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健達ねっと>健康・生活>体の不調>マイコプラズマ肺炎がうつる確率は5~11%?感染リスクや予防まで

マイコプラズマ肺炎がうつる確率は5~11%?感染リスクや予防まで

  • 「子どもの咳が長引いているけど、ただの風邪かな?」
  • 「もしマイコプラズマ肺炎なら、家族にうつる確率はどれくらい?」
  • 「仕事や学校は休むべき?」

このような不安を感じていませんか。
特に、お子さんがいるご家庭では、家族への感染リスクは大きな心配事ですよね。

この記事では、マイコプラズマ肺炎の感染確率や感染期間、具体的な予防法まで、あなたの疑問や不安に専門的な情報を元に分かりやすくお答えします。

この記事を読めば、以下のポイントが明確になります。

  • 一般的な感染確率は5.2%~11.2%だが、家庭内では最大90%に達するリスクがあること
  • 感染期間は症状回復後も4~6週間続く場合があること
  • 感染経路と、今日から実践できる具体的な予防法

正しい知識を身につけることで、漠然とした不安は「具体的な対策」へと変わります。
あなたとあなたの大切な家族を感染から守るために、ぜひ最後までご覧ください。

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マイコプラズマ肺炎がうつる確率

マイコプラズマ肺炎の感染確率は、接触の度合いによって大きく変動します。
ここでは、一般的な確率から家庭内でのリスク、他の感染症との違いまでを具体的に解説します。

一般的な感染確率は5.2%~11.2%

マイコプラズマ肺炎の一般的な感染確率は、5.2%~11.2%と報告されています。

この数値は、学校や職場といったコミュニティ内での二次感染率を示したものです(引用元:川崎医科大学の研究(日本呼吸器学会誌 2007年))。
インフルエンザのように、一度の接触で誰もが感染するほど強力な感染力ではないことが分かります。

しかし、この数字はあくまで平均値です。
咳をしている人の近くに長時間いるなど、感染者との接触の仕方によってはリスクが上がるため、油断はできません。

状況感染確率の目安
一般的な市中感染5.2%~11.2%

確率が比較的低いからと安心するのではなく、流行期には基本的な感染対策を徹底することが重要といえるでしょう。

※5.2%~27.2%と記載しているサイトもありますが、それは国際的な研究論文PMC5689399によるもので、その根拠は不明です。

家庭内の感染確率は最大90%に達することも

一般的な感染確率に比べ、家庭内での感染確率は著しく高くなるので注意が必要です。
報告によっては、家族内での感染率は最大90%に達するともいわれています。

なぜなら、家庭内では感染者と長時間同じ空間で過ごし、濃厚な接触が避けられないためです。
例えば、子どもの看病をする、同じタオルや食器を使うといった行為は、感染リスクを大幅に高めます。

マイコプラズマ肺炎は、感染していても症状が軽い「歩く肺炎(Walking Pneumonia)」であることも少なくありません。
そのため、知らないうちに家庭内にウイルスを持ち込み、家族へ感染を広げてしまうケースが後を絶たないのです。

インフルエンザと比較した感染確率の違い

マイコプラズマ肺炎は、インフルエンザと感染の広がり方が異なります。
それぞれの特徴を理解し、適切な対応を心がけることが大切です。

インフルエンザは感染力が非常に強く、短期間で爆発的に流行します。
一方、マイコプラズマ肺炎の感染力はそれほど強くなく、学校などで大流行することは比較的稀です。

ただし、潜伏期間が2~3週間と非常に長いのが特徴です。
そのため、感染したことに気づかないまま、じわじわと時間をかけて周囲に感染を広げてしまうリスクがあります。

  • インフルエンザ:感染力が強く、短期間で爆発的に広がる
  • マイコプラズマ肺炎:感染力は比較的弱いが、潜伏期間が長く、時間をかけて広がる

感染拡大のスピードは遅いからと軽視せず、長引く咳などの症状がある場合は早めの対策をとりましょう。

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【感染期間の全貌】マイコプラズマ肺炎はいつからいつまでうつる?

