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トップページ>認知症を学ぶ>認知症の治療>認知症のリハビリとは?リハビリ内容や効果について徹底解説!

認知症のリハビリとは?リハビリ内容や効果について徹底解説!

認知症のリハビリと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
一般的に知られているのは、手を動かす作業や軽い運動だと思います。

ですが他にも刺激法や回想法など多くの種類のリハビリがあります。
数多くあるリハビリから効果的なものを見つけるには、まずどのようなリハビリがあるのかを知ることが大切です。
今回は、リハビリの種類と効果について紹介した上で、注意点や普通のリハビリと認知症のリハビリの違いをご紹介します。

  • 認知症のリハビリはどんなことをするの?
  • リハビリの効果について
  • リハビリの注意点について
  • 普通のリハビリと認知症のリハビリの違いについて

ぜひ最後までご覧いただき、認知症リハビリの際の参考にしてください。

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認知症のリハビリではどんなことをするの?

認知症のリハビリ(非薬物療法)

認知症のリハビリにはさまざまな種類がありますので、リハビリの種類とそのリハビリはどのように行うかをご紹介します。

認知刺激療法

認知刺激療法は、聞くこと・見ること・触ること・匂いを嗅ぐこと・味わうことの総称である五感を刺激するリハビリ法です。
このリハビリ方法は数多く存在します。

例として塗り絵と音楽をあげて、どのように五感を刺激するのかをご説明します。
塗り絵は、その絵を「見て」認識し、それに合った色のペンに「触れて」塗る作業をします。

音楽は好きな音楽を「聞いて」、歌を「歌う」ことで五感を刺激することが可能です。

他にも芳香剤などの「匂いを嗅いで」その匂いの感想を話してもらう、日頃は食べないめずらしいおやつを「味わい」感想を話してもらうなどやり方は無数に存在します。

少し難易度は上がりますが、数字や言葉を使ってゲームをするのも効果的です。
つまり、新しいことに触れる機会をつくり脳に刺激を与えてあげることが重要になります。

回想法

回想法は、自分の過去を思い出すことで脳を活性化させるリハビリ法です。
認知症には「過去のことを覚えている場合が多い」という特徴があります。

以下この特徴を生かしたリハビリ法の代表例です。

個人で行う場合は、アルバムを使い過去の思い出について話します。
アルバムの他にも、使用するものに対して思い出があれば問題ありません。
思い出の品を用意したら、まずは日常会話から入ります。
自然な流れで用意したものについて質問をし、患者には過去を遡って思い出話をしてもらいます。
そして再びその思い出話に対して質問するということを繰り返す方法です。

回想法を行う際は、過去を思い出すことに集中できる環境づくりが大切になります。

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音楽療法

音楽療法は、音楽のもつ力を利用するリハビリ法です。
例えば音楽を聴く、カラオケをする、カスタネットなどの簡単に扱える楽器を使って音を出すなどが挙げられます。

懐かしい音楽を聴くことで脳へ刺激を与えたり、歌うことで口を動かし表情筋を鍛えることもできます。
また楽器の演奏は手先を使うため、脳へ刺激を与えることが可能です。

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リアリティオリエンテーション

リアリティオリエンテーションは、時間・日付・季節・場所・自分の名前など、今の状況について話をするリハビリ法です。
日常会話の中に「今日は何日の何曜日か分かりますか?」や「ここはどこか分かります?」「私の名前は分かりますか?」などをさりげなく織り交ぜます。

このように会話の中に織り交ぜた言葉を記憶してもらい、その記憶を反復することによって記憶力を高める療法です。
この療法は、現実見当識訓練とも言われています。

見当識とは、時間・場所・人に関する情報を理解して把握することです。
認知症の場合、この見当識が理解できなくなる見当識障害という症状を主に発症します。

運動療法

運動療法は、運動を通じて身体を動かし、認知症症状を遅らせるリハビリ法です。
どこでもやれて無料で気軽にできるのが特徴で、ストレッチやラジオ体操などが代表的な例になります。

他にも有酸素運動で関節に負担が少ない水泳や、場所に関係なく行えるウォーキングなどもあります。
また認知症の方が過去にダンスが趣味だった場合は、怪我に注意をして無理のない範囲でダンスをするのも良いでしょう。
患者自身も過去を思い出しながら、楽しく運動をすることができるためとても効果的なリハビリとなります。

病院や介護施設では、主に理学療法士などのリハビリスタッフが運動療法を指導してくれます。
理学療法士は、運動療法や物理療法を用いて、身体機能と基本的動作能力(立つ・歩くなど)の回復を図るリハビリの専門家です。

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認知症のリハビリの効果について

認知症のリハビリで得られる効果

リハビリを行う上で、効果を理解し目的を明確にすることは、リハビリの質の向上につながりますのでしっかりと覚えておきましょう。
施設で行うリハビリと自宅で行うリハビリに分けてご紹介します。

施設で行うリハビリ

施設で行うリハビリは以下の通りです。
自宅でできない反面、その分効果も期待できるものが多いです。

認知刺激療法

認知刺激療法は、五感を刺激することにより、脳の活性化や認知症の症状改善の効果があります。
またリハビリ方法によっては、リラックス効果がありリハビリすると同時に精神を安定させる効果も得られます。

回想法

回想法は、過去を思い出し脳を活性化させると同時に、混乱や不安を解消する効果があります。
この効果により認知症前の良い性格などがあらわれることもあると言われています。

音楽療法

音楽療法は、記憶力や過去を思い出す力のことを指す回想力を向上させる効果があります。
懐かしい音楽を聴くことで過去を思い出し、リラックスすることができます。
そして、音楽の力でストレスが減少したり、不安に襲われにくくなる効果も期待できます。

