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トップページ>介護お役立ち記事>介護保険>世帯分離って何?やる意味はあるの?メリット・デメリットを徹底解説!

世帯分離って何?やる意味はあるの?メリット・デメリットを徹底解説!

介護保険などの医療費を節約する方法に、世帯分離があります。
役所に世帯分離を届け出ればよいのですが、理由によっては断られるケースもあります。
ではどのような理由で世帯分離を申請すれば、断られないのでしょうか?

本記事では、世帯分離について以下の点を中心にご紹介します。

  • 世帯分離のメリットについて
  • 世帯分離のデメリットについて
  • 世帯分離を断られる理由
  • 世帯分離と生活保護の注意点

世帯分離について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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世帯分離とは

世帯分離とは、同一家屋に住んでいる家族を別々の世帯にすることです。
世帯が一緒の場合は、収入がある方が多ければ世帯収入が増えます。
世帯収入が多いと、介護保険料などの負担割合が増えてしまいかねません。

介護保険料などの社会保険料は、収入に応じて支払金額が変わります。
したがって収入が少ない方を世帯分離すれば、保険料などを安く抑えることが可能です。

負担する保険料が少なければ、生活を安定させられる可能性があります。
実際に介護保険負担割合を節約する目的で、世帯分離をする家族が増えています。

世帯分離のことについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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世帯分離の目的

世帯分離という言葉は、多くの日本人にとって馴染みのあるものです。

この制度は、住民税を公平にし、特に所得が低い人や資産が少ない人の税負担を軽減するためのものです。

世帯分離の歴史的背景 

世帯分離は、日本の家族構造や社会環境の変化に伴い、誕生した制度です。
かつては、複数世代が一つの家で生活するのが一般的でしたが、現代では核家族化が進行し、それに伴い世帯の形態も多様化してきました。

このような背景から、住民税の公平な課税を目指すため、世帯分離という制度が導入されました。
高齢者や独身者が独立して生活するケースが増える中、この制度は多くの人々にとって重要なものとなっています。

住民税の軽減のメカニズム

住民税は、所得や資産に応じて課税されるものですが、世帯分離を行うことで、その計算方法が変わります。
世帯分離を行うことで、所得や資産を独立して計算することができるようになります。

これにより、所得が少ない人や資産が少ない人が、住民税を軽減できるようになりました。
また、世帯分離を行うことで、各世帯ごとの生活環境や経済状況に応じた公平な課税が実現されるのです。

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世帯分離のメリット

世帯分離することで、どのようなメリットが得られるのでしょう?
世帯分離の5つのメリットについて、それぞれ解説します。

介護サービスの自己負担額を減らすことができる

本人の収入や世帯収入によって、介護サービスの自己負担額が変わります。
負担割合が2〜3割の方は、世帯分離によって負担額を1割にすることが期待できるわけです。

国民健康保険料の負担額を減らすことができる

国民健康保険料は、前年度の収入によって負担する金額が決まります。
世帯分離によって前年度の収入が下がった状態にすれば、次年度の国民健康保険料の負担を減らすことが可能です。

後期高齢者医療保険料を下げることができる

後期高齢者医療保険料は75歳以上の方が入る医療保険です。
基本的には1割負担ですが、収入が多いと負担割合が増えてしまいます。
世帯分離をすることで世帯収入を下げることができます。

そのため負担割合を減らすことが可能です。

介護保険料の自己負担額を減らすことができる

世帯収入が多いと、介護保険料は課税対象となるため負担額が多いです。
しかし世帯分離をすると、収入が減ることで非課税世帯となります。
介護保険料が非課税となる場合が多いため、自己負担額を減らすことができるわけです。

入院・入所の食費、居住費を下げることができる

負担限度額認定制度は、世帯分離をして世帯年収を下げることで利用できます。
食費や居住費は介護サービス費以外にかかる費用です。
世帯年収が一定以下であれば、食費や居住費の負担金額を下げることができます。

世帯分離のメリットについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。

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世帯分離のデメリット

世帯分離をすることで、メリットだけでなくデメリットも生じます。
世帯分離の5つのデメリットについて、1つずつ見ていきましょう。

国民健康保険料の負担額が増えるケースがある

世帯分離をして世帯ごとの収入が下がっても、世帯数によって負担額が上昇する平均割があります。
世帯ごとの国民健康保険料が下がっても、2つの世帯を合計した金額が、以前よりも上がるケースがあるため注意が必要です。

会社の健康保険組合を利用したほうがよい場合もある

扶養家族であれば、会社の健康保険組合を利用することで、健康保険料を負担せずに済みます。
しかし世帯分離をしてしまうと、国民健康保険を払わなくてはなりません。
そうなると健康保険料の負担が増えてしまいます。

扶養から外れるため保険料を負担しなくてはならない

世帯分離をすると、行政からは独立したものと判断されます。
よって所得税の控除が受けられず、健康保険料の負担が増えてしまいます。

行政への手続きのときに委任状が必要になる

同一世帯であれば、行政への住民票取得などの書類を受け取るときに、必要な書類は少ないです。
しかし世帯分離をすると別世帯の扱いとなるため、書類の受け取りに委任状が必要になります。

職場によっては家族手当がもらえなくなる

扶養家族であれば、家族手当がつくため収入が増えます。
しかし世帯分離をすると扶養から外れ、会社の家族手当が支給されなくなってしまうのです。

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世帯分離の届け出方法

世帯分離は、同一住所内での家族間の世帯を分ける手続きを指します。
これにより、介護費用の軽減や税制上のメリットを享受することが期待されます。
しかし、正確な手続きを行わなければならず、必要な書類も存在します。

