【最新版】記憶障害の種類とは?主な原因・加齢の物忘れとの違い・効果的なリハビリ法と予防策を徹底解説

  • 大切な約束をうっかり忘れてしまう
  • さっきまで話していた内容がすっかり抜け落ちてしまった
  • これって単なる歳のせい?それとも何かの病気?

年齢を重ねるにつれて物忘れが増えると、「自分や家族が認知症や記憶障害なのではないか」と不安になる方は少なくありません。

一言で「記憶障害」と言っても、数分前の事を忘れる短期記憶障害、思い出や知識を忘れるエピソード記憶障害・意味記憶障害、予定を忘れる展望記憶障害など様々です。

また、原因も加齢や認知症だけでなく、頭部外傷や脳卒中、過度のストレス、若年層の脳疲労(スマホ脳)まで多岐にわたります。

本記事では、記憶障害の定義や記憶のメカニズム、6つの記憶障害の種類と具体例、加齢による物忘れとの決定的な違い、引き起こす主な原因疾患、病院を受診すべき目安と検査・リハビリ方法、家庭でできる予防策まで分かりやすく徹底解説します。

目次

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1. 記憶障害とは?記憶の仕組みと「覚えられない」メカニズム

記憶とは、脳の中で単に情報を保存するだけでなく、「①記銘(覚える) ➔ ②保持(記憶を維持する) ➔ ③想起(思い出す)」という3つのステップを経て成り立っています。

このプロセスのいずれかに支障が生じ、日常生活に支障をきたしている状態を「記憶障害(きおくしょうがい)」と呼びます。

「覚えられない・思い出せない」の医学的な違い

「人の名前が思い出せない」という症状一つをとっても、脳内では以下のように原因が異なります。

  • 記銘の障害(覚えられない):相手の名前を聞いたその瞬間から脳に記憶として登録できていない状態(直後に復唱することも困難)
  • 保持の障害(維持できない):その場では覚えて復唱できても、数分〜数時間経つと脳内から情報がすっかり消えてしまう状態(海馬のダメージなどに多い)
  • 想起の障害(思い出せない):頭の中(大脳皮質)に情報は保管されているものの、検索して引っ張り出すことができない状態(「名前の頭文字」などのヒントを出されると思い出せる場合は、想起の障害であることが多い)

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2. 記憶障害の6つの種類と代表的な症状

記憶はその持続時間や内容によって分類され、障害される記憶の種類によって生活上の困難が異なります。

① 短期記憶障害(作動記憶・ワーキングメモリの低下)

数秒〜数分程度の短い時間だけ脳に留めておく記憶(短期記憶)が失われる障害です。

  • 具体例:今日の日付や曜日が分からない、さっき食べた食事の献立を忘れる、同じ質問や話を短時間で繰り返す、電話番号を聞いてメモするまでの忘却
  • 特徴:アルツハイマー型認知症の最初期に最も多く見られる

② 長期記憶障害

数日から数年、数十年以上にわたって脳に蓄積された記憶(長期記憶)が抜け落ちる障害です。

  • 具体例:自分の生年月日や住所、出身校、勤務していた会社、自分の家族や子どもの名前・顔の忘却

③ エピソード記憶障害(出来事記憶の障害)

自分が体験した出来事や思い出に関する記憶の障害です。

  • 具体例:「昨日、友人とレストランで食事をした」という体験そのものの忘却(単に献立を忘れるのではなく「行ったこと自体」を忘れるのが特徴)

④ 意味記憶障害(知識・言葉の意味の障害)

言葉の意味、物の名前、歴史的公実、一般常識などの「知識」に関する記憶の障害です。

  • 具体例:「りんご」を見せられても名前が出てこない、言葉の意味が理解できず会話が噛み合わない、「ハサミは何に使う道具か」の忘却

⑤ 手続き記憶障害(体で覚えた運動・技能の障害)

自転車の乗り方、泳ぎ方、楽器の演奏、料理や掃除の手順など、繰り返し練習して体で覚えた運動技能に関する記憶(手続き記憶)の障害です。

  • 特徴:認知症が進行しても手続き記憶は比較的最後まで保たれやすいとされているが、重度化すると包丁の使い方や衣服の着脱手順の忘却状態になる

⑥ 展望記憶障害(将来の予定に関する障害)

「未来の予定や約束」を覚えておき、指定された時間・タイミングで実行する記憶の障害です。

  • 具体例:病院の予約日時の忘却、食後の服薬の忘却、約束の時間への遅れ、買い物の目的の忘却
  • 特徴:時間管理や計画性(遂行機能)と密接に関わっており、仕事や社会的信用に直結するため、軽度認知障害(MCI)や若年層でも大きな問題となる

3. 記憶障害と「加齢による単なる物忘れ」の決定的な違い

「年齢のせいによる物忘れ」と「病的な記憶障害(認知症など)」は、似ているようで本質的に異なります。

加齢による物忘れと病的な記憶障害の違い

  • 加齢による物忘れ:体験の「一部」を忘れ(献立など)、ヒントがあれば思い出せる。忘れている自覚があり日常生活への影響も少ない
  • 病的な記憶障害:体験の「全体」を忘れ(食べたこと自体)、ヒントがあっても思い出せない。忘れている自覚がなく日常生活に大きな支障が出ます

特に、「体験そのものが頭からすっぽり抜け落ちている」「ヒントがあっても思い出せない」「自分は忘れていないと言い張る」場合は、病的な記憶障害を疑うべきサインです。

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4. 記憶障害を引き起こす主な原因と疾患

記憶障害は、高齢者の認知症だけでなく、様々な脳の病気や怪我、心的ストレスによって引き起こされます。

① 認知症(アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型など)

