疲れているときなどに、口の中が酸っぱいと感じることはありませんか。
なにも食べていないのに口の中が酸っぱいと感じるのは、ストレスによる自律神経失調症が原因かもしれません。
本記事では自律神経失調症と口の中が酸っぱい症状の関係について、以下の点を中心にご紹介します。
- 自律神経失調症と口の中が酸っぱい症状の関係
- 自律神経失調症による口の中が酸っぱい症状を改善する方法
自律神経失調症による口の中が酸っぱい症状の対策のためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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自律神経失調症とは
自律神経失調症とは、自律神経のバランスが崩れ、心身にさまざまな不調があらわれている状態です。
ちなみに自律神経とは、全身の器官をコントロールする神経系です。
具体的には、内臓機能やホルモン分泌を制御します。
自律神経は、交感神経と副交感神経が交代することでバランスを保ちます。
交感神経はアクセルの役割を持つ神経系です。
血管を収縮させることで、脈拍・血圧などを上昇させ、身体の活動性を生み出します。
主に昼間や、興奮・緊張時に優位になります。
一方、副交感神経にはブレーキの役目があります。
夜間やリラックス時に活性化し、身体を休息モードに切り替えます。
心身の健康は、交感神経と副交感神経がリズムよく入れ替わることで維持されます。
交感神経と副交感神経のリズムが乱れると、自律神経のバランスそのものが崩れるため、身体にさまざまな不調があらわれます。
なお、自律神経失調症の主な原因は以下の通りです。
- ストレス
- 不規則な生活
- ホルモンバランスの変化
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口の中の酸っぱさと自律神経失調症の関係
口腔内に腫瘍や病変などの異常がないにも関わらず、口の中が酸っぱいと感じるときは、自律神経失調症の可能性が高いです。
自律神経失調症によって口の中が酸っぱいと感じるのには、主に2つの原因があります。
味覚障害
1つ目は味覚障害です。
味覚障害とは、味覚がにぶくなったり、異常な味覚を感じたりする状態です。
そのため、なにも食べていないにもかかわらず、口の中が酸っぱいと感じることもあります。
味覚障害の原因は、ストレスであることが多いです。
ストレスを感じると交感神経が刺激され、自律神経のバランスが崩れます。
自律神経失調症によって交感神経が優位になると、唾液の分泌量が減少しやすくなります。
唾液の減少は、口の中の乾燥を引き起こします。
一方、正常な味覚は、口の中が唾液で保湿されることで維持されます。
つまり、自律神経失調症によって口の中が乾燥しやすくなった結果、異常な味覚=酸っぱさを感じるわけです。
胃のトラブル
口の中が酸っぱくなる原因の2つ目は、胃のトラブルです。
特に、逆流性食道炎や胃炎が疑われます。
逆流性食道炎では、胃の内容物や胃酸が喉元まで逆流します。
胃酸や胃の内容物は強い酸性のため、逆流に伴って、口の中に酸っぱい感覚が広がることがあります。
一方、胃炎は胃の粘膜が炎症を起こしている状態です。
胃炎になると胃もたれを起こしやすくなり、食べ物が適切に消化されなくなります。
食べ物が消化されないまま胃の中で発酵してしまうため、異常な臭いや酸っぱい感覚がのど元まで逆流することがあります。
逆流性食道炎や胃炎の原因の一つとして、自律神経失調症が挙げられます。
自律神経は消化器官を制御しています。
すなわち、自律神経の乱れは、消化器官の機能低下につながります。
消化器官の働きが低下した結果、逆流性食道炎や胃炎などの胃腸トラブルが引き起こされます。
ストレスがたまると胃痛を感じやすいのも、ストレスが自律神経のバランスを乱すことが原因です。
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自律神経失調症による口の中の酸っぱさの治療法
自律神経失調症によって口の中が酸っぱいと感じるときの対策を紹介します。
口の中を清潔に保つ
口の中を清潔に保つと、細菌の繁殖が抑えられるため、酸っぱい感覚を軽減できます。
代表的な方法は、こまめな歯磨きです。
特に、歯の間に詰まった細かい食べかすまで丁寧に取り除くことを心がけましょう。
歯の間の食べかすは、雑菌の繁殖の原因となるからです。
歯ブラシに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスを利用するのがおすすめです。
