花粉症の症状といえば鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどが代表的です。
しかし花粉症では、咳症状が出ることもあります。
花粉症で咳が出る原因はなんなのでしょうか。
本記事では、花粉症の咳について以下の点を中心にご紹介します。
- 花粉症の咳の原因
- 花粉症の咳を止めるには
- 花粉症の咳の予防方法
花粉症の咳について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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花粉症とは
花粉症は、植物の花粉が原因で起こるアレルギー症状です。
季節性アレルギー性鼻炎などとも呼ばれています。
花粉症の代表的な症状は次の通りです。
- 鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみ
- 喉の痛み
- 咳
出典:環境省【Ⅰ . 花粉症とは】
花粉症といえば春のイメージがありますが、秋も花粉症が起こりやすい季節です。
花粉はさまざまな植物から1年中放出されているため、通年で花粉症が起こることもあります。
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花粉症の咳が止まらない原因
花粉症では、止まらないほどひどい咳が出ることもあります。
花粉症で咳が出る原因をご紹介します。
喉がアレルギー反応を起こす
花粉症で咳が出る原因は、喉がアレルギー反応を示すためです。
花粉などのアレルギー物質によって喉に異常が出る状態は、「アレルギー性咽頭炎」と呼ばれます。
口や鼻から侵入した花粉は、喉の粘膜に張り付くことがあります。
喉の粘膜に張り付いた花粉は、身体にとって異物と判断されます。
すると身体は異物を排除しようとして、花粉が付着した部位に免疫細胞を呼び集めます。
集まってきた免疫細胞が花粉を駆除する際には、喉の粘膜に炎症が起こります。
喉の粘膜に炎症が起こると、咳や痰などの症状が出やすくなるというわけです。
咳や痰は、身体から花粉を追い出すための症状でもあります。
つまり花粉によって咳が出るのは、身体の防衛反応の1種といえます。
花粉症による咳症状は、連発して起こりやすいのが特徴です。
個人差はありますが、症状は起床後・お昼頃・夕方頃に悪化する傾向がみられます。
アレルギー性の喘息にかかっている可能性
花粉症によって咳が出るのは、喘息が原因の可能性もあります。
喘息とは気道に炎症が起こった状態です。
喘息の主な症状は次の通りです。
- 咳
- 喘鳴(息がヒューヒューと鳴る)
- 呼吸が苦しい
喘息の主な原因はアレルギー物質です。
アレルギー物質とは、たとえば花粉・ハウスダストなどが代表的です。
つまり喘息は、花粉が引き金になって起こることもあるのです。
花粉などが原因の「アレルギー性鼻炎」の方の3割は、喘息を併発しているとも指摘されています。
花粉症の咳を止める方法
花粉症の咳が止まらないときの対処法をご紹介します。
花粉症による咳にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
薬を飲む
咳が止まらないときは咳止めを飲むのも1つの方法です。
あるいは、抗アレルギー薬を飲むのもおすすめです。
抗アレルギー薬とは、咳をはじめアレルギー症状全般に効果のある薬です。
薬は、医療機関で処方してもらうのがベストです。
専門知識を持つ医師の指導の下で服用することで、高い効果や副作用予防を期待できます。
市販薬を購入する場合は、薬剤師に相談しましょう。
保湿
咳症状は、喉が乾燥すると悪化しやすくなります。
咳が止まらないというときは、喉を保湿してみましょう。
たとえば温かい飲み物を飲むと、蒸気で喉が潤います。
食事改善
食事を見直すと、花粉症の症状が改善されやすくなります。
理由は、栄養バランスが整うと、身体の免疫力がアップしやすくなるためです。
咳に効く食材を取り入れるのも良い方法です。
- ショウガ
- 蜂蜜
- 種実(アーモンド・松の実・落花生)
- 梅干し
- れんこんのすり流し
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花粉症咳を止める市販薬のおすすめ
花粉症に効く市販薬の選び方をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
漢方薬
花粉症の咳には漢方薬が効くことがあります。
特に咳症状におすすめなのは、以下のような漢方薬です。
- 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
- 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
- 柴朴湯(さいぼくとう)
小青竜湯は咳のほか、鼻水・鼻づまりといった花粉症症状全般に有効です。
アレルギーに対応した市販薬
花粉症による咳は、市販薬で改善できることもあります。
市販薬は、抗アレルギー薬などが代表的です。
ただし、抗アレルギー薬の中には咳止め効果がない商品もあるため注意してください。
咳を改善したい場合は、咳止め効果のある商品を選ぶことが大切です。
咳止め薬
市販の咳止め薬を使うのも良い方法です。
市販の咳止めを利用するときは、他の薬との併用に気をつけましょう。
たとえば、咳止め薬は、花粉症用の抗アレルギー薬とは併用できないケースが多いです。
理由は、薬の効き目が強く出たり、副作用が出たりすることがあるためです。
薬の飲み合わせについては、薬剤師に相談してみましょう。
花粉症の咳を予防するおすすめの方法
花粉症の咳の予防方法をご紹介します。
咳にお悩みの方は、ぜひ次のような方法をお試しください。
出典:環境省【Ⅲ . 花粉症の予防と治療】
加湿
乾燥は咳を悪化させる原因です。
咳を予防するには、加湿・保湿に努めましょう。
たとえば加湿器を使う方法が代表的です。
加湿器がない場合は、以下のような方法で加湿するのもおすすめです。
- 近くに水を入れたコップを置く
- 濡れた衣服・タオルなどを室内に干す
- お湯を沸かす
- 霧吹きで水をまく
マスクをつける
花粉症による咳を予防するには、根本原因である花粉をブロックすることも大切です。
代表的な方法はマスクの着用です。
マスクで鼻と口をガードすることで、花粉が喉に侵入しにくくなります。
花粉は目からも侵入するため、必要に応じてメガネ・サングラスを着用するのもおすすめです。
鼻うがいをする
花粉症の予防にはうがいが効果的です。
特に鼻うがいは高い予防効果が期待できます。
鼻うがいとは、生理食塩水で鼻の中を洗う方法です。
鼻の粘膜に付着した花粉を洗い流せるため、喉の粘膜を花粉から守りやすくなります。
【鼻うがいのやり方】
- 1 生理食塩水または鼻うがい用の洗浄液を用意する
- 2 前かがみの状態で「あー」と声を出しながら1を片方の鼻に流し込む
- 3 2を反対の鼻の穴からゆっくり出す
- 4 鼻をかむ
花粉症の咳がひどいときの対処法|何科に行くべき?
