【最新】記憶障害が起きる原因とは?単なる物忘れとの違い・年代別の要因・記憶力を保つ食事と予防法を解説

「最近、人の名前が思い出せない」「頼まれた用事をうっかり忘れてしまう」といった症状が増えると、「自分や家族に記憶障害が起きているのでは」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

記憶力の低下や記憶障害は、単なる加齢による物忘れから、軽度認知障害(MCI)、認知症、脳卒中、ストレスやうつ病、さらには若年層に増えている「デジタル脳過労」まで、さまざまな原因によって引き起こされます。

早期に原因を特定し、適切な予防・食事対策や生活習慣の改善に取り組むことで、記憶機能の維持や進行抑制が期待できます。

本記事では、記憶障害と単なる物忘れの根本的な違いをはじめ、記憶障害を引き起こす主な原因、年代ごとの特徴、脳の健康を守る食事・栄養素、日常でできる予防習慣まで分かりやすく解説します。

目次

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記憶障害とは?単なる「物忘れ」との根本的な違い

「記憶障害」とは、脳の神経細胞のダメージや機能低下により、新しい情報を覚えられなくなったり(記銘障害)、過去の記憶を思い出せなくなったり(生起障害・想起障害)する状態を指します。

多くの人が懸念する「加齢による物忘れ」と「認知症等による記憶障害」には、明確な違いが存在します。

加齢による物忘れ vs 認知症による記憶障害

比較項目加齢による単なる物忘れ認知症等による記憶障害
忘れ方の範囲出来事の一部を忘れる(例:朝食の献立を忘れる)出来事の全体を忘れる(例:朝食を食べたこと自体を忘れる)
忘れいている自覚忘れている自覚がある(「あれ何だっけ」と悩む)忘れている自覚がない(「食べていない」と主張する)
ヒントの影響ヒントがあれば思い出せるヒントがあっても思い出せない
日常生活への影響支障は少なく、自力で工夫・対処できる日常生活や社会生活に支障がでる
進行性進行は非常に穏やか徐々に悪化し、範囲が広がる

「忘れたこと自体の自覚があるかどうか」と「体験の一部か全体か」が、見極めの大きなポイントとなります。

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記憶障害が起きる主な5つの原因

記憶障害は高齢者の病気と思われがちですが、実際には病気や生活環境によって幅広い年代で起こり得ます。主な5つの原因を解説します。

記憶障害の主な原因
  1. 加齢(生理的な脳機能の衰え)
  2. 軽度認知障害(MCI:認知症の前段階)
  3. 認知症(アルツハイマー型・脳血管性など)
  4. 脳血管障害・頭部外傷(高次脳機能障害)
  5. 抑うつ・ストレス・心因性(仮性認知症)

1. 加齢(生理的な変化)

年齢を重ねると、脳の記憶を司る「海馬(かいば)」や前頭葉の神経細胞が緩やかに減少・減少します。これにより、処理スピードや検索能力が低下し、「名前が出てこない」「新しい記憶の定着に時間がかかる」といった変化が生じます。

これは誰にでも生じる自然な生理現象であり、日常生活を自立して送れている限りは病的な記憶障害とは区別されます。

2. 軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)

軽度認知障害(MCI)とは、健常な状態と認知症の中間に位置する段階です。

本人や家族から見て同年代より明らかに記憶力が低下しているものの、全般的な認知機能や日常の基本動作は自立して行えている状態を指します。

MCIの方の約半数は数年以内に認知症へ進行すると言われていますが、早期に発見して運動や食事、脳トレなどの適切なアプローチを行うことで、健常な状態へ回復したり進行を抑制できる重要な時期として注目されています。

3. 認知症

認知症は、脳の病気や障害によって神経細胞が破壊され、記憶障害をはじめとする認知機能が持続的に低下する状態です。

アルツハイマー型認知症:アミロイドβなどの異常タンパク質が蓄積し、海馬から萎縮が始まるため、「数分〜数日前の新しい出来事(短期記憶)」から失われていくのが大きな特徴です。

