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トップページ>認知症を学ぶ>アルツハイマー型認知症>アルツハイマー病について|認知症との違いや症状・原因を解説

アルツハイマー病について|認知症との違いや症状・原因を解説

アルツハイマー病によって、日常生活を送るのも困難な高齢者の方がいます。
もし、周りにアルツハイマー病で苦しんでいる方がいたら、どのように対処すべきなのでしょうか?
今回はアルツハイマー病について、以下の項目を中心に解説します。

  • アルツハイマー病の症状
  • アルツハイマー病の原因
  • アルツハイマー病の治療法

アルツハイマー病について正しい知識を学び、適切な対処を行えるようになりましょう。

アルツハイマー病とは(認知症との違い)


アルツハイマー病とは、認知症の原因疾患の1つであり、アルツハイマー型認知症と呼ばれることもあります。
日本国内では約460万人、世界中では約4400万人以上の人が認知症を抱えており、世界的にも解決しなければならない病気です。

また、アメリカや日本などの先進国では、65歳以上の人口比率が増加しているため、高齢者数の増加に伴いアルツハイマー病の患者も増え続けています。
研究によって差異はありますが、認知症と呼ばれる症状の内、約50〜60%がこのアルツハイマー病です。

認知症には、血管性認知症やレビー小体型認知症など複数の種類があります。
このような他の認知症の症状よりも、アルツハイマー病では記憶障害や見当識障害の症状が顕著に見られます。

また、アルツハイマー病は長期間をかけて、徐々に病状が進行していく病気です。
人によって進行の速度には差異がありますが、完全に進行が終わるまで約5〜10年程かかるといわれています。

また、認知症について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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出典:認知症|心の病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

若年性認知症

65歳未満で発症する認知症を、若年性認知症といいます。

発症時期の違いがあるだけで、症状は記憶障害・判断力低下・幻覚妄想など、一般的な認知症と差異はありません。

若年性認知症は女性より男性の方が多く発症すると言われています。
働き盛りの男性が発症するということは、収入が減り、家庭の経済面に大きな影響を与えてしまいます。

若年性認知症の初期症状として物忘れや性格変化、計算能力低下などが見られます。
しかし、更年期障害や仕事のストレスと思い、発見が遅れることが多々あります。

「こんな若い時から認知症なんて・・・」と思わず、誰でも認知症になってしまうリスクがあることを理解しておきましょう。

出典:厚生労働省 若年性認知症ハンドブック(改訂版)

軽度認知障害

認知症の前段階を軽度認知障害(MCI)といいます。
軽度認知障害とは、記憶障害や意欲の低下などの症状が見られるが、認知機能全般的には大きな問題がなく、日常を過ごせている状態を指します。

認知症は「日常生活に支障をきたしている状態」をいいますので、軽度認知障害と分けることができます。
この段階では軽い症状であるため、自分では中々症状に気づけず、放置してしまい認知症へと進行するのです。

予防には早期の発見が大切です。
家事や仕事での失敗が増えてくるなど、少しでも違和感を感じたら、周囲の家族や病院へ早めに相談するようにしましょう。

出典:軽度認知症|e-ヘルスネット(厚生労働省)

アルツハイマー病の症状


ではいったいアルツハイマーにはどのような症状が現れるのでしょうか。
初期・中期・後期に分類し、詳しく解説していきます。

初期

アルツハイマー病は初期段階から、脳の記憶を司る海馬の損傷が始まります。

判断力の低下

まず、判断力の低下が見られるようになります。
具体的な例として、日時の取り違えやとっさに適切な言葉が出ないことなどが挙げられます。
また、料理のように手順や計画が必要な行為もうまく行えない場合があります。

記憶障害

最近の出来事ほどよく忘れてしまったり、物事を全体的に忘れてしまったりすことも特徴的です。
友人と遊ぶ約束を例にとって説明します。

加齢による自然な物忘れであれば、友人と遊ぶ約束自体は覚えており、集合場所や集合時間のみを忘れる事がほとんどです。
しかし、アルツハイマー病の場合、友人と遊ぶ約束そのものが記憶から抜け落ちてしまいます。

金銭面トラブル

また、お金の計算などが困難になり、お金の取り扱いや請求書の支払いにも問題が生じる事があります。
そのため、アルツハイマー病の方が認識していないところで、金銭的なトラブルが生じてしまう場合があります。

