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健達ねっと>介護お役立ち記事>介護現場でのプライバシー保護とは

介護現場でのプライバシー保護とは

介護の現場では、サポートサービスの利用をすすめても断られてしまう場面があります。

例えば、以前はきちんと整っていた部屋が最近は散らかっている様子でも、「家事がしんどいなら、ホームヘルパーを頼もうよ」と声をかけると、「よくわからないからいいわ」と拒まれることがあります。

ここには「損失回避バイアス」が影響している可能性があります。
慣れないサポートを受けることで、逆に不快な思いをするのではないかという不安が、プライバシー保護への意識と結びつき、支援を拒む要因となっているのかもしれません。

また、「自分のことは自分でやるべきだ」という考えが強い場合、自立を守りたい気持ちがプライバシーを守る行動につながることもあります。

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サポートを拒む心理の裏側…「損失回避バイアス」とは?

サポートを受けることが必要と感じていても、なかなか受け入れられない背景には、「損失回避バイアス」が関係していることがあります。

損失回避バイアスとは、「新しいことを試して損をしたくない」という心理が強く働き、現状維持を優先してしまうことです。

 

例えば、サポートを受けることで生活リズムが崩れたり、余計なトラブルが増えるのではないかという不安が強まると、サポートを拒む理由になってしまいます。

特に高齢者の場合、長年の生活スタイルや習慣を変えることに強い抵抗感を抱くことがあります。


「今まで自分でやれていたから、これからも大丈夫」という思いが、支援を受ける決断を遠ざける原因にもなります。

さらに、プライバシーが他人の目に触れることへの抵抗感も加わり、「自分の生活空間に踏み込まれるのではないか」という不安が、サポートを受け入れることを難しくしているのです。

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介護サービスを受け入れやすくする工夫

介護サービスをすすめても、「まだ大丈夫」「よくわからないからいいわ」と拒まれることがあります。

背景には、生活スタイルを変えることへの不安や、プライバシーへの強い意識が影響している場合があります。

不安をひとつずつ取り除く

まずは、相手が拒む理由を丁寧に聞き取り、それぞれに対応した具体的な対策を提案することが大切です。

  • プライバシーが気になる場合:掃除や食事の準備など、特定の部分だけサポートを受ける形にする
  • 他人が家に入るのが嫌な場合:短時間の訪問から始めて、慣れてもらう
  • 手続きが面倒な場合:家族が申し込みをサポートし、負担を軽減する

実際の事例を伝える

身近な成功事例を伝えることも効果的です。

「近所の方もヘルパーを頼んで、すごく助かっているみたいだよ」といった話を共有することで、「自分もやってみようかな」という気持ちを引き出しやすくなります。

サポートを受け入れることに抵抗を感じる背景には、プライバシーへの不安や損失回避の心理が隠れていることがあります。

焦らず少しずつ話を進めることで、新しいサービスにも前向きになってもらえるかもしれません。

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ナッジ」で自然にサポートを受け入れてもらう

ナッジとは、直接的に指示せずに、相手が自然と行動を選択できるよう促す方法です。

例えば、「手続きが面倒」「他人が家に入るのが不安」といった理由を具体的に聞き出すことで、不安の正体が見えてきます。

ここで大切なのは、相手が「なぜ嫌なのか」を自分の言葉で話せるようにサポートすることです。

問いかけの例:

  • 「仮にヘルパーに来てもらうとしたら、何が不安かな?」
  • 「一番心配なことって何?」

こうした質問を通して、相手の気持ちを引き出し、「自分の考えを整理する場」を提供するのがナッジの目的です。

具体的な対応策を提案するのではなく、まずは不安を引き出し、言語化してもらうことが重要です。

例えば、プライバシーが気になる場合、「どの部分が気になるのかな?」と聞いてみると、具体的な対策を立てるためのヒントが見えてきます。

ナッジのポイントは、「解決策の提示」ではなく、「不安や抵抗感を整理する手助けをすること」です。

これにより、相手は自分の意思で次の行動を決めやすくなり、無理なくサポートを受け入れられるようになります。

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介護サポートを受け入れてもらうために大切なこと

介護サービスを利用することは、生活の負担を軽減する手助けになりますが、必ずしも簡単に受け入れてもらえるわけではありません。

そんなときこそ、相手の心理的な抵抗感に寄り添いながら、無理なくサポートを受け入れてもらう工夫が求められます。

  • 損失回避バイアスが働きやすい:「現状維持のリスク」を可視化しつつ、小さな成功体験を積み重ねることで、新たなサポートを受け入れる意欲を引き出すアプローチが有効です
  • 無理に押し付けず、会話の流れを作ることが大切:「手伝ってあげるよ」と決めつけるのではなく、「困っていることはない?」と相手の気持ちを引き出す声かけが大切です
  • ナッジで自然にサポートの選択肢を伝える:強制ではなく、「試しに少しだけやってみようか?」と促すことで、自ら選択した感覚を持たせることができます
  • プライバシーへの不安を和らげる声かけの工夫:「他人が家に入るのは抵抗があるよね。見られたくないところは閉めておいて大丈夫だよ」と安心感を与えることがポイントです

焦らず少しずつ話を進めることで、相手の不安を取り除きながら、新しいサービスへの抵抗感を和らげることができます。

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