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トップページ>健康お役立ち記事>生活習慣病>肥満が関係している生活習慣病とは?肥満の原因や予防と治療法を解説

肥満が関係している生活習慣病とは?肥満の原因や予防と治療法を解説

肥満は万病のもととよくいわれます。
その通り、肥満は生活習慣病を引き起こすことが少なくありません。

肥満によってリスクが高まる生活習慣病とは、どのようなものでしょうか。
また、なぜ肥満が生活習慣病を引き起こすのでしょうか。

本記事では、生活習慣病と肥満について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 肥満が生活習慣病を引き起こす理由
  • 肥満が引き起こしやすい生活習慣病
  • 肥満による生活習慣病を防ぐには

生活習慣病と肥満について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。

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生活習慣病とは

生活習慣病は、食生活・運動・喫煙・飲酒などの生活習慣が原因で発症する疾患です。
たとえば以下のような疾患があります。

  • 動脈硬化症
  • 高血圧症
  • 糖尿病
  • がん
  • 脳血管疾患
  • 心疾患

がん・脳血管疾患・心疾患は日本人の死因の中でも大きな割合を占めます。
出典:厚生労働省「生活習慣病とは? | e-ヘルスネット(厚生労働省)

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肥満(肥満症)とは

世間一般的に、肥満は生活習慣病のもとというイメージがあります。
ところで肥満とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。

肥満とは

肥満とは、脂肪組織に脂肪が過度に蓄積した状態です。
より簡単にいえば、身長に対して体重が過度に重い場合が肥満にあたります。

一般的にはBMIが25以上になると肥満と判断できます。
BMIとは体格指数のことで、以下のような計算式で求められます。

  • 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

BMIが25以上といっても、必ずしも肥満になるわけではありません
たとえば脂肪より筋肉が多い方は、肥満とは言い難いためです。

あるいはBMIが25以下でも、体脂肪が多ければ隠れ肥満に該当します。
BMIはあくまで肥満の目安の1つと認識しましょう。
出典:厚生労働省「肥満と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

肥満症とは

肥満症は、肥満の中でも医学的にみて治療が必要とされる状態です。
具体的には、肥満が原因で何らかの健康障害が起きている場合が該当します。

あるいは、健康障害が起きる可能性が高い方も肥満症に含まれます。
内臓に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」が肥満症と診断されることもあります。

肥満の原因

肥満の原因は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることです。
より簡単にいえば、食べ過ぎているにもかかわらず、運動量が不足すると肥満になります。

特に夜遅くにカロリーの高い食事をする方は肥満しやすくなります。
夜間は胃腸の働きが活発化し、消化吸収効率が高まるためです。

身体が必要以上のエネルギーと脂肪をため込もうとするため、太りやすくなるわけです。
また、夜間は活動量が少ないぶん、消費エネルギー量が少なくなるのも肥満しやすい要因です。

ちなみに肥満しやすい食事とは、脂質・糖質が多い食事です。
脂質・糖質の余剰分は脂肪として身体に蓄えられるためです。

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生活習慣病と肥満の関係性

肥満は生活習慣病を引き起こすことがしばしばです。
肥満とかかわりのある生活習慣病とはたとえば以下があります。

  • 糖尿病 
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 痛風
  • メタボリックシンドローム

肥満には大きく分けて2つのタイプがあります。
1つ目はお腹・腰回り・太ももなどに脂肪がつく「皮下脂肪型肥満」です。

2つ目は内臓に脂肪が溜まる「内臓脂肪型肥満」です。
生活習慣病のリスクがより高いのは内臓脂肪型肥満です。

なお、内臓脂肪型肥満で高血圧・高血糖・脂質異常症のうち2つを発症している方はメタボリックシンドロームに該当します。

メタボリックシンドロームの方は、心疾患・脳卒中のリスクが特に高めです。
すでに生活習慣病を発症していることから、肥満症の方の中でも早めの治療が必要とされています。

