冷え性とは、身体の一部が冷えることです。
冷え性の状態は、身体の不調のサインをあらわしています。
では、冷え性からの便秘は、なぜ起こるのでしょうか?
冷え性の便秘の改善法はあるのでしょうか?
本記事では、冷え性からの便秘と対策について以下の点を中心にご紹介します。
- 冷え性の便秘について
- 冷え性で便秘解消の対策
- 冷え性を原因とする便秘解消の方法
冷え性からの便秘と対策について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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冷え性とは?便秘とは?
冷え性とは、身体の一部が冷えることをいいます。
冷え性は「体の不調」のサインともいわれています。
なぜなら、冷えでの血行不良から酸素・栄養が行き渡っていないサインにもなるからです。
そのため、冷え性は体の不調サインを伝えるバロメーターでもあるのです。
便秘とは、生理的に体外から排出されるべき便が排泄できない状態を指します。
評価基準は、最後の排便からの経過日数のみではありません。
3日以上排便していなくて、おなかにガスが溜まり残便感がある状態が便秘になります。
ポイントは、具体的な日数とおなかの残便感です。
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冷え性・セルフチェックシート
自分が冷え性か気になる方は、セルフチェックシートで確認してみましょう。
まずは、5つの質問に答えてください。
質問1.手足の冷えの状態は?
- A:手足が冷える
- B:足は冷える、でも手は温かい
- C:足も手も温かい
質問2.汗のかき方
- A:あまりかかない
- B:上半身によくかく
- C:全身にかきやすく冷えている
質問3.食事の摂取量
- A:少なめ
- B:普通
- C:多め
質問4.冷えやすい部位
- A:手と足の先
- B:足先やふくらはぎ
- C:下腹部や二の腕
質問5.冷えの症状
- A:頭痛および不眠
- B:顔がほてる
- C:おなかのハリやおなかの痛み
あなたの冷え性タイプは、選んだアルファベットの数が多いものです。
- Aが多い⇒四股末端型
- Bが多い⇒下半身型
- Cが多い⇒内臓型
- Aが多く体温が常に低い⇒全身型
また、アルファベット数が同数の場合は、複合型の可能性があります。
「夏なのに手足が冷えている」「みんなは暑そうなのに自分だけ寒い」なんて感じたことはありませんか?夏も含めて一年中冷えに悩まされている方は多いと思います。本記事は、一年中つらい冷えに悩まされている冷え性の方に向けて、原因と対策をま[…]
冷え性による便秘の原因とタイプ別症状
セルフチェックを完了したあとは、冷え性の原因とタイプをみていきましょう。
1つずつ、解説していきます。
なぜ冷え性により便秘になるのか?
冷え性による便秘は、おなかの冷えが原因です。
冷えから交感神経が優位になると、腸の血流が悪くなり便通が停滞するのです。
そのため、残便感が残り便秘になりやすくなってしまいます。
あなたの冷え性はどんなタイプ?
冷え性のタイプは、以下の4種類に分けることができます。
- 全身型
- 内臓型
- 四肢末端型
- 下半身型
下記を参考に、冷え性のタイプを理解していきましょう。
全身型
全身型は、体内の熱生産が低下し、新陳代謝が下がっています。
その影響から、全身に冷えを感じるタイプです。
ほかの症状と比べて自覚症状が少ないタイプのため注意が必要です。
内臓型
内臓型は、自律神経に影響が出て、血流が停滞して冷えを感じるタイプです。
外部ストレスに自律神経が刺激されると、なりやすい傾向にあります。
四肢末端型
四肢末端型は、手足の末端まで血液が行き渡らず手足の先が冷えるタイプです。
主に、10代から20代の女性に多い傾向があります。
過度なダイエットによる、栄養不足が原因といわれています。
下半身型
下半身型は血液の巡りが悪く、上半身がのぼせて下半身が冷えるタイプです。
姿勢の悪さ、長時間のデスクワークなどが原因といわれています。
骨盤のゆがみからはじまり、血行が遮られることで発生する冷え性です。
冷え性のタイプ別・主な症状
ここからは、冷え性のタイプ別に主な症状をみていきましょう。
1つずつ解説していきます。
全身型
主な症状としては「倦怠感、風邪をひきやすい、よくおなかを下す」などが挙げられます。
