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トップページ>介護お役立ち記事>自立支援ケア>水分を身体の隅々まで行き渡らせる、身体の3つの工夫

水分を身体の隅々まで行き渡らせる、身体の3つの工夫

家の壁と違って、血管、細胞の壁は隙間だらけ!?

成人であれば身体の60%を占める水分(体液)は身体の中をどう動いて、栄養や老廃物の受け渡しをするのでしょうか。
今回はこの解説をしていきます(高齢者の場合は身体を占める水分は50%と成人より少ない)。

人間の臓器と水分(体液)は「美味しい鍋」と同じ状態です。
詳しくはこちらの記事をお読みください。

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鍋は具材にスープが浸み込むことで美味しくなりますが、人間の身体も同様で、水分(体液)が身体の隅々まで満ちて、臓器や細胞の隙間に行き渡ることで臓器を元気に働かせることができます。
スープが足りない鍋が美味しくないように、人間の身体も水分(体液)が足りないと身体を元気に保つことができないのです。
このように水分(体液)が身体の隅々まで満ちて、臓器や細胞の隙間に行き渡るための工夫がされています。

工夫の1つ目は浸透圧です。

少し話を変えますが、家の壁には隙間も穴も開いていません(経年劣化等の場合は別)。
隙間も穴も開いていない理由は、外気や雨、風、雪等を家の中にいれないためと、温度を保つためです。
家の壁は、「壁に隙間を作らない」ことが重要です。

では人間の身体はどうでしょうか。
人間の身体は家の壁と作り方が違います。

リンパ管や血管、細胞の壁は、家の壁と違って、隙間だらけなのです。
細かい穴が開いていて、水などの小さい分子は通れるようになっています。
昔よく使った、台所の三角コーナーに置く、穴の開いたビニール袋のようなイメージですね(実際はそんなに大きくないです)。

なぜ、「壁に隙間がある」のか。

それは、体液には栄養や老廃物を受け渡す役割があるからです。
リンパ管、血管、細胞の隙間で体液が移動できるようになっていて、栄養や老廃物を受け渡したり、運搬をしています。
そのための「壁の隙間」だったんです。
この隙間に一方から他方へ水分(体液)を押しやる力を「浸透圧」と言います。

浮腫みの原因は浸透圧のバランスが崩れて起こる。その原因は!?

リンパ管、血管、細胞の壁に隙間があるのは、栄養や老廃物の受け渡しや運搬をするためで、この隙間に一方から他方へ水分(体液)を押しやる力を浸透圧と解説しました。

血管も同様に血管の壁の隙間から浸透圧で水分(体液)を血管外に押し出すので、皮膚との間の組織に浸みだします。
血管外に浸みだした水分(体液)は浸みだしたままではなく、栄養や老廃物の受け渡しができたら、また浸透圧で血管内に吸収される仕組みになっています。

ところが、ある物が不足していると、血管から浸みだした水分(体液)が、栄養や老廃物の受け渡しをした後に再吸収しきれずに、血管外に溜めてしまうことが起こります。
これはある物が不足したことで起こる「浸透圧のバランス」が崩れた状態です。
この不足したものは「アルブミン」です。

このアルブミンというのは、約600個のアミノ酸からできた小さなタンパク質で、血液の50%以上を占めている血漿の中に溶けているタンパク質の1つです。
アルブミンはその中でも約60%を占めている、血漿の中で最も多いタンパク質で、血漿の中のタンパク質では血管内に水を保持するする働きが最大です。

アルブミンが不足するとなぜ浸透圧のバランスが崩れるのか解説します。

アルブミンが不足すると血管内の血液の浸透圧が低下します。
すると血管内と血管外の浸透圧のバランスを取るために、血液中の水が血管外へ移動(押し出す)したままとなり、血管内に再吸収されなくなってしまいます。
結果的には浸透圧のバランスが崩れてしまい、この状態になります。
血管外の組織に浸みだしたまま、水が溜まるので「浮腫み」が起こってしまいます。

