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トップページ>認知症を学ぶ>認知症の予防>認知症を予防できる食事とは?予防できる食べ物や食事方法を解説します。

認知症を予防できる食事とは?予防できる食べ物や食事方法を解説します。

認知症は「物忘れ」や「物事を段取りつけて実行する」ことが難しくなる病気です。
しかし、食事に気をつければ認知症を予防したり、進行を緩和したりすることが可能です。

本記事では、認知症予防に効果のある食べ物や食事方法について解説します。

  • 認知症予防に効果のある食べ物
  • 認知症予防のために摂りたい栄養
  • 認知症リスクを高める食べ物
  • 認知症予防を期待できる食事
  • 食事でその他に気を付けるべき

認知症予防に役立つ食生活を考えるために、ぜひ最後までお読みください。

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認知症の予防になる食べ物

認知症予防に効果的な食べ物

認知症予防には、バランスの良い食事が有効といわれています。
具体的には以下のような食品を積極的に摂取すると認知症予防を期待できます。

  • サンマ
  • アジ
  • イワシ
  • サバ
  • ウナギ
  • 真鯛
  • マグロのトロ

など

上記の魚には「EPA」や「DHA」が豊富に含まれています。
これらはオメガ3脂肪酸の1種で、悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます

悪玉コレステロールは生活習慣病を引き起こします。
生活習慣病は認知症の発症や悪化につながることもあります。

そのため、積極的に魚を食べて生活習慣病を予防することは間接的な認知症予防につながります。
また、EPAとDHAは血液をサラサラにしてくれます。

脳に血液が届きやすくなるため、認知症予防や進行の緩和に役立つでしょう。

大豆

  • ダイズ
  • 豆腐
  • 納豆
  • みそ
  • おから
  • 豆乳
  • 枝豆

など

大豆および大豆製品は「大豆レシチン」が豊富です。
大豆レシチンは、神経伝達物質の生成をサポートします。

神経伝達物質が増加すると脳内の情報伝達がスムーズになるため、記憶力や判断力の向上を見込めます。
さらに大豆レシチンには脂質代謝を高める効果があり、肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防も期待できます。

同じく大豆に含まれる「大豆サポニン」もコレステロールを減少させる効果があります。

野菜

  • にんじん
  • かぼちゃ
  • ほうれん草
  • アスパラガス
  • トマト
  • ピーマン

など

野菜の中でも特に、緑黄色野菜が認知症予防に効果があるといわれています。
理由は緑黄色野菜にはビタミンが豊富だからです。

とりわけ認知症予防に大切なのは「ビタミンC」と「ビタミンE」です。
ビタミンCは体内の免疫力を高めたり、酸化を防いだりする効果があります。

同じくビタミンEも強い抗酸化作用がある成分です。
生活習慣病の予防を期待できるため、間接的に認知症予防につながります。

さらに、ビタミンC・Eの抗酸化作用は、脳の酸化すなわち「脳の老化」の抑制が期待できます。
脳の老化防止は、とくにアルツハイマー型認知症予防に効果があるといわれています。

ビタミンC・Eは、同時に摂取すると効率よく体内に吸収されます。
緑黄色野菜はビタミンCとEの両方を豊富に含むため、効率的に認知症予防できる食べ物です。

果物

  • ブルーベリー
  • いちご
  • りんご

果物も、野菜と同じくビタミンが豊富です。
なかでも認知症予防に効果があるといわれているのが、ブルーべリーやーストロベリーのような「ベリー類」です。

ベリー類には「ポリフェノール」や「アントシアニン」などの抗酸化作用成分が豊富です。
脳の酸化ダメージを軽減するため、認知症予防を期待できます。

同じくりんごもポリフェノールが豊富であるため、認知症予防に役立ちます。
ベリーなどの果物類は、週2回以上の摂取が望ましいとされています。

コーヒー・緑茶

コーヒーや緑茶にはカフェインが含まれます。
カフェインの利尿作用は、血液中の老廃物の排出を促すことで血流を良くする効果があります。
血流が良くなると、脳内の神経伝達がスムーズになるため認知機能の向上を期待できます。

オリーブオイル

オリーブオイルには、不飽和脂肪酸の1種である「オレイン酸」が豊富です。
オレイン酸は、血中コレステロールや中性脂肪を低下させる効果があるといわれています。

そのため動脈硬化や脳梗塞、血栓症の予防が期待でき間接的な認知症予防につながります。
オリーブオイルの中でも、とくに品質の高い「エキストラ・バージン・オリーブオイル」はオレイン酸が豊富です。

脂質の摂りすぎはよくありませんが、食事に油を使うときは優先的にオリーブオイルを使用するようにしましょう。

カレー

カレーに使用されるスパイスの1つに「ウコン」があります。
ウコンに含まれる「クルクミン」は、ポリフェノールの1種です。

クルクミンは体や脳の酸化を防ぐほか、アミロイドβの脳内蓄積を防止する効果があるといわれています。

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認知症予防に効果のある栄養素

認知症予防に効果のある栄養素

認知症予防に効果があるといわれる栄養素について紹介します。

ドコサヘキサエン酸

ドコサヘキサエン酸は通称「DHA」と呼ばれている、青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸です。
DHAは脳の構成物質の1つで、とくに記憶や学習をつかさどる「海馬」に多く集まります。

