「子供がアデノウイルスに感染してしまい、登園できない。出席停止期間はいつまでなんだろう…」
「もしかして自分もアデノウイルスに感染した?職場には報告した方が良いのかな…」
アデノウイルスは、特に子供のいる家庭では、感染すると出席停止期間や周囲への感染対策など、対応に迷うことも多いのではないでしょうか。
本記事では、アデノウイルス感染症について以下の点を中心に詳しく解説します。
- アデノウイルス感染症の種類
- アデノウイルス感染症の出席停止期間
- 出席停止後の登園・登校許可証について
アデノウイルス感染症についてご興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
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アデノウイルスとは?
はじめに、アデノウイルスについてご紹介します。
アデノウイルスは、年間を通して感染がみられますが、特に春から夏にかけて流行しやすいといわれています。
感染経路は、主に飛沫感染や接触感染、糞口感染の3つです。
感染すると、2〜14日程度の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み、目の充血などの症状が現れます。
アデノウイルスには50種類以上の型があり、それぞれ異なる症状を引き起こします
アデノウイルスによって引き起こされる代表的な感染症としては、プール熱(咽頭結膜熱)やはやり目(流行性角結膜炎)、胃腸炎などが挙げられます。
これらの感染症は、一般的に数日〜1週間程度で回復しますが、重症化することもあるので注意が必要です。
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アデノウイルスによる主な症状
アデノウイルスは、さまざまな症状を引き起こすウイルスです。
ここでは、アデノウイルスによって引き起こされる主な症状を5つご紹介します。
- 発熱
- 咽頭炎
- 結膜炎
- 胃腸炎
- その他の症状
発熱
アデノウイルス感染症による主な症状の1つ目は「発熱」です。
特に、プール熱と呼ばれる咽頭結膜熱では、4〜5日間、39〜40度の高熱と37度台の微熱を行き来する点が特徴的です。
また、乳幼児の場合、より症状が重くなったり、症状が長引いたりする可能性もあります。
咽頭炎
2つ目は「咽頭炎」です。
アデノウイルスは、咽頭炎を引き起こすことが多く、のどの痛みや発赤、腫れなどの症状が現れます。
場合によっては、高熱が1週間以上続くこともあり、細菌感染との区別が難しいケースもあるので注意が必要です。
結膜炎
3つ目は「結膜炎」です。
結膜炎は、プール熱やはやり目と呼ばれる流行性角結膜炎でよく見られる症状です。
目の充血や目やに、まぶたの腫れ、涙が出るなどの症状が現れます。
特に、流行性角結膜炎は感染力が非常に強く、症状が治った後も、医師の判断が出るまで出席停止となるでしょう。
胃腸炎
4つ目は「胃腸炎」です。
アデノウイルスは胃腸炎を引き起こすこともあり、特に乳幼児に多く見られます。
下痢や嘔吐、腹痛、発熱などの症状が特徴です。
症状が軽快し、全身状態がよくなれば、登園や登校が可能です。
その他の症状
5つ目は「その他の症状」です。
アデノウイルスは、上記以外にも、肺炎や膀胱炎、発疹など、さまざまな症状を引き起こすことがあります。
症状は、ウイルスの型や感染する体の部位によっても異なるのです。
例えば、出血性膀胱炎では、排尿時に痛みがあり、血尿が出ます。
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アデノウイルス感染症の種類と出席停止期間
アデノウイルス感染症は、保育園や幼稚園、学校で集団感染を引き起こしやすい感染症の一つと言えます。
感染経路が複数あり、感染力も非常に強いため、家庭内での感染拡大にも注意が必要です。
ここでは、アデノウイルス感染症の種類と出席停止期間について、以下の3つに分けてご紹介します。
- プール熱(咽頭結膜熱)の出席停止期間
- はやり目(流行性角結膜炎)の出席停止期間
- それ以外のアデノウイルス感染症の出席停止期間
プール熱(咽頭結膜熱)の出席停止期間
