「胃カメラや大腸カメラは苦しそうだから受けたくない」「健康診断ではいつもバリウム検査を選んでいる」という方は多いのではないでしょうか。
毎年7月14日は「内視鏡の日」です。
がんをはじめとする消化器疾患の早期発見において、内視鏡検査は現代医療に欠かせない極めて重要な役割を担っています。
また、近年の技術進歩によって「苦しくない内視鏡検査」も一般化しつつあります。
本記事では、内視鏡の日の由来をはじめ、内視鏡検査でわかる病気、多くの人が悩む「バリウム検査との違い」、検査の流れや費用、最新の医療トレンドまでを網羅して解説します。
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7月14日「内視鏡の日」の由来

「内視鏡の日」は、「内(7)視(1)鏡(4)」の語呂合わせから、公益財団法人 日本内視鏡医学研究振興財団によって制定されました。
内視鏡医学の発展と、一般の方々へ内視鏡検査の正しい理解を促し、普及させることを目的としています。
実は、現在世界中で広く使用されている「胃カメラ(軟性内視鏡)」の原型は、日本の医師と技術者(オリンパス社)によって世界で初めて開発・実用化されたものです。
現在でも日本企業が世界の内視鏡市場で圧倒的なシェアを誇っており、日本は名実ともに「内視鏡先進国」と言えます。
この記念日は、日本の優れた医療技術の歴史を再確認する日でもあるのです。
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内視鏡検査で何がわかる?早期発見できる重大な病気
内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)の最大のメリットは、「粘膜の表面を直接、高精細なカラー画像で観察できる点」にあります。
これにより、以下のような自覚症状のない初期の重大な病気を見つけることができます。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)でわかる病気
- 早期胃がん・食道がん: 初期のがんは平坦で色がわずかに違うだけの場合が多く、内視鏡でなければ発見が困難です。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍: 粘膜が深く傷ついている状態を確認し、出血があればその場で止血処置も行えます。
- 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流して炎症を起こしている範囲や重症度を診断します。
- ピロリ菌感染症: 胃がんのリスクを高めるピロリ菌による粘膜の萎縮度合いを確認します。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)でわかる病気
- 大腸がん: 日本人の罹患数が多い大腸がんを早期に発見します。
- 大腸ポリープ: がん化する前の「良性のポリープ」を発見し、その場で切除(日帰り手術)することで、大腸がんの発症そのものを未然に予防できます。
- 潰瘍性大腸炎など: 慢性的な下痢や血便の原因となる炎症性腸疾患の診断に不可欠です。
どっちを選ぶべき?「バリウム検査」と「胃カメラ検査」の違い
会社の定期健康診断や人間ドックの際、胃の検査として「バリウム(胃部X線検査)」か「胃カメラ」のどちらにするか選択を迫られることがよくあります。
これらは検査の方法も得意分野も全く異なります。
バリウム検査の特徴
バリウム(造影剤)と胃を膨らませる発泡剤を飲み、レントゲンを連続撮影して、胃の形や凹凸、全体のシルエットを影絵のように写し出す検査です。
- メリット: 検査時間が短い、費用が比較的安価、胃全体の形や動き(狭窄など)を把握しやすい。
- デメリット: 放射線被ばくがある、便秘になりやすい、微細な色調の変化や平坦ながんを見落とすリスクがある。もし異常が見つかった場合は、結局のちほど「胃カメラによる再検査(精密検査)」が必要になる。
胃カメラ検査の特徴
細い管(スコープ)を口や鼻から直接挿入し、胃の内部の粘膜をモニターでリアルタイムに観察する検査です。
- メリット: 粘膜の色調変化や数ミリ単位の微細な早期がんを発見できる。疑わしい病変があれば、その場で組織を採取(生検)して精密検査に回せる。被ばくがない。
- デメリット: バリウムに比べて費用が高め、挿入時に特有の苦しさ(嘔吐反射など)を伴うことがある(※対策は後述)。
こちらの記事もチェック! バリウム検査で具体的にどのようなことが分かり、受ける際にどのような注意点があるのか、胃カメラとのより詳細な比較については、健達ねっとの以下の記事をぜひ参考にしてください。