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実行機能障害

実行機能障害とは、物事を順序だてて実行することができなくなることを言います。
人は仕事や家事を行っている時、無意識に「どの作業を」「どのような順番で」と頭で考えながら動いています。

アルツハイマー病では、そのような計画と目標を立てることが難しくなり、生活に大きな支障をきたします。

被害妄想

被害妄想とは、実際に被害は受けていないのに、周囲の人から危害を加えられたと思い込んでしまうことを指します。
自身では妄想であると認識できず、周りから言われても受け入れることができません。

妄想に支配されてしまうと、他の物事を考えることができなくなり、さらに認知機能の低下、ADL(日常生活動作)低下を招いてしまうのです。

中期

アルツハイマー病の中期段階では、記憶障害がさらに悪化し、以下のような症状が現れます。

認知能力の異変

初期段階の時よりも、認知能力の低下が顕著になります。
例を挙げると、同じ質問を何度も繰り返してしまう、物をどこかに置き忘れ、なくしてしまうといった症状が現れます。

場所の認識ができない

また、アルツハイマー病の中期段階では場所の認識に関する異変も見られ始めます。
例えば、外出先で自宅への道順がわからなくなる、自宅でも部屋の場所がわからなくなってしまうといった症状が現れます。

そして、場所の認識に関する異変によって、二次的な問題が生じることもあります。
例えば、トイレに行けず失禁してしまう、家の場所がわからず徘徊してしまうなどの問題が起こってしまう場合があります。

幻覚や妄想癖

また、アルツハイマー病の中期症状として、幻覚が見えたり強い妄想癖が生じる事があります。
そのため、周りの人が見ていないものや、思っていないことについて強く言及し、周りの人を困惑させてしまうことがあります。

当たり前のことができない

アルツハイマー病が中期段階まで進行すると、日常生活で当たり前のようにできていたことができなくなっていきます。
そのため、「なぜこんなこともできないの?」と周囲から責められる場合もあり、自尊心を傷づけられる恐れがあります。

しかし、アルツハイマー病の中期段階では、言語能力の低下も見られるので、辛い気持ちを言葉として表現することができません。
そのため、ストレスを溜め込むことになり、抑うつなどの二次的な症状につながってしまう危険性もあります。

失語

アルツハイマー病が進行すると、人や物品の名前を思い出せなくなります。(健忘性失語)
忘れてしまうだけではなく、物品の名前を言い間違える「錯語」が見られるケースもあり、コミュニケーション面に大きく影響します。

ほかにも、言葉のオウム返しが頻回になる、全く話そうとしない(無言症)など、失語の症状は人によって様々です。

徘徊

見当識障害と記憶障害により、アルツハイマー病では「徘徊」もよく見られる症状です。
徘徊は下記のような原因・障害で起こると考えられています。

  • 建物の認識ができなくなる
  • 場所と自分の位置関係が分からなくなる(視空間障害)
  • 道順を忘れる(記憶障害)
  • せん妄・幻覚による

徘徊する人は不安感が強く、差し迫った感じでいることが多いです。
そのため無理に徘徊を止めるのではなく、落ち着いて話を聞いてあげるようにしましょう。

後期

アルツハイマー病が後期段階まで進行すると、人とコミュニケーションをとることができなくなり、自分の世話全てを介護者に任せるようになります。
そして、身体能力が著しく低下し、場合によってはベッド上でほとんどの時間を過ごすことになります。

また、栄養失調、皮膚感染症、排便・排尿障害、肺炎など、様々な症状が二次的に発生する場合があるため、医療支援が必要になる段階でもあります。
その一方、喜びや悲しみなどの感情は失われにくいとされるため、ご本人の気持ちを尊重して措置を行うことが大切です。

アルツハイマー病の予兆


それでは、いち早く気づくための予兆についても見ていきましょう。

物忘れ

アルツハイマーの予兆として、まず物忘れが挙げられます。
この物忘れは、アルツハイマー病の初期段階でも説明したように、老化による物忘れと異なります。
集合場所だけではなく、予定そのものを忘れてしまっている場合は、アルツハイマー病が原因である可能性があります。

また、以前は自分の頭で覚えられていた事を、他の物や人に記録してもらう事も、アルツハイマー病の予兆とされています。
例えば、記録するほどでもない事のメモや、家族に覚えておくように頼む行為などが挙げられます。