以下に、その手続き方法必要な書類を詳しく説明します。

世帯分離の手続きの流れ

  1. 申請場所の確認:お住いの自治体の窓口で手続きを行います。
  2. 必要書類の準備:下記の「世帯分離の手続きで必要な書類」を参照して、必要な書類を準備します。
  3. 世帯変更届の提出:本人・世帯主・同一世帯の人、または委任状を持った代理人が「世帯変更届」を提出します。
  4. 口頭での確認:世帯変更届を提出する際、窓口で口頭で世帯の生計及び生活についての確認が行われることがあります。

世帯分離の手続きで必要な書類

本人確認書類: 以下のいずれか

  • マイナンバーカード
  • 運転免許証
  • パスポート
  • 健康保険証と介護保険証(2枚以上の提示が必要な場合)
  • 年金手帳、国民年金、厚生年金または船員保険の年金証書など(2枚以上の提示が必要な場合)
  • 国民健康保険証:持っている場合
  • 世帯変更届:窓口で提供される書類

世帯分離の手続きは、役所の窓口で行う必要があります。
手続きの際には、住民票の取得や、様々な書類の記入が必要となるため、事前に必要な書類や手続きの流れを確認しておくことが推奨されます。

また、手続きの際には、世帯分離の理由を正確に伝えることが重要です。

薬の使い方

世帯分離を検討すべき3つのタイミング

世帯分離とは、同じ家に住みながらも親と子供などのこれまで一つだった住民票上の世帯を二つに分けることを指します。
この行為によって、介護保険施設の費用や介護保険サービスの自己負担額を抑えることが期待されます。
しかし、世帯分離のタイミングによっては、負担が増える場合もあるため、適切なタイミングを見極めることが重要です。

下記では、世帯分離を検討すべき3つのタイミングを詳しく説明します。

1.介護保険サービスを利用し始めたタイミング

介護保険サービスを利用する際、自己負担割合は本人の前年の所得額および世帯の所得額によって決まります。
世帯分離を行うことで、一世帯当たりの所得額が下がる可能性があり、その結果、自己負担額が減少することが期待されます。

2.介護保険施設に入ったタイミング

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険が適用される施設では、所得に応じて食費や居住費の軽減を受けられる制度があります。
世帯分離を行うことで、これらの軽減措置を受けやすくなる可能性があります。

3.介護・医療保険の負担額が増えたタイミング

介護・医療保険の自己負担額が増加した場合、所得に応じて負担の上限が定められています。
世帯分離を行うことで、この上限額を下げることができる場合があります。

世帯分離の注意点

世帯分離を行うことで、確かに多くのメリットが期待されますが、一方で健康保険料の増加扶養手当の受給資格喪失などのデメリットも考慮する必要があります。
したがって、世帯分離を検討する際は、全体の家計や将来のライフプランを総合的に考慮し、適切な判断を行うことが求められます。

以上が、世帯分離を検討するタイミングに関する詳しい説明です。
適切なタイミングでの世帯分離は、介護や医療の負担を軽減するための重要な選択となります。

自治体に世帯分離を断られる理由

世帯分離の理由を聞かれて断られたというケースもあります。
どのような理由で断られるのかと、どう伝えればよいのかについて見ていきましょう。

断られる理由

介護費用の負担を減らしたいという理由だと、世帯分離を断られてしまうことがあります。
世帯分離をすることで、介護にかかる費用の負担を減らすことにつながります。
ただし介護費用の負担軽減は、世帯分離の本来の目的ではありません。

よって、負担軽減目的では断られてしまう可能性があります。
また絶対に受け付けてもらえないのは、生活保護の受給目的の場合です。
仮に世帯分離が認められても生活保護は認められません。

または不正受給とみなされて罰則を受ける恐れがあります。

適した理由

介護費用を軽減する目的で、世帯分離をすることが一般的です。
ただし本来の目的とは異なるため、そのまま伝えてしまうと断られる可能性もあります。
手続きのときに世帯分離をする理由を聞かれたら、生計を分けることになったと伝えればよいでしょう。

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世帯分離を元に戻すことはできる?

世帯分離をしても、世帯合併という手続きをすることで元に戻すことができます。
世帯合併もお近くの市役所などで手続きが可能です。
手続きには、一般的に以下のものが必要です。

  • 印鑑
  • 本人確認書類
  • 住民異動届
  • 国民健康保険証(世帯合併をする双方分)

新しく世帯主になる方を決めて、必要な持ち物を窓口に提出すれば手続きは終了です。

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世帯分離と生活保護

生活保護を目的とした世帯分離は、原則として認められません。
本来ある世帯分離の目的ではないためです。
生活保護は、困っている方を助けるセーフティーネットとして大切な制度です。

しかし生活保護の不正受給をしようと考える方もいます。
仮に世帯分離ができたとしても、生活保護は世帯分離や世帯合併で適切に審査されるものです。
したがって悪質な申請だと発覚した場合は、断られてしまいます。

仮に申請が認められて受給できたとしても、受給した分の返納を求められるなど処罰される恐れがあります。

 

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世帯分離のまとめ

今回は、世帯分離についてお伝えしてきました。
世帯分離のポイントをおさらいすると、以下の通りです。

  • 医療費や保険料が少なくなるため節約になる
  • 世帯を分けた結果、合計すると保険料が高くなる場合もある
  • 生活保護の受給を目的としていると断られる
  • 生活保護の不正受給は処罰される恐れがあるため注意

世帯分離を断られたケースの情報が、少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
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  • 学研グループと融合したメディア
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  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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