在宅で介護を受けながら住み慣れた自宅で暮らし続けたいと考えたとき、最も代表的で頼りになる介護保険サービスが「訪問介護(ホームヘルプサービス)」です。
訪問介護は、プロの訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問し、入浴や排泄などの「身体介護」や、掃除や調理などの「生活援助」を提供することで、要介護者本人の自立した生活を支え、ご家族の介護負担を大きく軽減します。
- 「同居家族がいると生活援助は使えない?」
- 「どこまでが訪問介護で頼める範囲なの?」
- 「医療行為や庭の手入れは頼める?」
といった疑問や戸惑いを抱く方も少なくありません。また、制度上のルールを知らないと思わぬトラブルになることもあります。
本記事では、訪問介護の基本的な仕組みから、具体的なサービス内容(身体介護・生活援助・通院等乗降介助)、利用条件、頼めること・頼めないことの境界線、最新の費用・単位数の目安、その他の訪問系サービスとの違い、利用開始までのステップまで徹底的に解説します。ご自身やご家族の在宅介護をスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください。

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1. 訪問介護(ホームヘルプサービス)とは?利用対象者と基本ルール
訪問介護とは、介護保険法に基づき、要介護認定を受けた利用者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問し、ケアプラン(居宅サービス計画)に沿って日常生活上の介助や援助を行う居宅サービスです。
訪問介護の目的と役割
訪問介護の最大の目的は、単に家事や介助を代行することではなく、「利用者が持っている能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう支援すること(自立支援)」にあります。
要介護状態になっても、住み慣れた自宅で自分らしく安全に暮らし続けるためのサポートを行い、同時に同居家族の身体的・精神的・時間的な介護負担(介護疲れ)を和らげる重要な役割を担っています。
訪問介護を利用できる対象者
訪問介護を利用するためには、介護保険の要介護認定を受けている必要があります。
- 要介護1〜5の認定を受けた方:介護保険の「訪問介護(予防給付・一般給付)」として利用できます。要介護度が高くなるほど、身体介護を中心とした手厚いサービスが組み込まれます。
- 要支援1〜2の認定を受けた方:介護保険の予防給付から自治体が主体となって運営する「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」における「訪問型サービス(旧・介護予防訪問介護)」として利用できます。要支援者の場合は、状態の悪化を防ぎ、自立した生活を維持・改善するための軽度な援助が中心となります。
※要介護認定を受けていない方(非該当・自立の方)や、40歳未満の方は介護保険による訪問介護を利用できません。(障害福祉サービスや民間事業者の全額自己負担サービスを利用することは可能です)
訪問介護を行うスタッフ(ホームヘルパー)の資格
利用者の自宅を訪問して介護サービスを提供するスタッフは、誰でもなれるわけではありません。必ず以下のいずれかの有資格者が担当します。
- 介護職員初任者研修(旧・訪問介護員2級)修了者
- 実務者研修(旧・ホームヘルパー1級・介護職員基礎研修)修了者
- 介護福祉士(国家資格)
さらに、事業所全体でサービス品質の管理やケアマネジャーとの連携、ヘルパーへの指導を行う「サービス提供責任者(サ責)」が配置されており、利用者の状態に合わせた適切な訪問介護計画が作成されます。
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2. 訪問介護で提供される3つのサービス内容