マイコプラズマ肺炎は、症状がない期間や回復した後も感染力を持つ、非常に厄介な性質があります。
いつまで注意が必要なのか、感染期間の全体像を把握しておきましょう。

潜伏期間は感染後2~3週間

マイコプラズマに感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、通常2~3週間と非常に長いです。

インフルエンザの潜伏期間が1~3日であるのと比べると、その長さがよく分かります。
この期間は無症状ですが、体内では菌が増殖しており、症状が出る数日前から菌を排出するようになります。

つまり、本人が感染に気づいていない間に、周りの人にうつしてしまう可能性があるのです。
この「無自覚の感染拡大」が、マイコプラズマ肺炎の予防を難しくしている大きな要因といえるでしょう。

感染力のピークは症状発症後1週間

菌の排出量が最も多くなり、感染力がピークに達するのは、咳や発熱などの症状が現れてから約1週間です。

この時期は、咳によって大量の病原体が空気中に放出されるため、特に厳重な注意が必要です。
家庭内や職場、学校など、人が密集する場所では、マスクの着用やこまめな換気が感染拡大を防ぐ鍵となります。

感染期間特徴
潜伏期間(2~3週間)症状はないが、末期には菌の排出が始まる
発症後1週間菌の排出量が最も多く、感染力がピークになる
回復後菌の排出は続くが、感染力は徐々に低下する

ご自身の症状が最もつらい時期が、周囲にとっても最も感染リスクが高い時期であると認識することが大切です。

回復後は最長で解熱後4~6週間続くことも

マイコプラズマ肺炎の最も注意すべき特徴のひとつが、回復後も感染力が続くことです。

熱が下がり、つらい症状が改善した後も、菌は気道に潜伏し続けます。
そのため、解熱後も4~6週間、場合によってはそれ以上にわたって菌を排出し続けることがあるのです。

この期間の感染力はピーク時に比べれば低下しますが、ゼロではありません。
症状が治ったからといってすぐに対策をやめるのではなく、しばらくは手洗いや咳エチケットなどを継続することが、周囲への配慮として重要です。

【感染経路】マイコプラズマ肺炎がうつる経路

マイコプラズマ肺炎の主な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」のふたつです。
それぞれの経路を正しく理解し、効果的な予防につなげましょう。

咳やくしゃみを吸い込む「飛沫感染」

飛沫感染は、マイコプラズマ肺炎の主要な感染経路です。

感染者が咳やくしゃみをした際に、病原体を含んだ小さな飛沫(しぶき)が飛び散ります。
その飛沫を、周りにいる人が口や鼻から吸い込んでしまうことで感染が成立します。

特に、換気の悪い閉鎖された空間では、飛沫が長時間空気中を漂うため、感染リスクが高まってしまうのです。
また、飲み込む力が弱まっている高齢者の場合、唾液や痰が気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」が肺炎のリスクを高めることも知られています。

新潟医療福祉大学の西尾正輝教授が監修する「ノドトレ」は、嚥下(えんげ)機能を鍛えることで誤嚥性肺炎の予防効果が期待できるプログラムです。
このようなトレーニングで日頃から喉を鍛えることも、広い意味での肺炎予防につながるでしょう。

ウイルスがついた手で粘膜に触れる「接触感染」

接触感染も、注意すべき感染経路のひとつです。

感染者が咳やくしゃみを手で押さえた後、その手でドアノブや電車のつり革、スイッチなどに触れると、そこに病原体が付着します。
別の人がそれに触れ、さらにその手で自身の口や鼻、目などの粘膜に触れることで、体内に病原体が侵入し感染してしまうのです。

