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健達ねっと>介護お役立ち記事>【2026年最新】第10期介護保険事業計画とは?2027年からの制度見直しと「2040年問題」への対策を徹底解説

【2026年最新】第10期介護保険事業計画とは?2027年からの制度見直しと「2040年問題」への対策を徹底解説

現在、私たちが利用している介護保険の仕組みは、3年ごとに見直される「介護保険事業計画」に基づいて運営されています。
2026年現在、各自治体は来たる2027年度(令和9年度)からスタートする「第10期介護保険事業計画」の策定に向けて、本格的なニーズ調査や素案づくりに追われています。

団塊の世代がすべて75歳以上となる「2025年問題」を乗り越えた今、国や自治体の眼差しは、高齢者人口がピークを迎え、現役世代が急減する「2040年問題」へと完全にシフトしています。
第10期計画は、この未曾有の超高齢・人口減少社会を乗り切るための「試金石」となる極めて重要な計画です。

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第10期介護保険事業計画の基本概要とスケジュール

第10期介護保険事業計画の基本概要とスケジュール

介護保険事業計画とは、各市区町村が地域の高齢者の状況や介護ニーズを分析し、向こう3年間の介護サービスの必要量や、それを見込んだ「介護保険料(第1号被保険者)」を定めるものです。

第10期の期間

  • 対象期間:2027年度(令和9年度)〜 2029年度(令和11年度)の3年間

策定に向けたスケジュール(2026年現在の動き)

計画は国が示す「基本指針」をベースに、都道府県が「支援計画」を、市町村が「事業計画」を策定します。2026年はまさにその策定の正念場です。

  • 2025年〜2026年前半:国の社会保障審議会(介護保険部会)等で、第10期に向けた制度改正や基本指針の議論・とりまとめが行われます。
  • 2026年中盤〜秋:各市町村にて、地域住民や要介護者へのアンケート等「各種ニーズ調査」が実施・分析されます。
  • 2026年冬〜2027年2月:市町村が計画案・最終案を作成し、パブリックコメント(住民意見の募集)を実施。議会での審議を経て新しい介護保険料が決定します。
  • 2027年4月:第10期介護保険事業計画がスタートし、新制度・新保険料が適用されます。

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なぜ第10期が重要なのか?「2040年問題」という最大の壁

第10期計画を語る上で絶対に避けて通れないのが「2040年問題」です。

2040年頃には、団塊ジュニア世代が65歳以上となります。日本の65歳以上人口は約3,900万人でピークを迎え、全人口の約35%を占めると予測されています。一方で、介護の担い手となる現役世代(生産年齢人口)は急激に減少します。 つまり、「介護を必要とする人は史上最多になるのに、介護をする若者はかつてないほど少なくなる」という絶望的なアンバランスが発生するのです。

国は、2040年に向けたサービス提供体制のあり方として、全国一律の対策ではなく、地域の状況(人口減少スピードなど)に応じた柔軟なモデルの構築を第10期計画から強く求めています。

  • 都市部:高齢者が急増し、施設やインフラが圧倒的に不足する地域への対策。
  • 中山間・人口減少地域:高齢者も減少し、介護事業所の維持そのものが困難になる地域での「サービス確保」の対策。
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第10期計画の主要テーマ①:介護人材の確保と「生産性向上」

2040年には、全国で約69万人の介護人材が不足すると推計されています。この絶望的な人手不足を補うための戦略が、第10期計画の最重要テーマの一つです。

テクノロジーのフル活用

「気合と根性」の人海戦術はすでに限界を迎えています。第10期では、ICT(情報通信技術)、見守りセンサー、介護ロボットの導入を前提とした人員配置基準の緩和や、業務の効率化がさらに進められます。

科学的介護(LIFE)の定着

利用者の状態やケアの内容をデータ化し、国のシステム(LIFE)に集約して分析・フィードバックを行う「科学的介護」が、第10期ではさらに標準化されます。勘や経験に頼る介護から、エビデンス(科学的根拠)に基づいた自立支援・重度化防止のケアへの転換が強く推し進められます。

多様な人材の参入促進

元気なシニア層による生活支援ボランティアの拡充や、外国人介護人材の積極的な受け入れと定着支援策が、各自治体の計画に具体的に盛り込まれます。

第10期計画の主要テーマ②:制度の持続可能性と「利用者負担」の見直し

制度を維持するためには「お金(財源)」の問題を避けて通れません。第10期に向けた社会保障審議会等の議論では、介護保険制度の持続可能性を保つためのシビアな「給付と負担の見直し」が検討されています。

