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せん妄の症状とは?症状、原因、対応法を徹底解説します!

皆さんは、せん妄という症状について耳にしたことはありますか?

せん妄と認知症の症状の違いや、いざ起こったときにどう対応したらいいのか分からず困っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、以下のことを解説していきます。

  • せん妄の症状や原因
  • せん妄が起きたときの対処方法

ぜひ最後までご覧いただき、日々のケアの参考にして下さい。

せん妄とは

せん妄とは、病気や薬剤の副作用などが原因で突発的に精神不安定な状態になる症状です。

高齢者に多く発症し、一時的に錯乱状態になったり、会話が成立しない・支離滅裂な言動をする・不穏な様子になるといった状態になります。

高齢者介護の場面でよくあるせん妄の事例を挙げると、以下のようなものがあります。

  • 急病で入院した方が病棟で混乱して騒いでいる
  • 昨日までは何でもなかった利用者が急に重度の被害妄想や幻視幻聴を訴えるようになった

一見すると認知症のように見えますが、実はせん妄と認知症には大きな違いがあります。
せん妄が認知症と大きく異なる点は、治ったり収まったりする可能性が高いというところです。

また、せん妄はある日突然急激に精神症状が発生してしまいます。
対処が遅れると状況がどんどん悪化してしまいますので、早めに専門医に相談して対応方法を検討することが重要です。

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せん妄の症状とは

せん妄が発生すると、主に以下の5つのような精神症状が出現します。

  • 睡眠・覚醒リズムの障害
  • 幻覚・妄想
  • 見当識・記憶障害
  • 情動・気分の障害
  • 神経障害

それぞれの症状がどのような状態のことをいうのか、具体例と共にご紹介します。

睡眠・覚醒リズムの障害

具体的には、不眠や昼夜逆転などの睡眠障害を発症します。

また、起きていても半分寝ているような意識が朦朧(もうろう)とした状態になったり、睡眠状態なのにもかかわらず無意識に動き回ったりします。

寝ているのか起きているのか曖昧な覚醒レベルの状態を覚醒リズムの障害といいます。

生活リズムが激しく乱れることによって夜間せん妄が起きやすくなってしまうので、支援者から見れば多大な介護の負担となってしまいます。

幻覚・妄想

具体的には、実際にはいない虫や蛇、ネズミなどが見えたり、壁にかかっている上着を見て「あそこにいる人が監視している」などと訴えたりする状態のことを言います。

また、点滴や注射などの医療行為を「悪い薬を打たれている」と被害妄想を述べて拒否する・実際には誰もいないのに「男の人が〇〇だと言っているから早く家に帰らないといけない」などの幻覚を生じることもあります。

事実と異なるにもかかわらず、本人は幻覚や妄想を事実として捉えてしまっているため、対応が難しい症状です。

見当識・記憶障害

見当識とは時間・場所・人物などについて物事に見当をつけるという能力のことです。

見当識障害が起きると、時間の感覚や今いる場所が分からなくなったり、自分に話しかけている人が誰かということが理解できなくなったりします。

また、せん妄状態になると記憶力にも影響が出ます。

記憶障害が起きることによって、例えば手術後に目を覚ましたら「なぜ病院にいるのか」ということが分からなくなって騒いでしまうといった「術後せん妄」が起きてしまいます。

住み慣れた自宅や施設でも一時的にせん妄状態になって見当識・記憶障害が起きてしまえば、同様の症状が発生します。

情動・気分の障害

喜怒哀楽の感情が不安定となり、突然怒り出す・泣き出す・笑い出すといった感情失禁が起きやすくなります。

また、何事にもやる気が起きなくなって活動性が低下したり、逆に突然異常に行動的になったりするため人が変わってしまったような状態となります。

この障害に上記の見当識・記憶障害が併発すると、例えば点滴や膀胱留置カテーテル・経管栄養チューブなどを自己抜去するといった命にもかかわる直情的な行動を起こしてしまう危険性があります。

医療スタッフとしては最悪身体拘束が必要になるなど、何よりも先に対応しなければならない症状の一つです。

神経障害

発汗や頻脈といった神経障害が表れる場合があります。
また、アルコールを原因としたせん妄の場合には手の震えもよく見られます。

せん妄の症状により詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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せん妄には種類がある?