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初めてでも安心!健康診断の「胃カメラ検査」の流れ・費用・注意点
「胃カメラを受けてみたいけれど、具体的にどんなことをするのか分からなくて不安」という方のために、一般的な検査の流れや費用、注意点をまとめました。
胃カメラ検査の一般的な流れ
- 前日からの準備: 前日の夜(通常は21時以降)から絶食し、当日の朝も水分摂取を制限(水や白湯は少量ならOKな場合が多い)して胃の中を空っぽにします。
- 前処置: 胃の中の泡を消す消泡剤を飲み、喉や鼻に局所麻酔(スプレーやゼリー)を施します。
- 検査施行: 検査台に横になり、スコープを挿入します。検査自体はおよそ5〜10分程度で終了します。
- 結果説明: 組織採取を行わなかった場合は、当日すぐに画像を見ながら医師から説明を受けられます。
スコープの挿入ルート(経口 vs 経鼻)
現在、胃カメラの挿入ルートは大きく分けて2種類あります。
- 経口内視鏡(口から): 従来のルートです。スコープが舌の付け根に触れるため「オエッ」となる嘔吐反射が起きやすいですが、スコープが太いぶん画質が非常に良く、精密な処置に向いています。
- 経鼻内視鏡(鼻から): 非常に細いスコープを鼻から通します。舌の根元に触れないため嘔吐反射がほとんどなく、検査中も医師と会話ができるほど負担が少ないのが特徴です。
費用相場
- 健康診断・人間ドック(任意・予防目的): 全額自己負担となり、概ね10,000円〜20,000円前後(医療機関や施設により異なる)が相場です。
- 保険適用(症状がある場合や再検査): みぞおちの痛みや便潜血陽性などの症状があり、医師が必要と認めて保険診療(3割負担)で行う場合は、約5,000円〜10,000円程度(組織採取の有無による)となります。
こちらの記事もチェック! 胃カメラ検査のより具体的な前処置の内容や、前日・当日の詳細な食事制限のルール、検査後の過ごし方の注意点について知りたい方は、こちらの解説記事をご覧ください。

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【最新トレンド】「苦しくない」内視鏡検査と進化するAI医療
内視鏡検査は日々進化しており、かつての「辛くて苦しい検査」というイメージは過去のものになりつつあります。
最新の医療現場におけるトレンドをご紹介します。
鎮静剤(静脈麻酔)を使用した「眠ったまま」の検査
点滴から少量の鎮静剤を注入し、うとうとと眠っているような状態で検査を受ける手法を取り入れるクリニックが急増しています。
「気づいたら終わっていた」というケースがほとんどで、検査に対する恐怖心が強い方や、過去にトラウマがある方に推奨されます。
AI(人工知能)による病変検出支援システム
最新の内視鏡システムには、AI(人工知能)が搭載されています。
医師が観察しているモニター画像をAIがリアルタイムで解析し、人間では見落としそうなほどかすかな粘膜の構造変化や、初期のがん・ポリープの可能性がある場所を瞬時に画面上でナビゲート(マーキング)します。
これにより、医師の経験値に依存しない、より見落としのない極めて精度の高い診断が可能になっています。
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内視鏡検査を受けるべき年齢と頻度の目安
胃がんや大腸がんは、40代以降から急激に罹患率(かかる確率)が上昇することが統計的に分かっています。
そのため、大きな自覚症状がなくても、40歳を迎えたら一度「人生初の胃カメラ・大腸カメラ」を受ける(ファースト内視鏡)ことを強くおすすめします。
一度受けて粘膜が綺麗(ピロリ菌もなし、ポリープもなし)であれば、次回は数年後で良いとされるケースが多いため、毎年怯える必要はありません。
まずはご自身の現状を知ることが大切です。
まとめ:7月14日の「内視鏡の日」を健康のターニングポイントに
消化器系のがんは、早期に発見できれば内視鏡手術だけで根治できる可能性が非常に高い病気です。
しかし、自覚症状が出てからでは進行してしまっているケースが少なくありません。
7月14日の「内視鏡の日」をきっかけに、健康診断でバリウム検査から胃カメラ検査へ切り替えてみる、あるいは、これまで避けていた内視鏡検査の予約を入れてみるなど、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
定期的な内視鏡検査こそが、未来の健やかな生活を守るための最も確実な投資です。
- 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
- 公益財団法人 日本内視鏡医学研究振興財団
- 国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」(最新がん罹患データ)
- 厚生労働省「がん検診」


