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トップページ>健康お役立ち記事>体の不調>鉄欠乏性貧血について|どんな症状が現れる?こどもや妊婦は要注意

鉄欠乏性貧血について|どんな症状が現れる?こどもや妊婦は要注意

「貧血」は血液が薄くなる症状で、さまざまな種類があります。
とくに女性に多いのが「鉄欠乏性貧血」で体内の鉄不足によって起こります。

めまいや立ちくらみ、疲労感といった症状に悩まされている方は多いのではないでしょうか。
鉄欠乏性貧血の症状は、普段の食生活で改善することが可能です。

 本記事では鉄欠乏性貧血の症状について以下の点を中心にご紹介します。

  • 鉄欠乏性貧血の症状とは
  • 鉄欠乏性貧血の原因とは
  • 鉄欠乏性貧血を抑える食事とは

 鉄欠乏性貧血の症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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鉄欠乏性貧血とは

「鉄欠乏性貧血」とは、貧血の一種で、最も多い症状です。
厚生労働省の調べによると、女性は3人に1人の割合で鉄が欠乏した状態だといわれています。

体内の鉄が不足してしまうことで、赤血球のヘモグロビンが作られなくなります。
ヘモグロビンは、酸素を運ぶ働きがありますが、ヘモグロビンが少なくなると、体の隅々まで酸素が行き渡らなくなります。

鉄欠乏性貧血とは、いわゆる「酸欠」状態ということです。

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鉄欠乏性貧血の症状

鉄欠乏性貧血には、さまざまな症状が現われます。

鉄欠乏性貧血は慢性になると、なかなか自分では自覚しにくくなります。
鉄欠乏性貧血の症状を改めて確認し、早期治療、対策しましょう。

疲れやすい

少し動いただけで疲れてしまうという症状は、酸素不足によるものです。
酸欠状態になると筋肉の代謝が悪くなるため、だるさを感じやすくなります。

めまい・立ちくらみ

鉄欠乏性貧血は足元が安定せず、ふわふわとした浮遊感のあるめまいや立ちくらみが特徴です。
脳内の酸素不足によって引き起こされます。

息切れしやすい

鉄欠乏性貧血は、血液中の酸素量が不足している状態です。
不足している酸素を補おうとして、体に大きな負担がかかるため息切れしやすくなります。

睡眠障害

鉄分が不足すると「むずむず脚症候群」になる可能性があります。
むずむず脚症候群とは、寝ているときに、太ももやふくらはぎがむずむずして、眠れないという症状です。

爪の異常

鉄欠乏性貧血の人の特徴として、爪の先が反り返る「スプーンネイル」があります。
さらに、爪が割れやすいというのも症状のひとつです。

体の各組織にあるべき鉄が減ることで、髪の毛、皮膚にも影響を及ぼします。

イライラや集中力の低下

鉄欠乏性貧血は、精神症状にも大きく影響を与えます。
「イライラしやすい」、「集中力が持続しない」といった症状も、鉄不足が原因の可能性があります。

顔色が悪い

頬の赤味は、ヘモグロビンの色素によるものです。
鉄欠乏性貧血になると、ヘモグロビン自体が減るため、血の気が引いたように見えます。
また、鉄不足によって新陳代謝も鈍くなるため、肌のハリや潤いもなくなります。

大量の氷を食べる

鉄欠乏性貧血の特徴として「氷食症」があります。
氷が無性にかじりたくなって、ガリガリと大量に食べてしまいます。

鉄欠乏性貧血の原因|大人からこどもまで

鉄欠乏性貧血の原因は、いろいろありますが、大きく分けると以下の3つになります。 

  • 鉄需要の増加
  • 鉄喪失
  • 鉄供給の低下

 それぞれ詳しく見ていきましょう。

鉄需要の増加

思春期や妊娠期では、鉄需要が増加します。

鉄は、吸収のされにくいミネラルで、基本的に不足しやすいという特徴があります。
通常3〜4gの鉄分がさまざまな形態で体内に存在し、日々1mgくらいの鉄が失われています。

思春期は、成長やスポーツなどにより、通常より多くの鉄が必要とされます。
また、妊娠期では、徐々に成長する胎児に対して鉄分を送らなくてはなりません。

このように鉄の需要が増加し、供給が追い付かなくなると「鉄欠乏性貧血」を起こします。

鉄喪失

鉄が不足する原因として一般的なのが「出血」です。
女性は月に1度、月経があります。

月経過多は、1回の月経の血液量が多く、レバー状の血液の塊が見られます。
出血が多くなることによって、鉄分も失われてしまいます。

月経過多には、子宮筋腫や子宮内膜ポリープといった病気が原因となっている場合もあります。
病気の治療によって、鉄欠乏性貧血の症状がなくなったというケースも多くあります。

鉄供給の低下

鉄分は、常に食事から摂取しなければなりません。
とくに動物性食品に多い「ヘム鉄」は、吸収率がよいので積極的にとりたいものです。

しかし、極度の偏食などで「肉や魚が食べられない」という方は、鉄供給が低下します。
思春期の女性は、無理にダイエットすると、鉄欠乏性貧血を起こします。
また、高齢者は食が細くなるため、鉄不足になりやすいので注意が必要です。

