妊娠中、多くの方が戸惑い、悩まされる症状の1つが「つわり」です。
妊婦さんにとって、鉄分や葉酸の摂取が大切であることは広く知られていますが、「ビタミンB6」の重要性についてはあまり知られていないのが現状です。
実は、ビタミンB6を適切に摂取することは、つわりの症状緩和に良い影響を与えるといわれています。
- ビタミンB6の基本情報と体に与える効果
- 1日の摂取目安量と多く含まれている食品
- 妊婦さんのビタミンB6に関する意識調査と研究結果
ビタミンB6についての理解を深め、つわりの辛い時期を少しでも楽に乗り切るための参考にしていただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
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1. ビタミンB6とは?基本情報と不足したときの症状
まずは、ビタミンB6の基本的な働きと、不足した場合に体にどのような影響が出るのかを見ていきましょう。

ビタミンB6の基本情報と働き
ビタミンB6は、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」であるビタミンB群の1つです。
主な働きは、アミノ酸代謝の促進です。食事から摂取したタンパク質をアミノ酸に分解し、そこからエネルギーを作り出したり、体に必要なアミノ酸を再合成したりする重要な役割を担っています。
具体的には、以下のような働きがあります。
- 脳や末梢神経に働きかける「神経伝達物質」の合成促進
- エストロゲンをはじめとする女性ホルモンのバランス調整
- 目の細胞の新陳代謝促進
ビタミンB6が不足するとどうなる?
妊娠中はホルモンバランスが大きく変化するため、ビタミンB6が不足しやすくなります。また、長期間抗生物質を服用した場合も不足することがあります。
ビタミンB6が不足すると、体に以下のような悪影響を及ぼす可能性があります。
- 代謝異常(皮膚トラブルなど): アミノ酸合成がうまく働かず、皮膚炎、口角炎、舌炎、ニキビ・吹き出物などの症状が出やすくなります。
- 脂質の代謝異常(動脈硬化・脂肪肝など): 脂質の分解が不十分になり、血管内に蓄積すれば動脈硬化、肝臓に蓄積すれば脂肪肝の原因となります。
- 免疫力の低下: 病気にかかりやすくなるほか、細胞を傷つけるアレルギー症状が現れる可能性があります。
- 神経系の異常: 神経伝達物質がうまく合成できず、手足のしびれ、けいれん、精神的な不安定さが起こることもあります。
- その他の不調: つわりの悪化、食欲不振、眠気、倦怠感などが引き起こされる可能性があります。
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2. 妊婦さん必見!ビタミンB6の嬉しい8つの効果
ビタミンB6には、妊婦さんはもちろん、日々の健康維持に役立つさまざまな効果があります。代表的な8つの効果を解説します。
つわりの症状緩和
妊娠中はアミノ酸代謝が活発になり、普段より多くのビタミンB6を必要とします。
ビタミンB6が不足して特定のアミノ酸代謝が滞ることが、つわりの原因の1つとされています。
積極的に摂取することで代謝が正常に働き、つわりの緩和につながります。
月経前症候群(PMS)の症状緩和
イライラや情緒不安定の原因となるPMSは、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少が関係しています。
ビタミンB6はホルモンバランスを整え、PMSの不調を和らげます。
成長促進効果
タンパク質やアミノ酸の代謝を促すことで、皮膚の新陳代謝、髪の毛の生成、健康な歯の形成をサポートします。
脂肪肝の予防
脂質の代謝を促進し、肝臓に余分な脂肪が蓄積するのを防ぎます。
動脈硬化の予防
抗酸化作用があり、葉酸やビタミンB12と一緒に摂取することで、悪玉コレステロールを減少させ、動脈硬化の予防に役立ちます。
神経機能の正常化
抗ストレス作用のある「GABA」などの神経伝達物質の合成を助け、神経機能を正常に保ちます。
アレルギー症状の緩和
免疫機能を正常化し、過剰な免疫反応(リンパ球が自らの細胞を攻撃してしまう状態)を抑えることで、アレルギー症状を和らげます。