訪問介護で提供されるサービスは、ケアプランに基づき、主に「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つに分類されます。それぞれの具体的な内容と違いを詳しく見ていきましょう。
① 身体介護(利用者の身体に直接触れて行う介助)
身体介護とは、利用者の身体に直接触れて行う介助や、利用者が自立して日常生活を送れるように共に行う自立支援目的の介助です。主に要介護度が高い方や、身体機能が低下している方に提供されます。
身体介護の主なサービス内容・具体例
- 食事介助:配膳、姿勢の保持、咀嚼・飲み込みの確認、スプーン等を用いた食事の介助、水分補給。
- 排泄介助:トイレへの誘導・移動介助、おむつ交換、ポータブルトイレの介助、陰部洗浄・後始末。
- 入浴介助・清拭:浴室への移動、全身洗体・洗髪、シャワー浴の補助、お風呂に入れない場合の温タオルによる全身・部分清拭。
- 身支度・更衣介助:洋服の着脱、洗面、歯磨き・義歯のお手入れ(口腔ケア)、整髪、爪切り(爪に爪甲水虫や異常がない場合)。
- 移動・移乗介助:ベッドから車椅子への移乗(移乗介助)、立ち上がり介助、室内の歩行介助、体位変換(寝返りの補助・床ずれ予防)。
- 外出介助(目的地が自立支援に必要な場合に限る):日用品の買い出しへの同行、選挙の投票への同行、手すりを使った階段昇降の補助。
- 服薬介助:処方された薬の用意、服薬の促し・確認、塗り薬の塗布や湿布の貼り付け(処方された医薬品で専門的な判断が不要な場合)。
- 自立支援のための見守り的援助:利用者が自分で料理や掃除、着替えをする際に、手を出さずに横で見守り、転倒の危険がある時や危険な工程だけをサポート・助言する行為。
② 生活援助(家事などの日常生活の援助)
生活援助とは、一人暮らしの利用者や、同居家族が病気や障害などのやむを得ない事情で家事を行えない場合に、利用者に代わって掃除や調理などの家事全般を行うサービスです。
生活援助の主なサービス内容・具体例
- 調理・配膳・後片付け:利用者の好みや咀嚼・嚥下機能、栄養バランスを考慮した一般的な家庭料理の調理、配膳、食後の食器洗い・片付け。
- 洗濯:洗濯機での洗濯、洗濯物の外干し・室内干し、取り込み、アイロンがけ、畳んでタンス等へ収納する作業。
- 掃除:利用者が主に使用している居室、寝室、トイレ、洗面所、浴室、台所などの清掃、掃除機がけ、ゴミ出し。
- 買い物(日用品・食品の代行):利用者の日常食料品や日用品、処方薬の受け取りなど、生活に必要な最小限の買い出し代行。
- ベッドメイク・布団干し:シーツの交換、布団の上げ下ろし、日光消毒のための布団干し。
- 衣服の整理・補修:衣替え、日常使う衣類の整理、ボタン付けや簡単なほころびの補修。
③ 通院等乗降介助(いわゆる「介護タクシー」的な利用)
通院等乗降介助とは、要介護認定を受けている利用者が病院等へ通院する際、ホームヘルパー資格を持つドライバーが自ら運転する車両への乗車・降車を介助し、目的地での移動や受診手続きを援助するサービスです。
通院等乗降介助の主なサービス内容
- 自宅室内からの移動準備、玄関までの移動介助
- 車両への乗り降り(乗降)の介助、シートベルトの装着
- 降車後の病院内への移動介助、受診手続きのサポート
- 帰り(病院から自宅)の乗降介助および室内への移動・着替え等の介助
※タクシーの運賃(実費)は介護保険の対象外となるため、別途自己負担が必要です。
※要支援1〜2の方は利用できず、要介護1〜5の方が対象となります。
3. 訪問介護では「利用できないサービス」と注意点
訪問介護は何でも頼める「便利屋」ではありません。介護保険という公的資金(税金や保険料)によって運営されているため、厳格な利用ルールが定められています。
頼めないサービスを理解しておくことで、事業者とのトラブルを未然に防ぐことができます。
利用できない主なサービスと範囲外となる理由
① 本人以外の家族のための行為(家族同居の場合の制限)
訪問介護は「利用者の自立支援」のためのサービスです。同居している家族の分の家事や手伝いを行うことはできません。
