- 「急に胸がドクンと跳ねる」と感じたことがある
- 「最近、動悸や息切れが気になる」と感じたことがある
不整脈は加齢とともに増える症状ですが、放置すると脳梗塞や心不全、さらには突然死を引き起こす危険なタイプも存在します。一方で、不整脈の多くはストレスや睡眠不足、偏った食生活、不適切な運動などの生活習慣を見直すことで予防・改善が可能です。
本記事では、不整脈の基礎知識から引き起こされる主な原因、日常生活で実践できる5つの予防法、不整脈をお持ちの方の正しい運動アプローチ、病院を受診すべき危険信号まで詳しく解説します。

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不整脈とは?知っておくべき3つのタイプ
不整脈とは、何らかの理由によって心拍のリズムが正常(安静時で1分間に60〜100回)から外れて不規則になる状態を指します。
心臓は電気信号によって規則正しく伸縮していますが、電気の発生源や通り道にトラブルが起きることで発生します。不整脈は大きく以下の3つのタイプに分けられます。
不整脈の3つの分類
| 分類 | 状態・心拍数 | 主な自覚症状 |
|---|---|---|
| 頻脈(ひんみゃく) | 心拍数が異常に速くなる(1分間100回以上)。 | 「胸が激しくドキドキする」「ハァハァと息苦しい」「めまい」 |
| 徐脈(じょみゃく) | 心拍数が異常に遅くなる(1分間50回以下)。 | 「強いだるさ・疲労感」「体が重い」「フラつき・立ちくらみ」「失神」 |
| 期外収縮(きがいしゅうしゅく) | 規則正しい脈の中に1拍だけ早い脈が紛れ込む。 | 「胸が一瞬ドクンとする」「脈が1拍飛ぶ・抜ける」 |
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不整脈を引き起こす主な原因
不整脈は1つの要因だけでなく、様々な要素が重なって発生します。主な原因は以下の通りです。
加齢に伴う心機能の変化
年齢を重ねると、心臓の電気刺激を作り出す細胞や伝達ルートが徐々に老化・変性します。そのため、30代・40代以降から不整脈の発生頻度が徐々に高くなっていきます。
自律神経の乱れ(ストレス・過労・睡眠不足)
心臓の脈拍は自律神経(交感神経・副交感神経)によって調整されています。
仕事や家庭でのストレス、過労、不規則な生活によって「交感神経」が過剰に優位になると、脈拍が乱れやすくなり期外収縮や頻脈を引き起こします。
肥満と高血圧・生活習慣病
肥満体型になると、全身に血液を行き渡らせるために心臓がより強い力で血液を押し出す必要があります。これにより血管に圧力がかかって高血圧となり、心臓の壁が厚くなったり(心拡大)、心筋に過度な負担がかかったりして不整脈のリスクが増大します。
基礎疾患(心臓疾患や甲状腺異常など)
- 心臓の病気:心筋梗塞、狭心症、心筋症、心臓弁膜症など
- 全身の病気:甲状腺機能亢進症(バセドウ病など。甲状腺ホルモン過剰により脈が速くなる)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など
薬剤の副作用
持病の治療薬(一部の降圧剤、抗うつ薬、抗生剤、市販の風邪薬など)や、不整脈を抑えるはずの抗不整脈薬自体が原因となって不整脈が誘発されるケース(催不整脈作用)があります。
今日から始める!不整脈を予防する5つの生活習慣
生活習慣に起因する不整脈は、日頃のアプローチによって予防・軽減することができます。
精神的ストレスを溜め込まずリフレッシュする
ストレスは交感神経を刺激して脈拍を乱す最大の敵です。
- ぬるめのお湯(38〜40℃)にゆったり浸かって副交感神経を高めること
- 趣味や外出、友人・家族との会話を楽しむこと
- 抗ストレスホルモンの生成を助ける「ビタミンC(果物・緑黄色野菜)」や、神経の興奮を抑える「カルシウム(乳製品・小魚)」を意識して摂ること
7〜8時間の十分な睡眠と睡眠の質の向上
睡眠不足は自律神経のバランスを崩します。単に時間を確保するだけでなく、「質の良い睡眠」を意識しましょう。
- 就寝前のスマートフォンやパソコン使用(ブルーライト)を避けること
- 夕方以降はカフェインやアルコールの摂取を控えること
- 就寝の2〜3時間前までに入浴・食事を済ませること
節酒・適切な飲酒量を守る(心房細動の予防)
多量のアルコールは交感神経を刺激し、心臓の上部が細かく震える「心房細動」のリスクを急増させます。
厚生労働省のガイドラインに基づき、1日あたりの純アルコール摂取量は「約20g(1〜2ドリンク)」に留めましょう。
- ビール(5%):中瓶1本・350ml缶1.5本(14〜20g)
- 日本酒(15%):1合(180ml)
- ワイン(12%):グラス2杯(約200ml)
- ウイスキー(40%):ダブル1杯(60ml)
※女性や高齢者はアルコール代謝能力が低いため、1日10g(上記の半分)程度に抑えることが推奨されます。
禁煙に取り組む
タバコに含まれるニコチンは血管を強く収縮させ、血圧と心拍数を急激に上昇させます。喫煙習慣がある方は、吸わない方に比べて不整脈(特に心房細動)の発症率が約1.5倍高くなると報告されています。突然死のリスクを減らすためにも禁煙を目指しましょう。
減塩とバランスの良い食事
塩分の過剰摂取は高血圧を引き起こし、血管・心臓を痛めます。
- カリウム・マグネシウムの摂取:体内の余分な塩分を排出する「カリウム(野菜・果物)」や、心筋の働きをスムーズにする「マグネシウム(大豆製品・海藻・ナッツ)」を積極的に摂取すること
- 不飽和脂肪酸(EPA・DHA):青魚に含まれるEPA・DHAは血液をサラサラにし、血管の炎症を防ぐこと
透析患者の方や腎機能が低下している方は、カリウムの過剰摂取が逆に危険な不整脈を引き起こすため、必ず医師の指示に従ってください。
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不整脈がある人でも「運動」して大丈夫?