さらにマウスウォッシュは、舌の裏や歯茎といった細かい部分の殺菌に役立ちます。
薬物療法
胃腸トラブルが原因の場合は、胃薬の服用がおすすめです。
あわせて、胃腸に負担をかけないような食生活を心がけましょう。
また、薬物療法は自律神経失調症の治療にも用いられます。
自律神経失調症の治療に用いられるのは、抗不安薬や抗うつ薬などです。
睡眠障害がある場合は、睡眠薬が処方されることもあります。
いずれの薬剤にも、心身を落ち着かせる作用があります。
精神的に安定すると自律神経が整いやすくなります。
口腔や胃腸の環境改善が期待できるため、口の中の酸っぱい感覚を軽減できます。
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精神療法
精神的な不安を取り除くことで、自律神経を整えます。
精神科医や心理療法士によるカウンセリングが代表的です。
カウンセリングでは、自分が置かれている状況や心理状態を話すことで、客観的に自分を見つめなおします。
自分を見つめ、心の中を整理することで、自律神経を乱すストレスの原因が特定できます。
ストレスの原因を特定できれば、適切な対処法を考えるのは難しくありません。
その他の治療法
その他の自律神経失調症の治療法について解説します。
認知行動療法
物事の受け止め方や感じ方のパターンを客観的に把握する方法です。
自分を客観的に俯瞰することで、自身の思考パターンのゆがみに気づきやすくなります。
思考パターンのゆがみを正すことで、物事を前向きに受け止めやすくなるため、ストレスの軽減が期待できます。
アサーション
相手の意見を尊重しつつも、自分の意見をハッキリ伝える方法です。
自分の意見をうまく伝えられない方や、頼まれたらNOと言えない方のストレス軽減に役立ちます。
マインドフルネス
瞑想法です。
呼吸や五感に意識を集中させることで、今抱えている悩み・ストレスごと自分と向き合うことができます。
自律訓練法
自己暗示の一種です。
決まった呪文と段取りで身体の緊張を解いていき、心身をリフレッシュさせます。
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口内細菌の増加でも口が酸っぱくなる
口の中で雑菌が繁殖すると、酸っぱい臭いなどの口臭が目立ちます。
口内細菌が繁殖しやすいのは、口の中が乾燥したときです。
特に起床直後や空腹時は唾液の分泌量が減少するため、口の中が乾燥し、口臭が目立ちやすくなります。
また、緊張時や不安なときも唾液が減少しがちです。
あるいは、虫歯や歯石、歯周病が口臭の原因となることもあります。
虫歯や歯石、歯周病は、歯磨きが十分でないサインでもあります。
いずれにしろ対策としては、口内を清潔に保つことが大切です。
具体的にはこまめな歯磨きです。
とくに食べかすは悪臭の原因となるため、食後の歯磨きを心がけましょう。
違和感や痛みがある場合は口腔異常感症かも
酸っぱい症状のほかに、口の中の痛みや違和感がある場合は、口腔異常感症の可能性があります。
口腔異常感症とは
口腔異常感症は、病変や疾患がないにも関わらず、口の中に異常な感覚がある状態です。
原因はさまざまですが、ストレスなどの精神的要因と身体的要因が重なって発症することが多いです。
ストレスは具体的に、仕事や勉強へのプレッシャーや、対人関係の悩みなどがあります。
身体的要因とは、亜鉛・鉄・ビタミンなどの不足や、唾液分泌機能の異常、糖尿病などの疾患が挙げられます。
口腔異常感症の症状
具体的な症状は以下の通りです。
- 味覚障害(味がしない・異常な味覚がある)
- 口の中の異物感(口の中がザラザラする・歯になにかくっついている気がする)
- 口の中の乾燥
- 口の中がベタベタ・ネバネバする
- 舌先にピリピリした痛みがある(舌痛症)
- 口の中に痛み・しびれがある
口の中の酸っぱさと自律神経失調症まとめ
ここまで、自律神経失調症と口の中が酸っぱい症状の関係についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- 自律神経失調症は、味覚障害や胃腸トラブルを引き起こし、結果として口の中が酸っぱくなりやすい症状
- 自律神経失調症による口の中が酸っぱい症状を改善する方法は、「歯磨き」「胃薬の服用」のほか、自律神経を整えるための「カウンセリング」「リハビリ」
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。