脳を活性化させる作用があり記憶力や学習能力を向上させることで、認知機能を高めます。

レチシン

レシチンは大豆や豆類のほか、卵黄に豊富な成分です。
レシチンには脳内の神経伝達物質である「アセチルコリン」が豊富です。

レシチンを摂取すると脳内の情報伝達がスムーズになるため、認知機能の向上や認知症予防が期待できます。

オレイン酸

オレイン酸は、抗酸化作用のほか「アミロイドβ」の蓄積を防ぐ作用があります。
アミロイドβは、アルツハイマー型認知症の原因物質で脳内に蓄積することで認知症リスクを高めます。

カフェイン

カフェインは抗酸化作用があるほかアミロイドβの活動を抑制する効果があります
すなわち、アルツハイマー型認知症予防が期待できます。

認知症になるリスクを上げる食事

認知症のリスクを高める食事

ここでは認知症リスクを高める食べ物を紹介します。

肉の脂身

脂の多い肉は、飽和脂肪酸が豊富です。
飽和脂肪酸は糖尿病や高脂血症などの生活習慣病の原因と言われています。

生活習慣病は、脳血栓などのリスクを高めるため認知症の発症・悪化につながります。

マーガリン

マーガリンには、トランス脂肪酸が多量に含まれます。
トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化や心筋梗塞などの心疾患リスクを高めます。

心疾患は脳への血流の悪化を引き起こし認知機能の低下を招きやすくなります。

ショートニング

ショートニングもトランス脂肪酸が豊富です。
ショートニングは、ドーナツや菓子パンなどのお菓子や揚げ物に使用されることが多い食品です。

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認知症予防するための食事

認知症予防にいい食事

認知症予防に役立つ食事やメニューについて紹介します。
前項の認知症予防に役立つ食品と合わせて、ぜひ毎日の献立に役立ててください。

和食

  • 玄米
  • 焼き魚
  • わかめと豆腐の味噌汁
  • 野菜の煮物
  • 納豆
  • 漬物
  • 緑茶

焼き魚に含まれるDHAは、認知機能を向上させる効果があります
みそ・納豆・豆腐などの大豆製品は脳内の情報伝達物質の働きをサポートします。

さらに納豆や漬物の発酵食品は、悪玉コレステロールを減らし生活習慣病の予防が期待できます。

地中海風の食事

  • アクアパッツア(魚介類のトマト・オリーブオイル煮込み)
  • 適量の赤ワイン

地中海風の食事は、「オリーブオイル」「トマト」「魚介類」が中心で肉類が比較的少ないのが特徴です。
これらの食材は、認知機能の向上や脳の老化防止に役立つ栄養が豊富です。

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認知症予防の観点から食事を取るときのポイント

認知症リスクを下げる食事の摂り方

毎日の食事への配慮は、認知症リスクを軽減するうえで欠かせない要素です。
食べ物そのもの以外にも以下のポイントに気をつけて食事をすると認知症予防に役立ちますよ。

自分で調理する

料理は「材料を選ぶ」「調理の段取りを考える」「実際に料理する」など、さまざまなステップが必要な行為です。
複数の作業を同時におこなうため、よい頭の体操になるでしょう。

また、料理のために台所に「立つ」のは軽い運動になりほどよく脳を活性化させてくれます。

意識してよく噛む

「噛む」という行為は、歯肉を刺激して、脳への血流を良くする効果があります。
よく噛むことは、消化器官での消化をスムーズにしてくれるため、効率的な栄養摂取にも役立つでしょう。

バランスの良い食事

認知症予防に良いからといって特定の食べ物ばかり食べていると栄養バランスが偏り、かえって体に悪いこともあります。

健康や認知症予防のために食事は栄養バランスを意識しましょう
和食は「一汁三菜」が基本のため、品数が自然と増えて栄養バランスが整いやすくなります。

摂取カロリーを意識する

過剰なカロリーオーバーは、生活習慣病の大敵です。
一方で、過剰なカロリー制限は脳に必要な栄養が不足する可能性があります。

70歳以上の1日の摂取カロリー目安は、男性は約1800~2000kcal、女性は1500~1800kcalといわれています。

塩分を控える

塩分の摂りすぎは生活習慣病の原因となります。
また、塩分の過剰摂取は脳の血流を抑制し認知症リスクを高めるとも言われます。

70歳以上の高齢者であれば、1日6g以内を目安にしましょう。

薬の使い方

MIND食

認知症予防に効果的なMIND食

MIND食は、2015年にアメリカのラッシュ大学医療センターが発表した食事方法です。
アルツハイマー型認知症の予防やリスク軽減に効果があるといわれます。

MIND食とは「地中海式食事用法」と「DASH食」を組み合わせた食事法です。
それぞれの特徴や効果を見ていきましょう。

地中海式食事用法

地中海式食事用法は、地中海沿岸の伝統的な食事方法です。
心臓病予防やダイエットに効果があるといわれています。
肉類をあまり摂らず魚介や野菜、豆類を中心とした食品で構成されています。