自覚症状がみられにくいタイプのため、注意しましょう。
全身型の改善ポイントは、以下のとおりです。
- 十分に睡眠時間をとる
- 軽めの有酸素運動がはじめる
- 食生活を改善する
- 冷食・冷飲を避ける
内臓型
症状として「不眠、集中力の低下、イライラ、食欲不振、胃痛」などが挙げられます。
自律神経を乱さないように、以下の改善を行いましょう。
- 入浴、アロマなどでリラックスする
- 気分転換してストレスを解消する
- 一人の自由時間を作る
- ヨガ・ストレッチなどの運動
四肢末端型
症状は「しもやけ、立ちくらみ、ニキビ、月経トラブル」などがあらわれます。
このタイプの冷え性は、手足を温めるのみでは、不十分です。
四肢末端型の解決方法として、以下の改善策が有効です。
- ウォーキングや筋トレ
- 入浴で血行を整える
- 夜更かしを避ける
- スマホで眼を酷使しない
下半身型
症状は「肩こり、肌荒れ、イライラ、頭痛、顔のほてり」などです。
下半身型の方は、血行の巡りをよくするアプローチが最適です。
- 入浴で血行を整える
- 姿勢を矯正して血流を改善する
- ゆるめの服を着る
- スクワットをする
上記のような、改善方法を実施してみましょう。
冷え性による便秘の解消方法
ここからは、便秘の解消方法について解説していきます。
腸活や生活習慣の改善、運動が効果的です。
まずは便秘解消のための腸活から
便秘解消におすすめしたいのが腸活です。
腸活の定義および、効果についてみていきましょう。
腸活とは?
腸活とは、バランスのよい食事や運動を行い、腸内環境を整える活動です。
栄養バランスの悪い食事は、腸内の悪玉菌が増殖する恐れがあります。
悪玉菌は有害物質を作り「ニキビ、吹き出物、便秘」などを引き起こします。
腸活は、有害なものを腸内からデトックスするのが目的です。
食事以外にも以下のような
- おなかをマッサージする
- 睡眠時間の確保
- リラックスタイムを設ける
など、腸活にはさまざまな方法があります。
腸活の効果
腸活は「腸内フローラ」を整えることで、軟便、下痢、便秘などの改善を行います。
腸内には、多くの細菌が生息しており、顕微鏡でのぞくとお花畑のようにみえます。
これが腸内フローラ(腸内細菌叢)です。
腸内の細菌は「善玉菌、悪玉菌、日和見菌」におおまかに分けられます。
生息する細菌のバランスを善玉菌、日和見菌優位にすれば、腸内環境は整うのです。
つまり、腸活はこの腸内フローラを整える健康活動なのです。
便秘以外にも腸活を実施することで、
- 美肌効果
- ダイエット効果
- 免疫機能のアップ
- 花粉症アレルギーの抑制
などの効果も期待できます。
冷え性緩和のための生活習慣を身につけよう
冷え性を緩和するには、よい生活習慣も大切です。
普段の生活で身につけたい生活習慣は、
- 睡眠を十分にとる
- 適度な運動・筋トレを行う
- バランスのよい食事を摂る
- 入浴したり足湯、手浴を行う
- 冷飲・冷食をなるべく避ける
- 気分転換して、ストレスを解消する
などです。
冷え性でも、冷えのタイプによって改善策はさまざまです。
冷えている感覚をナビにして、ご自身に適切な生活習慣を身につけましょう。
冷え性による便秘を解消するための運動
冷え性による便秘の改善には、運動も有効な手段です。
- ウォーキング
- ストレッチ
- マッサージ
ここからは、上記の運動方法について解説していきます。
ウォーキング
軽いウォーキングは、腸活に効果的だといわれています。
目安は30分程度、足をしっかり動かし腹筋を刺激しましょう。
そうすれば、便を押し出す腸腰筋が鍛えられて便秘の改善が可能です。
ストレッチ
ストレッチは、おなか周りを刺激して腸の働きを活発にします。
ポイントは、おなかをしっかり伸ばして、身体を腰からひねることです。
椅子に座るか、仰向けに寝転んだ状態でストレッチしましょう。
ストレッチの動きに合わせて、呼吸も意識すれば、副交感神経が刺激されます。
その結果、腸の働きを活性化できるので腸活に適しています。
マッサージ
腸を直接刺激できるマッサージも効果的です。
起床後に行うと、眠っていた腸が刺激されて便秘改善につながります。
マッサージは、おへその周りを時計回りに行いましょう。
おなかをしっかり刺激することがポイントです。
冷え性による便秘解消のレシピ
運動以外にも、便秘解消のレシピにチャレンジしてみましょう。