眼精疲労の改善
疲労した視神経の細胞に働きかけ、代謝を促すことで、目の疲れや見えにくさの改善につながります。
3. ビタミンB6の摂取目安量と多く含まれる食品
ビタミンB6はどのような食品から、どのくらい摂取すればよいのでしょうか。
ビタミンB6の1日の摂取推奨量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」による、1日のビタミンB6摂取推奨量は以下の通りです。妊娠中・授乳中は通常より多く摂取する必要があります。
- 18歳以上の女性: 1.1mg
- 妊娠中の女性: 1.3mg(+0.2mgの付加量)
- 授乳中の女性: 1.4mg(+0.3mgの付加量)
(参考)18歳以上の男性:1.4mg
ビタミンB6が多く含まれる食品
ビタミンB6は、冷凍食品や加工食品では減少してしまうため、新鮮な食材から摂取するのがおすすめです。
【動物性食品(100gあたりの含有量)】
- ミナミマグロ(赤身/生):1.08mg
- ビンチョウマグロ(生):0.94mg
- 牛レバー(生):0.89mg
- ビーフジャーキー:0.85mg
- かつお(生):0.76mg
【植物性食品(100gあたりの含有量)】
- 生にんにく:1.53mg
- ピスタチオ(煎り):1.22mg
- ドライバナナ:1.04mg
- とうがらし(生):1.00mg
- ドライトマト:0.95mg
※食事からの摂取が難しいつわりの時期は、医師に相談の上、ビタミンB群がバランスよく配合されたサプリメントを活用するのも1つの方法です。
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4. 【調査結果】妊婦さんのビタミンB6認知度とつわりへの効果
妊婦さんはご自身の健康や赤ちゃんのために様々な栄養に気を配っていますが、ビタミンB6の重要性はどのくらい認知されているのでしょうか。
ある意識調査(※)の結果をご紹介します。
葉酸の認知度は高いが、ビタミンB6は低い
- サプリメントの利用状況: 妊娠前・妊娠時にサプリメントを摂取した人は全体の約半数。そのほぼ全員が「葉酸」を摂取していました。
- 葉酸を摂取する理由: 「赤ちゃんの神経管閉鎖障害リスクを下げるため」「なんとなく摂った方がいいと知っていたから」など、認知度の高さがうかがえます。
- ビタミンB6の摂取状況と認知度: サプリメントからビタミンB6を摂取していた人はわずか3〜5%。さらに、「ビタミンB6がつわりに効果がある」と知っていた人はたったの14%にとどまりました。
つわりにはビタミンB6が効果的という研究結果
認知度は低いものの、医療の現場ではビタミンB6のつわりへの効果が認められています。
- つわりがある方にビタミンB6と葉酸を5日間摂取してもらった結果、70%の方で吐き気が改善、65%の方で食欲の改善がみられた(マミーズクリニックちとせの調査)。
- 日本の「産婦人科診療ガイドライン」においても、つわりの緩和にビタミンB6の投与が記載されています。
- 米国産婦人科学会でも、つわりに対するビタミンB6の投与は「推奨レベルA(強く推奨される)」とされています。
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ビタミンB6とつわりの関係性まとめ
本記事では、ビタミンB6の効果とつわりの関係性について解説しました。要点は以下の通りです。
- ビタミンB6はアミノ酸代謝に欠かせない栄養素であり、つわりの軽減やホルモンバランスの調整に役立つ。
- 妊娠中は通常時よりも多くのビタミンB6(1日1.3mg)が必要とされ、マグロやカツオ、ピスタチオなどに多く含まれる。
- 多くの妊婦さんは葉酸の重要性は知っているものの、ビタミンB6がつわりに効くことはまだあまり知られていない。
- 国内外の医療ガイドラインでも、ビタミンB6はつわりの緩和に有効であると認められている。
つわりに悩まされている方は、毎日の食事やサプリメントでビタミンB6を意識してみてはいかがでしょうか。
今回の情報が、妊娠中の辛いつわりを少しでも和らげるヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

