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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症の方による弄便とは?原因や対策などを徹底解説!

認知症の方による弄便とは?原因や対策などを徹底解説!

認知症の方の介護では、服薬や食事拒否などさまざまな問題が起こります。
その中でも、弄便は特に介護者を悩ませる問題の一つです。

では、弄便とは一体どのような行為を指すのでしょうか?

今回は、認知症の方による弄便について以下の点を中心にご紹介します。

  • 認知症の方による弄便とは
  • 認知症の方に弄便が起きる原因
  • 認知症の方に弄便が起きたときの対応
  • 認知症の方の弄便を防ぐ対策

認知症の症状や介護の理解を深めるためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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認知症の方による弄便とは

疑問

弄便とは、排泄後に便を素手で触ったり、その手で自分の体や壁などに便を擦りつけたりする行為です。

便をあんこやおはぎと認識し、丸めて食べてしまうこともあります。

脳の機能が低下するとにおいを感じにくくなるため、便臭が部屋中に漂っていても本人は気づいていないことが多いです。

弄便は、不快感や羞恥心などの理由から起こるため、決して意図的ではありません。

しかし、掃除をしなければいけない家族からすると、心身共に大きな負担となります。

また、弄便は何度も繰り返されることが多く、頻度が増えればどんどんストレスが溜まっていきます。

家族の負担を減らすためにも、弄便が起こる原因や事前の対策をしっかり理解することが重要です。

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認知症の方に弄便が起きる原因

トイレ

上記の通り、認知症の方は意図的に弄便を起こしているわけではありません。
弄便が起こる原因はいくつかあります。

まずは原因を知り、どのように対処していくかを考えることが大切です。

ここからは、弄便が起こってしまう原因をご紹介します。

おむつ内に不快を感じる

加齢に伴い腸の機能や筋力などが低下すると、便秘になりやすくなります。
また、排便感覚が鈍くなる方も多いです。

そのため、おむつの中に排便をしても本人が気づかないといった状態になりやすいです。

しかし、いくら感覚がなくても排便によって蒸れたりお尻に便がついたりするため、違和感や不快感が生じます。

違和感や不快感を解消しようとおむつの中に手を入れて便に触り、その結果弄便を引き起こしてしまうのです。

排泄に関する機能の低下に加え、認知症を発症すると弄便が起きやすくなる可能性が高くなります。

自分で後始末しようとする

便が汚いものだと認識できる場合、自分で後始末しようとするため弄便が起こることがあります。

しかし、おむつの中の便や手についた便を本人なりに片付けようとしても、適切な処理方法がわからない方が多いです。
家族が周りにいない状況であれば、パニックに陥る可能性もあります。

その結果、おむつを破ったり壁に便を擦り付けたりするなどの行為に繋がるのです。

便を認識できていない

認知機能の低下により、便であることを認識できていないことで弄便が起こることもあります。

また、便をほかのものだと誤認することも弄便が起こる原因の一つです。

便を認識できていないと、便をこねたり、自分の顔や壁などに擦り付けたりしてしまいます。

また、食べ物だと誤認している場合は口に入れるといったことも起こります。

失禁に対する羞恥心を感じている

排泄に失敗したことで羞恥心を感じ、タンスや押し入れに便を隠すといったことが起こる場合もあります。

認知症の方も一人の人間としてプライドを持っています。
パンツやおむつを汚したことや、トイレ以外の場所で排泄したことを恥ずかしく感じるのです。

しかし、家族に知られる前に自分で片付けようと試みても、どのように対処すれば良いのかわからず弄便が起こってしまいます。

認知症の方に弄便が起きたときの対応

トイレ

弄便にも何かしらの原因があるとはいえ、家族にとっては非常にショックが大きいです。

弄便が起こる原因を把握したうえで、適切な対応をする必要があります。
ここからは、弄便に対する対応をご紹介します。

叱ることや責めることはしない

弄便は羞恥心や不快感などが原因となって起こるため、本人に悪気があるわけではありません。

そのため、叱ったり責めたりしても解決には繋がらないのです。

認知症の方は叱られた内容を忘れても、感情に結びつく記憶は残りやすいとされています。

弄便によって家族が叱れば恐怖心や不安感などが残り、信頼関係が壊れたり介護拒否につながったりする可能性があります。

そういった事態を防ぐためにも、「すぐ綺麗にするので待っていてくださいね」と優しく声をかけることが大切です。

手の汚れを拭き取る

弄便が起こった場合は、すぐに手の汚れを拭き取ることが大切です。

手に汚れがついたままにしておくと、その手で自分の服や壁などに触れてさらに汚れが広がる可能性があります。

最初は部屋の汚れが気になるかもしれませんが、手の汚れを拭き取った後に部屋の掃除を行いましょう。

お風呂場に誘導する

「シャワーを浴びてスッキリしましょうか」と優しく声をかけ、お風呂場に誘導することも一つの方法です。

お尻に汚れがついたままにしておくと、痒みや痛みなどの原因にもなります。

本人が抱く違和感や不快感を取り除くためにも、ぬるま湯などで優しく丁寧に洗い流しましょう。

ただし、シャワーを浴びることを苦手に思っている場合があります。
無理やりお風呂場に連れて行ったりいきなり冷水で洗ったりすると、お風呂場が本人にとって苦手な場所になりかねません。