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鉄欠乏性貧血の検査・治療方法

鉄欠乏性貧血を疑われる場合、まず病院での検査・治療をおすすめします。
病院でどのような検査・治療をするのか簡単に説明していきます。

検査

検査は一般的に「血液検査」です。
「ヘモグロビン値」を測定し、12g/dl未満だと「貧血」という診断が下されます。

なぜ鉄欠乏性貧血になったかという「原因の特定」も大切です。

女性の場合、「子宮筋腫」や「子宮がん」などの婦人科疾患についても検査します。
閉経後の女性や男性の場合には、胃潰瘍、ポリープ、がんといった消化管疾患の確認が必要になります。

治療

鉄欠乏性貧血になった原因を治療します。
とくに疾患がなく、貧血症状のみの場合には、「薬物療法」が行われます。

原則的には、「鉄剤」を経口投与し、様子を見ます。

鉄剤による治療が始まると、2〜3週間で体内の鉄分が正常になります。
その後、ヘモグロビンも上昇するため、貧血症状は改善されていきます。

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鉄欠乏性貧血の症状を抑える食事

「鉄欠乏性貧血」の症状を抑えるためには、日々の「食事」が大切になります。
どのような点に注意したらいいのでしょう。

鉄を多く含む食品をとる

鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。
体内への吸収率のよいのはヘム鉄です。
ヘム鉄が多く含まれているのは、「肉」や「魚介類」で、とくに「レバー」に多く含まれています。

レバーに蓄えられた貯蔵鉄をそのまま摂取するため、確実に鉄が補給できます。
レバーが苦手だという人は、スパイスを効かせるなど、調理を工夫しましょう。

鉄の吸収を高める食品をとる

鉄は、ほかの栄養素よりも吸収率がよくありません。

そこで、吸収率をアップさせるため、「ビタミンC」を多く含んだ食品も一緒に食べましょう。
具体的には、ブロッコリー、ピーマン、さつまいも、いちご、グレープフルーツなどです。

また、赤血球を作るために必要な「ビタミン12」や「葉酸」を含む食品も貧血予防には欠かせません。
ビタミンB12は、のり、貝類、鮭、イワシといった魚介類に多く含まれます。
葉酸は、ほうれん草や納豆、のりなどに多く含まれます。

鉄の吸収を妨げるものは控える

わざわざ鉄分の多い食事を心がけても、食べ合わせによって吸収を妨げてしまいます。

緑茶、紅茶、コーヒーに多く含まれる「タンニン」は、鉄の吸収を妨げてしまいます。
そのほかにも、「不溶性食物繊維」は、鉄と一緒に体外に排出されてしまいます。
加工食品に含まれる「リン酸」も鉄の吸収を妨げるので注意しましょう。

鉄の調理器具を使う

食事だけでなく、調理器具も工夫しましょう。
鉄のやかん、鉄のフライパン、鉄鍋を使って調理すると、少しずつ鉄が溶けます。
そのため、自然に鉄の補給ができます。

薬の使い方

鉄欠乏性貧血の症状はこどもに出やすい?

鉄欠乏性貧血の症状は、若い女性などに多いと思われがちです。

しかし、「こども」にも鉄欠乏性貧血の症状が出やすいことがわかっています。
その原因を見ていきましょう。

乳幼児早期

お母さんからの鉄が赤ちゃんに移行するのは、妊娠最後の3ヶ月といわれています。

早産などで鉄が十分移行できない場合、鉄欠乏性貧血の症状が出ることがあります。
また、生まれて4〜5か月になると急速に成長します。
鉄の消費が多くなり、鉄欠乏性貧血の症状が出ることがあります。

鉄欠乏性貧血のお母さんの母乳では、十分に赤ちゃんに鉄分を与えられません。
授乳期には、お母さんも赤ちゃんのために鉄分を多くとるようにしましょう。

乳幼児後期

乳幼児後期、とくに生後9か月くらいになると、鉄欠乏性貧血が起こります。
これは「離乳期貧血」と呼ばれています。

離乳食が始まる時期は、ちょうどお母さんからもらった鉄分がなくなる頃です。
本来は、離乳食で鉄分を補わなくてはなりません。

しかし、離乳食がうまく食べられなかったり、鉄分の摂取が十分でなかったりします。
そうなると、鉄欠乏性貧血の症状が出ることがあります。

幼児・学童期

幼児・学童期には、牛乳を多く飲むことによって鉄欠乏性貧血の症状が出ることがあります。
これを「牛乳貧血」と呼びます。
牛乳は母乳より鉄含有量が少なく、多飲することで食事量が減るからです。
食事からの鉄分摂取を心がけなくてはなりません。

思春期

思春期の鉄欠乏性貧血の主な原因は、急激な体の発育によるものです。
スポーツによって運動量が大きくなるため、鉄の消費量も増加します。

また女子は、ちょうど月経が始まる時期で、月経による鉄の喪失も関係します。
さらに、思春期にはダイエットによる鉄欠乏性貧血の症状も増えてきます。

鉄欠乏性貧血の症状まとめ

ここでは、鉄欠乏性貧血の症状について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。 

  • 鉄欠乏性貧血の症状は動悸・息切れ、めまい・立ちくらみ、爪の異常など
  • 鉄欠乏性貧血の原因は鉄需要の増加、鉄喪失、鉄供給の低下
  • 鉄欠乏性貧血を抑える食事は「ヘム鉄」を多く含む食品を積極的にとること

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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