頼めない例:同居家族の分の食事調理や食器洗い、家族全員分の洗濯、家族が使用する部屋の掃除、来客への茶出し・対応、家族の子供の世話・送り迎え。
② 日常生活の援助の範囲を超える行為(大掃除や娯楽目的)
日常的に行われる標準的な家事の範囲を超えた大がかりな作業や、嗜好品・娯楽に関する作業は対象外となります。
頼めない例:年末の大掃除、換気扇の分解清掃、窓のガラス拭き、ワックスがけ、庭の草むしりや植木の剪定、日曜大工、模様替え、家具の移動。
頼めない例:正月の御馳走や手間のかかる特別な料理の調理、お酒・タバコなどの嗜好品の買い出し。
③ 医療行為(医行為)
ホームヘルパーは医療従事者(医師や看護師)ではないため、原則として専門的な医学的判断や技術を要する医療行為を行うことは法律で禁止されています。
頼めない例:点滴の管理・抜針、インスリン注射の投与、胃ろうや腸ろうの管理・栄養剤注入、カテーテルや人工肛門(ストーマ)の管理、褥瘡(床ずれ)の処置、摘便、摘み取りが必要な本格的な爪切り。
厚生労働省の通知により、専門的な判断が不要で状態が安定している場合に限り、以下の行為はヘルパーでも行うことが認められています。
- 体温計による体温測定、血圧測定器による血圧測定
- パルスオキシメーターによる酸素飽和度の測定
- 軽度の擦り傷や火傷のガーゼ交換・処方薬の塗布
- 湿布の貼り付け、眼薬の点眼、処方薬の服薬介助(一包化された薬の渡しかけ)
- 口腔ケア(歯ブラシやスポンジブラシによる歯磨き補助)
- 耳掃除、爪切り(爪や周囲の皮膚に異常がない場合)
- 市販の浣腸器を用いた浣腸(挿入部の長さ等に制限あり)
④ ペットの世話や趣味・嗜好に関するサポート
利用者の直接的な身体介助や生活維持に関わらない行為は提供できません。
頼めない例:ペット(犬・猫等)の散歩、エサやり、ゲージの清掃。
頼めない例:自家用車の洗車・整備、散歩以外の趣味の付き添い(旅行、演劇鑑賞、パチンコ、墓参りなどへの同行)。
頼めない例:金銭の管理・銀行口座からの現金引き出し(金融機関での口座手続きや資産運用など)。※金銭管理が必要な場合は「日常金銭管理サービス」や成年後見制度を利用します。
同居家族がいる場合の「生活援助」の利用制限と例外規定
前述の通り、生活援助は「一人暮らしの高齢者」を基本対象としています。そのため、同居家族がいる場合は、原則として生活援助を利用することができません。「同居家族が家事を行えるはず」とみなされるからです。
同居家族がいても生活援助が認められる例外条件
ただし、同居家族がいても以下の「やむを得ない事情」があると自治体やケアマネジャーが認めた場合は、例外的に生活援助の利用が許可されます。
- 同居家族自身が病気、ケガ、障害、高齢などで家事を行うことが困難な場合。
- 同居家族が要介護者の介護に追われ、共倒れになる危険がある場合。
- 同居家族が日中に長時間の就労(仕事)をしており、家事を行うことが現実的に不可能な場合。
- 同居家族との関係性に問題があり、虐待の恐れなどから介助・援助を受けることが適切でない場合。
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4. 訪問介護にかかる費用・単位数と自己負担額の仕組み
訪問介護の利用料金は、介護保険によって全国一律の算定ルール(単位数)が決められています。利用者は、所得に応じて設定された自己負担割合(1割〜3割)の金額を支払います。
費用計算の基本構造
訪問介護の利用料金は、以下の計算式で決定されます。
利用料金 = サービスごとの基本単位数 × 地域加算(1単位=10円〜11.4円程度) × 各種加算 × 自己負担割合(1割〜3割)
※地域加算は、人件費等の地域差を考慮した係数で、東京23区などの都市部では1単位あたりの単価が高く設定(最高で1単位=11.4円など)されています。
【基本単位数】身体介護の費用目安
身体介護は、サービスを提供する「時間」に応じて基本単位数が決まります。
- 20分未満:167単位(自己負担1割で約167円〜)
