高齢化が社会問題となっている現代において、高齢者の一人暮らしもまた大きな問題となっています。
一人暮らしをせざるを得ない人達は、どのような理由で増加しているのでしょうか?
- 高齢者が一人暮らしをする原因
- 高齢者の一人暮らしの問題点
- 一人暮らしの高齢者を支えるサービス
この記事では、現代社会が抱える高齢者の一人暮らしに関する問題点と、解決するために必要なことについて紹介していきます。
高齢者の一人暮らしについて、理解をするための参考になれば幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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高齢者の一人暮らしの現状
少子化、核家族、高齢化や生涯未婚率の上昇によって、一人暮らしの高齢者が増えてきています。
令和元年における全国の総世帯数における高齢者世帯は全体の28.7%、そのなかで単独世帯が49.5%、高齢者世帯の半数が単独世帯となります。
高齢者の単独世帯は、男性よりも女性の方が一人暮らしが多数を占めます。
単独世帯(一人暮らし)になった理由はさまざまですが
- 現時点で経済的・健康面などの不安を感じない
- 頼る身寄りがいない
- 同居するためには現在の住居から離れる必要がある
という理由で一人暮らしをしているようです。
元気でいるうちは、一人暮らしでも不自由や問題は起きないですが、さらに高齢になっていくと精神・健康面の問題が起きうる可能性が高くなります。
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高齢者の一人暮らしで起こる問題
一人暮らしは気楽で良いと思う人も多いですが、高齢者になると高齢者自身が感じる気楽さとは別に「一人暮らしによる問題」も発生します。
では、高齢者の一人暮らしにはどのような問題があるのでしょうか?
重要な問題点を下に記します。
生活水準の低下
高齢者の一人暮らしで起こる問題として挙げられるのが、「生活水準の低下問題」です。
生活基準の低下とは、生活の質の低下、社会参加をする機会が減り孤立してしまうため人との関わり合いが減少することです。
孤立しているため情報が入りにくくなり消費者トラブルなどの問題に巻き込まれてしまうことが挙げられます。
高齢者だけではありませんが、一人暮らしの場合、生活に張り合いを感じにくく生活が乱れやすくなってしまうことにより、生活水準が低下していくのです。
認知症の進行
生活水準の低下でも挙げられていますが、孤立化し、人との関わり合いが少なくなっていくことで認知症の進行を発見できないことになります。
周囲との関わり合いがあれば、自分の変化に応じて、適切な対応をしてもらうことが可能です。
しかし、認知症の進行は周囲との関わり合いがなければ気づけないものです。
その変化に気がついたとしても、日頃からの交流がなければ、周囲の人が指摘することができないため、認知症の発見が遅くなります。
孤独死のリスク増加
孤立化してしまうことで心配されるのが「孤独死」のリスクが増加することです。
高齢者は毎年多くの方が「不慮の事故」でなくなっています。
不慮の事故とは、「誤飲等の不慮の窒息」「転倒・転落」「不慮の溺死および溺水」であり、高齢者の場合は、交通事故で死亡する人よりも多いです。
高齢者の一人暮らしの場合、助かる可能性の高い事故であっても、通報・発見が遅くなってしまうことがほとんどで、死亡してしまう可能性が高いのです。
犯罪に巻き込まれやすくなる
一人暮らしで、周囲との関わりが少なくなってしまうと、身近な犯罪に対する注意喚起などの防犯上必要となる情報を知るチャンスが少なくなります。
高齢者は振り込め詐欺やさまざまな犯罪に狙われやすい傾向があります。
地方自治体でも注意喚起をしていますが、一人暮らしの方は犯罪に巻き込まれた時に、焦りから周りに相談をしないことが多いため、手遅れになってしまうことが多くなります。
一人暮らしの高齢者を支援するサービス
高齢者の不安を解決するためには家族と同居をすることが一番良いですが、それぞれのご家庭の事情によって同居やサポートを受けられない(または受けたくない)状況もあるはずです。
このような時には、一人暮らしの高齢者を支援するサービスなどもあります。
介護保険サービス
介護保険サービスは、要介護認定の申請をして認定を受けることで可能です。
要介護認定を受けるためには、主治医意見書や聞き取り調査などを行い、状態に合わせた等級を認定されることになり、認定後は等級によって利用できる介護サービスを受けることができます。
介護保険サービスを受けることで、本人や家族も安心して生活することが可能です。
見守りサービス
最近、テレビや雑誌などのメディアで、遠くにいる家族の安否確認をするサービスについて紹介されていることが多いです。
そのようなサービスには様々な種類があります。
代表的なサービスとしては、一人暮らしの高齢者の自宅を専任のスタッフが定期的に訪問し、その時の状況を家族に報告するサービスが挙げられます。
このような直接会うサービスの利点としては、より細かな状態の変化を確認することができる点があります。
この他にも、センサー・カメラ・通報システムなどを利用して、家族に直接連絡をするタイプもあります。
一人暮らしの高齢者と遠く離れて暮らしていると、すぐに駆け付けることは難しいので、見守りサービスなどを利用して安否確認することもおすすめです。
自治体による支援サービス
最近では自治体も一人暮らしの高齢者への支援サービスを行っていることも多いです。
ボタン一つで緊急通報できる機械の貸し出しや、高齢者がもっと周りの人々との交流をしやすいきっかけづくり、事故防止のためのリフォームなどへの給付等が行われています。
民間サービスの場合は人を介して、介護や支援が必要な人へのサービスが多いです。
自治体の場合は、自立した高齢者、軽度の介護が必要な高齢者が安心して生活できる環境づくりの支援を行っています。
介護サービスについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参考にしてください。
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高齢者が一人暮らしの時に頼りたい相手
高齢者の方であれば周囲の援助はいずれ必要となってきます。
高齢者が一人暮らしをする時に頼りたい相手は、子ども・孫などの「家族」である場合が一番多く、特に女性の方は、子どもや孫に一人暮らしをした時は頼りたいと考えています。
一般的に、女性は家族との繋がりに対する意識が男性よりも強いため、おのずと子どもや孫に頼りたいと考えます。
また、高齢者の一人暮らしは周りとの繋がりがとても重要なポイントであり、子どもや孫などの家族に加え、同じ地域に住む人々とのコミュニケーションがとても大事になってきます。
高齢者の一人暮らしまとめ
ここまで、高齢者が一人暮らしすることに対するリスクについて紹介しました。
- 高齢者が一人暮らしをする理由は、現時点で不安がないことや頼る相手がいないから
- 高齢者の一人暮らしは生活水準の低下、孤独死、認知症の発見の遅れ、犯罪などに巻き込まれることがある
- 不安を解消する方法は、介護・見守りサービス、自治体の支援サービスなどがある
高齢者の一人暮らしという問題は他人事ではありません。
これらの情報が、みなさんの参考になればと思います。