もちろん単なる肥満の方も治療・減量は必要です。
肥満を放置すると、やはり心疾患や脳卒中のリスクが高まるためです。

肥満によって生活習慣病になると、そのまま動脈硬化に至ることが少なくありません。
動脈硬化は脳卒中・心疾患の大きな要因となります。
出典:厚生労働省「メタボリックシンドローム(メタボ)とは? | e-ヘルスネット

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肥満が関係している主な生活習慣病

肥満は様々な生活習慣病の原因となります。
特に関係の深い生活習慣病についてご紹介します。

糖尿病

糖尿病は血糖値が慢性的に高い状態です。
より厳密には、ブドウ糖が細胞に入りにくくなる状態が糖尿病です。

ブドウ糖は細胞の栄養源です。
通常はインスリンというホルモンの働きによって細胞内に取り込まれます。

しかし肥満になると、インスリンの働きが低下します。
インスリンが機能しなくなると、ブドウ糖が細胞に取り込まれにくくなります。

つまりブドウ糖は血中に漂ったままになるため、血糖値が高くなるわけです。
BMIが27以上になると、糖尿病リスクが2倍になると指摘されています。

高血圧

高血圧は、血圧が慢性的に高い状態です。
血圧とは、心臓が血液を送り出す際に血管の壁にかかる圧力です。

つまり心臓が血液を送り出す力が強いほど、血圧は高くなります。
肥満が高血圧を招くのは、心臓がいつもより多めの血液を送り出さねばならないためです。

肥満の方は身体が大きいぶん、全身の血液の量も多めです。
したがって心臓は、通常よりも多めの血液を身体の隅々に送り出す必要があります。

結果として血管にかかる圧力が大きくなり、高血圧に至るわけです。
ちなみに血中のコレステロール値も、高血圧に拍車をかける原因です。

血中のコレステロール値などが高くなると、血はドロドロと粘りっこくなります。
そのぶん血液が血管を通りにくいため、心臓・血管にはさらに負荷がかかるわけです。

肥満の方は血中のコレステロール値・中性脂肪値が高い傾向があるため、高血圧のリスクがさらに高まります。

脂質異常症(高脂血症)

血中の脂質の量が異常に多くなる状態です。
具体的には中性脂肪値・コレステロール値が高くなります。

脂質は細胞膜やホルモンの材料になる成分です。
しかし、過剰摂取しすぎると、余剰分が血液中に取り残されてしまいます。

結果、血中の中性脂肪値などが高くなるわけです。
肥満の中でも内蔵型肥満では、蓄積された脂肪の量が多いぶん、血中の脂質の量も多くなりがちです。

高尿酸血症・痛風

高尿酸血症は、血中の尿酸値が高い状態です。
慢性的に続くと痛風の症状があらわれることがあります。

肥満が高尿酸血症を招くのは、インスリンの機能が低下するためです。
具体的には尿酸が過剰に生成されたり、排出されにくくなったりします。

結果、血中にとどまる尿酸の量が増えるため、尿酸値が慢性的に高くなってしまいます。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームは、BMI25以上の肥満者で、かつ高血圧・高血糖・脂質異常症のいずれか2つを発症している状態です。

肥満の中でも内臓脂肪型肥満の方が当てはまります。
なお、メタボリックシンドロームの目安は、男性は腹囲85㎝以上、女性は90㎝以上です。

ただし腹囲が基準値以上であっても、必ずしもメタボになるわけではありません。
肥満に加えて、血糖値・血清脂質・血圧などの検査値に複数の異常がある場合が、メタボに該当します。
出典:厚生労働省「メタボリックシンドロームの診断基準 | e-ヘルスネット

動脈硬化

動脈硬化は血管が伸縮性を失い、もろくなる状態です。
肥満が動脈硬化を招くのは、血管の内側にコレステロールなどが蓄積するためです。

コレステロールが蓄積した部位はダメージを受けるため、血管が硬化します。
また、血管内部にコレステロールが溜まるぶん、血液が通るスペースも狭くなります。

すると血液が通過するときに血管を傷つけるため、同じく血管が硬くなります。
動脈硬化は、心疾患や脳卒中の大きな要因です。

虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)