リアリティオリエンテーション

リアリティオリエンテーションの効果は、脳の活性化により症状を遅らせたり改善するだけではなく、コミュニケーションを深めることができることです。
本人が意識をせずとも、日付や今の自分の状況を理解することで、自然とストレスを軽減することが可能です。

また、自宅で介護している場合は同居している家族、施設に入居している場合はスタッフや他の入居者の方々とコミュニケーションを深めることができます。
お互いに信頼できる環境は、日頃のケアやリハビリの質を高めることができ、認知症の改善に大きく貢献します。

運動療法

運動療法の効果は、筋力増強や心肺機能の向上などです。
認知症症状の悪化が原因で寝たきりになってしまうと、筋力や心肺機能の低下により日常生活に支障が出てしまいます。

さらに、運動不足は抑うつ状態になりやすくなったり、その他糖尿病や高血圧などの病気を発症する原因となってしまい、とても危険です。
それらを予防するためにもとても効果的な療法だと言えます。

自宅で行えるリハビリ

自宅でも行える、認知症予防に効果的なリハビリをいくつかご紹介します。

塗り絵

「塗り絵は子供がやるもの」とのイメージを持たれている方も多いと思いますが、最近では大人向けの塗り絵も多くあります。

塗るときにどのような色だったか、思い出したり考えたりすることは認知症予防に効果的です。
リハビリの現場では塗り絵カレンダーを作ることも多く、見当識改善にも役立てられています。

手芸

手芸など、とても細かい手指の動きが必要となる作業でも、昔から慣れ親しんでいるものであれば、認知症の方でもスムーズにできることが多々あります。

料理

普段何気なく行っていることですが、料理はとても頭を使う作業です。
材料は何を使うのか、どういった手順で作っていくのか考え、道具を安全に使う注意力のリハビリにもなります。

散歩

散歩も運動療法の1つといえます。
散歩を習慣に取り入れることで、認知症による活動性低下・ADL(日常生活活動)能力の低下を防ぐことが可能です。

認知症のリハビリの注意点について

認知症のリハビリ時の注意点

リハビリを行う上で3つ注意点があります。
これらに注意しないと症状が悪化するなど逆効果になってしまうため、しっかりと把握しておきましょう。

無理をしない

リハビリを行う際には、絶対に無理をさせないようにします。
なぜなら、無理をさせてしまうことでリハビリに対して「辛いこと」「嫌なこと」などマイナスなイメージがつく恐れがあるからです。

本人の身体的不調や精神的不調に気を配り、気が向かない時はリハビリをしないことも大切です。
また、全く違ったリハビリを提案することで本人がやる気を出す場合もあります。

それでも嫌がる場合もありますので、その場合にはすぐに中止します。
無理をさせないことでリハビリが出来ずに改善に向けて遠回りをしている気がしますが、本人を尊重することが改善に向けての近道ですので、焦らずにリハビリを行いましょう。

プライドを傷つけない

プライドを傷つけないというのは、否定したり叱ったりしないということです。
認知症の症状により、一般的には理解が難しい発言や行動をすることがあります。

その場合にも、決して否定したり叱ったりしないようにしましょう。
本人が正しいと思っていることに対して、毎回否定してしまうと段々と自信をなくしてしまいます。
その結果、抑うつ状態になり症状が悪化するといった事態になる恐れもあります。

叱る場合も同様です。
当人のプライドを傷つけないよう、広い心をもって対応しましょう。

否定的な言葉を使わない

回想法など認知症患者の方に話してもらうリハビリで特に注意が必要になります。
例えば、昔話をしている時に「それは違う」「間違っている」などと言わないことが大切です。

本人は正しいと思って話しているのに、否定的な言葉を使うことで混乱を引き起こす可能性があります。
この混乱が精神状態を不安定にさせ、症状が悪化することもあります。

認知症は患っている本人が一番不安を感じています。
そのため、本人を否定せず合わせてあげることが精神を安定させて症状を悪化させない一番の方法です。
本人やその家族のためにも、本人を尊重し否定的な言葉は使わないようにしましょう。

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普通のリハビリと認知症リハビリの違いについて

認知症のリハビリの目的

普通のリハビリと認知症のリハビリは目的が大きく異なります。
その目的を理解して質の高いリハビリを行いましょう。

普通のリハビリ

普通のリハビリの目的は、「元のあるべき状態まで回復させる」ということです。
例をあげると、骨折の患者を骨折前の運動が可能な状態まで回復させるためのリハビリなどが普通のリハビリと呼ばれるものです。

認知症のリハビリ

認知症のリハビリの目的は、「症状を悪化させない」「症状の進行を遅らせる」ということです。
普通のリハビリでは結果が目に見えやすいですが、認知症のリハビリは目に見えづらく結果がわかりにくいというのが特徴です。

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認知症リハビリまとめ

認知症のリハビリのまとめ

最後に認知症のリハビリについての情報をまとめました。

  • 認知症のリハビリの種類には、認知刺激療法・回想法・音楽療法・リアリティオリエンテーション・運動療法がある
  • リハビリの効果は、脳に刺激を与えることで症状を悪化させない・症状の進行を遅らせることである
  • 注意点は「無理をしない」「プライドを傷つけない」「否定的な言葉を使わない」こと
  • 普通のリハビリの目的は「元のあるべき状態まで回復させる」に対して、認知症のリハビリの目的は「症状を悪化させない・症状の進行を遅らせる」

ここまで認知症のリハビリの種類や効果、普通のリハビリと認知症のリハビリの違いなどを中心にお伝えしてきました。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

薬の使い方

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
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