子育てと親の介護が同時に発生する「ダブルケア」は、晩婚化や少子高齢化が進む日本で年々深刻な課題となっています。ダブルケアが起こる背景や直面しやすい問題、精神的・経済的負担を軽減するための具体的な対策を解説します。
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ダブルケアとは?起こる背景と実態
ダブルケアとは、子育て(育児)と親や義親などの介護を同時に行っている状態を指します。広義には、複数の親の介護が重なる場合や、自身の病気療養と育児・介護が重なる状態を含めることもあります。ダブルケアを担う人は「ダブルケアラー」と呼ばれます。
ダブルケアが発生・増加する主な理由
- 晩婚化・高齢出産化(女性の初産年齢が上がり、30代後半〜40代で子育てをしている時期と、70代〜80代を迎えた親の介護期が重なりやすくなっている)
- 少子化・核家族化(兄弟姉妹の数が少なくなったことで、介護の負担を分散できる親族が身近にいない)
- 親族・地域関係の希薄化(頼れる身内や近所のサポートが得られず、特定の個人にケア負担が集中する)
ダブルケアの実態と特徴
内閣府の調査によると、ダブルケアラーの推計人口は約25万人に上ります。当事者の男女比では女性が約3分の2を占めており、年代別では30代〜40代の働き盛り世代が全体の約8割を占めます。
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ダブルケアが及ぼす4つの大きな影響
1. 女性への負担の集中
「育児や介護は女性が担うもの」という性別役割分担意識が残る家庭では、女性へ一方的に負担が偏りやすくなります。配偶者など家族からのサポートを得られにくいケースも少なくありません。
2. 離職や減収入のリスク(経済的打撃)
仕事とダブルケアの両立が行き詰まり、離職を選択せざるを得なくなるケースがあります。離職に至らない場合でも、非常勤・パートへ切り替えたり労働時間を短縮したりすることで世帯収入が減少します。
3. 社会的な孤立
行政の相談窓口は、子育て(児童福祉)と介護(高齢者福祉)で縦割りになっていることが一般的です。一括して相談できる窓口が少ないため、当事者がどこに頼ればよいか分からず孤立しやすくなります。
4. 心身の疲労(育児うつ・介護うつ)
乳幼児のお世話と夜間の介護が重なることで慢性的な睡眠不足と疲労が蓄積し、精神的に追い詰められやすくなります。
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ダブルケアの負担を軽減する7つの対策
- 家族・親族と早めに話し合う(介護が本格化する前に、費用分担や協力体制を話し合っておく)
- 地域包括支援センターや子育て窓口に早期相談する(介護面は地域包括支援センター、育児面は自治体の子育て相談窓口へ速やかに連携を求める)
- 介護保険サービス・一時保育を導入する(デイサービスやショートステイ、保育園の一時預かりを活用してレスパイトの時間を確保する)
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- 勤務先の支援制度を利用する(介護休業や時短勤務制度等を活用し、両立体制を整える時間を確保する)
- 当事者コミュニティに参加する(同じ境遇のダブルケアラーが集まる交流会やSNSコミュニティで情報交換や悩み共有を行う)
- 経済面の見通しを立てておく(親の年金・貯蓄の範囲内で介護サービスを組み立て、自身の教育費や生活費を圧迫しすぎないように計画する)
- 家事の簡略化と手抜きを受け入れる(家事代行サービスや時短家電を積極的に取り入れ、完璧主義を捨てる)
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ダブルケアを行う女性の就業スタイル
ダブルケア当事者の女性の多くは仕事を継続したい意向を持っています。時間的制約が大きいことから、パートやアルバイト、派遣社員などの非正規雇用で柔軟な働き方を選択・希望する傾向が見られます。育児や介護と両立しやすい雇用環境の整備が今後ますます重要となります。
子育てと介護が重なるダブルケアは、決して一人で抱え込めるものではありません。自分一人で乗り切ろうとせず、早期に家族や行政、介護・育児サービスを頼り、持続可能な生活体制を作っていきましょう。


