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健達ねっと>健康お役立ち記事>関節痛>股関節痛の原因は何?考えられる疾患の治療と予防方法について解説!

股関節痛の原因は何?考えられる疾患の治療と予防方法について解説!

股関節とは足の付け根のあたりのことです。
股関節に痛みがある場合、原因として様々な病気が考えられます。

股関節痛の原因となる主な病気には、どのようなものがあるのでしょうか?
また、股関節痛の痛みにはどのような治療法があるのでしょうか?

本記事では、股関節痛の原因について以下の点を中心にご紹介します。

  • 股関節痛の主な原因とは
  • 変形性股関節症による股関節痛の治療方法は
  • 変形性股関節症以外の股関節痛の原因とは

股関節痛の原因について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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股関節痛とは

股関節痛とは、足の付け根である股関節が痛むことです。
痛みを感じやすい場面としては、階段を昇ろうとして足を持ち上げたときなどが代表的です。
もしくは、歩いた後や正座しているときに足の付け根周辺が痛むこともあります。

股関節痛の原因としては、様々な病気が考えられます。

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股関節痛のセルフチェック

股関節痛のセルフチェック方法をご紹介します。
心当たりがないか、ぜひ確かめてみてください。

痛む箇所の確認

股関節痛が出やすい場所は次の通りです。

  • 足の付け根
  • 太もも
  • お尻
  • 骨盤
  • ひざ

痛みがあるのは?

股関節痛で痛みがあるのは、次のような場所です。

  • 股関節まわりの右側
  • 股関節まわりの左側
  • 股関節まわりの左右

どのような場面で痛む?

股関節痛が出やすい場面は次の通りです。

歩いているとき立ち上がるとき
階段の昇り降りのとき重い荷物を持ち上げたとき
サッカーや野球などで走っているとき寝返りしたとき
しゃがむとき正座をしたとき

 

股関節痛の原因1位「変形性股関節症」

股関節痛の原因として代表的なのが「変形性股関節症」です。
変形性股関節症とは、股関節の骨や軟骨がすり減るなどして、痛みが生じる状態です。

ここからは、股関節痛の代表的な原因である変形性股関節症について詳しく解説していきます。

進行過程

変形性股関節症は、徐々に進行していくことが一般的です。
変形性股関節症の進行過程をご紹介します。

前関節症

前関節症は、変形性股関節症のごく初期の段階です。
前関節症では、股関節の骨の変形といった異常が認められます。

しかし程度は軽微であるため、痛みなどの自覚症状はあらわれないことがほとんどです。

初期

前関節症の段階を過ぎると、変形性股関節症の初期に至ります。

初期には、股関節の軟骨の摩耗などがみられます。
具体的には、軟骨がすり減ることで股関節の骨と骨の隙間が狭くなります。
また、股関節の軟骨下骨が硬化することもあります。

初期は前関節症と同じく、痛みなどの自覚症状はあまりあらわれません

進行期

進行期は、初期よりもさらに股関節の軟骨の摩耗が進みます
レントゲンなどでみてみると、股関節の軟骨が虫食いのようになっていることもあります。

軟骨がすり減ると、関節の骨同士がぶつかりやすくなります。
そのため、進行期には股関節痛などの症状がハッキリとあらわれやすくなります。

末期

末期になると、股関節の軟骨の摩耗はさらに顕著になります。
関節の中に骨棘(こつきょく)や骨嚢胞(こつのうほう)ができることも少なくありません。

骨棘とは、関節の軟骨が肥大化・硬化してできる棘のような組織です。
骨嚢胞とは、骨の中にできる空洞です。

末期になると、些細な身動きでも股関節の骨同士がぶつかりやすくなります。
そのため、耐えがたい股関節痛を感じやすくなります。

検査方法

変形性股関節症が疑われる場合は、次のような検査をすることが一般的です。

問診医師が口頭で症状などの聞き取りをする
視診医師が患者の歩き方を確認する
X線股関節の骨の形・軟骨の状態をレントゲンで確認する
CTレントゲンよりも詳細に骨の状態などを確認する
MRI関節の水や炎症の状態を確認する