虚血性心疾患は、心臓が血液不足になる状態です。
狭心症や心筋梗塞などが代表的です。

肥満が虚血性心疾患を招くのは、動脈硬化に原因があります。
動脈硬化が起こると全身の血流が悪化するため、心臓にも十分な血液が行き渡らなくなります。

結果、心臓がショックを受けて発作を起こしてしまうのです。

脳梗塞

脳梗塞とは、脳の血管が詰まるなどして、脳の血流が著しく悪化する状態です。
身体の麻痺などの症状・後遺症が出やすいのが特徴です。

脳梗塞は動脈硬化と密接なかかわりがあります。
脳の血管がもろくなることで、血流が悪くなったり、血管が詰まったりするためです。

肥満の方は動脈硬化のリスクが高めです。
そのため、脳梗塞のリスクも自然と高くなります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無意識に呼吸が止まる状態です。
理由は、睡眠中に気道が塞がるためです。

睡眠時無呼吸症候群患者の多くは肥満者といわれています。
肥満の方はのどの脂肪蓄積が多い分、横になったときに気道が詰まりやすいのです。

BMIが高い方ほど睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。

骨や関節の疾患

肥満は骨・関節のトラブルを招きやすくなります。
体重が重いため、関節などに物理的な負担がかかることが原因です。

代表的なのは変形膝関節症です。
変形性膝関節症とは、膝の軟骨がすり減ることで痛みが出たり、歩行が困難になったりする疾患です。

月経異常

肥満は月経異常ともかかわりがあります。
具体的には、月経不順・不正性器出血・無月経などを引き起こします。

月経異常が起こるのは、脂肪によって月経を調節するホルモンの働きが低下するためです。

がん

近年の研究で、肥満はがんのリスクを高めることが分かってきました。
肥満とかかわりが深いのは以下のようながんです。

  • 大腸がん
  • 肝臓がん
  • 胆嚢がん
  • 膵臓がん
  • 子宮がん
  • 腎臓がん

がんになりやすい理由の1つとして、インスリンの過剰分泌が指摘されています。
肥満の方は血糖値が高い傾向があるため、伴ってインスリンの分泌量も多くなります。

インスリンが過剰に分泌されると、細胞の増殖が活発化するため、その過程でがん細胞も増殖しやすくなります。

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肥満による生活習慣病の予防と治療

肥満が原因で生活習慣病を発症している場合は、疾患の治療と同時に肥満の解消も必要です。

肥満による生活習慣病の治療や予防方法をみていきましょう。

治療の基本は「減量」

まずは、根本原因である肥満を解消しなければなりません。
具体的には体重を落としましょう。

ちなみに肥満症・生活習慣病の改善には、劇的な減量は必要ありません。
3~4%程度の減量でも、各種検査の数値は意外なほど改善されることもあります。

肥満症・生活習慣病の予防・改善では、サンサン運動が推奨されています。
サンサン運動とは、体重-3kg・腹囲-3㎝を目指す取り組みです。

無理なダイエットはかえって身体を壊すおそれがあります。
まずは体重3g減と腹囲3cm減を目標にしましょう。

消費カロリーを摂取カロリーより増やす

減量するには、消費カロリーが摂取カロリーを上回る必要があります。
具体的には、食事量を減らして運動量を増やしましょう。

ただし、極端な食事制限は好ましくありません。
栄養が偏ったり、精神的ストレスが溜まったりして、かえって身体に悪影響を及ぼすことがあるためです。

また、運動せずに痩せると筋量が増えません。
筋肉には脂肪を燃焼させる効果があります。

つまり食事制限だけで痩せたとしても、筋量が増えなければ、太りやすい体質であることに変わりはないのです。

健康的に痩せるには、適度に運動し、適度に食事量を減らすことが大切です。

なお、体重1kgを落とすには7000kcal程度減らす必要があります。
また1日あたりだと240kcal減らす必要があるといわれています。
出典:厚生労働省「無理なく内臓脂肪を減らすために