「不整脈があったら運動は避けるべき?」と迷う方も多いですが、多くの場合、適度な運動は心臓の機能を維持・向上させるために推奨されています。
運動のメリット
適度な有酸素運動は、全身の血流を良くして血圧を下げ、自律神経の働きを整えます。これにより、かえって不整脈が出にくくなる効果(心臓リハビリテーション効果)が期待できます。
おすすめの運動と強度の目安
- 種目:ウォーキング、軽い水泳、サイクリング、ラジオ体操など
- 強度:「ややきついと感じるが、笑顔で人と会話ができるレベル」
- 時間:1日30〜60分、週3〜5日程度
【注意点】運動を中止・見合わせるべきケース
運動中に「激しい動悸」「胸の圧迫感や痛み」「めまい・強い息切れ」を感じた場合は、すぐに運動を中止して安静にしてください。すでに不整脈の診断を受けている方は、運動を始める前に必ずかかりつけ医へ相談しましょう。
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放置は厳禁!危険な不整脈の兆候とセルフチェック
不整脈の早期発見には、自分で脈を調べる「自己検脈(じこけんみゃく)」が有効です。
【1分でできる】正しい自己検脈のやり方
- 手の人差し指・中指・薬指の3本の指腹を揃えること
- 反対の手の親指側にある手首の関節(動脈が触れる場所)に軽く当てること
- 15秒間脈を数え、4倍して「1分間の心拍数」を出すこと(リズムが飛んでいないかも確認する)
危険なサイン(すぐに循環器内科へ!)
- 脈拍が安静時でも130回/分以上、または40回/分以下であること
- 脈拍のリズムが完全にバラバラで規則性がないこと(心房細動の疑い)
- 動悸とともに「目の前が真っ暗になる」「失神した・気を失いかけた」状態になること
- 階段の上り下りで強い息切れや胸の痛みが走ること
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不整脈の検査と最新の治療選択肢
医療機関(循環器内科)では、不整脈の種類や緊急性を判定するために以下の検査と治療が行われます。
主な検査方法
- 12誘導心電図検査:短時間での心拍リズムを記録する基本検査
- 24時間ホルター心電計:小型の装置を装着し、日常生活中の不整脈を24時間記録すること
- 心エコー検査(超音波):心臓の大きさや動き、弁の状態を画像で調べること
現代の不整脈治療
- 薬物療法:脈を整える「抗不整脈薬」や、心房細動による脳梗塞を防ぐ「抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)」を服用すること
- カテーテルアブレーション治療:太ももの血管からカテーテルを挿入し、不整脈の発生源となる心筋をミリ単位で焼き切る(高周波術)または冷凍凝固・パルス電場等で遮断する術式。根治率が高く広く普及していること
- ペースメーカー / ICD(植え込み型除細動器):徐脈に対して電気で心拍を補ったり、致死性不整脈の際に自動で電気ショックを与えて突然死を防ぐこと
まとめ:正しい予防と早めの受診で安心の毎日を
不整脈は、適切な生活習慣と正しい医療ケアによってコントロールできる症状です。
- 不整脈は加齢・ストレス・睡眠不足・飲酒・喫煙・病気が複雑に関与すること
- ストレス管理、7〜8時間の睡眠、節酒・禁煙、減塩を徹底すること
- 適度な有酸素運動は心機能を高め予防に繋がること(医師へ要相談)
- 失神や激しい動悸、めまいがある場合は速やかに「循環器内科」を受診すること
日頃から「自己検脈」で自分の脈をチェックする習慣をつけ、気になる症状があれば躊躇せず専門医に相談しましょう。

