【9月9日は救急の日】高齢者の命を守る「救急医療週間」完全ガイド|見逃せないSOSサインと【全都道府県対応】緊急連絡先リスト

9月を迎え、厳しかった夏の終わりとともに、朝晩には少しずつ秋の涼しさが感じられるようになる季節。しかし、季節の変わり目は昼夜の寒暖差が激しく、血圧の乱高下や体調不良を引き起こしやすいタイミングでもあります。
特に高齢のご家族がいる家庭や介護現場においては、急な病変や事故のリスクに対して一段と警戒が必要な時期です。

毎年9月9日は「救急の日」であり、この日を含む一週間(日曜日から土曜日まで)は「救急医療週間」に定められています。

現代の日本において、救急車の出動件数や搬送人員数は年々増加を続けており、その過半数をシニア世代(高齢者)が占めています。
高齢者は、些細な体調の変化が重症化しやすかったり、一般的な病気の症状とは異なるサイン(非定型症状)が現れたりするという特徴を持っています。
本記事では、「救急医療週間」を機に知っておきたい高齢者に関する救急医療の現状をはじめ、救急要請を呼ぶべき基準、見逃してはならないSOSサイン、そして【全都道府県の救急相談窓口・直通番号リスト】を徹底解説します。

目次

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9月9日「救急の日」・「救急医療週間」の由来と目的

救急の日と救急医療週間の由来と目的を解説するイメージ

「救急の日」および「救急医療週間」は、救急医療や救急業務に対する国民の正しい理解と認識を深め、あわせて救急医療関係者の意識の高揚を図ることを目的に、1982年(昭和57年)に厚生省(現在の厚生労働省)と消防庁によって制定されました。

① 由来は明快な「語呂合わせ」

日付の由来は、「きゅう(9)きゅう(9)=救急」という明快な語呂合わせからきています。

この期間中、全国の消防本部や自治体、医療機関などでは、応急手当(AEDの使い方や心肺蘇生法)の講習会や、救急医療の適正利用を呼びかけるさまざまな啓発イベントが実施されています。

② 2026年現在の救急需要と高齢化

現代の日本は、全人口の3割近くが高齢者となる超高齢社会を迎えています。
総務省消防庁が発表する救急出動状況のデータによると、全国の救急車が出動する回数は過去最高を更新し続けており、救急車で病院へ運ばれる人の約6割が65歳以上の高齢者という現状があります。

救急医療現場の負担を軽減し、本当に一刻を争う命を救うためには、私たち一人ひとりが救急医療の正しい知識を持ち、適切な判断を行えるようになることが強く求められています。

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なぜ重要?高齢者の救急医療に潜む「4つのリスクと特徴」

高齢者の救急対応は、現役世代や若い世代の救急対応とは大きく異なる難しさや特徴があります。
介護者やご家族が事前に知っておくべき「4つのリスク」を解説します。

① 症状が分かりにくい「非定型症状(ひていけいしょうじょう)」

高齢者は、病気にかかったときに教科書通りの分かりやすい症状が出ないことが多々あります。これを医学的に「非定型症状」と呼びます。

例えば、重い肺炎にかかっているのに高熱が出ず「なんとなく元気がない、食欲がない」という状態だけだったり、心筋梗塞を起こしているのに胸の激痛を訴えず「下顎や肩が少し痛む」「吐き気がする」といった症状だけが現れたりすることがあります。
周囲が「風邪かな?」「気のせいだろう」と見過ごしてしまうと、発見したときにはすでに重症化しているリスクがあります。

② 複数の持病(既往歴)と服薬による複雑化

高齢者の多くは、高血圧、糖尿病、心臓病、認知症など、複数の持病を抱えています。

急変時に「現在の症状がどの病気の悪化によるものなのか」の判別が難しく、さらに多くの種類の薬を日常的に服用している(ポリファーマシー)ため、薬の副作用によるふらつきや意識障害が原因で救急搬送されるケースも少なくありません。

③ 環境変化による「せん妄」のリスク

急な体調不良によって救急車で運ばれ、見知らぬ病院のICU(集中治療室)などに入院すると、高齢者は強い精神的ストレスから一時的な意識混乱状態である「せん妄」を引き起こしやすくなります。
突然大きな声をあげたり、自分の状況が分からなくなったりするため、医療スタッフだけでなく付き添う家族への精神的な負担も大きくなります。

④ 軽症に見えても「急激に悪化」する

高齢者は、身体の予備能力(免疫力や回復力)が低下しているため、朝は「少し風邪気味かな」と思っていた状態が、昼過ぎには呼吸困難に陥るなど、短時間で急激に病態が悪化することがあります。
「様子を見よう」と判断を先延ばしにすることが、命の危険に直結しやすいという特徴を持っています。

