ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
トップページ>認知症を学ぶ>認知症の治療>認知症の人の食事で起こるトラブルとは?食事介助のポイントも解説!

認知症の人の食事で起こるトラブルとは?食事介助のポイントも解説!

 

認知症の介護では、入浴や排泄など日常生活の様々な場面でトラブルが起きる可能性があります。

中でも食事に関するトラブルは他の疾患を発症する場合もあり、介護者としては不安になりますよね。

そこで今回の記事では以下のことについて解説していきます。

  • 認知症の方の食事トラブルと対応方法
  • 認知症の方への食事介助のポイント

認知症の方の介護をおこなっている方は、ぜひ最後までお読みください。

スポンサーリンク

認知症の方の食事トラブルと対応

認知症を発症すると食事を適切にとることができず、様々なトラブルを引き起こすことがあります。

ここからは、「認知症の方の食事トラブルと対応方法」を5つご紹介します。

食べ過ぎる

満腹中枢機能の低下や食べたことを忘れるなどの理由から過食が起きる可能性があります。

過食では家中の食品を手当たり次第に食べてしまったりといった異常な食欲がみられます。

家族が食べ物を無理やり取り上げると、認知症の方の怒りが爆発してしまう場合もあります。

また、食べ物を与えないことで家族の目を盗んで食べる「盗食」に繋がることも考えられます。

認知症の方が食べたいだけ食べさせておくことは、肥満を招く原因にもなり健康上良くありません。

過食の適切な対応法には2つあります。
1つ目は目につきやすい場所に食べ物を置かないようにすることです。
理由としては認知症の方の目につきにくくする工夫をする必要があるからです。
具体的な対応としては以下の2つが挙げられます。

  • 中身が見えにくい容器に食べ物を保管する
  • 鍵付きの棚にしまう

2つ目は食べることから気をそらすことです。
理由としては食後の食欲の欲求を抑える必要があるからです。
具体的な対応としては簡単なゲームや運動にさそうことです。

食事したことを忘れる

認知症の記憶障害により、食事をしたこと自体を忘れることがあります。
食事をしたことを忘れると「ご飯を食べていない」「早く食事の準備をしろ」と訴えるかもしれません。

場合によっては興奮状態に陥ることもあります。

さらには食事を再度要求する他、先ほどご紹介した「過食」を引き起こすことも考えられるでしょう。

食事の再度要求が起こると、「食べたばかりでしょ」「夕食まで待っててね」と伝えても認知症の方を納得させるのは困難です。

対応としては「今準備しているからこれを食べて待っていてね」とフルーツやお菓子を出すことです。

また、食事の再度要求が起こることを考慮してあらかじめ1食分の食事量を減らしておきましょう。
食事の再度を要求してきたときにはおにぎり1個を渡すといった対応をすれば食事量も適切に調整可能になります。

食事拒否

食べ過ぎてしまう過食とは反対に、食事拒否が起こるケースもあります。
食べ物を食べ物として認識できなかったり、箸の使い方が分からなかったりということが原因として挙げられます。

認知症の方の食事拒否が続くと、栄養不足を招く原因となり健康上良くありません。
しかし無理に食べ物を食べさせようとすると食事自体が不快なものとなり、逆効果になる可能性があります。

まずは認知症の方がなぜ食事を拒否しているのかを理解した上で適切な対応をすることが大切です。

食べ物を食べ物として認識できていない場合は、「温かいスープですよ」「美味しい魚ですね」と声をかけて一緒に食べてあげるのが効果的です。

箸の使い方が分からない場合は、認知症の方の目に入る位置でゆっくりと食事をしましょう。
そのときには介護者も箸を使っているところを見せてあげると良いでしょう。
その姿を見て、釣られるように食べることもあります。

かきこむ

食べることの抑制ができず、かきこむように食べ物をどんどん口の中に入れるといった行動が現れることがあります。
しっかり噛まずに飲み込もうとすると窒息の危険性が高くなります。

認知症の症状が進行すると箸やスプーンではなく手を使って食べ物を口の中にかきこむ場合があります。

対応としては、1口の量を少なくするために小さいスプーンや器を使用すると良いでしょう。
また、家族が声かけをしながら一緒に食事をしてあげることも大切です。

むせる

認知症になると摂食嚥下障害を引き起こす可能性があります。
症状としては食事中にむせたり、食べ物が器官に入って肺炎を起こすことが挙げられます。
特に、水やお茶などの水分や汁物などは固形物よりもむせることが多いです。

対応としては少しでも認知症の方が食べやすいよう食材自体に工夫しすることが必要です。
具体的には

  • 汁物にとろみを加える
  • 固形物は刻むかもしくはペースト状にする

の2つが挙げられます。
食材に工夫を加えれば認知症の方が食べやすく、そして飲み込みやすくなり、食事中にむせるのを改善できます。

https://www.kaigonohonne.com/questions/12#:~:text=A%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E9%81%8E%E9%A3%9F,%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E5%A4%A7%E5%88%87%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

スポンサーリンク

認知症の方への食事介助のポイント

認知症の方に食事トラブルが起こった場合は、適切な食事介助が必要です。
ここからは、「認知症の方への食事介助のポイント」を5つご紹介します。

食べやすい食事

食べやすい食事を提供することは、認知症の方の食事介助をする上で重要なポイントです。
食べ物が固かったり食材1つ1つが大きかったりすると、認知症の方が食べづらくなりむせてしまう可能性があります。