浮腫みにはいくつか原因がありますが、浮腫みの原因の1つはこのアルブミン(タンパク質)不足で起こります。

高齢者によく起こる、膝から下の浮腫みだけではなく、全身が浮腫むこともあります。
一見、太って見えている方が、実はアルブミン(タンパク質)不足での水ぶくれ状態という方も多くいます。

これについてはまた詳しく解説しますが、太ったからといって、食事量を減らす方がいますが、食事量を減らしても体重が減らないどころか、増えてしまうような方は、このアルブミン(タンパク質)不足での水ぶくれ状態かもしれません。
ちなみにアルブミンは脂肪酸やホルモン、薬物など様々な物質と結合して、必要な部位にこれらを運搬する働きをしています。

したがって、アルブミン不足(低栄養)だと薬物があまり効きづらくなりますし、ホルモンを運搬しているのでホルモンバランスにも影響が出ることがあるかもしれません。

人間は地球の重力も使って身体の状態を維持している

水分(体液)が身体の隅々まで満ちて、臓器や細胞の隙間に行き渡るための工夫の2つ目は「重力」です。

血液は「心臓」というポンプ機能のおかげで、頭の先から足の先まで栄養や老廃物の受け渡し、運搬ができます。
しかし、リンパ液や細胞の間にある細胞間液(間質液)は血管の中にないので心臓のポンプ機能が使えないのです。

これを補っているのが、「重力」です。

重力のおかげで心臓のポンプ機能を使えないリンパ液や細胞間液(間質液)も臓器や細胞の隙間に行き渡らせることができています。
地球の重力に感謝ですね。

ふくらはぎは「第2の心臓」

水分(体液)が身体の隅々まで満ちて、臓器や細胞の隙間に行き渡るための工夫の3つ目は「筋力」です。

血管外の水分(体液)は心臓のポンプ機能が使えないために、重力で下に落ちていくことはできても上に戻すことは難しいです。
ここで活躍するのが「筋力」です。

動脈の壁は厚くて硬いですが、静脈やリンパ管の壁はゴムチューブのように柔らかく、周囲の筋肉の影響を受けやすい形状となっているそうです。
このことから、筋肉の収縮する圧力がリンパ管や血管、細胞の隙間に伝わり、リンパ液や血液、細胞間液(間質液)を押し流すことができるのです。

また、リンパ管も静脈も逆流しないように弁がついており、呼吸や運動の際に筋肉で押されるとポンプ作用で流れることができます。
このポンプ作用を「筋ポンプ」といい、ふくらはぎの運動が筋ポンプを最大に発揮することから、ふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれます。

ふくらはぎの筋ポンプ運動が少ないと膝から下が浮腫んでしまいます。
身体が浮腫む原因はアルブミン不足による浸透圧のバランスの崩れと、この筋ポンプ運動の不足のどちらかで起こっています。
水分摂取量が少ないことで血液循環も悪くなりますから、水分摂取量の少なさも浮腫みの原因と言えます。

他にも心疾患や腎疾患の方は疾患が原因での浮腫みもあります。
また、男性より女性の方が浮腫みやすいのは、筋肉量が男性より少ないからです。

膝から下の浮腫みの原因が、筋ポンプの少なさの場合は、ウォーキングや階段昇降、踵の上げ下げ等、ふくらはぎを動かすことで「筋ポンプ」が作用するので浮腫みが解消されていきます。
血流をよくしてから筋ポンプ運動をすると更なる効果が出ます。

筋ポンプ運動だけで、効果を実感できない方は運動の前に足浴等で足を温めて、血流を良くしてから行うといいでしょう。
血流を良くする1番は水分を多く摂取することなので、まずは水分摂取量を増やすことからはじめてください(心不全等、疾病によっては水分摂取の制限が必要なものもあるので、医師にご相談ください)。

VOL.2はこちらです。
合わせてお読みください。

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