理解力低下

次に理解力の低下です。
アルツハイマー病になってしまうと、道具の使い方がわからない、計画をたてて物事を実行できないなどの症状が現れてきます。

以前はできていたはずの事を、できていないことに気がついた場合は、できるだけ早く病院で診断を受けさせるようにしましょう。
また、アルツハイマー病の方は、会話についていったり参加したりすることが困難になる場合があります。

具体的には、会話の途中で言葉が止まる、どうやって会話を続けていけば良いかわからなくなる、同じ会話を繰り返してしまうなどといった症状が見られます。

注意力散漫

次に注意力の散漫です。

アルツハイマー病になってしまうと、物の紛失、置き忘れといった症状が現れ、記憶を辿っても見つけることができない場合があります。
時には、他の人が盗んだと思いこんでしまうこともあるので、その様な症状が見られたらアルツハイマー病を疑うことも必要です。

また、集中力の低下に伴い、ある行動の完遂まで長い時間がかかる場合もあります。
日常的に行っている行動も、完了するまで時間がかかってしまうことがあるため、その様な時には診断を受けてみることが大切です。

精神不安定

精神が不安定な場合も、アルツハイマー病が原因である可能性があります。
アルツハイマー病になってしまうと、感情や人格の変化や、衝動的な行動が見られることがあります。

それに伴い、アルツハイマー病の方は、趣味の集まりへの参加や仕事など、社交的な活動をやめてしまう事があります。
もし、周りで人との関わりを渋ってしまう方がいたら、他のアルツハイマー病の予兆が見られないかどうかも観察してみましょう。

精神が不安定になる原因には、様々な事柄が考えられます。
しかし、アルツハイマー病も精神不安定の一因になることは把握しておきましょう。

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アルツハイマー病の原因・予防


それでは次にアルツハイマー病の原因や予防策を以下項目ごとに紹介します。

生活習慣病

近年の研究で、生活習慣病の患者、特に糖尿病がアルツハイマー病発症のリスクを高める事が明らかになっています。
糖尿病は脳の動脈硬化を促進し、脳の神経細胞にダメージを与えるため、認知症発症のリスク、そしてアルツハイマー病発症のリスクを高めます。

そのため、生活習慣病の予防が、アルツハイマー病の発症の予防につながります。
生活習慣病の予防には、ウォーキングなどの継続的な運動、アルコールの取り過ぎ防止、魚・野菜・果物・大豆製品の摂取などが効果的です。

高齢

アルツハイマー病を発症すると、脳の神経細胞が減少し、脳の中で記憶を司る海馬という組織を中心に脳全体が萎縮していきます。

その際、脳内に「老人斑」というシミが広がり、脳の神経細胞に糸くず状の「神経原線維変化」が見つかることが明らかになっています。
そのため、体質による起因を無視しても、65歳以下の方よりも、65歳以上の方はアルツハイマー症発症のリスクが高くなってしまいます。

65歳未満の方が発症する若年性アルツハイマー症は、アルツハイマー症全体の5%未満といわれており、95%以上は65歳以上の方による発症です。

遺伝

アルツハイマー症の研究が進む中で、遺伝子がアルツハイマー症の発症に重要な役割を果たしていることが明らかになってきました。
親や兄弟にアルツハイマー病を発症した方がいる場合、一親等にアルツハイマー病の方がいない人よりも、高い確率でアルツハイマー病を発症することがわかっています。

アルツハイマー病が家族性である原因は十分に解明されていませんが、遺伝、環境因子、生活様式などが影響していると考えられています。

特定の遺伝子が原因でアルツハイマー症が発症する場合は、65歳未満の方でも発症してしまう可能性が高く、65歳未満で発症するアルツハイマー症を若年性アルツハイマー症といいます。

そのため、アルツハイマー病の症状が見られても若いから大丈夫と思い込まず、家族や親戚にアルツハイマー病の方がいるかどうかを確認してみましょう。

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食事

アルツハイマー病の人の脳には、老人斑というシミが形成されています。
この老人斑は高血糖が原因と考えられています。

食事による糖質の取りすぎは、生活習慣病のリスクを高め、アルツハイマー病発症の原因となります。
アルツハイマー病を防ぐ食事として、魚料理・和食など、バランスよく栄養素を摂取できる料理が挙げられています。