- 20分以上30分未満:250単位(自己負担1割で約250円〜)
- 30分以上1時間未満:396単位(自己負担1割で約396円〜)
- 1時間以上1時間30分未満:579単位(自己負担1割で約579円〜)
※以降、30分を増すごとに84単位が加算されます。
【基本単位数】生活援助の費用目安
生活援助も同様に、サービス時間によって単位数が分かれます。
- 20分以上45分未満:183単位(自己負担1割で約183円〜)
- 45分以上:225単位(自己負担1割で約225円〜)
【基本単位数】通院等乗降介助の費用目安
1回あたり:99単位(自己負担1割で約99円〜)+ タクシー運賃等(全額自己負担)
主な加算と自己負担割合の決定方法
各種加算の例
基本料金に加え、体制やサービスの時間帯によって以下の加算が上乗せされる場合があります。
- 早朝・夜間加算(午前6時〜8時、午後6時〜10時):基本単位数の25%増し
- 深夜加算(午後10時〜午前6時):基本単位数の50%増し
- 初回加算:新規利用時や要介護度が著しく変わった時などに上乗せ(200単位)
- 緊急時訪問介護加算:ケアプランにない緊急訪問を行った場合(100単位)
- 介護職員等処遇改善加算:スタッフの給与改善やキャリアアップ体制に応じた加算(事業所ごとに総単位数に一定割合を乗算)
自己負担割合(1割〜3割)
本人の前年所得や世帯構成に応じて決定されます。毎年6月〜7月頃に自治体から届く「介護保険負担割合証」で確認できます。
- 1割負担:一般的な高齢者(65歳以上で単身の場合、本人の合計所得金額が160万円未満など)
- 2割負担:一定以上の所得がある高齢者(単身で本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満など)
- 3割負担:現役並みの高所得がある高齢者(単身で本人の合計所得金額が220万円以上など)
高額介護サービス費による負担軽減
1ヶ月の介護保険自己負担額の合計が、所得に応じた世帯上限額(例:一般世帯で月額44,400円、非課税世帯で月額24,600円など)を超えた場合、超過分が戻ってくる「高額介護サービス費」制度が適用されるため、費用が無限に膨らむ心配はありません。
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5. 訪問介護を利用するメリット・デメリット
訪問介護には多くの魅力がある一方で、自宅というプライベートな空間に他人を入れるサービスならではの注意点もあります。
訪問介護のメリット
- 住み慣れた自宅で安心して暮らせる:施設に入所せず、自分の家でリラックスしながら必要なケアを受けられます。
- 要介護者の自立意識が高まる:プロの適切な介助と見守りにより、「自分でできることは自分で行う」自立支援の効果が期待できます。
- 家族の介護負担(肉体疲労・精神的ストレス)が激減する:重い入浴や排泄介助、家事を任せることで、ご家族が自分の時間や休養を確保できます。
- 定期的な訪問による安否確認と孤立防止:独居高齢者の場合、ヘルパーが定期的に訪問することで異変や病気、転倒の早期発見につながります。
訪問介護のデメリット
- 他人(ヘルパー)を自宅に入れるストレス・抵抗感:部屋の片付けや掃除のやり方を見られることへの恥ずかしさや、見ず知らずの人が出入りすることに気疲れを感じる場合があります。
- ヘルパーとの相性問題:人間同士の関わりであるため、「性格が合わない」「手際が気になる」といった相性の不一致が起きることがあります。※相性が合わない場合は、事業所に相談して担当者を変更してもらうことが可能です。
- 頼みたいことがすべて頼めるわけではない:前述の通り、介護保険のルール上、家族の洗濯や大掃除など、頼めない範囲(グレーゾーン)が存在します。
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6. 組み合わせで効果倍増!その他の「訪問系介護サービス」一覧