介護保険料の上昇問題

65歳以上が支払う介護保険料(全国平均)は、制度開始当初の約2,900円から、第9期(2024〜2026年)には約6,200円まで上昇しました。第10期ではさらなる上昇が避けられず、「年金生活者にとってこれ以上の負担増は限界である」という悲鳴が上がっています。 これに対し、低所得者の保険料軽減措置を維持しつつ、より高所得の高齢者には相応の負担を求める仕組み(所得段階の細分化など)が議論されています。

サービス利用時の自己負担割合の拡大論議

現在、介護サービスを利用した際の自己負担は原則1割(一定以上の所得がある場合は2割または3割)ですが、現役世代の負担軽減のため「原則2割負担の対象者をどこまで拡大するか」が大きな焦点となっています。

ケアマネジメントの有料化論議

現在、ケアプラン(居宅サービス計画)の作成費用は全額が介護保険から給付され、利用者の自己負担はゼロです。しかし、財源不足を背景に「ケアプラン作成にも1割の自己負担を導入すべきではないか」という議論が第10期に向けて再燃しています。これらは2026年度中の国のとりまとめによって最終決定される見込みです。

第10期計画の主要テーマ③:「地域共生社会」と包括的支援の深化

制度の枠組みだけでは支えきれない高齢者を地域全体でどう支えるか、すなわち「地域包括ケアシステムの深化」と「地域共生社会の実現」も大きな柱です。

医療と介護のシームレスな連携

高齢になれば、複数の疾患を抱えながら介護を受ける状態が当たり前になります。病院(医療)と介護施設・在宅ケア(介護)の情報共有をデジタル化し、急変時の対応や看取りの体制を地域ぐるみで構築する施策が求められます。

制度の狭間を埋める包括的な支援

認知症の高齢者が急増する中、介護保険制度だけでは対応しきれない「ゴミ出しができない」「買い物が困難」「悪徳商法の被害」といった生活上の課題に対し、NPO法人やボランティア、民間企業(スーパーや宅配業者)を巻き込んだ生活支援ネットワークの構築が、各市町村の計画に明記されます。

自治体・介護事業者・利用者が今(2026年)から準備すべきこと

第10期計画のスタート(2027年4月)に向けて、それぞれの立場でどのような準備が必要でしょうか。

【自治体(市町村)に求められること】

国の方針をそのままコピーするのではなく、自らの地域の「10年後、20年後の人口動態」を正確に予測し、身の丈に合った計画を策定することが急務です。特に、2026年に行われる住民へのニーズ調査から、表面化していない「隠れた介護難民」や「老老介護の限界」を的確に掬い上げる分析力が問われます。

【介護事業者に求められること】

テクノロジーの導入はもはや「オプション」ではなく「必須の生存戦略」になります。2027年の制度改正・報酬改定に向けて、ICT化を通じた現場の負担軽減と、職員の離職を防ぐための魅力的な職場づくり(処遇改善、ハラスメント対策など)を進めなければ、人材不足により事業の継続が困難になる時代が到来します。

【利用者・家族に求められること】

制度が「より重度な人への支援」にシフトし、軽度者向けのサービス見直しや利用者負担の増額が予測される中、私たちができる最大の防衛策は「介護状態にならないための予防」と「早期の資金計画」です。

  • 介護予防の徹底:地域の体操教室やコミュニティ活動に積極的に参加し、フレイル(虚弱)を予防する。
  • 情報収集:2026年後半以降に発表される自治体の広報誌などに目を向け、保険料や自己負担の変更点にアンテナを張る。
  • 家族会議:「もし介護が必要になったら、どこで、どうやって過ごしたいか。そのための資金はどうするか」を、元気なうちから家族間で話し合っておく。

まとめ:持続可能な介護の未来は「共創」から生まれる

2027年から始まる第10期介護保険事業計画は、現行制度の限界を認め、2040年という未曾有の超高齢社会に軟着陸するための「パラダイムシフトの始まり」を意味します。

これまでのように「困ったらすべて行政や介護保険にお任せ」というモデルは、財源的にも人材的にも崩壊しつつあります。テクノロジーを最大限に活用しつつ、高齢者自身もできる範囲で社会参加を続け、地域住民が互いに支え合う。国、自治体、事業者、そして私たち国民一人ひとりが当事者意識を持ち、「共創」していくことでのみ、持続可能な介護の未来は開かれます。

「健達ねっと」では、2026年末にかけて明らかになる第10期計画の具体的な制度改正内容や、利用者に直結する負担増の最新情報について、引き続き分かりやすく解説してまいります。来たる2027年に向けて、正しい知識を武器に、後悔のないライフプランを設計していきましょう。

出典元・データ参照先

※以下のリンクは本記事作成にあたり参照した公式情報源です。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売

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