アデノウイルス感染症の種類の1つ目は「プール熱(咽頭結膜熱)」です。
プール熱は、学校保健安全法で出席停止期間が定められており、主要症状が消退した後2日が経過するまで出席停止となります。
これは、発熱や咽頭炎、結膜炎といった主な症状が治ってから2日間は休む必要があるということです。
プールを介して感染することが多いため、「プール熱」と呼ばれていますが、プール以外でも感染する可能性があります。
また、アデノウイルスは感染力が強く、症状が現れた直後から数日の間にウイルスを排出するため、周囲への感染拡大には特に注意が必要です。
はやり目(流行性角結膜炎)の出席停止期間
2つ目は「はやり目(流行性角結膜炎)」です。
はやり目も、学校保健安全法で出席停止期間が定められています。
具体的な日数は定められておらず、医師が感染の恐れがないと認めるまで出席停止となります。
これは、目の充血や涙、目やになどの症状が治まり、医師が感染の心配がないと判断するまで休む必要があるということです。
はやり目は、感染者の目やにや涙を通して感染が広がりやすいため、出席停止期間中は、他の人の目に触れないようにするなど注意しましょう。
それ以外のアデノウイルス感染症の出席停止期間
3つ目は「それ以外のアデノウイルス感染症」です。
アデノウイルス感染症には、プール熱やはやり目以外にも、肺炎や胃腸炎、膀胱炎など、さまざまな種類があります。
プール熱やはやり目以外のアデノウイルス感染症の場合、学校保健安全法で出席停止期間は定められていません。
ただし、保育園や幼稚園によっては、独自のルールを設けている場合もあるため、園や医師に確認するようにしましょう。
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保育園・幼稚園におけるアデノウイルス感染症の登園基準
ここでは、保育園・幼稚園におけるアデノウイルス感染症の登園基準について解説します。
保育園や幼稚園におけるアデノウイルス感染症の登園基準は、出席停止期間を経過した後、医師が症状の回復と感染リスクがないことを確認した時点で、子供の登園が許可されます。
多くの保育園・幼稚園では、登園時に医師のサインが入った登園許可証の提出が必要です。
アデノウイするは感染力が強いうえ、種類によって当園基準が異なるため注意しましょう。
特に、プール熱やはやり目は出席停止期間が定められており、医師の許可が必要となります。
その他の症状でも登園許可証の提出が必要な場合もあるため、事前に保育園・幼稚園に確認しておくと良いでしょう。
出席停止後の登園・登校許可証について
アデノウイルス感染症は、子供がかかりやすい感染症の一つです。
感染力が強く、保育園や幼稚園、学校では出席停止の措置が取られる場合があります。
出席停止期間が終了した後、登園・登校を許可するために、医師の診断による許可証が必要になるケースがあるのです。
ここでは、出席停止後の登園・登校許可証について、以下の4つのケースをご紹介します。
- プール熱とはやり目は登園・登校許可証が必要
- 登園・登校許可証の形式は園や学校によって異なる
- 登園・登校許可証は診断を受けた病院で発行する
- やむを得ず別の病院で発行してもらう場合
プール熱とはやり目は登園・登校許可証が必要
まずは「プール熱とはやり目は登園・登校許可証が必要であること」についてご説明します。
プール熱とはやり目は、学校保健安全法で出席停止期間が定められており、感染力の強い感染症です。
そのため、保育園や幼稚園、学校では、医師の診断による登園・登校許可証の提出を求められることが一般的でしょう。
許可証は、症状が治まり、他の子供への感染の恐れがないことを医師が確認した上で発行されます。
登園・登校許可証の形式は園や学校によって異なる
2つ目は「登園・登校許可証の形式は園や学校によって異なるケース」です。
園や学校によっては、独自の書式を指定している場合や、医師が記入した書類でなくても、保護者の署名による登園・登校届で許可する場合もあります。
登園・登校許可証が必要な場合は、事前に園や学校に確認し、必要な手続きを済ませておきましょう。
登園・登校許可証は診断を受けた病院で発行する
3つ目は「登園・登校許可証は診断を受けた病院で発行するケース」です。
診断を受けた病院であれば、医師が子供の状態や経過を把握しているため、スムーズに許可証を発行してもらえます。