マイコプラズマの病原体はアルコールに弱い性質を持っています。
そのため、以下の対策が非常に有効です。

  • 石鹸と流水によるこまめな手洗い
  • アルコール手指消毒剤の活用
  • 身の回りのよく触れる場所の消毒

無意識に顔を触る癖がある人は、特に注意が必要といえます。

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マイコプラズマ肺炎に感染した時の検査から仕事や学校の対応まで

「もしかしてマイコプラズマかも?」と思ったら、どう行動すればよいのでしょうか。
受診の目安から治療、社会生活への影響まで、具体的な対応を解説します。

受診する科と受診の目安

乾いた咳が続き、市販の風邪薬を飲んでも改善しない場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
特に、以下の症状が見られる場合は、早めに受診することをオススメします。

  • 3~4日以上続く、痰の絡まない乾いた咳
  • 一度上がった熱が下がった後も、しつこい咳だけが残る
  • 呼吸が苦しい、胸に痛みを感じる

受診する診療科は、大人の場合は内科や呼吸器内科、子どもの場合は小児科が一般的です。
かかりつけ医がいる場合は、まずはそちらに相談するのもよいでしょう。

診断方法の種類

マイコプラズマ肺炎の診断は、症状の問診に加えて、いくつかの検査を組み合わせて行われます。
どの検査を行うかは、症状の程度や医療機関の方針によって異なります。

検査の種類内容
抗原迅速検査喉の奥を綿棒でぬぐい、病原体の有無を15分ほどで調べる。
LAMP法など遺伝子を増幅させて調べる検査。感度が高いが、結果判明まで時間がかかる。
血液検査体内で作られた抗体(IgM抗体)を測定する。感染初期は陽性にならないことも。
画像検査胸部レントゲンやCTで、肺炎の影の有無や広がりを確認する。

これらの検査結果と臨床症状を総合的に見て、医師が最終的な診断を下します。

治療は抗菌薬(抗生物質)が基本

マイコプラズマ肺炎の治療には、病原体そのものに効果のある抗菌薬(抗生物質)が用いられます。

マイコプラズマは「細胞壁」を持たない特殊な細菌です。
そのため、一般的な風邪などで処方されるペニシリン系の抗菌薬は効きません。
マクロライド系や、テトラサイクリン系、ニューキノロン系といった種類の抗菌薬が有効です。

近年、マクロライド系の抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」が世界的に問題となっています。
薬を飲み始めて2~3日経っても熱が下がらない場合は、耐性菌の可能性も考えられるため、再度医師に相談することが重要です。

仕事や学校に出席停止の明確な基準はない

マイコプラズマ肺炎は、インフルエンザなどとは異なり、学校保健安全法で「明確な出席停止期間」が定められていません

そのため、仕事や学校を休むかどうかは、本人の症状や体調によって判断されます。
一般的には、以下の状態を目安にするとよいでしょう。

  • 休むべき期間:発熱や激しい咳など、症状が強く出ている急性期。
  • 復帰の目安:解熱し、咳などのつらい症状が落ち着き、全身の状態が良好になった時点。

最終的な判断は、医師と相談の上で行うのが最も確実です。
職場や学校によっては、医師による登校・出勤許可証の提出が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

健達ねっとECサイト

マイコプラズマ肺炎から自分と家族を守るための予防法

マイコプラズマ肺炎には、残念ながら有効なワクチンがありません。
そのため、日々の基本的な感染対策が最も重要な予防法となります。

基本的な予防策

今日からすぐに実践できる、基本的な予防策は以下の通りです。
どれも簡単なことですが、継続することで感染リスクを大幅に下げられます。

  • 手洗い・うがい:外出からの帰宅後や食事の前には、石鹸と流水で丁寧に手を洗いましょう。
  • マスクの着用:流行期や人混みではマスクを着用し、飛沫の吸い込みや拡散を防ぎます。
  • 十分な換気:部屋の空気をこまめに入れ替え、ウイルスが滞留しないようにしましょう。
  • 体調管理:十分な睡眠とバランスの取れた食事で、体の抵抗力を高めておくことも大切です。

