親の介護に加え、増え続ける家事の負担に、心身ともに限界を感じている方もいるのではないでしょうか。
そんな状況を打破しようと家事代行サービスを提案しても、「他人に家のことを任せるなんて!」と強く拒否されることがあります。
なぜ親世代は家事代行を受け入れにくいのか?その心理的背景を理解し、親の気持ちに寄り添いながら、上手に話を進めるための方法を探ります。
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親世代が家事代行サービスを拒む理由とは?
介護に加えて家事の負担が増えると、精神的にも体力的にも限界を感じることがあります。
その負担を軽減するために家事代行サービスを提案しても、「わざわざ他人に家のことを任せるのは嫌!」と強く拒否されることも。
なぜ親世代は家事代行を受け入れにくいのか、その心理を理解しながら、上手に話を進める方法を考えていきます。
「他人を家に入れたくない」という心理的ハードル
親世代にとって、家はプライベートな空間であり、他人に踏み込まれることに抵抗を感じやすいものです。
特に、「自分のことは自分でやるべき」という価値観が根強いと、「他人に頼るのは恥ずかしい」と感じることもあります。
このような心理は「リスク回避」の傾向に基づいており、「家に他人を入れることで何か問題が起きるかもしれない」という不安が拒絶の要因になっていることが多いのです。
「知らない人は信用できない」という内集団バイアス
「他人に家のことを任せるのは不安」という考えが強くなると、「他人は信用できない」といった極端な思考に陥ることがあります。
これは「内集団バイアス」と呼ばれる心理で、自分の身近な人を信頼し、外部の人を警戒する傾向が強くなる現象です。
こうした状況で無理に説得しようとすると、反発が生じやすくなります。
そのため、家事代行サービスを受け入れてもらうためには、親の気持ちに寄り添いながら慎重に話を進める必要があります。
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家事代行サービスを受け入れてもらうための工夫
拒否されることを前提に、親の気持ちを尊重しつつ、家事代行サービスを検討してもらうための方法を考えましょう。
まずは心の武装解除から
親が強く拒否する場合、まずは気持ちを落ち着かせることが大切です。
「お手伝いさんの件だけど、考えてくれた?」と唐突に切り出すのではなく、リラックスできる環境で話をするのが効果的です。
例えば、フランス料理店やお気に入りのカフェなど、非日常的な場所で会話をすると、気持ちがほぐれ、柔軟な思考になりやすくなります。
無理に説得しようとするのではなく、「最近、家事が大変そうだから少しでも楽になればいいなと思って…」と、親の負担を軽減することを目的として伝えると、話を受け入れやすくなります。
小さなステップから試してみる
いきなり「家事代行を頼もう」と提案しても、強い拒否反応が返ってくる可能性があります。
そこで、「掃除だけ」「料理だけ」など、部分的にサービスを試してもらうのも有効です。
「一度だけ試してみて、合わなかったらやめてもいいよ」と伝えることで、抵抗感を軽減できます。
実際に試してみることで、「意外と悪くない」と感じてもらうきっかけになるかもしれません。
親の価値観を尊重しながら、家事や介護の負担を軽減するための選択肢を一緒に考えることが大切です。
感情的な対立を避け、穏やかに話を進めることで、より良い解決策が見えてくるでしょう。
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もう、悩まなくていいんです!
介護をラクにする相手に伝わるコミュニケーション術が親に効く!
行動経済学と福祉社会学、看護の専門家がそれぞれの家族介護経験と専門知識、
ノーベル経済学賞を受賞した「ナッジ(※1)」を用いてみなさまを解決へ導きます。
本書では、8家族の事例を紹介し、それぞれの親が持つ「わかってはいるけど、できない心理(高齢者によく見られる認知バイアス)」が親子のすれ違いに関係していると解説しています。
この「認知バイアス(※2)」に対して、著者3名が自らの家族介護経験と専門知識、そして「ナッジ」を用いて解説しています。
※1:直訳すると「そっと後押しをする」「ひじでつつく」という意味の英語。
2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー博士が提唱した理論で、
「ついそうしたくなる心理」をくすぐって、直感的に望ましい行動をしたくなる仕掛けを指す。
※2:人の脳が持つ、自分に都合よく、解釈を歪めてしまう習性。
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