ストレス

ストレスもアルツハイマー病の原因の1つです。
ストレスを溜めすぎてしまうとホルモンバランスが乱れ、脳の神経細胞に悪影響を及ぼすことが分かっています。

また、ストレスから発症するうつ病などの精神疾患も、アルツハイマー病の原因と考えられています。

歯周病

歯周病とアルツハイマー病がどう関係あるのかと、疑問に持つ人もいるでしょう。
最近の研究で、「歯周病の菌が老人斑から検出された」という報告もあります。

詳しいメカニズムは解明されていませんが、歯周病の菌が口から脳に入り込んだことが原因といわれています。
歯周病とアルツハイマー病の関連性が明らかになれば、新たな治療方法も見つかるかもしれません。

アルツハイマー病の診断方法


ではどのようにアルツハイマー病の診断をするのでしょうか。
疑いがある場合は早期発見が大切になるため、なるべく早いタイミングでかかりつけ医、または精神科、心療内科などに行きましょう。

その際、ご自身の医療情報や服薬状況を把握しているかかりつけ医の存在は、より重要になります。
それでは具体的に診療の様子を見ていきましょう。

問診

本人と家族に対していくつかの質問を行います
健康状態に関する情報や日常活動を行う能力、また行動および人格の変化についての質問がメインです。
ここでは、あらかじめ状況を整理してスムーズに会話ができるよう準備を済ませておくようにしましょう。

認知機能検査

記憶能力や問題解決能力、注意力、計算力および言語能力などがどの程度保たれているかの検査を行います。
ここから認知症以外の病気に対する疑いもかけます。

医学的検査

他の原因で問題が発生している可能性があるため、血液や尿検査などの医学的検査を行います。
内分泌検査や心電図検査も併せて行うこともあります。

CT・MRIなどの検査

脳の実際の形を調べるにはCTやMRI検査を行います。
脳の萎縮の状態や、脳梗塞・脳腫瘍などの病変がないかも確認します。
ここでアルツハイマー病と症状を引き起こすその他の原因との区別もはっきり行われます。

アルツハイマー病は治るの?


これまで長い期間、アルツハイマー病を確実に治す治療法は見つかっていませんでした。

また、アルツハイマー病は年単位で徐々に進行していきます。
そのため、早期発見することができると、薬物療法でアルツハイマー病の進行を抑えることができます。

しかし、薬は全ての人に必ず有効であるとは限らず、アルツハイマー病の病状自体を回復させるものではないので、認識には注意が必要です。

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アルツハイマー病への薬


周辺症状の治療に用いられる薬について解説します。
周辺症状の治療薬は、大きく分けてアクセル系とブレーキ系の2種類があります。

アクセル系

アクセル系の薬は、脳を活性化させることで、気力の回復を図る薬です
徘徊、妄想、抑うつ、意欲の低下に対して用いられます。

徘徊や妄想の原因の多くは、強い不安感や焦燥感によります。
アクセル系の薬では、元気が出るため、認知症の方が前向きに日常生活を送れるようになります。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、認知機能を改善する抗認知症薬です。
脳を活性化させる作用があるため、意欲の向上や気力の回復を期待できます。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬には、以下の3種類があります。

  • アリセプト
  • レミニール
  • イクセロンパッチ・リバスタッチ

抗うつ薬

抗うつ剤は、うつ病や抑うつ症状の治療薬です。
幸せホルモンや興奮ホルモンを分泌させることで、脳を活性化させます。

ブレーキ系

ブレーキ系の薬は、脳の神経バランスを整えることで、気持ちを穏やかにさせる薬です。
興奮、攻撃性、イライラなどの症状の方が対象です。

イライラや興奮が止むことで、認知症の方だけでなく、その家族のストレスも軽減されます。

 

アクセル系と同様に、ブレーキ系の薬にも3種類あります。
以下に3つのブレーキ系の薬を紹介します。

メマリー

メマリーは抗認知症薬の一種です。
脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、気持ちを穏やかにする作用があります。

一般的に、中度~重度の認知症の方に用いられるといわれています。
鎮静作用が強いため、暴力や攻撃性などの周辺症状の抑制にも有効です。

抗不安薬

抗不安薬は、向精神薬の一種で精神安定剤にあたります。
神経伝達物質に作用し、不安や緊張をやわらげる効果があります。
漠然とした不安感を解消し、気持ちを穏やかに保つのに役立ちます。

漢方薬

漢方薬の中でも、抑肝散が有名です。
興奮やイライラを抑制し、気持ちをリラックスさせる作用があります。
漢方薬のメリットは、医薬品に比べて副作用のリスクが少ないことです。