ここからは、身体を温めるレシピと、腸活のレシピをご紹介します。
体を温めるレシピ
身体を温める食材には、以下のものがあります。
- 生姜
- シナモン
- ニラ
- にんにく
- 玉ねぎ
- 唐辛子
これらの食材は、血液の巡りを改善し、身体を温める働きがあります。
また、ビタミンE、B1、Cなどの成分は、身体を温める働きを補助してくれます。
そのため、バランスよく摂取していきましょう。
具体的なレシピの例は、下記を参考にしてください。
レジピ1:ニラ玉雑炊
雑炊にニラを加えた、温かいメニューです。
ニラは、胃腸の働きのサポートや血行促進が期待できます。
そのため、冷え性の方には、最適の料理です。
材料
- ご飯…茶碗の1.5杯分
- 水…500㏄
- めんつゆ…100㏄
- きざみあげ…適量
- ニラ…1~2束
- 卵…1個
- 水(卵用)…大さじ2
作り方
- 1:ニラを2cm幅に切る
- 2:卵は、水大さじ2を加えて混ぜておく
- 3:鍋にごはん、めんつゆ、水を入れて8分ほど煮る
- 4:ニラを加えて、さらに2分煮る
- 5:溶いた卵を円を描くように入れて、蓋をして蒸らしたら完成
レシピ2:ジンジャー、シナモン入り紅茶
体を温める紅茶にジンジャーとシナモンを加えたものです。
漢方に含まれている、ジンジャー・シナモンのおかげで芯から温まります。
温かい紅茶に加えるだけなので、簡単なメニューです。
材料
- 生姜…適量
- 紅茶…1杯
- お酢…適量
- シナモン…適量
作り方
- 1:酢生姜を作るために、生姜をすりおろします
- 2:保存容器に入れて、酢にひたして冷蔵庫に保存
- 3:カップに紅茶を入れます
- 4:酢生姜を大さじ1杯分、紅茶に加えます
- 5:シナモンを振って完成
お好みではちみつを入れると、腸にいいですよ。
腸活のためのレシピ
腸活によい食材として、
- ヨーグルト
- チーズ
- 果物
- きのこ
- みそ
- 納豆
- バナナ
- 玉ねぎ
- はちみつ
などが挙げられます。
これらは、「食物繊維、発酵食品、オリゴ糖」などのいずれかを含んでいます。
そのため、お通じがスムーズになるものばかりです。
下記のレシピでは、この三大美腸成分を摂取しやすい簡単メニューを紹介しています。
レジピ1:ドライマンゴーヨーグルト
「マンゴー、ヨーグルト、はちみつ」の組み合わせで、三大美腸成分が取れます。
レシピも非常にシンプルなので、腸活におすすめです。
材料
- 無糖ヨーグルト…400~500g
- ドライマンゴー…5~10切れ
- はちみつ…適量
作り方
- 1:容器にヨーグルトを入れます
- 2:ドライマンゴーをヨーグルトにつけます
- 3:はちみつを加えて完成
レジピ2:もずくのみそ汁
普段作るようなみそ汁に、もずくを加えたメニューです。
もずくに含まれている栄養分が、善玉菌の活力になり、腸活をサポートします。
材料
- もずく…100g
- お味噌…適量
- 木綿豆腐…小さいの1個
- きざみあげ…適量
- 玉ねぎ…小1
- あごだし…1スティック
作り方
- 1:もずくをよく洗います
- 2:玉ねぎを横2分の1に切りスライスします
- 3:鍋に水と玉ねぎを入れて、火をつけて煮ます
- 4:油揚げを切って鍋に入れます
- 5:玉ねぎが柔らかくなったら、もずく、あごだしを入れて完成
レシピ3:フルーツ甘酒
甘酒は、栄養素が豊富で飲む点滴と呼ばれるほどです。
そこに、食物繊維が多い果物を加えることで、腸活に貢献します。
材料
- ザク切りもも…1食(マンゴー、いちごなどもおすすめ)
- 甘酒…1食
- 牛乳…160~200ml
作り方
- 1:コップに、フリーズドライのザク切りもも、甘酒を1食分混ぜる
- 2:牛乳も一緒にコップにそそいで混ぜれば完成
冷え性や便秘解消のために避けるべき食べ物
避けるべき食べ物は、肉、タンニンを含むものです。
なぜなら、肉のタンパク質は、腸内で悪玉菌を増殖させます。
そのため、便秘がちなときは、なるべく肉類を避けましょう。
タンニンは、過剰摂取すると腸の粘膜に特殊な膜を形成します。
膜ができると、腸内からの排便を抑制するため控えておきましょう。
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冷え性が原因の便秘に効く薬・漢方・サプリ
運動、食べ物でも解消しない場合は、次のアプローチが必要です。
ここでは、冷え性の便秘に効く薬・漢方・サプリメントの成分を解説します。