入浴拒否や介護拒否などにつながる可能性もあるので、お風呂場に誘導する際は十分に注意が必要です。

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認知症の方の弄便を防ぐ対策

介護の相談

弄便に対して適切な対応をすることは非常に重要ですが、可能であれば未然に防ぐことがベストです。

では、弄便を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか?
ここからは、弄便の対策をご紹介します。

トイレで排泄する習慣を作る

おむつの中の違和感や不快感などが原因となり、弄便が起こるとお伝えしました。

そのため、なるべくトイレで排泄する習慣を作ることが弄便を防ぐ対策につながります。

認知症の方は、自分で便意を伝えることが難しい場合もあります。
しかし、ソワソワしたり家中を歩き回ったりするなどのサインがみられることが多いです。

サインを見逃さないためにも普段から様子をしっかり観察し、見つけた場合はすぐにトイレへ誘導しましょう。

また、あらかじめ排泄時間を把握しておくと誘導しやすいため、日頃から排泄時間を記録しておくことをおすすめします。

おむつに便が入っている時間を減らす

長時間おむつの中に便が入っていると違和感が生じるほか、皮膚の炎症を引き起こす可能性があります。

そのため、排便後はなるべく早めにおむつを交換し、便が入っている時間を減らしましょう。

おむつを早めに交換するためには、排便のタイミングをしっかり把握しておくことが重要です。

便から意識をそらす

便から意識をそらすということも弄便を防ぐ対策になります。

やることや集中することがないと便に意識が向いてしまい、おむつの中やお尻の状態が気になってしまいます。

しかし、話しかけたり簡単な頼み事をしたりすれば、便に対する意識をほかのものに向けることができます。

周囲を便汚れから守る

弄便が起こると部屋のあらゆる場所が汚れるため、あらかじめ便汚れから守る環境を作っておくことが大切です。

弄便によって汚れが付着しやすい場所に保護シートや防水シートを貼ると、掃除をしやすくなります。

また、床が畳の場合は汚れが染み込みやすいため、取り外し可能なマットなどを敷くことがおすすめです。

ケアマネージャーに相談する

家族だけで弄便に対応しきれない場合は、ケアマネージャーに相談することも一つの方法です。

弄便は家族にとってかなりのストレスがかかるため、限界が来る可能性もあります。

家族が体調を崩すリスクも考えられるので、早めに介護の専門家に相談しましょう。

相談に乗ってもらったうえで適切な対処法や介護サービスなどを紹介してもらえるため、家族の負担が軽減されるはずです。

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便秘が命取りになる?

医師解説

高齢者の方に便秘が起きやすいことはご存知でしょうか?
高齢になるにつれて、食事や活動量、腸機能が低下し、便秘のリスクを高めています。

特に便秘がひどい方の場合は下剤を服用することが多く、下痢を頻繁に繰り返すようになります。

下痢が頻繁に起こるとおむつを使用する機会が増えるため、トイレで排泄する回数が減ります。

また、腸機能の低下や下剤の常用は排便感覚が鈍くなる原因となり、いつ排便したかわからなくなってしまいます。

そこに便を認識できなかったり誤認したりする認知症が重なると、弄便につながるのです。

便秘が続くと、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病や大腸がんなどを引き起こすリスクが高くなります。
「大したことない」と便秘を軽視していると、後々取り返しのつかないことになりかねません。

便秘を予防するためにも規則正しい生活を心がけ、便秘にならない習慣を作ることが大切です。

薬の使い方

認知症と弄便のまとめ

まとめ

ここまで、認知症の方による弄便についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。

  • 弄便は、便を素手で触ったり、自分の体や壁などに便を擦り付けたりといった行為
  • 認知症の方は、羞恥心や不快感などが原因となって弄便が起きる
  • 弄便が起きたときは叱ったり責めたりせず、手やお尻の汚れを速やかに拭き取る
  • 弄便を防ぐためにも、トイレで排泄する習慣をつける

これらの情報が皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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