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トップページ>介護お役立ち記事>在宅介護>介護で家族崩壊は起こる?原因や対処法などを解説します!

介護で家族崩壊は起こる?原因や対処法などを解説します!

在宅介護では、ときに家族崩壊を引き起こすこともあります。
家族崩壊を防ぐには、介護が限界を迎える前に適切な対処をしなければなりません。

本記事では、介護による家族崩壊について以下の点を中心にご紹介します。

  • 家族崩壊の原因
  • 介護による家族崩壊を防ぐ方法

介護による家族崩壊を防止するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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家族崩壊とは


家族崩壊とは、一般的な家族関係を築けない状態です。
家族崩壊が起きると日常的な不和・暴力・暴言だけでなく、離散や虐待などのリスクが高まります。

家族崩壊の主な原因には以下があります。

  • DV・虐待などの家庭内暴力
  • 家族内の対立
  • アルコール・ギャンブルなどの依存症
  • 経済的困窮
  • 不貞行為

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介護により家族崩壊が起こる?


家族崩壊は幼い子供がいる家庭で起こるというイメージをお持ちの方も多いでしょう。
しかし、家族崩壊は幼い子供がいない家庭でも起こる場合があります。

家族崩壊の原因の一つが介護です。
介護では、どのような点が家族に負担をもたらすのでしょうか?

介護による家族崩壊の具体的な要因を解説します。

介護離職による経済的な困窮

親の介護のために、子供が仕事を辞めざるを得ないケースは多いです。
介護を理由とする離職は、「介護離職」と呼ばれます。

2019年に厚生労働省が実施した「雇用動向調査」によると、介護離職した方の数は約10万人でした。

また、女性の介護離職者は男性の4倍で、全年齢層の中では50~60歳代の中高年層が最も多くなっています。

介護離職をせざる得ない理由として、もっとも代表的なものは「自分の他に介護する人がいない」というものです。
近所に頼れる親族がいない場合は、子供が離職して親の面倒を見るしかありません。

離職すると、当然ながら収入がなくなります。
経済的に困窮することが多く、実際に介護離職者のうち約75%の方が経済的な負担を感じています。

加えて、介護離職者は再就職が難しいという厳しい現実があります。
2012年の調査では、正社員として再就職できた方は半数以下でした。
参考:「仕事と介護の両立に関する労働者調査」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)

また、介護中はなにかと出費が多くなります。
たとえば介護保険サービスを利用するのにもお金はかかります。

離職によって収入がなくなれば、費用を払えないために介護保険サービスを利用できないこともあります。

さらに、当然ながら介護以外の生活資金や老後への備えも底をつくことになります。
経済的に困窮すると心にもゆとりがなくなり、家族崩壊に至ることも少なくありません。

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介護による心身の負担

在宅介護の負担の大きさから、心身共に疲弊し、家族内で不和が生じることがあります。

たとえば認知症の方の介護の場合、認知症の進行とともに家族の負担は次第に大きくなります。
認知症が進行すると、徘徊や暴力などの症状があらわれることがあります。

意見に聞く耳を持たない方も多く、暴れたり、興奮して手がつけられなくなったりする場合が多いです。

そのたびに対応に苦慮する家族の心身の負担は、計り知れないものがあります。
また、高齢の方は夜間に症状が悪化しやすく、家族が夜中に何回も起こされることも少なくありません。

さらに、終わりが見えないというのが介護の特徴です。
心身共に疲弊しきれば、家族間の空気はギスギスしやすくなります。

ついには家族崩壊に至るのも不思議ではありません。

家族間での介護負担の偏り

家族間の介護では、誰か1人に負担が集中しやすいです。

とくに親の介護は長男・長女の仕事という風潮は、いまも根強く残っています。
家族間で介護負担に偏りが出ると、最も介護している方が「どうして私だけ?」と不満を持つのも仕方ありません。

兄弟姉妹に代わりを頼んでも仕事や育児を理由に断られることも多く、不公平感はますます募ります。

あるいは、金銭援助を拒否されるケースもあります。
とくに介護離職した場合、家族や親族からの経済的な援助が必要になる場合が多いです。

しかし、介護だけでなく経済的な支援まで断られると介護者はますます孤立してしまいます。
結果として、兄弟姉妹や親族同士の仲が険悪になり、家族崩壊に至るケースはとても多いです。