また、初診時に許可証の発行にかかる費用を確認しておくと安心です。
健康保険は適用されず、許可証発行の費用は全額自己負担となります。
やむを得ず別の病院で発行してもらう場合
4つ目は「やむを得ず別の病院で発行してもらう場合」という点です。
例えば、引っ越し後や旅行先でアデノウイルス感染症を発症し、受診した病院が遠方で再受診できない場合などが考えられます。
このような場合は、近くの病院に事情を説明し、登園・登校許可証の発行を依頼してみましょう。
ただし、別の病院では子供の症状や経過を把握していないため、発行を断られる可能性もあります。
受診する際は、お薬手帳や薬の説明書など、最初の病院とのやり取りが分かるものを持参すると良いでしょう。
子供がアデノウイルスに感染した場合の親の対応
子供がアデノウイルスに感染した場合、親は落ち着いて適切な対応をする必要があります。
感染拡大を防ぎながら、子供の症状を和らげ、スムーズに回復できるようにサポートすることが重要です。
最後に、子供がアデノウイルスに感染した場合の親の対応について、以下の3つをご紹介します。
- 会社への報告と相談
- 子供の看護のための休暇取得
- 周囲への感染対策
会社への報告と相談
子供がアデノウイルスに感染した場合の親の対応の1つ目は「会社への報告と相談」です。
子供がアデノウイルスに感染した場合、症状によって保育園や幼稚園、学校は出席停止となります。
その期間は、子供の症状や感染症の種類によって異なりますが、数日〜数週間かかる場合もあるため、親は仕事を休まなければならないケースも少なくありません。
このような場合は、速やかに会社に子供の状況と、仕事を休む必要性について報告し、相談しましょう。
子供の看護のための休暇取得
2つ目は「子供の看護のための休暇取得」です。
法律では、小学校就学前の子供を育てる労働者は、子供1人につき年間5日(2人以上なら10日)の「子の看護休暇」を取得できます。
会社によっては、さらに日数が多い場合や、小学校就学後も取得できる場合がありますので、就業規則などを確認すると良いでしょう。
子の看護休暇は、有給休暇とは別に取得できるため、子供の看病のために有給休暇を消化する必要はありません。
子供の看病で仕事を休む場合は、子の看護休暇の取得を検討しましょう。
周囲への感染対策
3つ目は「周囲への感染対策」です。
アデノウイルスは感染力が非常に強く、家庭内での感染も起こりやすいといえます。
家庭内感染を防ぐためには、以下の対策を徹底しましょう。
- 手洗いを徹底する:特に、トイレの後や食事の前、子供の世話の前後には、石鹸と流水でしっかりと手を洗いましょう
- 使用するタオルや食器の区別:感染者の使用したタオルや食器は、家族と共有しないようにしましょう。タオルはこまめに洗濯し、食器は洗剤で洗い、熱湯消毒するのが効果的とされています
- 生活空間を分ける:可能であれば、感染した子供と他の家族の生活空間を分けるようにしましょう。寝室を分けたり、食事の時間をずらしたりするだけでも、感染リスクを減らせます
- よく触る場所を消毒する:ドアノブやテーブル、リモコンなど、家族がよく触る場所は消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム水溶液などを用いて、こまめに消毒しましょう
これらの対策をしっかりと行うことで、家庭内感染のリスクを減らせます。
アデノウイルス感染症は、感染力が強いものの、通常は数日で自然に治癒します。
親は、落ち着いて適切な対応を行い、子供の回復をサポートすることが大切です。
アデノウイルスの出席停止に関するまとめ
ここまでアデノウイルス感染症の出席停止期間についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- アデノウイルス感染症には、プール熱やはやり目、胃腸炎などさまざまな種類がある
- プール熱やはやり目は、学校保健安全法で出席停止期間が定められており、医師の許可を得るまで登園・登校はできない
- プール熱とはやり目は、多くの園や学校で登園・登校許可証の提出が必要となる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。