 

薬物治療

変形性股関節症の治療方法は、進行具合にあわせて調整されます。
強い痛みが出やすい進行期・末期には薬物療法が用いられることもあります。

代表的な薬剤は、非ステロイド性抗炎症薬です。
主な作用は、関節の炎症を鎮めて股関節痛を軽減することです。

変形性股関節症の薬剤は内服薬が一般的でしたが、最近は貼り薬・塗り薬も増えています。
内服薬は慢性的に服用すると、胃腸障害などの副作用を招くおそれがあるため注意しましょう。

また、種類に限らず股関節痛を薬で押さえ込むのは危険です。
薬の服用中は痛みを感じにくいだけで、軟骨の摩耗や骨の変形は続いているためです。

薬の使い方や運動の仕方については、くれぐれも医師とよく話し合ってください。

運動療法

股関節痛の治療には運動療法も有効です。
目的・運動の仕方・効果をご紹介します。

目的

運動療法の目的は、股関節のリラックスです。
関節痛がある方は、股関節の筋肉などが硬直している場合がほとんどです。
運動療法によって股関節の硬直をリラックスさせることで、痛みの軽減が期待できます。

また、股関節の緊張をゆるめると、関節の可動域も広がります。
関節痛の原因は多くの場合、関節に過剰な負荷がかかって軟骨がすり減ることです。

運動療法によって可動域を広げると、股関節を適切に動かせるようになります。
軟骨の摩耗の軽減が期待できるため、痛みも緩和されやすくなります。

運動のしかた

運動療法のやり方には様々な方法があります。

代表的なやり方は以下の通りです。

  • 椅子に座ってゆっくり開脚する
  • 貧乏揺すり
  • 軽いウォーキング
  • 水中ウォーキング
  • 軽めのヨガ
  • 軽めの自転車こぎ

痛みがある場合は水中ウォーキングがおすすめです。
理由は、水中では浮力によって股関節への体重の負荷が減るためです。

なお、運動のやり方については事前に必ず医師に相談してください。
変形性股関節症が進んでいる方などは、無理に運動するとかえって症状が悪化するおそれがあるためです。

たとえ医師から運動の許可が出ても、くれぐれも運動のしすぎには気を付けてください。
運動時間の目安は15分程度です。
また、痛みを感じるような運動・動作は控えましょう。

効果

運動療法に期待できる効果は次の通りです。

  • 股関節の柔軟性を高める
  • 股関節の可動域を広げる
  • 関節内の循環をよくして軟骨に栄養を行き渡らせる
  • 筋肉を強化して運動時の股関節の負荷を減らす

生活改善

股関節痛や変形性股関節症を改善するには、日常生活を見直すことも大切です。

たとえば次のようなポイントを改善してみましょう。

  • 歩き方のクセを直す
  • 椅子やベッドなどを利用する
  • 重い荷物を持たない
  • カイロなどを使って股関節を温める

手術方法

変形性股関節症が末期になると、薬物療法などでは効果が期待できない場合もあります。
薬物療法などが効かない場合は、手術療法が選択されることもあります。
代表的な手術方法をご紹介します。

関節鏡手術

関節鏡手術は、股関節に小さな穴を空けて内視鏡を挿入する方法です。
関節鏡手術では、損傷した軟骨や異常に出っ張った骨などを切除します。

内視鏡には小型のカメラが付いているため、股関節内の様子を直接確かめながら処置できます。

骨切り術

骨切り術は、股関節の骨の一部を切除して、関節の骨の構造を調整する方法です。

骨切り術には、次のような術式が存在します。

  • 棚形成術
  • 寛骨臼(かんこつきゅう)回転骨切り術
  • キアリ骨盤骨切
  • 内反骨切り術
  • 外反骨切り術

どの術式が用いられるかは、症状の程度などによって異なります。

人工関節手術

人工関節手術は、変形した股関節部分を人工関節に置き換える方法です。
人工関節はインプラント製が一般的です。

痛みの原因箇所を取り除くため、痛みの軽減を期待できます。
また手術後は多くの場合、なめらかな動作・運動ができるようになります。

人工関節手術は、変形性股関節症末期に選択されることが一般的です。
強烈な股関節痛があり、日常生活に支障が出ている場合や他の治療で効果を得られない場合が該当します。

