親の寝室に入ると、布団からにおいが漂ってきました。
- 「ねえ、この布団、いつから干してないの?すごいにおうよ」
- 「えー、そんなクサいかな?まだまだ大丈夫よ!」
親がこう言い張るのには、心理的なバイアスが関係していることがあります。布団を干すのが面倒で、「干したあとに雨が降ったらどうしよう」と考え始めると 損失回避バイアス が働き、さらに「これまでも大丈夫だったんだから、今回も問題ない」と 投影バイアス によって現状を正当化してしまうのです。
その結果、布団の手入れが後回しになり、においがどんどん蓄積されてしまうケースも少なくありません。
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親の心をのぞくと…「損失回避バイアス」と「投影バイアス」の影響とは?
親が「まだ大丈夫」と言い張る背景には、2つの心理的バイアスが影響していることがあります。
損失回避バイアス
「干したあとに雨が降ったらどうしよう」「取り込むのが面倒だ」など、手間や失敗を避けようとする心理です。
面倒な作業を避けるため、「干す必要はない」「まだ大丈夫」と思い込むことで、布団の手入れを後回しにしがちです。
この心理が強くなると、においが気になっても見て見ぬふりをするようになります。
投影バイアス
過去の経験をもとに「これまで大丈夫だったから、今回も問題ない」と思い込む心理です。
「この布団はずっと干してなくても大丈夫だったし、今回も問題ない」と考えることで、
現在の状況に気づかず、子どもの指摘にも耳を貸さなくなってしまうケースがあります。
これらのバイアスが重なることで、親は「まだ大丈夫」と現状を正当化してしまいがちです。
その結果、布団のにおいが蓄積してしまい、さらに指摘されると反発してしまうという悪循環に陥ることもあります。
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「ナッジ」で親の行動をさりげなく促す
一度きちんとした状態を用意する
親に無理に説得して布団を洗わせようとしても、反発されてしまう可能性があります。
そこで、まずは子ども側が布団を洗濯し、清潔な状態を用意してみましょう。
- 例:「お母さん、布団ついでに洗っておいたよ」
このように先回りして布団を清潔にしてあげると、親も「次は自分でやろう」という気持ちが生まれやすくなります。
「次はお母さんね」とバトンを渡す
1回やってあげた後は、「次はお母さんね」と声をかけてバトンを渡すのがポイントです。
親自身に行動を促すことで、対立を避けつつ布団の清潔を維持できるようになります。
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親の「まだ大丈夫」を理解し、寄り添うためにできること
親の行動が変わらない背景には、心理的なバイアスが影響していることがあります。
そこで、以下の3つのポイントを意識して対応してみましょう。
- 高齢者には「投影バイアス」が働きやすい: 過去に問題がなかった経験を基に、「今回も大丈夫」と思い込んでいる可能性がある
- 正論ではなく、会話の流れを作ることが大切: まずは親の困りごとを聞き出し、「布団がにおうけど、最近干してる?」といった形でさりげなく気づかせる
- ナッジを活用し、本人が気づくように誘導: 「お母さん、布団ついでに洗っておいたよ」「次はお母さんの番ね」と提案の形で促すと反発が少なくなる
親の言動に戸惑ったときこそ、焦らずゆっくりと寄り添いながら行動を促していきましょう。
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