そのため、食べやすいように食材を1口サイズに切ったり、柔らかく煮てあげたりするなどの工夫が必要です。

盛り付けを工夫

食事が美味しそうに見えなかったり見た目が良くなかったりすると食欲が湧かなくなる場合があります。
食欲が湧かなくなることが原因で食事拒否に繋がるかもしれません。

そのため、認知症の方が「美味しそう」と思えるような盛り付けにすることを心がけると良いです。

彩りや食材の並べ方など、少しの工夫を加えるだけでも認知症の方の食欲をそそることが期待できます。

食器・食事量の工夫

1品の量が多かったり食器の数が多かったりすると、どのように食べれば良いのか分からず混乱してしまう認知症の方もいます。

そのため、料理をワンプレートに乗せて出したり、少しずつ出して食べきれるようにしたりするといった工夫が必要です。

環境を整える

認知症の方の食事介助をする上で、食事をする環境も非常に重要なポイントになります。
認知症の方は環境の影響を受けやすく、安心して食事ができない環境だと食事量の減少や食事拒否に繋がることがあります。

どのような環境で食事をしたいかは人それぞれ違うため、まずは認知症の方に聞いてあげることが大切です。
そして、認知症の方の望みに近い環境を整えてあげましょう。

声をかける

認知症の方が食事に手を付けず食べることを嫌がる場合は、食べ物だと認識できてない可能性があります。

そのため、「温かいお味噌汁ですよ」と声をかけてあげたり、食べるところを見せてあげたりすることが大切です。
声をかけ食べる姿を見せることで、認知症の方が食べ始めてくれることもあります。

https://special.nissay-mirai.jp/jinsei100y/hints/ZyWun

怒らない

認知症の方の介護は大変なことが多く、ストレスが溜まることもあるでしょう。
過食や食事拒否をし続けてつい怒ってしまいそうになるときがあるかもしれません。
ただし認知症の方へ怒るのはかなり控えてください。
認知症の方にも考えがあると思いましょう。

良い対応としては認知症の方の話をよく聞くことです。
介護者が認知症の方の話をよく聞くことで、認知症の方と介護者の間で信頼関係が生まれるでしょう。
信頼関係が生まれれば、過食や食事拒否が緩和される場合があります。

認知症の原因疾患別の食事トラブル

認知症の方の食事トラブルをご紹介していきましたが、
原因疾患によって起こる食事トラブルが違います。
ここからは、「認知症の原因疾患別の食事トラブル」をご紹介します。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症では食べたことを忘れたり、食事の順番が分からなくなったりすることが症状として見られます。
そのため、食事を再度要求してくることが挙げられます。

また、体に染み着いた習慣は記憶に残りやすいといわれています。
そのため料理が習慣だった方は目の前に料理を出されると調理の過程の1つだと間違えてしまうことがあります。

調理の過程の1つだと認識した場合、食べ物を手に取って入れ替えたりなど遊んでいるような行動に繋がることも珍しくありません。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症では手の震えや筋肉のこわばりなどのパーキンソン症状、幻視や視空間認知障害が現れます。

症状が原因で食べ物を上手く掴むことができなかったり、食べ物までの距離が掴めず手が届かなかったりといったことが起こります。

また、幻視が起こると食べ物の中に虫が入っているように見えることがあるため、食事を拒否するようになります。

脳血管性認知症

脳血管性障害は、脳のどの領域に血管障害が生じているかによって症状が違います。
症状には個人差がありますが、例えば手の麻痺によって箸が上手く使えなくなることが起きます。
また食事中にむせて食べられなくなることが起こります。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は前頭葉と側頭葉が委縮し、食事に加え様々な場面で抑制ができなくなります。

「美味しそう」「食べたい」と思う気持ちを抑制できません。
抑制ができないことが原因で食べ物をどんどん口の中に詰め込む行動が見られます。
またしっかり噛まずに飲み込もうとしたりすることも見られます。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO21079330T10C17A9000000/?channel=DF140920160925

スポンサーリンク

認知症が悪化すると嚥下障害を起こす?

私たちは食べ物を認識し口の中に入れ、噛んで飲み込むという流れで食事をしています。
「飲み込む」という動作を嚥下といい、この動作に障害が起きることが「嚥下障害」です。

認知症が進行すると嚥下障害が起こり、食事中にむせたり食べ物が口からこぼれたりするなどの症状が現れることがあります。

嚥下障害では食道ではなく気管に食べ物が入ることでむせてしまうため、食事拒否に繋がるケースが多いです。

そのため、食事中に咳やむせるなどの様子がみられた場合は、かかりつけ医に相談すると良いでしょう。

https://medicalnote.jp/contents/160810-002-SO#:~:text=%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%80%81%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%84%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC,%E7%97%87%E3%81%8C%E5%AD%98%E5%9C%A8%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

健達ねっとECサイト

認知症と食事のまとめ

ここまで認知症と食事介助について書きました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 認知症の方には「食べ過ぎる」「食事をしたことを忘れる」などの食事トラブルが起こる
  • 認知症でみられる食事トラブルは、原因疾患によって異なる
  • 認知症の方の食事介助をする際は、食べやすい食事や盛り付けを工夫したりすることが重要なポイント
  • 認知症が進行すると食事中に咳き込んだりむせたりするなどの嚥下障害が起こることがある

これらの情報が皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

薬の使い方

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク