認知症患者の日常生活を支える認知症ライフパートナー。
認知症の発症率が高まると共に、認知症ライフパートナーの重要性も高まっています。
認知症に関する資格ごとの違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、認知症ライフパートナーについて以下の点を中心に解説します。
- 認知症に関する資格
- 認知症ライフパートナー
- 認知症ライフパートナーを取得するメリット
- 認知症ライフパートナーの取得方法
介護に関する疑問を解消するためにも、参考にしていただけると幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。
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認知症に関する資格
認知症に関する資格は、公的資格と民間資格の2種類があります。
2つの違いは公的機関が認定しているかどうかのみで、公的資格は公共機関と民間の中間組織が資格の認定を行っています。
公的資格には、以下の3つが挙げられます。
- 認知症介護基礎研修
- 認知症介護実践者研修
- 認知症介護実践リーダー研修
認知症介護基礎研修は1日の研修で取得できますが、認知症介護実践者研修と認知症介護実践リーダー研修は実務経験も必要です。
民間資格には、以下の4つが挙げられます。
- 認知症ケア専門士
- 認知症ケア指導管理士
- 認知症ライフパートナー
- 認知症介助士
認知症患者数は世界的に見ても増加傾向にあり、とくに日本の65歳以上の高齢者のうち、20%は認知症患者といわれています。認知症患者の増加に伴い、認知症に関する専門資格も創設されています。代表的な資格は、「認知症ケア専門士」「認知症ライフ[…]
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認知症ライフパートナーとは?
認知症ライフパートナーとは、日本認知症コミュニケーション協議会が認定する民間資格のことです。
ここでは認知症ライフパートナーについて以下の点を解説します。
- 資格の目的
- 活かせる場所
- 資格取得がおススメの職種
- 資格取得で身につくこと
資格の目的
認知症ライフパートナーの目的は、患者の生き方や価値観を尊重しながら日常生活を家族と共に支えていくことです。
認知症患者は、脳機能の問題や周辺症状によってコミュニケーションが困難になっていきます。
そのため、認知症患者とのコミュニケーション能力やサポートする能力が必要です。
活かせる場所
認知症ライフパートナーは認知症患者の介護現場で役に立ちます。
現場ではさまざまな知識を瞬時に活かして介護することが重要です。
資格取得の過程で認知症に関する知識やコミュニケーション、ケアの方法を学んでいきます。
認知症ライフパートナーは、介護サービスの従事者に向いた資格となっています。
資格取得をおススメする職種
認知症ライフパートナーの取得がおすすめなのは現場の介護士です。
この資格の目的は、認知症患者と円滑なコミュニケーションやサポートをする知識を身につけることです。
そのため、介護士だけでなく認知症患者の家族にも良い資格だと考えられています。
認知症ライフパートナーの資格は3級から1級まであり、自身のキャリアプランに合わせてより上級の資格を取得することも可能です。
介護が必要な人に対して直接介護を行う職種を「介護士」といいます。一方で、介護士とは別に「介護福祉士」と呼ばれている人たちがいることをご存知でしょうか。「介護福祉士」と「介護士」はどんな違いがあるのか疑問に思う人も多いでしょう。[…]
資格取得で身につくこと
3級では、認知症に関する基礎知識や認知症患者とのコミュニケーションといった認知症介護で必要な基礎知識の習得を目指します。
2級では、認知症ケアの専門知識、さまざまな症状への対応、患者の置かれている環境や国の制度といった知識も必要になってきます。
1級では、より専門的な知識が必要です。
具体的には、判断力やマネジメント能力といったものが必要になってきます。
合格率は3級が55~80%、2級が60~70%、1級は25~30%程度となっています。
段階を踏むごとに難易度も上がるため、しっかりとした対策が必要です。
認知症ライフパートナーの資格を取得するメリット
ここからは認知症ライフパートナーを取得するメリットを解説します。
数ある認知症介護関連の資格のなかで、なぜ認知症ライフパートナーがおすすめなのか疑問に思った人もいるでしょう。
ここでは、以下のメリットをご紹介します。
- 認知症ケアの質向上
- 介護者の負担軽減
- 他資格の受講資格になる
認知症に対するケアの質向上
認知症ライフパートナーの資格取得の過程では認知症や認知症患者に対する理解が深まります。
認知症患者の目線にたった介護をできるようになるので、結果として認知症に対するケアの質が向上するのです。
認知症ケアという言葉を聞いたことあるでしょうか?認知症ケアには多くの心構えがあり、1人1人にあったケアをすることが重要です。この難しさから、介護者自身が体調を崩すことも多く、認知症ケア専門士といった資格も存在しています。今回は、[…]
介護者の負担が減少する
多くの場合、介護者は家族が相当します。
認知症患者の介護は大変であり、家庭環境が崩壊してしまうという最悪のケースに至ることもあります。
認知症ライフパートナーの資格を有する介護者がサポートをすることで、介護者の負担を軽減できます。
こうした面からも認知症ライフパートナーは価値ある資格になります。
他資格の受講資格になる
認知症ライフパートナーは1級までありますので、1級の資格を得るには2級を取得しておく必要があります。
合格者を対象とした実践研修を修了すると「認知症アクティビティ・ケア専門士」を取得することができます。
このように認知症ライフパートナーはキャリアアップの元になる資格でもあるのです。
認知症ライフパートナーの資格を取得するには?
ここからは認知症ライフパートナーの資格取得について解説します。
受験の意思がある人はしっかり確認するようにしましょう。
受験資格
認知症に対する知識や対応方法、コミュニケーション方法を網羅的に学ぶことができる認知症ライフパートナー検定。
この資格の受験資格は以下の通りです。
受験資格 | |
認知症ライフパートナー検定3級 | 学歴・年齢・性別・国籍による制限なし |
認知症ライフパートナー検定2級 | 学歴・年齢・性別・国籍による制限なし |
認知症ライフパートナー検定1級 | 認知症ライフパートナー検定2級合格者 |
受験方式
認知症ライフパートナーの受験方式は基本的にマークシート方式となっています。
ただし1級のみマークシートに加えて記述式の問題が出題されるので注意が必要です。
合格基準は2、3級は100点満点中70点以上、1級は前・後半の試験それぞれで100点満点中70点以上となっています。
試験内容
認知症ライフパートナー3級では、認知症の症状や特徴、現場で必須の介護・医療に関する知識、コミュニケーションやアクティビティの方法を問われます。
2級では、認知症ケアの専門的な手法に関する知識、認知症予防に関する知識、アクティビティを用いたケアや安全安心な住まいや環境づくりといった内容が出題されます。
1級では2級までに必要とされた専門知識をさらに応用・発展した知識を持っていることが求められます。
またそれだけではなく、認知症の予防や早期対策に向けた指導を行っていくマネジメント能力も必要になってきます。
費用
認知症ライフパートナーの試験費用は以下のようになっています。
- 3級…6,000円
- 2級…9,800円
- 1級…14,000円
申し込み方法
受験申し込みにはインターネットから申し込む方法とFAX・郵送で申し込む方法があります。
インターネットの場合、申し込みページから必要事項を入力します。
申し込みから1週間以内に受験料を支払えば、受験票が届くので当日は筆記用具と本人確認書類と一緒に会場まで持参するのみです。
FAX・郵送の場合、資料を取り寄せて協議会もしくは検定事務局に申込書を送ります。
受験料支払い以降の流れはインターネットの場合とまったく同じです。
認知症ライフパートナー資格の合格率
認知症ライフパートナー検定の試験は1級は1年に1回、2・3級は年に2回実施しています。
認知症ライフパートナー検定の合格率は以下の表になります。
1級 | 2級 | 3級 | |
2021年 | – | 54.8% | 71.3% |
2020年 | 28.3% | 57.0% | 66.3% |
2019年 | 25.0% | 47.5% | 57.7% |
2018年 | 25.9% | – | – |
上記の試験合格率から分かるように、級数が上になるほど難易度は高くなり合格率は減少していくことがわかります。
認知症ライフパートナー資格の難易度
上記の合格率から分かるように、認知症ライフパートナー検定3級の資格試験では57〜71%の合格率があります。
資格取得の難易度としては比較的容易であると感じます。
認知症ライフパートナー検定2級も同様に47〜57%程度と3級ほど簡単ではありませんが、約過半数が合格することが出来ています。
しかし、認知症ライフパートナー検定1級は合格率が25〜28%と低い数値になっています。
認知症ライフパートナー2級・3級と比較して、難易度がとても高いことを示しています。
認知症ライフパートナー1級は2級取得が条件となっているため、一定の予備知識がある状態で受けていると考えられます。
そのことからも1級はかなり難易度が高いと考えられます。
認知症に関連する資格選びのポイント
認知症に関する資格選びで重要なことは目的と資格の内容です。
たとえば目的の観点で考えると、認知症に関する知識を得たいのか、スキルが身についていることを証明したいのかで目指す資格が変わってきます。
前者の場合は、「認知症介助士」や「認知症ライフパートナー検定」といった資格がおすすめになります。
後者であれば公的資格の「認知症介護実践者研修」や民間資格の「認知症ケア専門士」が代表的です。
このように認知症に関連する資格は目的によって内容も変わってくるため多種多様となっています。
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認知症ライフパートナーのまとめ
ここまで、認知症ライフパートナーについてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 認知症に関する資格は公的資格と民間資格に分けられる
- 認知症ライフパートナーの目的は、認知症患者の生活をサポートすること
- 認知症ライフパートナーを取得すると、ケアの質が向上し家族の負担が減る
- 認知症ライフパートナーは、受験方式で3級、2級、1級を取得する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。