せん妄は大きく分けて3種類に分類できます。
代表的な種類とそれぞれの症状・特徴を紹介します。

過活動型せん妄

過活動型は、落ち着きがなくなるタイプのせん妄です。
具体的な症状は以下の通りです。

  • 興奮・イライラしやすい
  • 大声を出す
  • 幻覚・幻聴
  • 妄想・作話
  • 不眠

 

過活動型せん妄の症状は、認知症の症状とよく似ています。
そのため、認知症と間違われることも少なくありません。

過活動型せん妄は、高齢者にあらわれやすいタイプでもあります。

原因は様々ですが、1つに環境の変化が挙げられます。
たとえば引っ越しや入院などをキッカケに症状があらわれるケースが多くみられます。

低活動型せん妄

低活動型せん妄は、極端に元気がなくなるタイプです。
以下のような症状があらわれます。

  • ボンヤリしている
  • 話しかけても反応がない
  • 目がうつろ
  • 無関心・無感動
  • 注意力の低下

 

低活動型せん妄は、過活動型ほど異常な行動が目立たないため、発見が遅れやすいのが特徴です。
そのため、実は気付いていないだけで、過活動型と同じくらい発症率が高いとも指摘されています。

症状がうつ病によく似ているため、誤診されることもしばしばです。
発症原因は判明していません。

一説には、手術後の体力の低下や、服用薬の副作用などが指摘されています。

混合型せん妄

混合型せん妄は、過活動型と低活動型の両方の症状があらわれるタイプです。
一般的には、24時間以内に症状が変動します。

両極端の症状が目まぐるしく入れ替わるため、過活動型・低活動型のみのせん妄より精神的な不安定さが目立ちます。

せん妄の原因とは

せん妄は、脳に何らかの悪影響が及んだ場合に発生します。
強いストレスや環境の変化によって生じることもあります。

中でも、特にせん妄の原因として考えられているのは、以下の4つです。

  • 薬剤
  • 脱水
  • 感染症
  • 腎・肝不全

せん妄は、原因を特定して速やかに対応することによって症状を回復させたりすることが可能です。
具体的な原因と対応方法についてご紹介します。

薬剤

薬剤の副作用として、せん妄が起こる場合があります。

特にせん妄の原因となる薬は、モルヒネ塩酸塩水化合物などのオピオイド系鎮痛剤です。
オピオイド系の鎮痛剤は、よく癌(がん)患者の痛み止めとして処方されます。
いわゆる癌終末期のペインコントロールとして利用される麻薬です。

痛み止め以外にも、向精神薬(フェノチアジン系薬)やパーキンソン病治療に利用される抗コリン薬、アレルギー性疾患の治療に利用される抗ヒスタミン剤(H2ブロッカー)などもせん妄の原因としてよく指摘されます。

これらの薬を使って治療する際は、医師や薬剤師とよく相談してから使用することをおすすめします。

脱水

脱水とは、体液から水分と電解質が失われることにより、体の維持機能が働かなくなってしまった状態を言います。
体液の水分や電解質は体温調整や新陳代謝・体内での栄養素や老廃物の運搬などの役割を持っています。
このため、脱水状態になると脳の機能にも悪影響を及ぼしてしまうのです。

せん妄が起きると通常の判断や意思疎通が難しくなるので、いくら本人に説明しても水分補給をしてくれなくなってしまうことがあります。

水分補給が難しくなると、さらに脱水状態が進んでせん妄状態の悪化につながる悪循環に陥ってしまいます。
日頃から、脱水症状が起きる手前だが本人も周囲の人も気付いていない状態である「かくれ脱水」に充分注意しましょう。

脱水によるせん妄の悪循環に陥らないためにも、日頃からの水分補給や経口補水液を有効活用する工夫が大切です。

感染症

肺炎や尿路感染症といった細菌感染症の影響でもせん妄になる場合があります。

若い方であれば感染症を起こした場合は発熱を伴いやすいので、早期に発覚し治療につなげることができます。
ただし高齢者の場合は、典型的な症状が出にくいため感染症になっていることに気づきにくいです。
実際に、せん妄の症状が出たことをきっかけに精査したところ感染症が発覚したというケースがあります。

細菌感染症は発熱や下痢、嘔吐を伴うために脱水症状を伴いやすいです。
上記で説明したとおり、脱水でもせん妄に陥ってしまうことがあります。
このため、特に高齢者の場合は日頃のちょっとした変化に注意して、少しでも異常を感じたら早めに医療機関に相談することがせん妄を防ぐポイントになります。

腎・肝不全

腎不全や肝不全によって、からだの老廃物が外に排出できない代謝異常の状態になるとせん妄を起こすことがあります。

腎機能障害があって人工透析を受けている方や肝機能に異常がある方の場合は、特に日頃から適切な治療を心がけましょう。せん妄の予防のためにも、まずは持病の治療をしっかり行うことが大切です。

せん妄の主な原因は以上の4つです。
一般の人がせん妄の原因を突き止めることは困難です。

また、せん妄の原因を精査していく中で別の疾患が発覚する場合もあります。
せん妄に困っている時は、早めに専門医を受診して適切に治療してもらうことが非常に重要です。

 

せん妄が起こったら?