脳血管性認知症:脳梗塞や脳出血により、脳の神経回路が断たれることで発症します。ダメージを受けた部位によって記憶障害の出方が異なる「まだら記憶」が特徴です。

4. 脳血管障害・頭部外傷(高次脳機能障害)

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の後遺症や、交通事故などによる頭部外傷、脳炎・低酸素脳症などが原因で脳の記憶回路が損傷すると、高次脳機能障害の一症状として記憶障害が発生します。

事故や病気以前の記憶が抜ける「逆行性健忘」や、新しい体験を覚えられない「前進性健忘」などの症状があらわれます。

5. 抑うつ・強いストレス(仮性認知症)

うつ病や強い心理的ストレス、過労に晒されると、集中力や注意力が著しく低下し、思考や記憶の検索能力が麻痺することがあります。

一見すると認知症の記憶障害のように見えるため「仮性認知症(かせいにんちしょう)」と呼ばれます。認知症とは異なり、うつ病やストレスの治療・休養によって記憶機能が元通りに改善する可能性があるのが特徴です。

【年代別】若い世代〜中年期に増えている「記憶低下」の理由

「まだ40代なのに物忘れがひどい」「20代〜30代で記憶力に不安がある」というケースも増加しています。年代ごとに注意すべき背景は以下の通りです。

20代〜30代:スマホ脳・デジタル脳過労

スマートフォンやPCから絶え間なく大量の情報が流れ込む現代では、脳の「前頭前野」が情報処理でオーバーヒートを起こす「脳過労」が深刻化しています。

脳が疲弊すると、記憶の整理整頓やアウトプットがうまく機能しなくなり、若くても「物覚えが悪い」「物忘れが目立つ」といった症状を引き起こします。

40代〜50代:プレ更年期・更年期・生活習慣病

40代以降は、エストロゲンなどの性ホルモンの減少(更年期症状)に伴い、自律神経の乱れやブレインフォグ(頭に霧がかかったような状態)、不眠、集中力低下が生じやすくなります。

また、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が進行すると、脳の微小な血管がダメージを受け、将来の脳血管性認知症やMCIのリスクを高める原因となります。

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記憶障害の早期発見・診断の重要性(最新医療の動向)

「年だから仕方ない」と放置せず、記憶障害の兆候が見られたら早期に医療機関を受診することが極めて大切です。

近年、アルツハイマー病の原因物質を取り除く新薬(レカネマブやドナネマブなどの疾患修飾薬)が登場しました。これらの新薬はMCI(軽度認知障害)や軽度認知症の早期段階で投与を開始することが効果の条件となっています。

また、血液検査でアミロイドβの蓄積リスクを早期発見する検査技術など、診断精度も飛躍的に進化しています。

相談先・受診科の目安

  • 物忘れ外来(記憶障害・認知症専門の外来)
  • 脳神経内科・神経内科
  • 精神科・心療内科
  • 地域包括支援センター(ご家族からの相談や地域窓口)

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記憶力の維持・予防に役立つ「栄養素と食事法」

脳の健康を保ち、記憶力の低下を防ぐためには、日々の食事から適切な栄養素を摂取することが効果的です。脳機能をサポートする代表的な栄養素と食材を紹介します。

脳と記憶をサポートする5大栄養素
  • DHA・EPA(オメガ3系脂肪酸):青魚
  • ビタミンB群(B1、B6、B12、葉酸):豚肉、貝類、大豆
  • 抗酸化ポリフェノール・ビタミンC/E:緑黄色野菜、カカオ
  • 糖質(脳のエネルギー源):玄米、雑穀米
  • ビフィズス菌・腸内環境ケア(腸脳相関):発酵食品、サプリメント

1. DHA・EPA(オメガ3系不飽和脂肪酸)

DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の神経細胞膜の柔軟性を保ち、情報伝達をスムーズにするはたらきがあります。EPAは血流を改善し、脳へ十分な酸素と栄養を届ける手助けをします。