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家族崩壊を防ぐには


介護による家族崩壊を防ぐには、家族の介護負担の軽減がなによりも重要です。

家族崩壊は、介護疲れによるゆとりの無さから生じます。
介護崩壊を防ぐには、介護が限界を迎える前に介護負担や介護疲れを軽減するための対策が必要です。

介護保険サービスを利用する

家族だけで介護を頑張る必要はありません。
介護保険サービスを利用し、プロの手を借りるのはとても良い方法です。

介護保険サービスを利用する場合は、家族でまかなう分野と、プロに依頼したい分野を明確にしましょう。

たとえば、介護される方によっては入浴や排泄の介護は家族に頼みたい場合があります。
身体に触れる介護は家族が行うとしても、それ以外の介護はプロに委託できます。

一部であっても介護サービスをうまく利用できれば、介護者の負担はぐっと軽くなるものです。

それぞれの家庭の状況に応じて、日常の中に介護保険サービスを上手に取り入れましょう。

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介護保険外サービスを利用する

現在は、介護保険対象外の介護サービスも充実しています。
費用は介護保険サービスと比べるとやや高額ですが、それと比較して便利なサービスも多いです。

代表的なサービスとして、ホームヘルパーによる生活援助サービスが挙げられます。
具体的には、掃除・食事作り・洗濯などの家事を依頼できます。

日常の生活援助は介護保険サービスにもありますが、同居家族がいる方は利用できません。
介護保険外サービスであれば、同居家族がいても利用できるため、介護者の負担を大きく軽減できます。

他にも、食事の宅配サービスや、安否確認サービスなどがよく利用されています。
介護保険サービスと同様に介護保険外サービスの利用も検討してみましょう。

行政サービスを利用する

自治体によっては、独自の高齢者支援を行っています。
たとえば紙おむつの助成サービスや、高額医療費の一部負担等があります。

また、在宅介護を行う家族への支援金制度も存在します。

利用できる行政サービスの種類は、各自治体の窓口や地域包括支援センターで相談できます。

親族間で話し合う

家族崩壊は、家族・親族間での介護負担の偏りから始まることが多いです。
不公平感を解消するためには、家族間で介護負担について本音を話し合うことが大切です。

重要なのは、誰か1人を孤立させないことです。
たとえば定期的な電話や、週末だけの手伝いでも、1人の負担を軽減できます。

いざ介護がスタートしてからでは、納得のいく話し合いができないこともあります。

本格的な介護が始まる前に、家族間で介護の方針を話し合っておくことが重要です。
具体的には、親の経済状況にあった介護計画を立てたり、介護の中心人物を決めたりする必要があります。

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何割の方が介護にストレスを感じている?


平成28年に厚生労働省が実施した「国民生活基礎調査の概況」によると、介護者のうち、何らかの負担を感じている方は約7割にもおよびます。
性別で見ると、介護者で負担を感じる方は、男性で62.0%、女性で72.4%です。

つまり、男性よりも女性の方が介護の負担が大きいのです。

介護で負担を感じる要因は、以下の3つが代表的です。

  • 家族の病気や介護
  • 自分の介護
  • 金銭面

とくに「家族の病気や介護」は全体の7割を超えています。
介護は長く苦しい戦いになるため、精神的・肉体的に疲弊することが少なくないからです。

「自分の介護」への負担からは、老々介護の厳しさがうかがえます。
近年は老夫婦が互いに介護しあうケースも増えており、体力面に大きな不安を抱えている方が多いです。

さらに、「金銭面」での負担も大きな問題です。
介護離職のために収入が途絶える方も多く、介護には常にお金の心配がつきまといます。
介護者の負担が大きくなると、介護うつや介護放棄などが起こりやすくなります。

介護が限界を迎える前に、対策を打つことが大切です。

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介護うつとは?

症状
高齢化社会になるにつれて介護による肉体的、精神的な負担が蓄積している人が増えています。
疲れが溜まることで徐々に介護うつに陥る危険性があります。

介護うつとは?

介護うつとは、家族などを介護することによって発症するうつ病のことです。
介護うつを発症すると本人、介護を受ける人の両方に不利益が生じてしまいます。

介護うつに関する情報を知っておくことで予防することができます。

介護うつの症状とは?

介護うつの症状はいくつかあります。
これから紹介する症状が長期間続いている場合は、介護うつの可能性があるので注意が必要です。

  • 食欲がない
  • 体重低下
  • 夜中に眠れない
  • 疲れやすい
  • 慢性的な肩こりや腰痛
  • 落ち着きがなくなってきた
  • 無関心
  • 考えがまとまらない

これらの症状が長期間続く場合は医療機関など専門機関に相談することをオススメします。

介護うつの原因とは?

介護うつが生じてしまう原因は、1人で介護を請け負ってしまう責任感が強い方に起こりやすい傾向があります。
他にも、いくつかの介護うつになりやすい原因があります。

  • 経済的に困窮しており介護サービスを使用できない
  • 介護の長期化
  • 介護を受ける方の言動や行動によるストレス
  • 介護による肉体的疲労の蓄積

毎日の介護によって体調を回復することができず介護うつに陥ってしまいます。
1人で抱え込まず家族や公的サービスを検討することで予防・改善することができます。

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薬の使い方

介護による家族崩壊のまとめ


ここまで、介護と家族崩壊についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。

  • 介護による「心身の負担」「金銭的困窮」「家族間の不公平」が家族崩壊を招くことがある
  • 介護による家族崩壊を防ぐ方法は、「介護サービスや行政サービスの利用」「家族間での話し合い」など

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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