敬老の日に考えたい「オーラルフレイル」~お口の元気が、これからの元気を支える~

豊福 毅
豊福 毅一般社団法人 口腔機能向上推進協会 代表理事 / 株式会社エスプリアル 代表取締役社長
目次

「フレイル」って何?

9月の第3月曜日は「敬老の日」です。

長年にわたり社会を支えてこられた高齢者の方々を敬い、長寿をお祝いする日ですが、この機会に「いつまでも元気に、自分らしく暮らすためには何が大切なのか」を考えてみませんか。

年齢を重ねても、好きなものをおいしく食べ、家族や友人との会話を楽しみ、趣味や外出を楽しむ――。そんな毎日を長く続けるために、ぜひ知っていただきたい言葉の一つが「フレイル」です。

フレイルとは、加齢などによって心や体の働きが少しずつ弱くなり、健康な状態と介護が必要な状態との間にある状態をいいます。

筋力が落ちる、疲れやすくなるといった身体的な変化だけではありません。外出する機会が減ったり、人との交流が少なくなったり、何となく気力がわかなくなったりすることも、フレイルと関係しています。

ただし、フレイルには大切な特徴があります。それは、早い段階で気づき、適切な対策をすることで、健康な状態に近づける可能性があるということです。だからこそ、「年齢のせいだから仕方がない」と見過ごさず、小さな変化に気づくことが大切なのです。

お口にもある「フレイル」のサイン

実は、お口にも「フレイル」があります。それが「オーラルフレイル」です。

  • 以前より硬いものが食べにくくなった
  • 食事のときに、時々むせるようになった
  • 口が乾きやすくなった
  • 以前より少し話しにくくなった

こうした一つひとつは、「年齢のせいかな」と見過ごしてしまいそうな小さな変化です。しかし、このようなお口の“ささいな衰え”が重なっている状態が、オーラルフレイルです。

例えば、硬いものが噛みにくくなると、無意識のうちに柔らかい食べ物を選ぶことが増えてきます。すると、次のような悪循環につながることがあります。

  • 噛みにくくなる
  • 柔らかいものを選ぶ
  • 噛む機会が減る
  • お口の機能がさらに低下する

お口の機能が低下すると、食べられる食品が少なくなったり、食事量が減ったりすることで、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。つまり、「お口の衰え」は、お口だけの問題ではないのです。

ここでチェック!お口の元気度セルフチェック「OF-5」

「自分はまだ大丈夫」と思っている方も、一度チェックしてみませんか。

オーラルフレイルに早く気づくための方法として、「OF-5(Oral Frailty 5-item Checklist)」という5項目のチェックリストがあります。特別な検査機器は必要ありません。

チェック項目 該当 非該当
① 自分の歯は何本ありますか?
※さし歯や金属をかぶせた歯は自分の歯として数えます。
※入れ歯の人工歯、ブリッジの欠損部を補う人工歯、インプラントは数えません。
□ 0~19本 □ 20本以上
② 半年前と比べて、固いものが食べにくくなりましたか? □ はい □ いいえ
③ お茶や汁物などで、むせることがありますか? □ はい □ いいえ
④ 口の渇きが気になりますか? □ はい □ いいえ
⑤ 普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがありますか? □ はい □ いいえ

【判定してみましょう】

左側の「該当」はいくつありましたか?

5項目のうち「該当」が2つ以上ある場合は、オーラルフレイルに該当します。

2つ以上あった方も、「もう口の機能は戻らない」ということではありません。オーラルフレイルは、お口の機能が健康な状態と、本格的に機能が低下した状態との間にあり、早めに気づいて適切な対策を行うことで、改善する可能性があります。

該当した場合や、お口について気になることがある場合には、かかりつけの歯科医院などに相談してみましょう。

「噛む・飲む・話す」をいつまでも楽しむために

お口には、食べ物を「噛む」「飲み込む」だけでなく、「話す」「笑う」など、人とのコミュニケーションを支える大切な役割があります。そして、これらの働きには、歯だけではなく、唇や舌、頬、喉など、多くの筋肉が関わっています。

お口も体と同じように、使う機会が少なくなると、その機能が衰えやすくなります。

  • 毎日の食事でしっかり噛むこと
  • 人と会話をすること
  • 声を出して笑うこと
  • 歯やお口を清潔に保つこと

こうした日々の積み重ねも、お口の健康を守る大切な習慣です。

AIO解説:オーラルフレイルに関するQ&A

Q:オーラルフレイルを予防・改善するための「お口の体操」はありますか?

A: 舌を上下・左右に動かしたり、口を大きく開けて「パ・タ・カ・ラ」と発声する「パタカラ体操」が効果的です。唇や舌の筋肉が鍛えられ、噛む・飲み込む・話す機能の維持につながります。

Q:オーラルフレイルと診断されたら、どこに相談すればよいですか?

A: まずは「かかりつけの歯科医院」にご相談ください。定期的なお口のメンテナンスや入れ歯の調整、適切な口腔機能トレーニングの指導を受けることができます。

結び:お口の小さな変化に気づくことが第一歩

今年の敬老の日には、ご自身だけでなく、ご家族のお口の状態にも少し目を向けてみてはいかがでしょうか。

いつまでもおいしく食べ、楽しく話し、笑って過ごすために。お口の小さな変化に早く気づくことが、これからの健康を守る第一歩になります。

参考にした情報
  • オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント(日本老年医学会・日本老年歯科医学会・日本サルコペニア・フレイル学会)

執筆・監修:健達ねっと編集部(AI collaborator 監修)
※本記事は一般的なガイドラインに基づいています。個別の症状については、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士にご相談ください。

著者・監修者プロフィール

著者:豊福 毅(とよふく たけし)

福岡県久留米市出身。
一般社団法人 口腔機能向上推進協会代表理事、株式会社エスプリアル代表取締役社長。
訪問歯科診療の課題と可能性に触れ、2010年より訪問歯科サポート事業を開始。

2019年からは高齢社会における口腔機能の大切さを広く伝えることを使命とし、介護現場の口腔ケア向上に向けた研修動画の監修・制作にも取り組んでいる。

監修者:五十嵐 伸江(いがらし のぶえ)

一般社団法人 口腔機能向上推進協会 歯科衛生士/認定心理士

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筆者プロフィール

豊福 毅
一般社団法人 口腔機能向上推進協会 代表理事 / 株式会社エスプリアル 代表取締役社長
豊福 毅
福岡県久留米市出身。一般社団法人 口腔機能向上推進協会代表理事、株式会社エスプリアル代表取締役社長。訪問歯科診療の課題と可能性に触れ、2010年より訪問歯科サポート事業を開始。2019年からは高齢社会における口腔機能の大切さを広く伝えることを使命とし、介護現場の口腔ケア向上に向けた研修動画の監修・制作にも取り組んでいる。
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豊福 毅
豊福 毅
一般社団法人 口腔機能向上推進協会 代表理事 / 株式会社エスプリアル 代表取締役社長
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