多く含まれる食材:サバ、イワシ、サンマ、アジなどの青魚、マグロ。

2. ビタミンB群(B1、B6、B12、葉酸)

ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変えるために不可欠です。また、ビタミンB12や葉酸は、神経細胞を保護し、脳の萎縮や認知機能低下に関連する動脈硬化物質(ホモシステイン)の増加を抑える役割を果たします。

多く含まれる食材:豚肉、マグロ、カツオ、アサリ・シジミなどの貝類、レバー、大豆製品、玄米。

3. 抗酸化物質(ポリフェノール・ビタミンC・E)

脳は脂質が多く活性酸素による酸化ストレス(サビつき)を受けやすい器官です。強力な抗酸化作用を持つ栄養素を摂ることで、脳細胞の酸化や老化を防ぎます。

多く含まれる食材:緑黄色野菜(カボチャ、ブロッコリー)、高カカオチョコ、赤ワイン、緑茶、ナッツ類。

4. 腸脳相関に着目した「腸内環境ケア」

近年、「腸と脳は神経やホルモンを介して密接に影響し合っている(腸脳相関)」ことが解明されています。特定種類のビフィズス菌(ビフィズス菌MCC1274など)の摂取が、認知機能や記憶力の維持に貢献することが報告され、機能性表示食品やサプリメント等でも活用されています。

5. 認知症予防で注目の「MIND食(マインド食)」

MIND食とは、地中海食と高血圧予防食(DASH食)を組み合わせた食事療法です。

オリーブオイル、野菜(特に葉物野菜)、ナッツ、ベリー類、魚、豆類を積極的に摂り、赤肉やバター、洋菓子、ファストフードを控えるスタイルで、認知症発症リスクを抑えるエビデンスが示されています。

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食事以外で日常から取り組める記憶力維持の習慣

脳の血管と神経細胞を若々しく保つため、食事に加えて生活習慣全体を見直しましょう。

① 有酸素運動+脳トレ(コグニサイズ)

ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、脳の血流量を増やし、海馬の容積を保つ効果が期待できます。

「しりとりをしながら散歩する」「計算をしながら踏み台昇降をする」といった、運動と頭の体操を同時に行う「コグニサイズ(デュアルタスク訓練)」が特に効果的です。

② 質の良い睡眠(7時間程度)

脳は睡眠中に、日中の記憶を整理・定着させると同時に、アミロイドβなどのアミロイドタンパク質(老廃物)を洗浄・排出しています。睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群は脳の老廃物蓄積を促進するため、毎日の十分な睡眠が欠かせません。

③ 知的刺激と人とのコミュニケーション

趣味を楽しむ、読書や手芸をする、日記をつける、家族や友人とおしゃべりを楽しむといった活動は、脳全体を活性化させる素晴らしい脳活になります。孤立を防ぎ、社会との関わりを持ち続けることが脳の健康を守ります。

まとめ

今回のポイントを振り返ります。

  • 物忘れと記憶障害の違い:単なる物忘れは「体験の一部を忘れる・自覚がある」、記憶障害は「体験全体を忘れる・自覚がない」
  • 主な原因:加齢、軽度認知障害(MCI)、認知症、脳血管障害、抑うつ・ストレス、デジタル脳過労など
  • 早期アプローチが鍵:MCI段階での早期発見・受診による回復や進行抑制への期待(専門の新薬も早期投与が前提)
  • 記憶力を保つ食事:DHA・EPA(青魚)、ビタミンB群、抗酸化物質、腸内環境を整えるビフィズス菌などの積極的な摂取
  • 予防習慣:有酸素運動、質の良い睡眠、人とのコミュニケーションの日常的な導入

「記憶力が落ちてきたかも」と感じたら不安を一人で抱え込まず、生活習慣の改善に取り組みながら、専門医療機関や地域包括支援センター等の相談窓口を早めに活用していきましょう。

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