脳の神経細胞が壊れて萎縮することで生じます。

アルツハイマー型認知症では海馬から萎縮が始まるため「短期記憶障害」が初期から現れます。

脳血管性認知症では、脳梗塞や脳出血の部位によって斑(まだら)状に記憶障害が現れます。

② MCI(軽度認知障害)

健常な状態と認知症の中間に位置する段階です。

日常動作は自立していますが、同年代に比べて記憶力の低下が見られます。

早期に運動や生活改善に取り組むことで、健常状態へ回復する可能性があります

③ 高次脳機能障害(脳卒中・頭部外傷)

交通事故や転倒による「頭部外傷」や、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの「脳卒中」によって脳がダメージを受けると、後遺症として記憶障害や注意力低下が現れます。

若年層〜働き盛り世代にも多く見られます。

④ うつ病・ストレス(仮性認知症)

過度な精神的ストレスやうつ病、適応障害になると、脳内の神経伝達物質(セロトニン等)のバランスが崩れ、強い集中力低下とともに記憶障害のような症状が現れます。

認知症と酷似していますが、適切な抗うつ治療や休息によって改善可能です。

⑤ 20代〜40代の若年層で増える「若年性健忘症・脳疲労」

若い世代でも記憶障害が起こることがあります。

  • 脳疲労(スマホ脳):スマートフォンやPCからの過剰な情報入力(情報オーバーロード)により、脳の前頭前野が疲弊して記憶力や注意力が著しく低下する状態
  • 解離性健忘:強いトラウマや心理的ストレスから身を守るために、一時的に自分の記憶を消し去ってしまう心因性の記憶障害
  • 若年性認知症:64歳以下で発症する認知症

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5. 記憶障害のリハビリテーション方法

記憶障害に対しては、脳の活性化を図るとともに、残された機能を活かして生活の不便を補うリハビリ(認知リハビリテーション)が行われます。

① 回想法(リミニセンス療法)

昔の懐かしい写真、音楽、思い出の品に触れながら人生の体験を語り合う手法です。

長期記憶(昔の記憶)を刺激することで心が安定し、脳の活性化や発語の増加につながります。

② 作業療法(日常生活動作訓練)

料理、掃除、ガーデニング、手芸などの日常作業を通じて、手順を追う訓練を行います。

体で覚えた「手続き記憶」を活用することで自信を取り戻し、生活動作の維持を目指します。

③ 音楽療法

好きな歌を歌ったり、リズムに合わせて楽器を演奏したりすることで、脳の広範囲(感情・記憶・運動領域)を刺激します。

リラックス効果があり、BPSD(周辺症状)の緩和や嚥下機能の改善にも役立ちます。

④ エラーレス学習(無誤学習)と外的補助ツールの活用

  • エラーレス学習:間違えて覚えることを防ぐため、最初から正解を示して正しく記憶させる訓練法
  • 外的補助ツール(外部メモリ):記憶力そのものを元に戻すのが難しい場合、メモ帳、カレンダー、タイマー、スマホのアラーム、鍵や財布の「固定置き場」などを設定し、生活上の失敗を防ぐ訓練

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6. 記憶障害を予防・改善する日常の習慣

日々の生活習慣を見直すことで、脳の血流を保ち、記憶障害や認知症の発症リスクを下げる効果が期待できます。

  • 適度な有酸素運動(コグニサイズ):ウォーキングなどの有酸素運動に「しりとり」や「計算」を組み合わせた運動による、脳の血流増加と記憶を司る海馬の保護
  • 栄養バランスの良い食事:青魚に含まれる「DHA・EPA(オメガ3系脂肪酸)」、緑黄色野菜に含まれる抗酸化ビタミンや葉酸の積極的な摂取と、高血糖を防ぐための節酒・減塩・間食の制限
  • コミュニケーションと知的刺激:人と会話する、囲碁や将棋、読書、日記をつけるなど、指先や頭を使う趣味を持つことによる脳機能の低下予防

7. 「記憶障害かも?」と感じたときの相談先

物忘れや記憶の抜け落ちに違和感を覚えたら、一人で悩まず専門機関へ相談しましょう。

① 脳神経内科・物忘れ外来

身近な家族から物忘れを指摘されたり、出来事自体を忘れてしまう場合は、脳神経内科や「物忘れ外来」を受診し、MRI検査や認知機能テスト(MMSE等)を受けましょう。

② 心療内科・精神科

若い世代の方で、強いストレス、不眠、気分の落ち込み、集中力低下を伴う場合は、うつ病や適応障害による記憶力低下の可能性があるため心療内科・精神科が適しています。

③ 地域包括支援センター

高齢のご家族が受診を拒否する場合や、どこに相談していいか分からない場合は、各市区町村に設置されている「地域包括支援センター」へ相談してください。

保健師や社会福祉士が対応し、適切な医療機関や介護サービスへつないでくれます。

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8. まとめ

記憶障害に関する重要ポイントをおさらいします。

  • 記憶障害の定義:記憶の入力・保持・思い出しのプロセスに不具合が生じ、生活に支障が出る状態
  • 6つの種類:短期記憶、長期記憶、エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶、展望記憶障害が存在する
  • 物忘れとの違い:体験の一部ではなく「全体」を忘れ、忘れている自覚がないのが病的な記憶障害
  • 原因疾患:認知症、MCI、高次脳機能障害(脳卒中・外傷)、うつ病、若年層の脳疲労(スマホ脳)など
  • 対策と受診:有酸素運動やメモ等の外的ツールの活用、早期の脳神経内科や地域包括支援センターへの相談が重要

記憶障害は早期に発見し、適切な治療・リハビリ・生活習慣の改善を行うことで、進行を緩やかにし、自分らしい生活を守ることができます

不安を感じたら躊躇せず、医療機関や専門家に相談しましょう。

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