高齢者が救急搬送される主な原因と、日常生活での予防策

高齢者が不意に救急車で運ばれる原因の多くは、実は日常の生活環境の中に潜んでいます。
主な原因と、それを未然に防ぐための予防アクションを確認しましょう。

原因①:室内での「転倒・転落」による骨折や頭部外傷

高齢者の事故で最も多いのが、住み慣れた「自宅の室内」での転倒です。

加齢による筋力低下やバランス能力の衰え、認知症による注意力の低下から、敷居のわずかな段差やカーペットのめくれ、床に置いたコード類につまずいて転倒します。
高齢者の場合、転倒によって「大腿骨近位部(太ももの付け根)」を骨折しやすく、これが原因で長期間ベッドから動けなくなり、そのまま寝たきり(フレイル)や要介護状態になってしまうケースが後を絶ちません。
また、頭を強く打つことで、数週間〜数ヶ月後に脳内でじわじわと出血が広がる「慢性硬膜下血腫」を引き起こすリスクもあります。

【予防策】

床の上に余計な物を置かない動線を確保する、スリッパではなく滑り止めのついた靴下やルームシューズを履く、階段やトイレ、浴室には適切な手すりを設置する、といった「住環境のバリアフリー化」が最大の予防策です。

原因②:食事中の「誤嚥(ごえん)・窒息」

喉の筋肉や飲み込む機能(嚥下機能)が低下すると、食べ物が誤って気管に入り込む「誤嚥」が発生します。

特にお正月のお餅だけでなく、日常の食事(お肉やパン、パサつく食べ物)が喉に詰まって窒息を起こし、救急要請されるケースが非常に多く見られます。
また、窒息に至らなくても、お口の中の細菌が食べ物と一緒に肺に入り込むことで「誤嚥性肺炎」を引き起こし、高熱や呼吸困難で緊急入院する高齢者は非常に多いのが現状です。

【予防策】

食材は小さく刻む、お肉や魚はパサつかないよう片栗粉でとろみをつける、食事中は姿勢を正してしっかりと顎を引いて食べてもらう、といった配慮が必要です。
また、食事の前に唾液の分泌を促す「お口の体操(嚥下体操)」を行うことも効果的です。

原因③:寒暖差が招く「ヒートショック」

秋口から冬場にかけて特に多発するのが、急激な温度変化によって血圧が乱高下し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす「ヒートショック」です。

暖かい居間から、暖房のない冷え切った脱衣所や浴室へ移動した際や、熱いお湯に急に浸かった瞬間に心臓へ過度なプレッシャーがかかり、浴室での意識消失や突然死を招く危険な現象です。

【予防策】

入浴前に脱衣所や浴室を小型のヒーター等であらかじめ温めておく、お風呂の湯温は「41℃以下」のぬるめに設定する、入浴前後にしっかりと水分補給をする、といったルールを徹底しましょう。

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見逃し厳禁!周囲が気づくべき高齢者の「いつもと違う」救急サイン

高齢者の小さなSOSをキャッチするためには、本人の訴えを待つのではなく、周囲(家族、ヘルパー、介護スタッフ)が「いつもと違う(不穏な変化)」にいち早く気づく視点が重要です。
以下のサインが見られたら、急変の前兆かもしれません。

🚨 すぐに確認したい「4つのチェックポイント」

  • 【意識・様子の変化】
  • 声をかけても、いつもより生返事ばかりで視線が合わない。
  • なんとなくウトウトとしていて、日中なのに起き上がろうとしない(傾眠傾向)。
  • 突然、つじつまの合わないことを言い始めた(急激な認知症状の悪化・せん妄)。
  • 【食事・動作の変化】
  • 大好きな食事なのに「いらない」と拒否し、水分も全く口にしない。
  • いつもは自分で歩けるのに、足に力が入らずへたり込んでしまう、片側に傾く。
  • 呼吸のペースがいつもより異様に早く、肩で息をしている(息苦しそうな表情)。
  • 【皮膚・バイタルの変化】
  • 顔色が土気色(青白い)になっている、唇や爪の色が紫色(チアノーゼ)。
  • 手足の先を触ると、いつもと違って氷のように異様に冷たくなっている。
  • 熱を測ると、高熱だけでなく、逆に「35℃台前半」の異常な低体温になっている(重症感染症・敗血症の兆候)。
  • 【痛みの放散(放散痛)】
  • 「胸」ではなく、「左側の肩や背中が激しく凝る・痛む」「奥歯や下顎がウキウキ痛む」と訴える(心筋梗塞の関連痛の可能性)。

