります。
感染経路は、感染者の便に触れたり、咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込んだりすることによって感染します。
特に、子どもや免疫力の弱い人に感染しやすいため、衛生管理が重要です。
嘔吐物や下痢便を処理する際には、使い捨て手袋やマスクを着用し、その後は手を十分に洗いましょう。
また、脱水症状を防ぐために水分補給をこまめに行う必要があります。
感染経路
ウイルス性胃腸炎は、主にウイルスを含んだものに触れることで感染します。
ここでは、ウイルス性胃腸炎の主な感染経路について、以下の3つをご紹介します。
- 経口感染
- 接触感染
- 飛沫感染
経口感染
感染経路の1つ目は「経口感染」です。
経口感染とは、ウイルスに汚染された飲食物を口にすることです。
例えば、ノロウイルスに汚染された二枚貝を生で食べたり、十分に加熱処理されていない食品を食べたりすることで感染します。
また、感染者の便や嘔吐物が付着した食材や調理器具を介して感染することもあります。
十分に加熱調理された食品を摂取し、調理器具も適切に洗浄や消毒をすることが重要です。
接触感染
2つ目は「接触感染」です。
接触感染とは、感染者の便や嘔吐物に触れた後、その手で口や鼻を触ることによって感染することです。
例えば、トイレの後や、感染者のオムツ交換の後、十分に手を洗わないまま食事をしたり、口を触ったりすることで感染する可能性があります。
また、ドアノブや手すりなど、感染者が触れた場所を介して感染することもあるので注意しましょう。
接触感染を防ぐためには、こまめな手洗いが重要です。
飛沫感染
3つ目は「飛沫感染」です。
飛沫感染とは、感染者の咳やくしゃみ、嘔吐によって飛び散った、目に見えないほどの小さな飛沫を吸い込むことによって感染することです。
飛沫の中にはウイルスが含まれており、口や鼻の粘膜に付着することで感染します。
飛沫感染を防ぐためには、マスクの着用が有効とされています。
ウイルス性胃腸炎の予防や感染対策
最後に、ウイルス性胃腸炎の予防と感染対策について、以下の8つをご紹介します。
- バランスの取れた食事
- 良質な睡眠
- 適度な運動習慣
- 手洗い
- マスク
- 消毒
- 嘔吐物や便の処理方法
- 使用するタオルの区別
バランスの取れた食事
ウイルス性胃腸炎の予防や感染対策の1つ目は「バランスの取れた食事」です。
バランスの取れた食事を摂ることで、体の免疫力を高め、ウイルス性胃腸炎への抵抗力を高めることが期待できます。
免疫力を高めるためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素をバランス良く摂取することが大切です。
また、腸内環境を整えることも、ウイルス性胃腸炎の予防に効果的とされています。
腸内環境が整っていると、免疫細胞が活性化し、ウイルスや細菌に対する抵抗力が高まるとされています。
良質な睡眠
2つ目は「良質な睡眠」です。
十分な睡眠をとることで、体の免疫機能を正常に保ち、ウイルス性胃腸炎への抵抗力を高めることが期待できます。
睡眠中には、免疫細胞が活性化し、体内の修復が行われるのです。
睡眠不足は免疫力を低下させるため、ウイルスに感染しやすくなってしまいますので、睡眠時間をしっかりと確保し、質の高い睡眠をとるように心がけましょう。
適度な運動習慣
3つ目は「適度な運動習慣」です。
適度な運動は、血行を促進し、免疫細胞の働きを活発にするため、ウイルス性胃腸炎の予防に効果が期待できます。
運動によって体温が上昇すると、免疫細胞の働きが活性化し、ウイルスや細菌を攻撃しやすくなるでしょう。
激しい運動は逆に免疫力を低下させる可能性があるので、ウォーキングや軽いジョギングなど、無理のない運動を継続することが大切です。
手洗い
4つ目は「手洗い」です。
ウイルス性胃腸炎は、感染者の便や嘔吐物に含まれるウイルスが口から体内に入ることで感染します。
特に、トイレの後や食事の前、調理の前後には、石鹸と流水で丁寧に手を洗い、ウイルスを物理的に落とすようにしましょう。
ノロウイルスやロタウイルスなど、アルコール消毒が効かないウイルスもいるので、石鹸と流水での手洗いが重要です。
マスク
5つ目は「マスク」です。
ウイルス性胃腸炎は、飛沫感染や空気感染によってもうつる可能性があります。
感染者の咳やくしゃみによって飛び散ったウイルスを吸い込まないように、マスクの着用が有効とされています。
特に、人混みや換気の悪い場所では、ウイルスが空気中を漂っている可能性が高いので、積極的にマスクを着用しましょう。
消毒
6つ目は「消毒」です。
ウイルス性胃腸炎のウイルスは、ドアノブや手すりなど、さまざまな場所に付着している可能性があります。
これらの場所を消毒することで、接触感染のリスクを減らせます。
特に、アルコール消毒では効果がないとされるノロウイルスに対しては、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を用いた消毒が有効とされています。
消毒液の濃度を適切に調整し、使用上の注意をよく読んでから使用しましょう。
また、アデノウイルスに対しても、アルコール消毒は効果が低いといわれていますので、次亜塩素酸ナトリウムを薄めた液を用いて消毒することが推奨されます。
嘔吐物や便の処理方法
7つ目は「嘔吐物や便の処理方法」です。
感染者の嘔吐物や便には、大量のウイルスが含まれているため、適切な処理方法を知っておくことが重要です。
処理する際は、使い捨ての手袋とマスクを着用し、ペーパータオルなどで嘔吐物や便を拭き取り、ビニール袋に密閉して捨てます。
その後、汚れた場所は塩素系消毒剤で消毒しましょう。
処理後は、石鹸と流水で手を洗い、二次感染を防ぐことが重要です。
使用するタオルの区別
8つ目は「使用するタオルの区別」です。
使用するタオルの共用は、ウイルス性胃腸炎の感染リスクを高める可能性があります。
家庭内でタオルを使用する場合は、それぞれ別のタオルを使うようにしましょう。
特に、感染者と健康な人は、必ずタオルを分けて使用することが大切です。
また、タオルは定期的に洗濯し、清潔に保ちましょう。
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ウイルス性胃腸炎はうつるのかに関するまとめ
ここまでウイルス性胃腸炎はうつるのかについてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- ウイルス性胃腸炎は、ウイルスが原因で起こる感染性胃腸炎で、主な症状は嘔吐や下痢、腹痛、発熱など
- ウイルス性胃腸炎の感染経路は、経口感染、接触感染、飛沫感染の3つがある
- ウイルス性胃腸炎を防ぐためには、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動などで免疫力を高めること、そして手洗いや消毒、マスクの着用など、感染対策を徹底することが重要
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。