花粉症の咳がひどいときは、病院で診てもらうのも良い方法です。
ここからは、診療科の選び方をご紹介します。
呼吸器内科
呼吸器内科は、喉の症状がひどい場合におすすめです。
たとえば次のような症状がある場合は、呼吸器内科を検討してください。
- 咳
- 喉の痛み
- 喉のイガイガ
耳鼻科
耳鼻科は、咳症状を含め花粉症の症状全般を診て欲しいときにおすすめです。
たとえば次のような症状が該当します。
- 鼻水・鼻づまり
- くしゃみ
- 目のかゆみ
- 咳
- 喉の痛み
内科
診療科に迷ったときは、ひとまず内科に相談するのも良い方法です。
たとえば次のような場合が該当します。
- 咳の原因が花粉症と断定できない
- 花粉症と風邪の見分けがつかない
- 呼吸器内科・耳鼻科などに行きづらい
花粉症で咳が出る子供へのケア
近年は子供の花粉症も増加しています。
子供が花粉症で咳が出ている場合、どのようなケアを行えば良いのでしょうか。
主なケア方法をご紹介します。
水分補給を促す
咳が止まらない場合は、水分補給を促しましょう。
喉が潤うため、咳が軽減されやすくなります。
乾燥を防ぐために、保湿・加湿を行うことも大切です。
部屋の湿度は40~60%を目安にしましょう。
マスクをつけるのも良い方法です。
マスク内に自身の呼気がこもるため、喉が乾燥しにくくなります。
熱があれば病院へ
咳以外の症状がある場合は、花粉症以外の病気が考えられます。
咳に加えて、発熱などの症状がみられる場合は病院で診てもらいましょう。
もちろん、症状が咳だけの場合も受診してかまいません。
診療科は小児科のほか、耳鼻科・内科が一般的です。
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花粉症の咳と間違われやすい病気
咳は花粉症以外の病気でも広くあらわれます。
咳が出やすい花粉症以外の病気をご紹介します。
風邪
風邪は花粉症と間違われやすい病気です。
しかし、風邪と花粉症では、同じ症状でも様子が異なります。
たとえば風邪による咳は、出るタイミングにあまり規則性はありません。
一方で、花粉による咳は、花粉を吸い込んだときに出やすいのが特徴です。
また、風邪では咳に加えて発熱・頭痛などがみられることが多いです。
個人差はありますが、目の症状はあまりありません。
対して、花粉症では熱が出ることは稀です。
花粉症は風邪と異なり、目のかゆみが出やすいのも特徴的です。
蓄膿症
蓄膿症は副鼻腔に膿が溜まる状態です。
咳・鼻水などの症状が出やすいため、花粉症と間違われやすい病気の1つです。
蓄膿症と花粉症の見分けは、咳症状だけでは難しいのが実際のところです。
代わりに注目したいのが、鼻水の状態です。
蓄膿症の鼻水はネバネバで緑・黄色をしていることが多いです。
対して花粉症の鼻水は、サラサラで透明であることが一般的です。
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花粉症で出る咳に民間療法は効く?
花粉症の改善に民間療法が用いられることがあります。
民間療法とは、簡単にいえば、医学的根拠が明らかでない医療のことです。
花粉症に有効とされる民間療法にはたとえば次があります。
- 漢方
- 鼻スチーム療法
- 鼻洗浄療法
- ハリ
- 花粉症に効く食品の摂取
出典:厚生労働省【花粉症の民間医療について|厚生労働省】
各民間療法の花粉症の改善効果は、多くても50%程度です。
つまり、民間療法による花粉症の改善はあまり期待できません。
厚生労働省は、民間療法による花粉症の治療を推奨していません。
花粉症の咳が止まらない場合は、できれば医療機関で診てもらいましょう。
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花粉症の咳のまとめ
ここまで花粉症の咳についてお伝えしてきました。
花粉症の咳の要点を以下にまとめます。
- 花粉症の咳の原因は、アレルギー症状・花粉による喘息
- 花粉症の咳を止めるには、咳止めの服用・加湿
- 花粉症の咳の予防方法は、加湿・マスクの着用・鼻うがいなど
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。