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股関節痛の原因となる他の疾患

股関節痛の原因となる病気は、変形性股関節症の他にもあります。
股関節痛の代表的な原因をご紹介します。

リウマチ性股関節症

リウマチ性股関節症は、リウマチ関節症の1種です。
リウマチ関節症は、関節にある滑膜という器官が炎症を起こす病気です。

滑膜が炎症を起こすと、骨が変形したり、軟骨が摩耗したりします。
結果として、股関節をはじめ全身の関節に痛みを感じやすくなります。

リウマチ関節症の原因として、自己免疫機能の異常が指摘されています。
自己免疫が正常な細胞などを攻撃してしまうことで、滑膜の炎症が起こるのです。

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭壊死症は、大腿骨の一部に血液が届かなくなり、骨組織が破壊される病気です。
特発性大腿骨頭壊死症とも呼ばれており、国の指定難病に登録されています。

骨組織が破壊された状態は「壊死」と呼ばれます。
壊死した大腿骨が運動時などに潰れると、強い痛みを生じさせます。

大腿骨頭壊死症の原因は判明していません。
一説では、ステロイド薬の大量投与や大量飲酒が原因と指摘されています。

大腿骨頚部骨折

大腿骨頚部骨折は、大腿骨頸部という太ももの先端の細い部分を骨折することです。
原因として、転倒・交通事故などの物理的な圧力があげられます。

大腿骨頸部骨折は、特に高齢の方に目立ちます。
理由は、高齢の方は骨密度が低下しており、骨が弱くなっているためです。
大腿骨頸部は特に華奢な部分であるため、他の骨に比べてもわずかな衝撃で折れやすいのです。

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生理や妊娠中の股関節痛の原因

女性は生理の前後や妊娠中に、股関節痛が出ることもあります。
生理・妊娠による股関節痛の原因は、主に2つあります。

1つ目の原因として、子宮の肥大化が指摘されています。
生理前・妊娠中は子宮が大きくなるため、周囲の臓器・股関節が圧迫されて痛みを感じやすくなるのです。

2つ目の原因は骨盤の歪みです。
骨盤が歪むと子宮などの臓器を圧迫することがあります。

特に生理前・妊娠中は子宮が大きくなるため、骨盤の歪みによる圧迫も激しくなります。
すると子宮だけでなく、周辺の臓器や股関節にまで痛みが及ぶというわけです。

生理・妊娠による股関節痛は、温めるなどすると軽減が期待できます。
また、ヨガなどによって骨盤の歪みを正すことも大切です。

薬の使い方

股関節に関係のある病気の受療率

股関節の病気に関係のある疾患受療率を以下の表にまとめました。

【受療率(人口10万人対)】

平成23年平成26年平成29年
総数入院外来総数入院外来総数入院外来
筋骨格系及び結合組織の疾患848507987465569174956692
炎症性多発性関節障害504464343943339
関節症202111911651215317313161

出典:【入院-外来×傷病分類別(平成8年~29年) | 統計表・グラフ表示

股関節に関わる病気の中でも、特に「筋骨格系及び結合組織の疾患」が多いことがわかります。
また、入院する患者数は少なく、通院での治療が多くなっています。

股関節痛は、骨粗鬆症による骨折などで生じることもある痛みです。
関節だけでなく、骨にもなんらかの不安がある場合は、一度病院で診察してもらうことが大切です。

股関節痛原因まとめ

ここまで股関節痛の原因についてお伝えしてきました。
股関節痛の原因の要点をまとめると以下の通りです。

  • 股関節痛の主な原因は、変形性股関節症
  • 変形性股関節症による股関節痛の治療方法は、薬物療法・運動療法・手術療法など
  • 変形性股関節症以外の原因は、リウマチ性股関節症・大腿骨頭壊死症・大腿骨頸部骨折

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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