薬・市販薬
食べ物・生活習慣でも改善しない場合は、便秘薬を試してみましょう。
酸化マグネシウムを含んだ薬は、腸内の水分吸収を抑えて排便を補助してくれますよ。
また、飲んでも腹痛になりにくい、依存性が低いなどの特徴があります。
漢方
冷え性の便秘は、身体の弱りを補い、温めることで排便力を高めることが大切です。
そんなときには、八味地黄丸(はちみじおうがん)の漢方薬が効果的です。
この漢方は、身体を温めて、身体の機能低下を改善する効果が期待できます。
体温が上がるので、腸も回復して便秘の改善に役立ちます。
サプリメント
サプリメントで、ヒハツ由来ピペリン類の成分を取り入れるのもいいでしょう。
この成分は、冷えにより低下した血流を正常にすることで体温の低下を防ぎます。
また、夕方の脚部のむくみを解消するという報告もされています。
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冷え性に潜む危険
冷え性には、便秘以外の危険も存在しています。
ここからは、便秘以外の症状、冷えからの病気のサインについて解説します。
冷え性による便秘以外の症状
冷え性に潜むものは、便秘のみに限りません。
例えば、便秘以外にあらわれる症状として、
- 頭痛
- しびれ
- 肩こり
など、別の症状があらわれるため注意が必要です。
冷えの症状は、身体の状態を示すバロメーターでもあります。
その不調のサインを見逃さないようにしましょう。
その冷え性は何か病気のサインかも?
冷え性の対策を講じても、効果が出ない場合は注意しましょう。
なぜなら、冷え性以外の隠れた病気に原因があるかもしれないからです。
他の病気として考えられる症状は、以下表のとおりです。
症状 | 冷え性以外の原因 |
むくみがある | 女性ホルモン、リンパ液の流れの問題 |
貧血がひどい | 体内のどこかが、出血している可能性あり |
特定部分が冷える | 過去のケガ、手術の影響の可能性あり |
左右片側が冷える | 全体の冷えは、別の病気の可能性あり |
冷えで変色する | 膠原病によるレイノー現象の可能性あり |
このように、好ましくない不調のサインである可能性があります。
どうしても、改善しない場合は専門の医師に相談するようにしましょう。
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おなかを冷やすと免疫細胞の働きが悪くなる
おなかの冷えは、免疫細胞の働きを低下させてしまいます。
なぜなら、免疫細胞の7割は、腸内にいるからです。
つまり、腸内機能の低下は、細胞の活動を低下させるのと同義なのです。
くれぐれも、おなかを冷やしすぎないように注意しましょう。
また、リンパ球は、湯たんぽでおなか・手足を温めると増えるといわれています。
リンパ球も免疫細胞のグループなので、おなかを温めて増やしてあげましょう。
冷え性を改善する入浴方法
入浴は、冷えの解消と血行促進が期待できます。
ただ浴槽につかるだけでも温まりますが、冷え性対策としては不十分です。
冷え性対策として「身体の芯まで温める」ことを意識しましょう。
38〜40℃程度のお湯に15分~20分ほど、全身でつかるのが効果的です。
身体の芯まで温めるには、ぬるめのお湯でゆっくり温めるのが重要です。
熱めのお湯だと、早く浴槽から出ると体温も上がりにくいので注意しましょう。
また、入浴剤を活用して温浴効果を高めるのもいいでしょう。
なかでも、無機塩類系と炭酸ガス系を使った入浴剤が冷え性緩和におすすめです。
無機塩類系は、湯冷めを防ぐ効果があり、湯上がり後も身体に熱が残ります。
もう1つの炭酸ガス系は、ガスが皮膚から吸収されて、血管が拡がります。
そのため、血流が上昇するため、体温を高く保てます。
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冷え性だと便秘になりやすい?まとめ
今回は、冷え性からの便秘と対策についてご紹介しました。
冷え性からの便秘と対策についての要点を以下にまとめます。
- 冷え性の便秘は、腸の血流が悪くなり便通が停滞している
- 冷え性で便秘解消の対策は、冷え性のタイプを把握して、適切なアプローチが必要
- 冷え性を原因とする便秘解消の方法は、運動・食事・腸活・入浴など
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。