正しく減量するためのポイント

無理なダイエットは身体によくありません。
肥満症・生活習慣病予防のための減量は、以下のポイントを押さえて行いましょう。

目標を設定する

現実的な目標を設定しましょう。
漠然と痩せたいと思うだけでは、具体的にどうやって痩せればよいのか道筋が立たないためです。

また、急激に痩せようとするのもよくありません。
急激な減量は身体に負担をかけるため、かえって健康を害することがあります。

無理なく確実に痩せるためにも、減量目標は現実的な数値を設定しましょう。
なお、減量は1ヶ月で体重の5%にとどめると、リバウンドしにくくなります。

水分は十分に補給する

減量中は脱水症状に気を付けましょう。
体内の水分が不足すると血液がドロドロになります。

すると血管がダメージを受けやすくなるため、動脈硬化・脳卒中・心疾患などのリスクが高まります。

生活習慣病予防のためにも、こまめに水分を摂りましょう。
特に運動・トレーニング後の水分補給はしっかり行ってください。

継続して行う

減量は、目標を達成するまで継続して行いましょう。
途中で止めてしまうと、リバウンドのおそれがあるためです。

なお、減量を途中で投げ出す理由にはたとえば以下があります。

  • 現実的でない目標を立てている
  • 極端な食事制限などでストレスが溜まっている
  • 間違った知識で減量しているため、効果が出にくい

リバウンドしないためにも、減量は確実かつ現実的な範囲で行うことが大切です。
ところで、なぜリバウンドを防止しなければならないのでしょうか。

理由は、リバウンドを経験すると痩せにくい体質になるためです。
リバウンドを繰り返すと、食事制限の効果が出にくくなります。

あるいは、身体が必要以上に脂肪をためやすくなることもあります。
減量を成功させるためにも、リバウンドしないような計画を立てましょう。

薬の使い方

男性の約3割が肥満傾向にある?

30〜60歳代の男性の約3割は肥満というデータがあります。
なお、男性の肥満割合は年々増加傾向にあります。

理由として、脂質の過剰摂取・野菜不足などが挙げられます。
脂質過剰・野菜不足の傾向は、特に若い世代ほど顕著です。

野菜不足になる原因の1つとして、外食の頻度が高いことが挙げられます。
実際に1日1回以上外食する男性は、外食しない方に比べて野菜の摂取量が少なくなっています。

ちなみに外食しない男性であっても、野菜摂取量の目安は達成できていません。
では、なぜ野菜不足になると肥満のリスクが高まるのでしょうか。

答えは、野菜が不足すると代謝が下がりやすくなるためです。
代謝とは、簡単にいえば栄養をエネルギーに変換する仕組みです。

代謝が高い方ほどエネルギー変換がスムーズにいきます。
反対に代謝が低くなると、栄養がうまくエネルギーに変わりません。

変換されなかったエネルギーは、脂肪として身体に蓄積されます。
つまり肥満になってしまうのです。

野菜に含まれるビタミン・ミネラルは代謝のアップに役立つ栄養素です。
外食が多い男性は野菜不足になりやすいため、代謝が下がりやすくなります。

結果として、肥満の割合が高くなるというわけです。
出典:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査結果の概要p18

生活習慣病と肥満のまとめ

ここまで生活習慣病と肥満についてお伝えしてきました。
生活習慣病と肥満の要点を以下にまとめます。

  • 肥満が生活習慣病を引き起こすのは、心臓・血管に負担がかかって動脈硬化が起こりやすいため
  • 肥満が引き起こしやすい生活習慣病は、糖尿病・高血圧・メタボリックシンドローム・脂質異常症など
  • 肥満による生活習慣病を防ぐには、無理のない範囲で確実に減量することが大切

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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  • 栄養提供
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