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トップページ>介護お役立ち記事>在宅介護>清拭の濡れタオルの最適温度は?室温・その他ポイントも詳しく解説

清拭の濡れタオルの最適温度は?室温・その他ポイントも詳しく解説

利用者の方が病気や怪我が原因で入浴できない場合、清拭をして体を清潔に保ちます。
しかし濡れタオルの温度が低ければ体温を下げてしまい、かえって体調を悪くしてしまうこともあります。

では清拭の濡れタオルの最適温度とは何度なのでしょうか?

本記事では清拭の温度について以下の点を中心にご紹介します。

  • 清拭の仕方と効果について
  • 適切な清拭タオルの温度とは
  • 体を冷やさないコツとは
  • 清拭をおこなうときの注意点

清拭の温度について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

介護について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

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清拭とは

清拭とは、利用者の方が病気や怪我などで入浴できない時に温めたタオルで体を拭く事を指します。
清拭の目的など、詳しく説明していきます。

清拭について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

清拭ではどんなことをするの?

清拭はベッドの上で寝たままおこなえるため、入浴に比べて体にかかる負担が少ないです。
温かいタオルなどで全身を拭く全身清拭と、体の一部を拭く部分清拭があります。

清拭の目的・効果

清拭の目的は、汗や皮脂で汚れた利用者の方の体を拭いて、清潔を保ちリラックスしてもらうのが目的です。
温かいタオルで体を拭くことで、血液循環が良くなり新陳代謝が促進されます。

他にも、

  • 全身を観察して皮膚トラブルがないか確認
  • 手足を動かすことで拘縮(こうしゅく)を予防

などの効果もあります。

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清拭の濡れタオルの温度

清拭の濡れタオルの温度は以下のポイントを確認してください。

  • 皮膚に当たるときの温度は40〜42℃
  • 用意するお湯は60℃程度

それぞれ説明します。

皮膚にあたるときの最適温度は40~42℃

皮膚に当たるときの最適温度は40〜42℃です。
入浴に適した温度は40℃ほどですので、40℃〜42℃で拭くと心地よい温度となります。

絞ったタオルが40℃以下ですと拭くときには冷たくなっており、体温を低下させてしまいます。
42℃よりも高い温度ですと、利用者の方がやけどをしてしまう恐れがあります。

絞ったタオルの温度が適切な温度でも、一回拭くたびに1℃下がってしまいます。
1回拭いたら再度バケツのお湯につけるなどして温度を保つと良いです。

高齢者は若い人と比べると温度を感じにくい場合があります。
また、介助者もタオルを絞ったときの指先では、適切な温度かどうか分かりづらい場合もあります。

そのため、体を拭く前に、絞ったタオルを介助者の前腕に当てて温度を確かめると良いです。

用意するお湯は60℃程度

用意するお湯の温度は60℃程度であることが望ましいです。
お湯の温度が60℃と高めなのは、準備している間に温度が低下してしまうためです。

用意したバケツのお湯の量にもよりますが、室温が24℃であった場合、1分で1℃お湯の温度が低下してしまいます。

用意するお湯が60℃程度であれば、タオルを絞ったときにちょうど40〜42℃ほどになります。

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清拭をおこなうときの室温は

利用者の方が快適に清拭を受けられるにはタオルの温度に加えて、部屋の温度の管理も大切です。

清拭をおこなうときの室温は、23〜25℃前後で暑すぎず、寒すぎない温度にします。
利用者の方は肌を露出するため、寒い部屋では負担となってしまいます。

拭いている間は肌が濡れているため、すきま風が入るとさらに寒く感じてしまいます。
そのため、部屋の環境を良くするためにもカーテンや窓、扉を閉めてすきま風が入らないようにします。

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清拭をおこなうときのその他のポイント

清拭をおこなうときのその他のポイントは以下のとおりです。

  • プライバシーに配慮する
  • 食事の前後は避ける
  • 体調をチェックしながら行う
  • 手順を確認する

それぞれ説明します。

プライバシーに配慮する

清拭をするときは、プライバシーに配慮します。
長時間肌を露出し続けるのは寒いだけでなく、利用者の方にとって恥ずかしいことです。
外から見えてしまう状態ですと、利用者の方も落ち着いて清拭を受けられません。