主な食品

  • オリーブオイル
  • 野菜
  • 果物
  • 豆類
  • 魚介類
  • 乳製品
  • 適量の赤ワイン

肉ではなく、魚介類を積極的に摂ることで認知機能の向上効果があるDHAを豊富に摂取できます。
野菜や果物、オリーブオイルは抗酸化作用があり脳の老化防止に役立ちます。

DASH食

アメリカで発案された食事法です。
高血圧予防に効果があるといわれています。
野菜や果物のほか、低脂脂肪の乳製品を食べてミネラルを積極的に摂るのが特徴です。

主な食品

  • 野菜
  • 果物
  • 豆類
  • 低脂肪の乳製品

肉を減らし、かわりに魚や低脂質な乳製品を多めに摂ることでDHAや良質なたんぱく質・ミネラルを豊富に摂取できます。
高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を予防でき、間接的な認知症予防に役立つ食事法です。

BMIと認知症は関係がある?

厚生労働省は、高齢者のBMIが急激に低下すると認知症のリスクが高まると発表しています。
具体的には10%以上の減少が危険です。

原因の1つとして、低栄養が指摘されています。
低栄養とは、健康維持に必要なエネルギー・ビタミン・ミネラルなどの栄養が不足している状態です。
たとえ3食しっかり食べていても、低栄養になる可能性はあります。

特に高齢者は自然と食事量が減りやすく、かつ食事内容が偏りやすいものです。
さっぱりしたお茶漬けなどで食事を簡単に済ますことも少なくありません。

肉類・野菜類の摂取量が減れば、伴ってタンパク質・脂質やビタミン・ミネラル類の摂取量も足りなくなります。
栄養不足が慢性的に続いた状態が低栄養です。
低栄養では、人体維持に必要な栄養が不足するため、体重やBMI値が大幅に減少します。

さらに、脳が正常に機能するための栄養も足りていません。
結果として脳機能が低下して認知症に至るというわけです。
数週間~1カ月でBMI値が急激に減少した場合は、食事内容を見直すなどして対策しましょう。

出典:厚生労働省「認知症と栄養

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食事以外での認知症予防法

認知症を予防するには、食事だけでなく、日常生活全般を見直すことが大切です。
具体的なポイントは以下の通りです。

  • 生活習慣病の予防
  • 適度な運動
  • 社会交流
  • 趣味・生きがいを持つ
  • 飲酒・喫煙はほどほどにする

生活習慣病は認知症のリスクを上昇させます。
特に動脈硬化は脳血管を弱らせるため、認知症と深い関わりがあります。

動脈硬化を引き起こしやすい糖尿病・肥満・高血圧などにも十分注意しましょう。
生活習慣病の予防にはバランスのよい食事と適度な運動が有効です。
特に運動は、生活習慣病だけでなく認知症そのものの予防にも効果があります。

全身の血行を促進して、脳を活性化させるためです。
さらに運動は、運動機能を司る脳分野の活性化にもつながります。

認知症・生活習慣病予防のためには、散歩・ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。
社会交流や趣味・生きがいを持つことも認知症予防に欠かせません。
他人とのコミュニケーションや、好きなことに打ち込むことは、脳のさまざまな領域を使用するためです。

なお、認知症予防のためにはできるかぎり飲酒・喫煙は控えましょう。
アルコール・タバコは脳を萎縮させる原因であるためです。

さらに、タバコの煙に含まれるニコチンは血管を傷つけて動脈硬化のリスクを高めます。
実際に喫煙習慣のある方は、認知症の発症率が高いとも指摘されています。

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認知症予防専門士とは?

認知症予防専門士は、認知症予防のスペシャリストです。

ちなみに民間資格の1種であり、主催は「日本認知症予防学会」です。
認知症予防専門士は認知症予防および認知症の知識を十分に有している証です。
取得者は、介護施設などで認知症の方の予防対策・ケアなどにあたります。

資格取得には、年に1回の認定試験に合格しなければなりません。
なお、試験を受験するには2つの条件を満たす必要があります。

1つ目は認知症予防関連施設で通算3年以上の実務経験があることです。
2つ目は「日本認知症予防学会認定単位を30単位以上取得することです。

有資格者は、就職・転職・給与・福利厚生で優遇されやすくなります。
介護関連での就職・キャリアアップを考えている場合は、認知症予防専門士資格を取得するのも1つの方法です。

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認知症予防の食事のまとめ

認知症予防の食事のまとめ

ここまで、認知症予防に効果のある食べ物や食事についてお伝えしてきました。

  • 認知症予防に効果のある食べ物は「青魚」「大豆」「野菜・果物」「コーヒー・緑茶」「オリーブオイル」など
  • 「DHA」「レシチン」「オレイン酸」「カフェイン」は認知症予防効果のある栄養素
  • 認知症リスクを高めるのは「肉の脂身」「マーガリン・ショートニング」などの脂質

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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