日々の健康維持の基盤として、適切な栄養補給を心がけることも重要です。
例えば、健達ねっとSHOPで提供している機能性表示食品「健達DHA+EPA」は、中性脂肪の低下をサポートします。
このようなサプリメントを上手に活用し、体調管理に役立てるのもひとつの方法です。

家庭内で感染者が出た時の対策

家族の誰かが感染してしまった場合は、家庭内での感染拡大を防ぐために、より一層の対策が必要です。

家庭は濃厚接触が避けられない高リスク環境です。
感染を広げないために、以下のポイントを家族全員で意識しましょう。

  • タオルの共用を避ける:バスタオルやフェイスタオルは、感染者と他の家族で必ず分けましょう。
  • 食器・コップの共有を避ける:洗浄前の食器やコップの共有は避けてください。
  • こまめな消毒:ドアノブやテーブル、スイッチなど、皆がよく触る場所をこまめに消毒します。
  • 家庭内でもマスク:看病する人、される人ともに、可能な範囲でマスクを着用するのが理想です。
リズム習慣

マイコプラズマ肺炎の感染に関するよくある疑問

ここでは、マイコプラズマ肺炎の感染に関して、特によく寄せられる疑問にお答えします。

子どもから大人にうつる?

はい、うつります。
むしろ、子どもから親へ、という家庭内感染が非常に多いのがマイコプラズマ肺炎の特徴です。

子どもは保育園や学校などの集団生活で感染しやすく、それを家庭に持ち帰ってしまうケースがよく見られます。
大人が感染すると、子どもより症状が重くなる傾向があるため、お子さんの体調変化には特に気を配る必要があります。

感染症に関する正しい知識を世代を越えて共有することは、家族や社会を守る上で非常に重要です。
私たちメディカル・ケア・サービスでは、全国の小中高校生を対象とした「認知症教育の出前授業」を通じ、子どもたちが健康や他者への思いやりについて学ぶ機会も提供しています。

一度感染したらもうかからない?

いいえ、残念ながらマイコプラズマ肺炎は一度かかっても、何度も再感染する可能性があります

麻疹(はしか)のように、一度の感染で生涯にわたる免疫(終生免疫)を獲得することはできません。
感染によって得られる免疫は時間とともに低下するため、数年経つと再び感染するリスクが生じます。

過去に感染したことがあるからと油断せず、流行期には基本的な感染対策を怠らないようにしましょう。

重篤化することはある?

多くは軽症で済みますが、稀に重症化するケースもあります。

マイコプラズマ感染者のうち、肺炎にまで至るのは5~10%程度といわれています。
さらに、その中の一部が重症化し、入院治療が必要となることがあります。
特に、喘息などの基礎疾患がある方や、免疫力が低下している高齢者は注意が必要です。

また、稀な合併症として、中耳炎や髄膜炎、心筋炎などを引き起こすことも報告されています。
「ただの咳」と自己判断せず、症状が長引く場合は必ず医療機関を受診するようにしましょう。

まとめ

この記事では、マイコプラズマ肺炎の感染確率や期間、予防法について詳しく解説しました。

マイコプラズマ肺炎は、一般的な感染確率は5.2%~11.2%ですが、家庭内など濃厚接触の場ではリスクが格段に上がります。
感染力がピークになるのは症状発現後の1週間ですが、回復した後も4~6週間にわたり菌を排出し続ける可能性があるため、長期的な注意が必要です。

感染を防ぐためには、ワクチンがない現在、以下の基本的な対策が最も有効です。

  • 石鹸による丁寧な手洗い
  • 流行期や人混みでのマスク着用
  • 家庭内でのタオルや食器の共有を避けること

この記事で得た正しい知識を元に、あなたと大切な家族を感染の脅威から守りましょう。
長引く咳や発熱など、気になる症状があれば、決して自己判断せずに、かかりつけ医や専門の医療機関に相談するようにしましょう。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
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  • 介護付有料老人ホーム展開
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