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【全都道府県網羅】迷ったときの救急相談窓口(#7119・独自ダイヤル)一覧

「様子がおかしいけれど、救急車を呼ぶべきか迷う…」「夜間に開いている病院がわからない…」そんなときに強い味方となるのが、医師や看護師などの専門家が24時間体制(一部地域を除く)でアドバイスをくれる「救急安心センター(#7119)」や自治体独自の相談窓口です。

手元のスマホや固定電話から「#7119」をダイヤルすることで繋がりますが、IP電話やダイヤル回線、県境近くからの通話では繋がらない場合があるため、その際の「直通の固定電話番号」を全都道府県分網羅しました。
いざというときのために、お住まいの地域の番号をメモやスマホに登録しておきましょう。

  • ※おとな(高齢者含む)の救急相談を主とした窓口一覧です。
  • ※地域によっては対応時間帯が限られている場合や、一部未実施の自治体が含まれる場合があります。最新の詳細は各自治体公式HPをご確認ください。

[北海道・東北地方]

都道府県シャープ番号つながらない場合の直通電話番号受付時間
北海道#7119011-272-7119 (札幌市周辺など、順次拡大)24時間
青森県#7009017-722-1152 (あおもりおとな医療電話相談)平日19時〜翌8時 / 土日祝24時間
岩手県#7119019-601-5251 (おとなの救急医療電話相談)24時間
宮城県#7119022-715-7119 (おとな救急電話相談)24時間
秋田県#7119018-866-7011 (秋田県おとなの救急電話相談)24時間
山形県#7119023-633-1199 (山形県おとなの救急電話相談)24時間
福島県#7119024-524-3020 (福島県おとな救急電話相談)24時間

[関東地方]

都道府県シャープ番号つながらない場合の直通電話番号受付時間
茨城県#711903-6667-3377 (茨城県おとなの救急電話相談)24時間
栃木県#7119028-623-3344 (とちぎ大人救急電話相談)24時間
群馬県#7119027-223-1111 (群馬県おとなの救急電話相談)24時間
埼玉県#7119048-824-4199 (埼玉県救急電話相談)24時間
千葉県#711903-6745-0119 (千葉県救急電話相談)24時間
東京都#711903-3212-2323 (23区) / 042-521-2323 (多摩)24時間
神奈川県#7119045-232-7119 (横浜) / 044-222-7119 (川崎)など24時間

[中部・北陸地方]

都道府県シャープ番号つながらない場合の直通電話番号受付時間
新潟県#7119025-284-7119 (新潟県おとなの救急電話相談)24時間
富山県(#8000子どものみ導入。おとなは各市町村の夜間急病診療所へ)
石川県#7119076-258-2119 (石川県救急電話相談)24時間
福井県#71190776-25-7119 (おとなの救急電話相談)24時間
山梨県#7119055-223-1419 (山梨県救急電話相談)24時間
長野県(#8000子どものみ。おとなは各地域の広域消防へ問い合わせ)
岐阜県#7119058-265-2119 (岐阜県救急電話相談)24時間
静岡県#7119054-251-7119 (静岡県救急電話相談)24時間
愛知県#7119052-263-1133 (愛知県救急医療情報センター)24時間

[近畿地方]

都道府県シャープ番号つながらない場合の直通電話番号受付時間
三重県#7119059-236-7119 (みえ救急医療ダイヤル)24時間
滋賀県#7119077-525-7119 (滋賀県救急電話相談)24時間
京都府#7119075-211-7119 (京都健康医療よろず相談)24時間
大阪府#711906-6582-7119 (救急安心センターおおさか)24時間
兵庫県#7119078-331-7119 (兵庫県救急電話相談)24時間
奈良県#71190744-20-0119 (奈良県救急安心センター)24時間
和歌山県#7119073-431-7119 (和歌山県救急電話相談)24時間

[中国・四国地方]

都道府県シャープ番号つつながない場合の直通電話番号受付時間
鳥取県#71190857-25-7119 (とっとりおとな救急ダイヤル)24時間
島根県#71190852-20-7119 (しまねおとな救急ダイヤル)24時間
岡山県#7119086-226-7119 (岡山県救急電話相談)24時間
広島県#7119082-246-7119 (広島県救急電話相談・広島市周辺)24時間
山口県#7119083-921-7119 (山口県救急電話相談)24時間
徳島県#7119088-622-7119 (徳島県救急電話相談)24時間
香川県#7119087-812-7119 (香川県救急電話相談)24時間
愛媛県#7119089-913-7119 (えひめ救急電話相談)24時間
高知県#7119088-823-7119 (こうち救急電話相談)24時間

