朝起きるのが辛い、急に立ち上がった時に立ちくらみやめまいがする……このような症状がある場合、低血圧が原因かもしれません。
高血圧に比べて軽視されがちな低血圧ですが、倦怠感や動悸、食欲不振など日常的な不調を引き起こす要因となります。
本記事では、低血圧の診断基準値、主な原因と分類、体に現れる症状、そして今日からできる改善方法や薬物療法までをわかりやすく解説します。
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血圧の仕組みと低血圧の基準値
血圧とは、心臓から押し出された血液が動脈の内側にかける圧力のことです。
心臓が収縮して血液を送り出すときの最も高い血圧を「収縮期血圧(上の血圧)」、拡張して血液を蓄えるときの最も低い血圧を「拡張期血圧(下の血圧)」と呼びます。

日本における低血圧の基準値
日本では高血圧のような厳格な診断基準は設定されていませんが、一般的に世界保健機関(WHO)の基準が用いられます。
- 収縮期血圧(上): 100mmHg以下
- 拡張期血圧(下): 60mmHg以下
主に「上の血圧が100mmHg以下」であり、立ちくらみや倦怠感などの自覚症状を伴う場合、低血圧症として対策や診療の対象となります。
症状がない場合は、数値が低くても治療の必要がないケースがほとんどです。
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低血圧の原因と3つの分類
低血圧は、発生する原因によって大きく3つのタイプに分類されます。
本態性(一次性)低血圧
特別な病気や原因が見当たらない慢性的な低血圧で、低血圧症全体の約9割を占めます。
体質や遺伝的な要素が強く影響していると考えられています。
症候性(二次性)低血圧
他の病気や怪我、薬剤の影響によって引き起こされる低血圧です。
- 主な原因疾患: 心疾患、大出血、甲状腺機能低下症、重度の貧血、がん末期など
起立性低血圧
横になった状態や座った状態から急に立ち上がった際、自律神経の調節が上手くいかず脳への血流が一時的に低下することで起こります。
朝礼で立ち続けているときに起きるめまいや失神もこの一種です。
※その他、アナフィラキシーショックや重度のアレルギー、急性アルコール中毒などで急激に血圧が下がる急性低血圧もあります。
低血圧によって起こる主な症状
低血圧になると全身に血液を行き渡らせる力が弱まるため、以下のような多様な症状が現れます。
- 脳循環の症状: 立ちくらみ、めまい、ふらつき、頭痛
- 循環器の症状: 動悸、息切れ、不整脈、胸の不快感
- 消化器の症状: 食欲不振、吐き気、腹痛(特に朝方に強く出やすい)
- その他の症状: 全身の強い倦怠感、朝起きられない、肩こり、顔色が悪い、冷え
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低血圧を改善するための5つの生活習慣
日々の生活習慣を意識して見直すことで、低血圧による辛い症状を和らげることができます。
1. 規則正しい生活と日光浴
毎日決まった時間に就寝・起床するリズムを作りましょう。
朝起きたら太陽の光を浴びることで、自律神経のスイッチが切り替わり、血圧のコントロールがスムーズになります。
2. バランスの良い食事と十分な水分補給
筋肉や血液のもととなる「タンパク質(肉・魚・大豆)」や、不足しがちなミネラル・ビタミン類を意識して摂取します。
また、1日1.2〜1.5リットルを目安にこまめに水分を摂ることで、循環血液量が増加し、低血圧の予防につながります。
3. 適度な運動でふくらはぎを鍛える
ウォーキングや階段の上り下りなどの運動は、血液を心臓へ押し戻すポンプロールを担う「ふくらはぎの筋肉」を鍛えるのに非常に効果的です。
4. 食後のコーヒー(カフェイン)の活用
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインには、自律神経を刺激して血圧を維持する効果があります。
食後に血圧が下がりやすい方は、食後に1杯のコーヒーを飲むのがおすすめです。ただし、摂りすぎは夜の睡眠を阻害するため注意しましょう。
5. アルコールの過剰摂取を控える
アルコールには血管を拡張させる作用があるため、血圧をさらに低下させてしまいます。
低血圧症状が強く出ているときは、飲酒を控えましょう。
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重い症状に対する「薬物療法」
生活習慣の改善だけでは症状が好転しない場合や、日常に支障をきたす重い低血圧に対しては、医師の診察のもと薬物療法が行われます。
- メトリジン(ミドドリン): 交感神経を刺激して末梢の血管を収縮させ、血圧の上昇
- リズミック(アメジニウム): 心臓からの血液排出量を増やし、血圧を上げる作用
- 漢方薬: 冷えや倦怠感に対する「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、めまいや頭痛に対する「五苓散(ごれいさん)」などの使用
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中高生に増えている「起立性調節障害」に注意
自律神経の調整機能がうまく働かないことで起こる「起立性調節障害(OD)」は、特に思春期(中高生)のお子さんに多く見られます。
厚生労働省の資料等によると、中学生・高校生の2割前後がこの症状に悩まされているとされています。
- 朝なかなか起きられない、午前中の強い怠さ
- たびたび起こる頭痛や腹痛、朝食の摂取不可
- 午後や夕方以降の体調回復
怠けやサボりと誤解されやすいですが、体の不調による症状です。
お子さんにこうした傾向が見られた場合は、無理に責めず、医療機関(小児科や心身医学科など)を受診させることが大切です。
低血圧の方が注意すべき「食べ物・飲み物」
血圧の急激な変動を防ぐため、以下の摂取には注意が必要です。
- カフェインや清涼飲料水の過剰摂取: 一時的に血圧が上がった反動による、その後の急速な血圧低下のリスク
- 極端な高糖質・高脂肪食: 食後に消化器官へ血液が集中しすぎることによる「食後低血圧」の誘発リスク
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低血圧についてのまとめ
本記事では、低血圧の基準値や改善方法について解説しました。要点は以下の通りです。
- 低血圧の一般的な基準は「最高血圧100mmHg以下、最低血圧60mmHg以下」とされること
- 立ちくらみ、めまい、動悸、朝の強い倦怠感などが主な症状であること
- 改善には、規則正しい生活、水分とタンパク質の補給、ふくらはぎを使う運動が効果的であること
- 中高生に多い「朝起きられない」症状は、起立性調節障害(低血圧の一種)の可能性があること
症状が長引く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、自己判断に頼らず医療機関(内科など)を受診しましょう。