在宅介護を支える介護保険サービスには、訪問介護の他にも様々な「訪問系サービス」が存在します。ケアマネジャーと相談してこれらを適切に組み合わせることで、より手厚く安全な在宅生活が可能になります。
① 訪問入浴介護
看護師1名と介護スタッフ2名(計3名)が、専用の浴槽を積んだ訪問入浴車で自宅を訪れ、部屋の中で入浴介助を行うサービスです。自力でのお風呂やデイサービス通所が困難な重度要介護者や寝たきりの方に最適です。
② 訪問看護
医師の指示書に基づき、看護師や保健師が自宅を訪れて看護・医療処置を行うサービスです。健康状態の観察、床ずれの処置、点滴・カテーテル管理、ターミナルケア(看取り)など、専門的な医療ケアを提供します。
③ 訪問リハビリテーション
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が自宅を訪問し、実際の住環境に合わせたリハビリテーションを行うサービスです。歩行訓練や関節の可動域訓練、日常生活動作のトレーニングを提供します。※利用には医師の指示が必要です。
④ 居宅療養管理指導
医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などの医療専門職が自宅を訪れ、療養上の医学的な指導や服薬指導、栄養指導を行うサービスです。
⑤ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
24時間365日体制で、訪問介護と訪問看護が連携して提供される地域密着型サービスです。「1日に何度も短時間の介助が必要な方」や「夜間の排泄・転倒対応に不安がある方」に適しており、定期的な巡回と急変時の呼び出し(コール対応)に24時間いつでも対応してくれます。
7. 訪問介護サービスを利用開始するまでの6ステップ
訪問介護の利用を始めてから実際にヘルパーが訪問するまでには、一定の手続きが必要です。スムーズに進めるためのステップを解説します。
- Step 1:要介護認定の申請(市区町村窓口・地域包括支援センター)
- Step 2:認定調査と主治医意見書の作成
- Step 3:要介護度の判定・結果通知(要支援1〜2/要介護1〜5)
- Step 4:居宅介護支援事業所の選定・ケアマネジャーの決定
- Step 5:アセスメント・ケアプランの作成とサービス担当者会議
- Step 6:訪問介護事業者との契約・サービス利用開始
Step 1:要介護認定の申請
お住まいの市区町村の介護保険課や、地域包括支援センターの窓口で「要介護認定」の申請を行います。本人や家族のほか、地域包括支援センターに申請代行を依頼することも可能です。
Step 2:認定調査と主治医意見書の作成
市の調査員が自宅や入院先を訪問し、本人の心身の状況や日常生活の動作についてヒアリング調査(認定調査)を行います。同時に、市から主治医へ「主治医意見書」の作成が依頼されます。
Step 3:要介護度の判定・結果通知
調査結果と意見書をもとに「介護認定審査会」で審査が行われ、申請から原則30日以内に要介護度(要支援1〜2、要介護1〜5、または非該当)が記載された通知書と介護保険証が届きます。
Step 4:ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)を選ぶ
- 要介護1〜5と判定された方:民間の「居宅介護支援事業所」を選び、担当となるケアマネジャー(介護支援専門員)を決定します。
- 要支援1〜2と判定された方:「地域包括支援センター」が窓口となり、担当保健師やケアマネジャーが決まります。
Step 5:ケアプランの作成とサービス担当者会議
ケアマネジャーが自宅を訪問して本人・家族の希望や抱えている課題(アセスメント)をヒアリングし、訪問介護の回数や時間、具体的な介助内容を盛り込んだ「ケアプラン(居宅サービス計画書)」を作成します。その後、関係者が集まる「サービス担当者会議」を開催し、プラン内容を共有・決定します。
Step 6:訪問介護事業者との契約・サービス利用開始