そのため、清拭をおこなう前にはカーテンや窓、ドアを閉めます。
清拭が終わった部位はバスタオルをかけるなどして、肌を露出し続けないようにしましょう。

食事の前後は避ける

清拭をするときは、食事の前後1時間は避けるようにします。
食事を食べ終わった後は胃袋で食事を消化するため、血液循環が高まり疲労感があります。
さらに食後には血糖値や血圧も変化しやすいため、体調が急変するリスクもあります。

利用者の方にとって清拭は体温が上下しやすいため、疲労感も感じます。
ですので食事の前後は避けて、負担をかけないようにしましょう。

高齢者の食事について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

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体調をチェックしながらおこなう

清拭をするときは、体調をチェックしながらおこないます。
室温やタオルの温度に気を使っても、肌を露出するため体温が下がりやすいです。

衣類を着ているときの暖かさと、清拭をして肌を露出している間の寒さから血圧の変動がおきてしまいます。

血圧が急激に変化すると、ヒートショックを起こしてしまう恐れもあります。
そのため利用者の方に声をかけながら体調をチェックし、清拭をおこなうと良いです。

手順を確認する

清拭の手順は以下のとおりです。

  • 頭、首
  • 手指、腕
  • 胸、お腹
  • 足指、足
  • 背中
  • おしり
  • 陰部
  • 肛門

手順どおりにおこなわないと、不潔な部位を拭いた後に清潔な部位を拭いてしまう恐れがあります。
それでは感染症や皮膚トラブルなどを引き起こすことがあります。

また、手際よくやらないと、利用者の方を待たせてしまい体を冷やしてしまいます。
事前に手順を確認して、利用者の方に説明してから清拭をおこなうとスムーズです。

清拭の手順について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

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訪問介護の2割で清拭を実施している

訪問介護の行為実施割合のデータにおいて、訪問介護を利用している方の約2割で清拭や部分浴を実施しています。
介護区分ごとでの利用割合については以下のとおりです。

介護区分清拭介助利用割合
要支援2.1%
要介護16.1%
要介護212.7%
要介護323.2%
要介護437.6%
要介護551.3%

要支援の方で清拭介助を利用している割合は、2%とほとんどの方は利用していません。
しかし介護度が上がるほど清拭介助の利用割合も上がっており、要介護5では半数の方が利用しています。

介護度が高い方では、自宅の浴槽で入浴するのは難しいです。
さまざまな理由から入浴できない利用者の方へのケアとして清拭は、重要な行為となっています。


出典:厚生労働省【訪問介護の行為実施割合

薬の使い方

利用者の方の家族が清拭をおこなうことも少なくない

利用者の方の家族が清拭をおこなうことも少なくありません。
厚生労働省の調べでは、清拭を必要とする方の介護のおよそ半数で「家族のみ」もしくは「事業者と家族」による介護がおこなわれています。

介護者の組み合わせ割合
事業者のみ43.6%
事業者と家族12.2%
家族37.5%
その他4.6%
不詳2.1%

「事業者のみ」の割合よりも、「事業者と家族」「家族のみ」の割合が多くなっています。
実際に家族で介護が必要となれば、清拭をする場面が出てくるといえます。

そのため、事業者だけでなく家族も正しい清拭の知識を持つことが重要です。


出典:厚生労働省【介護内容別にみた介護者の組合せの状況別構成割合

家族による介護について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

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清拭の濡れタオルの温度まとめ

ここまで清拭の温度について書いてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下のとおりです。

  • 温かいタオルで体を拭き、清潔に保つ
  • 用意するバケツのお湯は60℃程度、体を拭くタオルの温度は40~42℃
  • プライバシーに配慮しカーテンや窓を閉め、バスタオルをかけながら清拭する
  • 食事前後1時間は避けて、体調をチェックしながらおこなう

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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監修者 メディカル・ケア・サービス

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  • 学研グループと融合したメディア
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  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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