疑問

せん妄が起こったら、まずは専門医を受診しましょう。
かかりつけの医師がいれば、主治医の先生から適切な専門医へ紹介状を書いてもらう方法もあります。
その後は専門医による「薬物療法」や「環境調整」を行うことによって、せん妄症状の治療や緩和を図ります。

薬物療法

まず、問診や血液検査によって原因を特定します。
その後、原因に対応した薬や点滴による薬物療法が行われます。

例えば低血糖状態である方にはブドウ糖の投与、感染症が原因であれば抗生剤の投与、脱水状態の方には点滴などによって水分・電解質の補給が行われます。
情動・気分障害や睡眠障害を抑えるために抗精神病薬や鎮静薬が使用される場合もあります。

治療は基本的に入院して集中的に実施されますが、処置が簡単な場合に関しては通院治療となる場合もあります。
服用している薬が原因となっている場合は、要因が疑われる薬については減らしたり投薬を中止して様子を観察したりすることもあります。

薬物治療についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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環境調整

せん妄症状がある方に関しては、薬物療法と並行して環境調整を行うことが大切です。

覚醒レベルの低下や幻覚、情動・気分障害が原因となり、転倒や階段からの転落・困った言動によって他者に影響を及ぼすリスクがあるからです。

入院中であれば極力静かで余計な刺激が入らないような環境を作ります。
歩行状態が低下している自覚がなく動き回ってしまう場合は転倒したり階段から落ちたりして大けがに繋がる危険性があります。

転倒や転落を防ぐためには離床センサーを使用したり、巡回を強化したりして見守りに努めます。
ベッドからの転倒転落時のダメージを抑えるためにベッドの高さを極力低くしたり、床に緩衝マットを引いたりしておく場合もあります。

時間の感覚を持ってもらうために室内の照明や採光を工夫したり、認識しやすい大きな時計を準備したりすることも有効です。
睡眠や覚醒リズムを整えるためにも、適度な運動を促すことも大切です。

点滴や経管栄養チューブなどを抜去するなど生命や治療に影響がある場合は、やむを得ず必要最低限の行動抑制を行う場合もあります。

在宅治療となった場合でも、思わぬ事故を防ぐために環境調整は非常に重要です。
入院治療時に実施される環境調整を参考にしたり診断した医師へアドバイスを求めたりして、可能な限り環境を整えましょう。

せん妄の対応についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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せん妄とよく間違われる?

せん妄と認知症は症状がよく似ているため、誤診されることもしばしばです。
両者の違いを解説します。

よく間違われる認知症とは?

認知症とは、認知機能が著しく低下した状態です。
具体的な症状には以下があります。

 

  • 記憶障害
  • 思考力・注意力の低下
  • 見当識障害(時間・場所・人が分からない)
  • 興奮・暴力・暴言
  • 幻覚・幻聴
  • うつ症状

 

認知症の原因は、脳細胞が壊れることです。
一度損傷した脳細胞は復活しません。

つまり認知症は一度発症すると完全な治癒は見込めない疾患です。

認知症とせん妄の違いは?

認知症とせん妄の主な違いは3つあります。
1つは症状のあらわれ方です。

せん妄は1日のうちに症状が大きく変動するケースが少なくありません。
一方認知症は、症状に多少の波はあるものの、せん妄ほど大きく変動しません。

 

2つ目の違いは治癒の可能性です。
せん妄は治療次第では完全な回復が期待できます。

対して認知症は進行性の疾患であるため、一度発症すると治癒は見込めません。
理由は、せん妄は脳の一時的な異常が原因であるのに対し、認知症は脳細胞の損傷が原因であるためです。

 

3つ目は意識障害の有無です。
せん妄とは、脳の血流悪化などによる意識障害です。

対して認知症は、意識障害はさほど目立ちません。
認知症とせん妄はよく似た疾患ですが、異なる点も多々あります。

短時間で体調・症状が目まぐるしく変動する場合や、意識障害がある場合は、認知症ではなくせん妄の可能性が高いです。

せん妄の症状のまとめ

ここまでせん妄の症状について解説してきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • せん妄の症状は、睡眠・覚醒リズムの障害、幻覚・妄想、見当識・記憶障害、情動・気分の障害、神経障害など
  • せん妄の原因は、薬剤・脱水・感染症・腎不全・肝不全である
  • せん妄が起こったら、薬物療法や環境調整によって対応する

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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