選定した訪問介護事業者と利用契約を締結します。サービス提供責任者が訪問介護計画書を作成・説明し、同意を得た上で、指定された日時からヘルパーの訪問サービスがスタートします。
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8. 良い訪問介護事業所&ケアマネジャー選びのポイント
訪問介護を気持ちよく長く利用するためには、信頼できる事業者やケアマネジャーを選ぶことが最も重要です。選び方の基準を紹介します。
良い訪問介護事業所を見極めるポイント
- 常勤ヘルパー・サービス提供責任者の配置割合:非常勤(パート)が多い事業所よりも、常勤スタッフが多い事業所の方がスタッフ間の情報共有や緊急時の対応力が高い傾向にあります。
- スタッフの教育・研修体制:認知症ケアや感染症対策、事故防止などの社内研修を定期的に実施しているか。
- 相性変更への柔軟な対応:万が一ヘルパーとの相性が合わなかった場合、担当者の交代に快く応じてくれる体制があるか。
- 丁寧な説明と事前訪問:契約時にサービス提供責任者が自宅を訪れ、本人の希望や細かい注意点を丁寧にヒアリングしてくれるか。
信頼できるケアマネジャーを見極めるポイント
- 話や悩みを親身に聞いてくれるか:家族の介護疲れや本人の細かな希望に対して、否定せずに傾聴してくれるか。
- レスポンスや対応が早いか:体調変化や緊急の相談をした際、迅速に動いてくれるか。
- 特定の事業所に偏らず中立的な提案をしてくれるか:自社系列のサービスだけでなく、地域の様々な事業者の中から最適な提案をしてくれるか。
- 医療連携に強みを持っているか:看護師や社会福祉士などの医療・福祉資格を元々持っているケアマネジャーは、持病や医療ケアが必要な場合に非常に心強い存在となります。
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9. 訪問介護に関するよくある質問(FAQ)
訪問介護に関して多く寄せられる疑問に回答します。
Q1. 同居家族がいても「生活援助」を利用することはできますか?
A. 原則は利用できませんが、同居家族が病気や障害、高齢、日中の長時間の就労などで家事を行うことが困難であるとケアマネジャーや自治体に認められた場合は、例外的に利用可能です。
Q2. 担当のヘルパーさんと相性が合わない場合、変更してもらえますか?
A. 変更可能です。遠慮して我慢する必要はありません。直接本人に伝えるのではなく、事業所のサービス提供責任者や担当ケアマネジャーに「別のヘルパーさんを試してみたい」と相談すれば、円滑に変更してもらえます。
Q3. 急な体調不良や予定変更でキャンセルしたい場合、キャンセル料はかかりますか?
A. 事業所の契約内容によります。多くの事業所では「前日までの連絡であれば無料、当日の急なキャンセルの場合はキャンセル料(数百円〜全額等)」と定められています。体調不良が分かった時点で早めに連絡しましょう。
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10. まとめ
本記事では、訪問介護のサービス内容や利用条件、頼めること・頼めないことの範囲、最新費用、利用手続きまで詳しく解説しました。
- 訪問介護の役割:身体介護、生活援助、通院等乗降介助を通じて、本人の「自立支援」と家族の「介護負担軽減」を実現する居宅サービス。
- 頼めない範囲:家族のための家事、大掃除や庭むしりなどの日常生活を超える行為、専門的な医療行為、ペットの世話。
- 同居家族がいる場合の注意点:同居家族がいる場合の生活援助は原則不可だが、就労や病気等のやむを得ない事情があれば例外利用可能。
- 成功のコツ:希望や困りごとを事前に整理し、ケアマネジャーや信頼できる訪問介護事業者と密に連携をとること。
「まだ何とか自分で介助できるから」と限界まで我慢してしまうと、介護者自身の体調破壊や共倒れにつながります。
介護保険の訪問介護サービスを上手に取り入れ、プロのヘルパーの力を借りながら、ご本人にとってもご家族にとっても笑顔で過ごせる在宅介護生活を目指していきましょう。


