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トップページ>認知症を学ぶ>認知症の対応>認知症の方へ言ってはいけない言葉とは?接し方について解説します!

認知症の方へ言ってはいけない言葉とは?接し方について解説します!

認知症の方に言ってはいけない言葉を知っていますか?
悪意がなくとも、認知症当事者を苦しめる「言ってはいけない言葉」はたくさんあります。

この記事では、認知症の当事者に言ってはいけない言葉や、認知症への接し方について解説します。

  • 認知症当事者に言ってはいけない言葉ってどんなもの?
  • なぜ「言ってはいけない言葉」に気をつけないといけないの?
  • 認知症当事者にはどのように接したらいいの?
  • 家族や介助者が意識すべきこととは?

認知症当事者の心に寄り添った介助を行うために、ぜひ最後までお読みください。

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介護ではコミュニケーションが大切

認知症をはじめとする患者の方を介護する上で重要なことはコミュニケーションです。
介護業界では、バリデーションというコミュニケーション技法が広く知られています。

バリデーションはまず、患者の方の言動には隠れた理由があるのでは?という意識を持つことから始めます。
目先の会話だけでなく、「あなたを理解したい」「もっと教えてほしい」という姿勢で臨みましょう。

反対に、会話の内容によっては患者の方の心を閉ざし、コミュニケーションが難しくなる場合があります。
正しい声掛けの方法を実践し、お互いにとってよりよい関係を築くことが大切です。

 

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言ってはいけない言葉って何?

認知症,言ってはいけない

認知症の当事者はつねに混乱や不安、ストレスにさらされています。
「昔の元気な自分に戻りたい」「家族に迷惑をかけたくない」という焦りや悲しみも抱えています。
そのような状態で、家族や身近な人から、きつい言葉や叱責を投げかけられると、ますます混乱し、不安や孤独を感じてしまいます。

認知症当事者を苦しめる「言ってはいけない言葉」について具体的にどのようなものがあるかを見ていきます。

物忘れの指摘

  • 「ごはんならさっき食べたでしょ」
  • 「さっき、そこに自分で置いたじゃない」
  • 「またトイレなの?さっき行ったばかりなのに」
  • 「仕事はとっくの昔に辞めたよ」

認知症を発症すると、比較的初期から記憶障害があらわれます
たとえば、ついさっき食事をしたのに「まだごはんを食べてない」といったケースです。
認知症の当事者は記憶力が低下しており、つい先ほどの出来事を思い出すことが困難です。

さらに「記憶にないことは行っていない」という思い込みも強くあります。
そのため、家族や周囲が物忘れを指摘すると、認知症当事者は「嘘を言っている」「私のことを嫌いなのだ」と思い、孤独や怒りを覚えてしまうこともあります。

強要すること

  • 「早くして」
  • 「これをしないとごはんを食べさせないよ」
  • 「これは絶対やっちゃダメ」
  • 「言うことを聞かないと怒るよ」
  • 「いいからやって!」

認知症当事者は、つねに不安を感じている方が多いです。
したがって、人に強い口調でなにか言われたり、命令されたりすることにとても敏感です。
脅されたり命令されたりすることは理解できますが、「なぜ言われているのか」は理解できません。

そのため、「脅された」「叱られた」「意地悪をされている」という負の感情だけが募り、介護者や家族を信頼できなくなる場合もあります。

責める言葉

  • 「どうして、そんなこともできないの」
  • 「昔はできていたのに」
  • 「またトイレ失敗したの?」
  • 「どうせどこかに置き忘れたんでしょ」

認知症当事者は、段取りをつけてスムーズに行動することが苦手す。
家族や周囲の人からすると、もどかしく感じることもあるでしょう。
認知症当事者も「どうしてできないんだろう?」という戸惑いや不安を抱えています。
それなのに、責める言葉を向けられると、本人はさらに混乱や悲しみを感じてしまいます。

否定的な言葉は言ってはいけない!

認知症に否定的な言葉は言ってはいけない

基本的に、認知症当事者を否定するような言葉は「言ってはいけない言葉」に当てはまります。

周囲から見ると異常な言動に思えても、本人は真剣に発言しています。
そのため、頭ごなしに否定されると、本人は驚き、戸惑いや悲しみを感じます。

認知症の当事者は、なぜ否定されるのか理解できませんが、否定されたことは理解できます。
したがって、本人からすれば「わけも分からず怒られた」という状態になります。

このように負の感情が蓄積することで、周辺症状を悪化させます。
周辺症状とは、環境や本人の心理状態が原因で起こる、二次的な症状で「徘徊」「せん妄」「暴力・暴言」「不潔行動」などがあります。

悪循環を防ぐためにも、本人を否定する言葉はすべて、「言ってはいけない言葉」だと覚えておきましょう。

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認知症の方への症状別の接し方

認知症患者への接し方

前述の通り、本人を否定するような言葉はすべて言ってはいけない言葉です。

それでは、介助者は認知症当事者に、どのように接すればよいのでしょうか。
症状別に認知症当事者への接し方を紹介します。

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妄想

妄想や思い込みにより、認知症当事者が周囲を疑ったり、責めたりすることがあります。
妄想を否定すると、本人はプライドを傷つけられたような気分になります。

場合によっては、ますます怒りが膨らむこともあるでしょう。
まずは本人の言葉を受け入れる姿勢を示すことが大切です。
否定せず、共感を示すと、本人も落ち着き、他のことに興味が移りやすくなります。