アルツハイマー病の方への対応


次に、万が一身の回りの方がアルツハイマー病を発症してしまった場合の対応の仕方をご紹介します。

本人の気持ちを最優先

アルツハイマー病は、後期段階でも述べたように、病状が進行した段階でも感情が失われにくい病気です。
そのため、周りの人たちが責めたり怒ったりしてしまうと、悪い影響を及ぼしてしまいます。

従って、アルツハイマー病の方と接する場合は、会話の中でその人を否定する言葉をあまり言わないように心がけましょう。
アルツハイマー病の方が、会話の中で間違ったことを言っていても、その場では間違いを訂正せず、肯定してあげることが大切です。

また、アルツハイマー病の方の介護や気遣いによって、介護者にも高いレベルの精神的ストレスや抑うつ状態が見られる場合があります。
そのため、アルツハイマー病の介護では、介護者自身もストレス解消の方法を確立しておくことが大切です。

環境を整える

アルツハイマー病の方を介護する事は、肉体的、精神的、経済的にとても大変なものです。
そのため、家族が一丸となり手分けをしながら、アルツハイマー病の方にとってストレスの少ない環境を作り出すことが大切です。

また、支援グループに介護の手助け、相談をしてもらうことも、円滑な介護には大切です。
経済的な余裕がある場合は、アルツハイマー病の方を介護施設や高齢者専用住宅に入所させることも一つの手段です。

アルツハイマー型認知症の方の寿命

疑問
アルツハイマー病は進行性の病気です。
進行していくと脳の神経細胞が破壊され、症状が悪化し命に関わってきます。

アルツハイマー病発症後の平均寿命は5~12年と言われています。
近年ではアルツハイマー病が日本人の死因として、上位に挙げられたこともあります。

認知機能が低下していくと、最終的には寝たきりとなり介護なしでは生活が難しい状態となります。
寝たきりから肺炎など合併症を引き起こし、死に至るケースも少なくありません。

ただ、アルツハイマー病の進行は人によって速度に違いが生じます。

早期発見できたか、どのような介護生活を送ったのか、様々な要因で予後は短くもなり、長くもなります。
よい介護をするためには、家族も病気についてよく理解し、根気強くサポートしていくことが大切です。

アルツハイマー型認知症の薬


アルツハイマー病の根本的な治療方法は、いまだ見つかっていません。
症状進行を遅らせる、または改善させる目的で薬物治療が行われています。

ここでは、薬物治療の効果、新薬、薬の副作用について解説していきます。

アルツハイマー病の薬の効果

アルツハイマーの治療には、主に2つの薬剤が使用されています。

  • アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
  • NMDA受容体拮抗剤

これらの薬は神経物質の減少・破壊を防ぐ効果があり、症状進行を遅らせることが期待できます。
薬の形態として、皮膚に貼るパッチ製剤、錠剤や口腔内崩壊錠などがあり、その患者に適したものが使われます。

中核症状以外にも、うつや不安感といった精神症状がある場合は、精神薬を使用することもあります。

アルツハイマー型認知症の方の新薬

アルツハイマー病の新薬として注目が集まっている、「アデュカヌマブ」という薬があります。
アデュカヌマブは日本の製薬会社エーザイと、アメリカのバイオシェンという会社が共同で開発した薬です。

アルツハイマー病の原因物質を脳から取り除く効果があるとされており、日本でも承認に向け議論が行われていました。
その後、効果が確立されていないと、日本での承認は見送られましたが、今後も議論は続けられるとのことです。

アルツハイマー病の薬の副作用

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、NMDA受容体拮抗剤には下記の副作用が起こる可能性があります。

  • 消化器症状(吐き気、下痢、便秘など)
  • ふらつき、めまい
  • 血圧上昇
  • 食欲不振
  • 精神症状(イライラ、興奮状態など)

特に、服用をはじめた頃に副作用が出現しやすいと言われています。
副作用の強さによっては、薬の量を減らす、服薬回数を調整するなどして対応します。

アルツハイマー病の人は、自分で薬を管理できなかったり、飲み忘れたりすることがあります。
そうした問題を防ぐため、服薬カレンダーを使う・家族の人に薬を管理してもらうといった対策が取られています。

アルツハイマーになりやすい人


アルツハイマー病の6割程度は、遺伝的な要因が原因であるといわれています。
とはいえ、必ずしも遺伝で発症するとはいえません。

後天的な理由、生活習慣(食事・ストレス)などが原因で発症する人も多くいます。
普段から乱れた食生活をしていて、ストレスを強くため込んでいるような人は、アルツハイマー病になりやすい、と捉えることもできます。

