- 「母が何度も膀胱炎に。車椅子での外出は、天気が悪いと本当に地獄です」
- 「何度もトイレに行きたがるけれど、また膀胱炎だろうか……」
介護生活の中で、親御さんの繰り返す「おしっこの悩み」に頭を抱える方は少なくありません。特に高齢者は膀胱炎を繰り返しやすく、放置すると重症化するリスクもあるため、ご家族の負担や心配も大きくなります。
なぜ高齢者は膀胱炎を繰り返しやすいのか。そして、介護現場でできる予防策や、いざという時の無理のない通院方法について解説します。
なぜ高齢者は「膀胱炎」を繰り返しやすいのか?

膀胱炎は、尿道から侵入した細菌が膀胱内で増殖し、炎症を起こす病気です。排尿時の痛み、頻尿、尿の濁りといった症状が現れます。特に高齢の親御さんが膀胱炎を繰り返しやすいのには、いくつかの理由があります。
高齢女性は膀胱炎を繰り返しやすい
そもそも年齢を問わず、女性は尿道が短く、細菌が膀胱へ侵入しやすい解剖学的特徴があります。また、閉経後は女性ホルモン(エストロゲン)の低下により腟内細菌叢が変化し、防御機能も低下するため、膀胱炎を繰り返しやすくなります。
加齢による排尿機能の変化
高齢になると膀胱の収縮力が低下し、残尿が増えやすくなります。また、男性では前立腺肥大による排尿障害が起こりやすく、細菌が繁殖しやすい環境になります。
水分不足や排尿を我慢する習慣
高齢になると喉の渇きを感じにくくなり、水分摂取量が減る傾向があります。また、頻尿を避けようとして水分を控えたり、排尿を我慢したりする方もいます。尿量が減ると細菌を洗い流す機会が減り、膀胱炎のリスクが高まります。
介護の現場でできる!膀胱炎を繰り返さないための予防とケア
膀胱炎を予防するためには、日々の生活の中で細菌を増やさない・洗い流す工夫が大切です。
水分補給の工夫
高齢者はトイレを気にして水分を控えがちです。お茶の時間を作ったり、スープやゼリーを活用したりして、こまめに水分を摂るよう促しましょう。十分な水分摂取によって適切な尿量が保たれると、尿路内の細菌が排出されやすくなります。ただし心不全や腎臓病などで水分制限の指示を受けている方は、主治医の指示に従ってください。
定期的なトイレへの声かけ
介護者に遠慮してトイレを我慢してしまうことも少なくありません。我慢すると膀胱内で細菌が繁殖しやすくなります。時間を決めて優しくトイレに誘うなど、排尿の機会を確保しましょう。
陰部の清潔を保つ
排便後は「前から後ろ」へ拭くのが基本です。女性は細菌が侵入しやすいため、オムツ交換や入浴の際も清潔な状態を保つよう心がけましょう。
抗生物質は最後まで飲み切る
膀胱炎では、症状が改善しても細菌が残っていることがあります。抗生物質は3〜7日程度処方されることが多いですが、男性や高齢者、基礎疾患がある方ではより長期間の治療が必要になる場合もあります。自己判断で中止せず、最後まで飲み切ることが再発予防で重要です。予防として漢方薬などを併用することもあります。
急な排尿トラブルが起きたら。早めの受診と通院の選択肢

頻尿や排尿時の痛みがみられたら、「いつものことだから」と放置せず、早めに泌尿器科や内科を受診することが大切です。発熱や背中の痛みを伴う場合は、細菌が腎臓まで達している可能性があり、早急な治療が必要です。
通院には、大きく分けて「対面診療」と「オンライン診療」の2つの方法があります。状況に合わせて上手に使い分けましょう。
直接クリニックへ行く「対面診療」
クリニックではその場で尿検査ができ、確実な診断に繋がるのが強みです。初めての症状や、発熱・強い腰の痛み、食欲の低下などの症状がある場合は、まず対面診療を受診しましょう。
自宅で診察を受ける「オンライン診療」
悪天候の日や車椅子での移動が難しい場合には、まずオンライン診療で相談する方法もあります。症状がはっきりしている場合は事前の丁寧な問診とビデオ通話を通じて診断可能なケースがあります。ただし、特に症状が強い場合や繰り返す場合、高齢者では対面診療が必要となることがあります。
膀胱炎は適切な治療を受ければ改善することが多い病気です。介護をされるご家族の負担も考慮しながら、無理のない通院方法を選んでみてくださいね。
土日祝含む年中無休、早朝6時から24時まで幅広い時間で、初診からのオンライン診療を提供している総合クリニックです。12もの診療科(内科・皮膚科・睡眠外来・漢方外来など)を、安心の保険診療価格で受診することができます。最短翌日に届く、お薬の自宅配送も可能です。
「うちの親のこういう症状、画面越しでも診てもらえる?」「介護の合間に自分の不調を相談したいけれど……」など、皆様のリアルなお悩みをコメント欄にて募集します。今後の連載の中で、当院の医師が丁寧にお答えしていきます。

市川 峰大 先生
所属:患者目線のクリニック
滋賀医科大学医学部卒業後、大阪公立大学医学部附属病院および関連病院にて、急性期医療から慢性期・在宅医療まで幅広い内科診療に従事。
現在は内科医として診療を行う傍ら、ヘルスケア業界の事業開発支援に取り組むほか、株式会社ウェルネスに参画し、パーソナルドクターとして予防医療・生活習慣改善支援にも従事。
「患者目線のクリニック」では、内科や泌尿器科のオンライン診療を担当。生活習慣病、未病領域を中心に、患者一人ひとりの背景や行動変容を踏まえた伴走型医療に取り組んでいる。 日本専門医機構認定 内科専門医。日本腎臓学会認定 腎臓専門医。


コメント