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見当識障害

見当識障害は認知症の発症者に必ず現れる中核症状の一つです。
自分の置かれている状況が認識できなくなる障害で、「時間・日付・季節」「場所」「人」の順番に認識ができなくなります。

見当識障害がみられたときにも、本人を否定する言葉や、間違いを指摘する言葉は「言ってはいけない言葉」です。

「ちがうって言ってるでしょ!」のような激しい言葉で否定するのはやめましょう。
かわりに、正しい認識の訓練をおこなうことで、症状の緩和が期待できます。

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人物誤認

人物誤認は人への見当識障害の一種にあたります。
孫を自分の子供と間違えるなどの「人違い」が、人物誤認と呼ばれます。

人物誤認は一時的なことが多く、少し時間を置くと、その人を正しく認識できる場合もあります。
人違いされて悲しくても、「違うって言ってるでしょ!」のような感情的な言葉は、本人に混乱と不安を与えます。

勘違いを強く否定するような言葉は、「言ってはいけない言葉」として控えましょう。

幻覚

認知症の周辺症状の1つに、「部屋にヘビがいる」「知らない人が枕元に来ていた」のような、「幻覚」症状があります。
「見間違いじゃない?」や「気にしなくていいよ」のように、受け流すのは「言ってはいけない言葉」にあてはまります。

認知症当事者は、本気で取り合ってもらえないと感じると、「私をバカにしている」「理解してくれない」というストレスを感じます。

まずは、「そうなんだ、大変だね」のような共感を示しましょう
それから「探したけど、いなかったよ」のように、安心させるような言葉をかけてください

すこしの時間、部屋を移動させて、環境を変えると、気分が落ち着くケースも多いです。

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認知症の人へのいい声かけの方法とは?

認知症,言ってはいけない

認知症当事者の介助では、お互いに信頼関係を築くことが大切です。
本人は「前と違う自分」を自覚しており、「助けてほしい」という思いを抱えています。

一方で、「人に知られたら恥ずかしい」という気持ちもあり、強いストレスにさらされています。
不安や孤独感は、周辺症状や中核症状を進行させる原因といわれます。

したがって、家族や介助者は、本人が安心して周囲を頼れる環境を整えることが大切です。
具体的には、以下のポイントに注意した声かけを意識してください。

●話をよく聞く

  • 「そうなんだね」「大変だったね」
  • 相槌をうつ
  • 目を合わせ、うなずきながら話を聞く

共感や肯定の言葉は、認知症当事者に「理解してくれている」という安心感を与えます。
安心感は信頼へつながり、介助をスムーズにしてくれるでしょう。

また、リラックスは、認知症の進行を緩やかにする効果も期待できます。

●本人のペースに合わせる・できたら褒める

間違いに気づいたとしても
「そういえば、そうでしたね」
「一緒にやりましょう」
「こんなことができるなんて、すごいですね」「さすがです」

という言葉掛けが大切です。
認知症当事者の言い間違いや誤認識に気づいても、否定してはいけません

また、何事かをおこなうのに時間がかかっても、せかすような言葉は「言ってはいけない言葉」です

もし本人が物事を遂行できたら、褒めることも大切です。
達成感は、本人から、「次は〇〇をしよう」という意欲を引き出すことができます。

●耳元ではっきり・明るく話しかける

  • 「今日も元気ですね」
  • なるべく短い言葉で話す
  • 目線を合わせる・見下さないようにする

認知症の当事者は、聞き取る力が低下しています
ボソボソと暗い口調や、乱暴なトーンは、聞き取りにくいだけでなく、本人に「こわい」という感情を植え付け、信頼を失いかねません。

話しかけるときは、耳元ではっきり、明るい口調で話しかけましょう。
また、見下されるのは、誰であっても不愉快なものです。

なるべく目線を合わせ、本人のプライドを傷つけないようにしましょう。

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認知症の方に怒るとダメな理由とは?

認知症患者に怒ってはいけない理由

認知症当事者は、認知機能は低下するものの、感情の機能は衰えません

よって、「なぜ怒られたのか」は理解できなくても、「怒られて怖かった・悲しかった」という記憶はしっかり残ります

このような負の感情は、認知症を悪化させる原因です。
したがって、家族や介助者は、本人にネガティブな感情を与える言葉は慎む必要があります。

家族が意識すること

認知症で家族が気を付けること

認知症当事者の家族や介助者が意識すべきこととは、「本人を尊重する」ことです。

認知機能が低下していても、感情やプライドは衰えていません。
意思をないがしろにされれば、本人はとても傷つきます。

家族や介助者は、本人にも意思があることを意識し、なるべくそれを尊重する言動を心がけてください。

●NG行為

  • モノ扱いする(声をかけずに下着をおろす・人前で排便の有無を確認する など)
  • 「どうせ分からないだろう」と本人の前で悪口を言う
  • 「お風呂に入れる」「~してあげる」と上から目線で話す

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認知症言ってはいけないことのまとめ

認知症,言ってはいけない

ここまで、認知症の方に言ってはいけない言葉を中心にお伝えしてきました。

  • 認知症当事者に言ってはいけない言葉は、「否定」や「怒り」の言葉
  • 「言ってはいけない言葉」に気をつけるべき理由は、悲しみや不安が本人の症状を悪化させるから
  • 認知症の症状別に接し方は異なるが、共通点は「受け入れて、理解を示す」こと
  • 家族や介助者は、本人を尊重することを意識しよう

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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