また、性格が内向的で、人との交流がなく、刺激の少ない生活をしている人は、認知症のリスクが高いとも言われています。
だからといって、無理に性格を変える、生活習慣を変えることは、ストレスがたまり逆効果になるかもしれません。

まずは何か趣味を見つける、1人でもできる軽いスポーツをはじめるなど、可能な範囲で活動性を上げるのが良いでしょう。

アルツハイマーの絵(ラクダテスト)


アルツハイマー病かどうかを判定できるとして、「ラクダテスト」というだまし絵が話題になりました。
これは、たくさんの動物が集まっている絵の中から、ラクダを見つけることができれば認知症の可能性が低い、と言われているものです。

確かに、アルツハイマーの人がだまし絵の中からラクダを見つけることは難しいかもしれません。
ですが、ラクダを見つけられないからといって、すぐにアルツハイマーだと判定してしまうのは誤りです。

アルツハイマー病の診断は医師が行うものです。
ラクダテストは参考程度に捉え、症状を不安に思う人は、医療機関を受診し、正しい診察を受けるようにしましょう。

アルツハイマー型認知症の進行速度


アルツハイマー病は徐々に進行していく病気です。
その進行速度は人によって違ってきます。

場合によっては一気に症状が悪化することもあります。
そうならないために重要なのが、「環境作り」であると言われています。

アルツハイマー病の進行速度を遅らせるには、下記の環境が大事だといいます。

  • 適切な治療が受けられる環境
  • より良い介護が受けられる環境
  • 本人が安心して生活できる環境

ですが、病院や介護施設などに入り、生活環境が変わったことで急激に症状が進行するケースもあります。

どうしても病院や介護施設にいると、臥床時間が長くなりがちです。
臥床していて日々の刺激が減り、考える機会が失われると認知症は一気に進行してしまいます。

そのため病院ではリハビリを行う、離床時間や活動時間を設けるなど、対策を行っているのです。

アルツハイマーチェック


アルツハイマー協会は「アルツハイマー病 注意すべき10のポイント」というチェック項目を作っています。

①日常生活に支障をもたらす程度の記憶消失はないか

②計画を立てる能力、あるいは数字を扱う能力に変化はないか

③自宅・職場・レジャーの場で慣れていた作業を完了するのが困難になっていないか

④日付、時間、季節の経過を忘れていないか

⑤距離感を間違う、色やコントラストを見間違うことはないか

⑥会話が途中で止まる、会話を続けるのが困難など、会話について困難な問題はないか

⑦忘れ物が頻回、記憶をたどることが難しくなっていないか

⑧判断力・決断力が低下していないか。身なりの清潔さに気を使わなくなっていないか

⑨仕事・趣味・あるいは社会活動を辞めてしまっていないか

⑩気分および性格の変化はないか

出典:アルツハイマー協会『注意すべき10のポイント

項目にある症状は、いずれもアルツハイマー病の初期症状となります。
アルツハイマー協会では、これらの徴候が見られた場合は、医師の診察を受けるように推奨しています。

アルツハイマー型認知症の看護


最近では、アルツハイマー型認知症の新たな看護介護ケアとして、「ユマニチュード」が注目されてきています。
ユマニチュードとはフランスの言葉であり、「人間らしさを取り戻す」という意味を持ちます。

ユマニチュードは、次の4つを基本とする看護介護技法です。

  • 見る:相手の立場にななって対等に物事を見る
  • 話す:命令口調は使わない、前向きな言葉を選んで使うようにする
  • 触れる:敏感ではない部分から、時間をかけてゆっくり触れるよう介護する
  • 立つ:立つ時間、離床時間を設け寝たきりを防いでいく

相手を尊重して看護・介護ケアを行うことで、認知症の人の不安感や緊張感を軽減することができます。
そして、話す・触れるなどのコミュニケーションをケア場面に取り入れることで、認知症の進行を抑制する効果も期待できます。

アルツハイマー病のまとめ


ここまでアルツハイマー病について、病状、原因、治療法などを中心にお伝えしてきました。
要点は以下の通りです。

  • アルツハイマー病では記憶障害や見当識障害の症状が見られる
  • アルツハイマー病の症状は初期、中期、後期の3段階に分かれ、年単位でゆっくり進行する
  • アルツハイマー病の原因には生活習慣病、加齢、遺伝が挙げられる
  • アルツハイマー病を治療する「リロード法」、病状を抑制する薬が存在する

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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