99歳の日本人と100歳のタイ人のおばあちゃん

土橋 壮之
土橋 壮之QLS(THAILAND)CO., LTD代表

介護福祉士の土橋壮之(つちはしまさゆき)と申します。

みなさんからは「ツッチー」とか「ツッチーさん」と呼ばれています。気軽にそう呼んでいただけたら嬉しいです!

タイ北部・チェンライで、介護施設「ひだまりホーム」を運営しています。

目次

日本人のおばあちゃんが入居

先日、ひだまりホームに99歳の日本人のおばあちゃんが入居されました。

今、ひだまりホームには、日本語を話せる人が僕も含めて3人いますが、
この後すぐに僕は出張に行くことになっていました。

「大丈夫かなー」

僕も心配で、飛行機の時間ぎりぎりまで対応していました。

入居して数時間は、

「帰りたい」
「ここはどこ?」
「迷子になっちゃった」

と話していました。

慣れない場所ですし、周りにいるのはタイ人スタッフ。

不安になるのは当然ですよね。

奇跡の会話

ところが、しばらくしたら、
99歳の日本人のおばあちゃんと、100歳のタイ人のおばあちゃんが、めちゃめちゃ喋っているんです。

日本人のおばあちゃんは日本語。
タイ人のおばあちゃんはタイ語。

しかも、二人とも耳が遠いので、

日本語で全然違う話をする
 ↓
タイ語で全然違う話が返ってくる
 ↓
また日本語で返す

と、まったく噛み合っていない会話が延々と続いている(笑)
でもときどき奇跡的に噛み合っている(笑)

まるでドリフのコントを見ているような展開に!

「これは奇跡が起こった!」

おかげで、安心して出張に行けました。

言葉が通じなくても、話の内容が合っていなくても、二人の間にはちゃんと会話が成立している。

正確には、「一緒に話している時間」が成立しているのかもしれません。

タイ人スタッフが日本語を?

そして……出張から戻ってくると、おばあちゃんはすっかり施設に馴染んでいました。

「帰りたい」と言っていたのが嘘のように、タイ人スタッフと一緒に過ごしています。

ご飯も口に合うか心配でしたが、普通にタイの料理を食べながら、
「いいお味だこと」
と言っている。

上品な方なんですね。
思わず笑ってしまいました。

すごくびっくりしたのが、日本語を話せないタイ人スタッフが、
「オハヨウゴザイマス」
「〇〇サン」
と簡単な日本語を話していたこと。

なんと、おばあちゃんが安心する日本語の言葉をいくつか見つけて、それをスタッフ同士で共有していたそうです。

タイ人スタッフが、日本語で声をかけている。

発音は完璧ではありません。
でも、一生懸命に伝えようとしていることは、おばあちゃんにもきっと伝わっているんだと思います。

僕がいない間に、現場が自分たちで考えて、工夫して、ちゃんと回っていた。

それが、何より嬉しかったです。

仕組みにしない仕組み。
再現性のない再現性。

その場にいる人が、その場にあるもので考えて、工夫して、乗り越えていく。

こういうのも、介護なんだろうなと思います。

本入居へ

この方は、もともと2週間のショートステイの予定でした。

でも、ひだまりホームでの生活にすっかり馴染んでくれたこともあり、そのまま本入居になりました。

タイに住むご家族が、日本で一人暮らしをされていたお母さまを心配して、こちらに呼び寄せたという経緯です。

海外で働く日本人として、海外で暮らす日本人の方や、そのご家族のお力になれる機会ができたことを、嬉しく思っています。

人間って、素敵

99歳の日本人のおばあちゃんと、100歳のタイ人のおばあちゃん。

日本語とタイ語で、今日も二人は話しています。

たぶん、今日もあまり話は噛み合っていません(笑)
いや、奇跡的に噛み合ってるのかも。

まあいいんです。
なんだかちゃんとつながっている。

その様子を見ていると、

人間って、素敵だなと思いました。

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筆者プロフィール

土橋 壮之
QLS(THAILAND)CO., LTD代表
土橋 壮之
TVCM業界からひょんなことをきっかけに介護の仕事に転身。日本、イギリス、そしてベトナムへ、世界の介護現場を回る旅に出る。
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土橋 壮之
土橋 壮之
QLS(THAILAND)CO., LTD代表
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