団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」を通過した現在、日本は国民の約3人に1人が高齢者となる超高齢社会の真っただ中にあります。
増加し続ける要介護者を社会全体で支え、高齢者が長く健康に過ごすためには「介護予防」の取り組みがこれまで以上に重要視されています。
介護予防サービスには訪問型と通所型がありますが、なかでも通所介護(デイサービス)は、利用者が外出する機会を作り、身体機能の低下や寝たきりを防ぐ役割として極めて重要です。
本記事では、現在の介護予防における通所介護サービスについて、以下の点を中心に解説します。
- 介護予防の目的
- 通所介護の対象者と費用
- 多方面からサポートする介護予防サービス
介護予防の仕組みについて理解するための参考としていただけますと幸いです。
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介護予防とは
介護予防とは、さまざまな訓練や活動を通じて「要介護状態になることを防ぐ」、あるいは「要介護状態であっても悪化を防ぎ、身体機能の回復を図る」ことを目的とした取り組みです。
高齢化が進む中、国主導の予防給付サービスは平成29年度(2017年度)末までに市区町村が主体となる「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」へと完全移行されました。
現在では、各地域の実情に合わせた独自のサポート体制が広く定着しています。

高齢者の生活の質の向上を目指す
介護予防の大きな目的は、高齢者の「生活の質(QOL)」の向上です。
単に長生きするだけでなく、心身の自立を保ち、生きがいを持って毎日を送れるように支援します。
具体的には以下の3点を中心にサービスが提供されます。
- 全身の筋力を訓練で維持・回復させること
- 趣味や役割を通じて生きがいを持つこと
- 地域社会やコミュニティの活動に参加すること
運動機能の向上
介護予防の一環として、運動機能の維持・向上を目指す活動が行われています。
体操やレクリエーション、筋力トレーニングを通じて足腰や全身の筋力の低下を防ぎ、転倒や骨折といった要介護状態の引き金になる要因を予防します。
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介護予防の対象となる高齢者は?
自分が介護予防を必要とする状態かどうかを判断する目安として、厚生労働省が作成した「基本チェックリスト」があります。
以下の25項目を確認し、該当するものが多い場合はお住まいの市区町村や地域包括支援センターへ相談することをおすすめします。
- バスや電車で1人で外出していますか
- 日用品の買い物をしていますか
- 預貯金の出し入れをしていますか
- 友人の家を訪ねていますか
- 家族や友人の相談にのっていますか
- 階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか
- 椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか
- 15分位続けて歩いていますか
- この1年間に転んだことがありますか
- 転倒に対する不安は大きいですか
- 6ヶ月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか
- 半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか
- お茶や汁物等でむせることがありますか
- 口の渇きが気になりますか
- 週に1回以上は外出していますか
- 昨年と比べて外出の回数が減っていますか
- 周りの人から「いつも同じ事を聞く」などの物忘れがあると言われますか
- 自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか
- 今日が何月何日かわからない時がありますか
- (ここ2週間)毎日の生活に充実感がない
- (ここ2週間)これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった
- (ここ2週間)以前は楽にできていたことが今はおっくうに感じられる
- (ここ2週間)自分が役に立つ人間だと思えない
- (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
関連記事:デイサービスを利用するメリット・デメリットとは?選び方も解説
介護予防の通所介護(デイサービス)とは
高齢者の増加に伴い、生活支援のニーズは年々多様化しています。
そのため、以前は国(厚生労働省)の全国一律の基準で提供されていた予防給付の通所介護は、各市区町村が主体となる「総合事業」へと移行しました。
地方自治体が主体となったことで、より柔軟なサービス運営が可能になりました。
従来の介護事業者だけでなく、以下のような多様な主体が参入し、地域に密着した介護予防・生活支援サービスを提供しています。
- NPO法人
- 協同組合
- 社会福祉法人
- 地域住民のボランティア
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介護予防での通所介護の申請と費用
通所介護サービスを利用するための申請手順や、利用者の費用負担について解説します。
申請の仕方
介護予防の通所介護を利用するには、まずお住まいの市区町村で要介護(要支援)認定を受けるか、基本チェックリストによる事業対象者の判定を受ける必要があります。
- 各市区町村の介護担当窓口、または地域包括支援センターへの相談
- 担当調査員による訪問調査と、コンピュータによる一次判定
- 一次判定の結果と主治医の意見書をもとにした、「介護認定審査会」での要支援・要介護の判定(※総合事業対象者の場合は基本チェックリストでの判定)
- 地域包括支援センターの担当者等と相談し、介護予防サービス計画(ケアプラン)の作成
- 介護予防(通所介護)サービスの利用開始
利用者の負担額
総合事業における介護予防サービスの単価や利用負担額は、各市区町村が独自に決定しています。
原則として、サービス利用にかかった費用の1割を自己負担しますが、本人の所得に応じて2割または3割負担となる場合があります。
- 総合事業対象者・要支援1: 1回につき約400円弱(月4回以上の定額利用で約1,700円程度)
- 要支援2: 1回につき約400円強(月8回以上の定額利用で約3,500円程度)
※金額は自治体や年度によって改定される場合があります。最新の情報は各市区町村の介護保険サービスガイド等をご確認ください。
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介護予防の通所介護と通所リハビリの併用について
デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリテーション)を併用したい場合、利用者の状態によってルールが異なります。
要介護1〜5の認定を受けている方は、ケアプランに基づいて両方のサービスを併用することが可能です。
しかし、要支援1・2の認定を受けている方の場合、介護保険の予防給付や総合事業の範囲内では、原則として通所介護と通所リハビリテーションの併用はできません。
要支援の方がどうしても両方を併用したい場合は、一方のサービス費用を全額(10割)自己負担することで可能になるケースがあります。
また、市区町村によっては独自の通所サービスを組み合わせることで、実質的に併用に近い効果を得られることもあります。希望される方は、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談してください。
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多方面からサポートする介護予防サービス
現在、介護予防サービスは各自治体が中心となり、地域の実情に応じた「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。
従来のようなリハビリや身体介護だけでなく、日々の生活を支える多様なサポートが不可欠となっています。
- 安否確認
- 配食サービス
- 外出支援
- 日常的な声かけ
- コミュニティカフェの運営
- 地域の交流サロン
これらの多岐にわたるサービスを円滑に提供するために重要な役割を担っているのが「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」です。
生活支援コーディネーターは、地域住民のニーズを把握し、民間企業、NPO、社会福祉法人、ボランティアなどの多様な事業者のサービスとマッチングさせる働きをしています。
地域全体が一体となって高齢者を支える仕組みの中で、生活支援コーディネーターの存在意義は年々高まっています。
介護予防の通所介護についてのまとめ
ここまで、介護予防の通所介護について解説してきました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 介護予防は、高齢者が何歳になっても心身の機能を保ち、自立した生活を送れるよう支援する取り組みであること
- 要支援・要介護の認定は、訪問調査や主治医の意見書をもとに「介護認定審査会」で決定されること
- サービスの自己負担額は原則1割であり、所得に応じて2割または3割に変動すること
- 介護予防の通所サービスは現在、市区町村の「総合事業」として運営されており、民間企業やNPO、ボランティアなど多様な主体が協働して地域を支えていること
これらの情報が、介護予防サービスの利用を検討されている方のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