[九州・沖縄地方]

都道府県シャープ番号つながらない場合の直通電話番号受付時間
福岡県#7119092-471-7119 (福岡県救急電話相談)24時間
佐賀県#71190952-34-7119 (佐賀県救急電話相談)24時間
長崎県#7119095-822-7119 (長崎県救急電話相談)24時間
熊本県#7119096-364-7119 (熊本県救急電話相談)24時間
大分県#7119097-534-7119 (大分県救急電話相談)24時間
宮崎県#71190985-24-7119 (宮崎県救急電話相談)24時間
鹿児島県#7119099-224-7119 (鹿児島県救急電話相談)24時間
沖縄県#7119098-866-7119 (沖縄県救急電話相談)24時間

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いざ救急車を呼ぶ時の手順と、用意しておくべき「命のバトン」

明らかに緊急性が高い(意識がない、強い呼吸困難、急な激痛など)場合は、#7119を挟まず直ちに「119番」で救急車を要請してください。
その際の手順と準備を整理します。

① 119番通報で慌てずに伝えること

電話がつながると、通信指令員から「火事ですか?救急ですか?」と聞かれます。
「救急です」と答えた後、以下の順番で落ち着いて伝えます。

  • 救急車に来てほしい住所(または目印となる建物名)
  • 誰が(年齢・性別)、いつから、どのような状態なのか
  • 通報者であるあなたの名前と、今使っている電話番号

② 救急車が到着するまでに用意すべき「4種の神器」

救急隊が到着すると、即座に搬送先病院の選定に入ります。以下の4アイテムが揃っていると、病院決定と到着後の治療が劇的にスムーズになります。
1つの袋にまとめて分かりやすい場所に日頃から保管しておきましょう。

  • 【健康保険証】および【後期高齢者医療被保険者証】(またはマイナ保険証)
  • 【お薬手帳】: 現在のお薬情報は、病院での誤投与や禁忌(使ってはいけない薬)を防ぐ最重要エビデンスです。
  • 【かかりつけ医の診察券】: 過去のカルテやデータがある病院であれば、最優先で受け入れ交渉を行ってくれます。
  • 【持病(既往歴)と緊急連絡先のメモ】: 過去の手術歴やアレルギーの有無、家族の緊急連絡先を1枚の紙にまとめておきます。

③ 現代の高齢者医療における「意思の確認(ACP・人生会議)」の重要性

近年非常に重要なテーマとなっているのが、高齢者本人の「延命治療に関する意思表示」です。

もし本人が末期がんなどの終末期にあり、日頃から「万が一の時、人工呼吸器などの過度な延命治療は希望しない(DNARの意思)」と決めていたとしても、いざ急変して慌てて救急車を呼んでしまうと、救急隊や搬送先の医師は法律・義務として「全力を尽くした心肺蘇生・延命処置」を行わなければなりません。

こうした現場での医療のミスマッチを防ぐために、本人が元気なうちから、万が一の時にどのような医療やケアを受けたいかを家族や医療職、介護スタッフと繰り返し話し合っておく「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」のプロセスが非常に重要視されています。

まとめ:救急医療週間から始める「地域と家族をむすぶ」安心のセルフケア

9月9日の「救急の日」、そして「救急医療週間」。

救急医療というインフラは、私たちが当たり前の毎日を安心して暮らすための、社会の最後の安全網(セーフティネット)です。
しかし、その網を正しく機能させ、大切な高齢のご家族の命を本当に守るためには、医療従事者や消防の力だけでなく、一番近くにいる私たちの「正しい知識」と「日頃の備え」というパーツが不可欠です。

家の中の小さな段差を解消する、お薬手帳や居住地域の直通番号をすぐ出せる場所にまとめておく、毎日の水分補給の声をかける、そして「いつもと違う」異変に気づいたらためらわずに専門窓口を活用する。

そんな、日常生活の中での些細に見える小さな意識の積み重ねこそが、万が一の緊急事態において、命のバトンを確実につなぎ、未来の笑顔を守るための確固たる盾となります。

健達ねっと」では、これからも皆様の健康的ですこやかな毎日と、医療・介護・福祉の現場に役立つ確かな情報を、全世代に向けて真摯に発信し続けます。
この救急医療週間をきっかけに、今夜、家族みんなで緊急時の連絡先や健康状態を優しく確認し合い、安心できる未来への第一歩を踏み出してみませんか?

出典元・データ参照先(エビデンスリンク)

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